ラグビー日本代表は、アジアラグビーチャンピオンシップ2015の3戦目となる韓国代表戦に臨んだ。4月の同カードでは30失点と苦戦した相手だったが、今回は66―10と大勝。修正力の高さを示した。早大の副将であるWTB藤田慶和(スポ4=東福岡)は14番を着けてフル出場。同じ大学生WTBである福岡堅樹(筑波大)とともに、高校時代を過ごした福岡の地で勝利につながるプレーを見せた。
試合の入りを課題としていた日本代表。だがこの試合では、開始1分過ぎにキックパスを受けた福岡が走りきり幸先よく先制した。10分後に韓国代表にインターセプトを喫して同点に追いつかれたが、藤田が2度のラインブレイクでトライをアシスト。勝ち越しに成功する。その後は日本代表がミスの少ないアタックで3トライを連取。31-10と点差をつけて前半を終えた。
2日の香港戦で突破を試みる藤田。きょうの韓国戦でも仕事を果たした
迎えた後半。最初の得点こそ韓国代表に奪われるものの、試合の主導権は終始日本代表に。福岡の2トライを含む計5トライで35点を追加し、66-10で試合を終えた。藤田は得点こそ無かったもののボールを持てば必ずゲイン。アタックのよい歯車となった。
スコアを見れば56-30であった前回の韓国戦との差は明らか。課題であったミスと反則が減り、内容の伴った勝利だと言えるだろう。藤田も、インパクトこそ3トライを記録した福岡に劣るものの、攻撃面での貢献は十分だといえる。ディフェンス面においてより前で相手のアタックを止められれば、さらに首脳陣の評価も上がるはずだ。福岡とはライバル関係にあるが相乗効果で高め合うことを期待したい。その藤田は一度15人制日本代表を離れることになる。7人制日本代表に緊急招集されたからだ。戦う舞台はロンドン。15人制のラグビーワールドカップが開催されるラグビーの母国で一足先に大暴れするはずだ。
(記事 鈴木泰介、写真 高畑幸)