藤田がベスト8入りに貢献

ラグビー男子

 7人制ラグビー最高峰の大会であるワールドシリーズ。その第7戦となる東京セブンズ2015に藤田慶和副将(スポ4=東福岡)が出場した。ワールドシリーズ全大会に参加する権利を持つコアチーム残留のため、少しでも順位を上げたい日本代表は予選プールを1勝1敗1分けで4チーム中2位という結果に。藤田の活躍もあり、代表史上15年ぶりとなるベスト8を確定させた。

 プールDに入った日本代表の初戦の相手はアルゼンチン。過去2戦続けて惜敗している相手に対し、藤田のオフロードパスを受けた早大OB坂井克行(平23スポ卒=現豊田自動織機)が走りきって先制する。しかし前半間際に追いつかれ、後半は両チーム1本ずつのトライと譲らず14―14の引き分けに終わった。しかし次のサモア戦で日本代表は躍動する。藤田が難しいキックオフのボールをキャッチすると、チームメイトがブレイクを重ね先制。さらに後半には藤田のパスが2本のトライを演出する。特に最後の1本は得意のバックフリップを見事に決めた結果だった。最終的に26-12で日本が勝利する。最後は強豪フランスとの一戦。立て続けに2本のトライを奪われる苦しい展開も、自陣でパスを受けた藤田が相手ディフェンスを振り切り、独走してインゴールへ。前の試合で見つかった「パスを放った後のサポートが薄い」(藤田)という反省点を見事に修正し、反撃ののろしを上げた。結局追撃及ばず19-24の敗戦となったが、日本代表は予選プールDの2位となり、ベスト8に進出。5日の決勝トーナメントに駒を進めた。

ステップでディフェンスをかわす藤田

 今季ワールドシリーズで2勝29敗だった日本代表にとって、今回の結果は大きな成長を示したものとなる。「目標とするベスト8に入り、有言実行できた」と藤田も手応えを口にした。本人もその一翼を担ったと言えるだろう。だがフランス戦で「勝てるところで勝ちきれなかった」(藤田)と反省するように、まだまだ成長の余地がある。あすは決勝トーナメント。まずは初戦での対戦が決まったセブンズ王国フィジーを倒し、1つでも上の順位を目指したい。藤田と日本代表の快進撃はこれからだ。

(記事 鈴木泰介、写真 東哲也)

結果



△日本14-14アルゼンチン



○日本26-12サモア



●日本19-24フランス

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コメント

藤田慶和副将(スポ4=東福岡)

――ベスト8に入ったことについていかがですか

フランスに負けたことは悔しいのですが、自分たちの目標としていたベスト8を有言実行することができて、よかったです。

――トライしたときのプレーを振り返っていかがでしたか

アルゼンチン戦で瀬川智広ヘッドコーチに「パスを放った後のサポートが薄い」と指摘されたので、パスを放った後にフォローをして、オフロードパスをもらってトライをできたというのは個人的な成長というところですごくよかったのではないかと思います。

――きょうの試合のよかったところと悪かったところはどこですか

チーム一丸でまとまってできたということはよかったと思います。悪かったところとしては勝てるところで勝ちきれなかったというところと試合の入りが悪かったというところで、あしたは修正していきたいですし、まだまだ改善の余地はあると思います。

――サモア戦はいいゲームでしたが振り返っていかがですか

いいところでトライが取れたということもありますし、それ以上にワークレートが高かったということが相手を上回って勝ちにつながったと思います。

――これまでとの違いはどのようなところにありますか

オンフィールドでもオフフィールドでもチームとしてまとまることができたところだと思います。

――次戦の相手はフィジーですがいかがですか

世界一強いチームですが、時間はあるので体を休めて、フィジーの対策をして、いい準備をして試合に臨みたいと思います。