追撃振り切り明大Bに勝利、ジュニア選手権の雪辱を果たす!

ラグビー男子

 先日の慶大B戦に引き続き、関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)閉幕から2戦目の練習試合となる明大B戦が明大八幡山グラウンドにて行われた。序盤はお互いトライを取り合う展開。しかし4年生を中心に気迫溢れるプレーで明大Bに立ち向かう。すると流れは徐々に早大Bへ。後半に入っても研ぎ澄まされた集中力は途切れることなく試合を優位に進めていった。前後半を通じて一度もリードを許さず45-15で完勝。ジュニア選手権の雪辱を果たした。

 試合開始早々にスコアが動く。敵陣で得たゴール前ラインアウトのチャンス。FW近辺でのサインプレーが決まり、最後はフッカー貝塚隼一郎(政経3=埼玉・早大本庄)がグラウンディングし先制に成功した。すぐさま明大Bに追いつかれてしまうが、10分にはSH山岡篤樹(教3=東京・本郷)、SO久富悠介(文構3=福岡・小倉)からなるハーフ団のテンポの良い連続攻撃からCTB高橋吾郎(スポ1=福岡・修猷館)がディフェンス網の隙を突きトライ。12分に強力な相手FWに近場をこじ開けられてしまうも、その後試合は早大Bペースで進んでいく。一つ一つの接点で着実に前進を重ねていき、25分にNO・8山口和慶(スポ2=福岡)の突破に反応しパスを受けたロック千葉巧也(スポ4=宮城・仙台三)がインゴールに飛び込んだ。30分にも高橋吾が追加点を挙げ、前半を24-10で折り返す。

的確なゲームメークで勝利に貢献した久富

 後半に入っても流れを保ちたい早大B。前半の勢いをそのままに敵陣でプレーし続けるも、なかなか得点まで結びつかない。すると22分、連続でペナルティーを犯し一気に自陣まで攻め込まれてしまう。プレッシャーを受けながらのディフェンスが続いた早大Bはゴール前でまたしても反則。明大Bの素早いリスタートからパスをつながれトライを許す。しかし何度点差を詰められても主導権は渡さない。30分、途中出場のWTB門田成朗(法3=埼玉・早大本庄)が得意のステップで相手ディフェンスの間を抜けインゴールを陥れた。35分、ロスタイムにも得点を重ね、45-15でノーサイド。チーム一丸となってつかんだ勝利となった。

門田は2トライをマークし、決定力を見せつけた

 ひた向きに走り続け、声が枯れるまで声を出し続けた早大B。退くことなく前に出続けるラグビーをみせたこの試合は、きっとAチームを奮起させるものになったはずだ。しかしBチームの選手たちが望むものはAチームの勝利だけではない。「(赤黒を)着るまで諦められない」(フランカー池田良ゲームキャプテン、法4=東京・早大学院)。諦められない夢がある限り、男たちの戦いは終わらない。

(記事 進藤翔太、写真 加藤千暁、山口智子)

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Bチーム初出場ながら存在感を見せた高橋吾

 まだ1年生にも関わらずスタメンに選出され得点を奪う活躍を見せたのはこの男、CTB高橋吾郎(スポ1=福岡・修猷館)だ。いままではC、Dチームで戦っていた高橋吾は今試合がBチームとして出る初めての試合であったが積極的に攻守に参加。2つのトライやゴールキックでスコアを重ねチームの勝利に大きく貢献する。また、ディフェンス面でも鋭いタックルで敵の侵攻を阻み存在感を示した。首脳陣に自身のプレーをアピールすることに成功した高橋吾だったが、「おごらずに日々の練習から頑張って上を目指していきたい」と、あくまで謙虚でストイックな姿勢は崩さない。今後更なる飛躍を遂げるであろうこのルーキーに期待は高まるばかりだ。

練習試合
早大B スコア 明大B
前半 後半 得点 前半 後半
24 21 10
45 合計 15
【得点】▽トライ 貝塚、千葉巧、高橋吾2、門田2、滝沢 ▽ゴール 鈴木亮(2G)、高橋吾(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
佐田 涼祐 社2 東京・早実
貝塚 隼一郎 政経3 埼玉・早大本庄
庄村 光史 スポ4 大阪・早稲田摂陵
千葉 巧也 スポ4 宮城・仙台三
河野 秀明 創理3 東京・早実
◎池田 良 法4 東京・早大学院
中尾 康太郎 スポ4 福岡
  後半7分交代→18田丸    
山口 和慶 スポ2 福岡
  前半35分交代→19小谷田    
山岡 篤樹 教3 東京・本郷
  後半0分交代→20杉本頼    
10 久富 悠介 文構3 福岡・小倉
11 鈴木 亮 教3 神奈川・桐蔭学園
  後半0分交代→21山本    
12 高橋 吾郎 スポ1 福岡・修猷館
13 盛田 志 スポ3 広島・尾道
  後半16分交代→22勝浦    
14 千年原 旭 法4 東京・早大学院
  後半0分交代→23門田    
15 黒木 健人 教1 宮崎・高鍋
  後半0分交代→24滝沢    
リザーブ
16 周藤 直也 社2 東京・早実
17 石毛 隼人 教3 東京・早実
18 田丸 暖 法3 埼玉・早大本庄
19 小谷田 祐紀 文構4 東京・早実
20 杉本 頼亮 スポ1 京都・桂
21 山本 龍平 商4 東京・都武蔵
22 勝浦 秋 スポ2 愛知・千種
23 門田 成朗 法3 埼玉・早大本庄
24 滝沢 祐樹 基理3 福島
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
コメント

フランカー池田良ゲームキャプテン(法4=東京・早大学院)

――どのような気持ちで試合に臨みましたか

これまでのBチームというのは自分たちだけにフォーカスを合わせていた部分がありました。ですが、いまの僕たちはAチームが勝たないとチャンスもないですし、Bチームだけじゃなくてもっとラグビー部全体として気になったこと、例えばアップから声を出していくことなどを言い合うことで試合の入りもよくなって、80分間いい流れでいけたのだと思います。

――試合を振り返ってみていかがでしたか

本当によかったです。八幡山では一年生の時から勝った経験がないのかなって思うほどなのですが、完勝で終われて素直によかったです。

――この試合ではFW陣のディフェンスがとても良かった印象を受けました

毎回、明大と試合をするときにはFW戦がカギになってくると思っているので、ディフェンスで絶対に前に出よう、接点のところで絶対に勝って終わろうとFWに言い続けていいました。それに関してはすごく良くできたのではないかなと思います。

――4年生として、残り短い期間となっていますがこれからどのように過ごしていきたいですか

ここが僕のラグビー人生の終わりでもありますし、僕はまだ一回も赤黒を着たことがなく、それを着るまで諦められないので、そこに向けて全てがチャンスだと思ってやり続けます。もう本当にただやるだけです。

プロップ庄村光史(スポ4=大阪・早稲田摂陵)

――試合の振り返りをお願いします

前半からスクラムでかなり明大Bのプレッシャーを受けてしまって、ボールは出たのですが、そこで押されてしまったのが自分にとっては課題かなと思います。

――大きい明大BのFW相手にスクラムで粘れていた印象がありましたが実感としては違ったのでしょうか

スクラムで押されるということは相手プロップに一対一で負けているということなので、3番としてのプライドというか、僕の仕事だと思っているので、それが遂行できなかったことは短い時間ですけれども、克服しなくてはいけない点だと思います。

――雰囲気良くやれていたと思いますが4年生としてどうチームに関わりましたか

この一週間、ずっと良い雰囲気でやれていました。明大Bとの試合で今季最後になってしまいますし、一年生の時の新人早明戦でもギリギリの惜しいところで負けていたので、この試合で全てを、全員で返していこうという気持ちでやりました。4年生が引っ張っていくから、絶対に勝ちにいこうということを皆で言って、それで雰囲気が良くなったと思います。

――ペナルティーから攻められる場面もありましたがその点についてはいかがですか

ペナルティーは、ずっとディシプリンといって規律を守ろうということをずっと言っていて、そこができなかったというのは惜しいなと。起こる時は起こるのですが、無くさなくてはいけないところはこれからもっと無くしていかないといけないと思います。

――残りわずかですが今後に向けて意識してやっていきたいことを教えてください

最後の最後まで上のチームを目指してプレーすることが、上のチームも良くなるし、下のチームにとっても良い雰囲気でできるということなのかなと思っています。

ロック河野秀明(創理3=東京・早実)

――試合を振り返っていかがでしたか

ディフェンスがすごくよかったという印象ですね。

――どのような意気込みで臨みましたか

(関東大学)ジュニア選手権でも負けていますし、4年生にとっては最後の試合になるかもしれないので、絶対勝とうということを話してから試合に入りました。

――ディフェンス面で意識していたことはありますか

ノーペナルティーを意識しようということだったのですが、僕もたくさんペナルティーをしてしまいましたし、そこは徹底できていなかった部分なので、もし次また試合があれば修正していきたいと思います。

――オフェンス面を振り返っていかがですか

継続して攻められればトライできましたし、みんな走ることができていました。後半は門田(WTB門田成朗、法3=埼玉・早大本庄)が取ってくれたのでとてもよかったです。

――良かった点はありますか

さっきも言ったのですがディフェンス面と、前半の入りがすごくよくて、試合開始2分ぐらいでトライを取れたのであれで勢い付いたのかなと思います。Bチームはいつも入りがよくなかったので、あのプレーで勢い付けられたのはよかったと思います。

――課題は見つかりましたか

自分としては、基本のスキルが全然足りていないので、一からやっていかなければいけないです。

――今シーズンを振り返っていかがでしょうか

いつもBチームで出場していて、試合の入りが悪くて、勝てる試合も勝てなかったのが多かったのですが、きょうは勝てたのですごくうれしいですね。

SO久富悠介(文構3=福岡・小倉)

――この試合を振り返っていかがですか

全員で勝ちにこだわるということがチームの目標だったので、メイジ相手に八幡山で勝てたということは大きいことだと思います。

――チームの雰囲気が非常によく見えました

そうですね。Aチームが勝たなければ僕たちがAチームでプレーすることもできません。そのなかで、練習からAチームに本気で向かっていくという気持ちでBチームが一つになれていました。

――チームではどのようなゲームメークを心がけていましたか

FWが劣勢になるかもしれなかったので、BKがディフェンスもアタックも前にいこうとフォーカスしていて、うまくできました。

――では、ディフェンスで思い切り前に出ていたのも狙い通りだったのですね

はい、FWがしっかり内側をセットしてくれたので、僕も内側を気にせずに相手のSOにプレッシャーをかけることができました。

――久富選手も出足の鋭いディフェンスが目立ちましたが、自身ではどう評価していますか

前に出ることはできたのですが、細かいタックルスキルでもう少し改善できるところがあったので、スキルアップしていきたいと思います。

――これまでCTBでの出場が多いなかでこの試合はSOを務めましたが、いつもと違いはありましたか

CTBをできるプレーヤーが3人いることになったので、アタックもディフェンスも前に仕掛けていこうと意識していました。

――SOということでキックを使う場面もありましたが、キックの手応えはいかがですか

風を計算しきれていなくて、ダイレクトタッチなどあまりよくないキックがあったので、もっとスキルアップしていきたいと思います。

――今シーズンも残り時間が少なくなってきましたが、どのように過ごしていきたいですか

一日一日を大切にして、Aチームとして試合に出るということを最後まで諦めずにいきたいと思います。

CTB高橋吾郎(スポ1=福岡・修猷館)

――この試合を振り返っていかがですか

今シーズンBチームはメイジに勝てていなかったので、とりあえず勝利という結果がついてきてうれしいですね。

――初のBチームでの出場でしたね

Aチームと練習しているので、(明大Bより)Aチームの方が強いと思いますし、普段通りの練習のつもりで臨もうと思ってやりました。

――何を意識してこの試合はプレーしたか教えてください

アタックでは自分がボール持ったらしっかりゲイン切ることと、深くためてBKで攻められるようにラインを作ることです。ディフェンスでは一対一で負けずにタックルに強く入ることを意識しました。

――前半はスコアが目まぐるしく動く展開となりましたが振り返っていかがですか

取っては取られての繰り返しであまり良くなかったと思うのですが、前半途中くらいからしっかり落ち着いてこっちが連取できて波に乗れたのかなと思います。

――後半はスコアが停滞しましたがその点についてはいかがでしょうか

後半の最初取りきれず、逆に取られてしまい苦しい時間帯が続いていました。それでも連続で取られないように切り替えて、自分たちがトライを取り、そこから流れに乗れて良かったかなと思います。

――この試合でアピールできましたか

できたと思いますが、まだまだなのでおごらずに 日々の練習から頑張って上を目指していきたいです。

――ゲームとしては快勝でしたね

先制も中押しもダメ押しもできましたが、後半の最初に取り切れなかったことがまだまだだと思いますし、そこはしっかり修正しないと強い相手には勝てないと思います。チャンスでは取り切るということを意識していきたいなと思います。

――残り少ない今期のプレー日数でどのようなプレーをしていきたいですか

少ないですけれどまだ部内戦などが残っているので、そこでこの試合以上に自分がボールを持ったらもっとゲインしていくようなプレーをしていきたいですね。

CTB勝浦秋(スポ2=愛知・千種)

――ケガからの復帰戦となりましたが、感触はいかがでしたか

全体的にあまり良くなかったです。

――この試合での自分のパフォーマンスを振り返っていかがでしたが

やはりランでインやアウトに切れなくなっているなと感じました。ケガをしていないときは切れたと思うところがありました。

――具体的に良かった点と課題は何ですか

できたかなという点では、ボールを持って相手につかまれてから足をかいて前に出られたかなという点です。タックルされたらすぐに倒れてしまうのではなく、タックルされてもそこから前に進めた場面はありました。悪かった点はさっきも言った通りですが、ボールをもらうときにランで切れていなかったなというところで、ちゃんと足で踏めていなかったなと思いました。

――今後に向けた意気込みをお願いします

やはりAチームに戻らなければいけないとすごく思うので、諦めないで頑張りたいと思います。

WTB門田成朗(法3=埼玉・早大本庄)

――Bチームの試合は今季ラストとなりましたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

八幡山での明大Bとの試合ということで、悔しい記憶があったので、とにかく勝つという感じでした。

――勝利を飾った試合を振り返っていかがですか

今回はFWで勝てたので、BKとしては本当に楽でした。FWが前に出てくれていたので、ディフェンスのときはやりやすかったですし、僕らに回ってきたときは前に出やすかったです。

――チームの雰囲気がとても良いように感じました

フランカー池田良ゲームキャプテン(法4=東京・早大学院)をはじめとした4年生が引っ張ってくれて良い雰囲気でやれました。

――この試合で事実上引退となる4年生もいたと思いますが、特別な思いはありましたか

そうですね。クリスマスですし、(勝利をプレゼントできて)よかったです。

――2トライを決めたご自身のプレーを振り返っていかがですか

あんまりボールをもらう機会はなかったのですが、いい感じに自分の欲しいときにもらえて、(相手ディフェンスの)寄りとかがすごく見えていました。自分としては、僕は右のステップが得意なのですが、外国の選手で左のステップがすごい人がいるので、その人をイメージしてやろうと思っていました。結果的に左のステップでトライをとれたのでよかったです。

――今チームも残りわずかですが、チーム状況はいかがですか

早明戦で一度すごく良い雰囲気に上がって、そのあと2試合はあまり良くなかったのですけれども、練習の雰囲気も悪くないですし、4年生も諦めていないので、いい感じだと思います。

――これからどういった部分を強化していきたいですか

体重を増やして強い選手になって、帝京大のマルジーン・イラウア選手とかにも向かっていけるような選手になりたいです。