同大に苦戦し薄氷の勝利

ラグビー男子

 全国大学選手権最多出場校同士の争いとなった同大との一戦。早大はケガでCTB小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)を欠く布陣で臨んだ。序盤はペースをつかみ、巧みな連係からLO大峯功三主将(スポ4=福岡・東筑)がインゴールに飛び込み先制。しかし後半には逆転トライを決められるなど苦しい展開が続く。リードを奪っても課題のペナルティーから付け込まれ、終了間際には1点差に追い付かれる失トライ。相手がゴールキックを外し、救われるかたちで何とか勝ち点を手にした。

 立ち上がりから敵陣で攻撃を続けた早大。5分、SH岡田一平(スポ3=大阪・常翔学園)がパスフェイントで相手を揺さぶり大峯につなぐと、ディフェンスを引きずりゴール中央へ。幸先良く先制に成功した。しかしその後は反則が増え始め流れが悪くなり、迎えた19分。今季保持率100パーセントを誇ったマイボールスクラムをターンオーバーされる。そこから失点を喫し同点に追い付かれた。それでも29分にSO横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がゴール正面のハーフライン付近から果敢にショットを選択。低い弾道で見事決め、3点を勝ち越し試合を折り返す。

先制トライの大峯

 後半は一転して防戦一方となる。同大の早大対策を前に為す術がない。突破を許さぬ組織的な守備、若いBK陣を狙ったアタックが早大の判断力を狂わせた。そして10分にはクイックスタートから隙を突かれ逆転を許してしまう。フランカー布巻峻介副将(スポ4=東福岡)を投入し流れを変えたいところだったが、観客も同大に大きな声援を送り聖地・花園は完全アウェイ。だが20分にハーフライン際でWTB荻野岳志(先理4=神奈川・柏陽)がこぼれ球を拾うと、一人で約50メートルを駆け抜け再びリードを奪った。その後横山がPGを決め18-12と6点差に。これでも風は早大に向かない。38分、最後の最後に粘り切れず、ついに1点差に迫られた。「次のプレーのことを考えていた」(布巻)と誰もが諦めることはなく、直後のゴールキックで猛プレッシャーを掛ける。そして相手が蹴ったボールは右に逸れ、勝利がこぼれ込んだ。

荻野が走り切り、早大はリードを広げた

 「もっとシンプルに」(後藤禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)。前方に押し上げるキックが少なかった早大。欠場の小倉に代わりゲームリーダーを務めた横山を、周囲がサポートできなかったことも試合を難しくした大きな要因だ。次戦は関東大学リーグ戦2位の東海大と激突する。過去2年対戦がなく、現在プールD1位の強敵だ。セカンドステージ突破には勝利が絶対条件となるが、復帰が予想される小倉を中心にもう一度我慢強い早大へ。この1週間での修正が求められる。

(記事 佐藤祐樹、写真 目黒広菜、山口智子)

全国大学選手権
早大 スコア 同大
前半 後半 得点 前半 後半
10 10
18 合計 17
【得点】▽トライ 大峯、荻野 ▽ゴール 横山(1G、2PG)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
高橋 俊太郎 社4 東京・早実
清水 新也 スポ4 宮城・仙台育英
佐藤 勇人 スポ4 秋田中央
  後半30分交代→18千葉太    
◎大峯 功三 スポ4 福岡・東筑
桑野 詠真 スポ2 福岡・筑紫
吉田 有輝 人4 大分舞鶴
  後半12分交代→19布巻    
加藤 広人 スポ1 秋田工
佐藤 穣司 スポ3 山梨・日川
岡田 一平 スポ3 大阪・常翔学園
  後半12分交代→21平野    
10 横山 陽介 スポ1 神奈川・桐蔭学園
11 深津 健吾 スポ4 東京・国学院久我山
  後半36分交代→23本田    
12 鶴川 達彦 文構1 神奈川・桐蔭学園中教校
13 飯野 恭史 商4 東京・早実
14 荻野 岳志 先理4 神奈川・柏陽
15 藤田 慶和 スポ3 東福岡
リザーブ
16 光川 広之 スポ4 神奈川・公文国際学園
17 菅野 卓磨 教4 東京・早実
18 千葉 太一 教2 東京・早実
19 仲元寺 宏行 社3 広島・尾道
20 布巻 峻介 スポ4 東福岡
21 平野 航輝 スポ4 長崎南山
22 浅見 晋吾 スポ3 神奈川・桐蔭学園
23 本田 宗詩 スポ2 福岡
※◎は主将、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
全国大学選手権セカンドステージ プールD星取表(12月21日現在)
  早大 東海大 同大 立命大 総勝ち点 得失点差
早大 12/27 11:40
秩父宮
○18-17
勝ち点 5
○39-15
勝ち点 6
13

25
東海大 12/27 11:40
秩父宮
○40-3
勝ち点 6
○52-18
勝ち点 6
14 71
同大 ●17-18
勝ち点 1
●3-40
勝ち点 0

12/27 14:00
瑞穂
-38
立命大 ●15-39
勝ち点 0
●18-52
勝ち点 0
12/27 14:00
瑞穂
-58
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、瑞穂は名古屋市瑞穂公園ラグビー場
※順位決定は勝ち点制で、勝ち=5点、引き分け=2点、敗戦=0点、7点差以内の敗戦=1点、勝敗に関係なく4トライ以上を獲得したチーム=1点の勝ち点がつく。また、各所属リーグでの最終順位により、早大(関東大学対抗戦A 2位)に2点、東海大(関東大学リーグ戦1部 2位)に2点、同大(関西大学Aリーグ 3位)に1点のアドバンテージポイントが加算される。
コメント

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――試合の振り返りをお願いします

先週の予選1試合目の内容がいま一つで、このチームは能力的に高い選手がそろっているのではないということも確認して、もう一度試合の入りの部分で流れをつかんでいこうと話していました。入り自体は悪くなかったと思いますが、若干セットプレーが不安定だったのと、相変わらずペナルティーが多かったです。反面、もう少しシンプルに敵陣に行って攻撃するというプランがなぜか遂行できない。ここも大きな課題の一つです。逆転されたところでようやくFWに火が付いて激しいプレーができたのが不幸中の幸いです。

――良い入りから悪い後半になってしまった大きな要因は何でしょうか

マイボールのセットプレーがラインアウトだけでなく、スクラムまで不安定だったところです。それとやっぱりもっと楽に敵陣に行っていれば、シンプルに行っていればというところを、相手がその局面にかけてきているところに自分たちから飛び込んでいってしまっているような感じでした。そうこうしている内に失点して、あたふたしていました。継続してやれれば良かったですけど、パスではなくてキックでできていればという場面はありましたね。

ロック大峯功三主将(スポ4=福岡・東筑)

――率直に試合の感想を聞かせてください

後半のぺナルティーの多さがこういう展開にしてしまったと思うので、規律の部分をしっかりしていかないと次の試合は絶対に負けると思います。このチーム自体の精度を高めるために良い1週間を過ごしたいと思います。セットプレーのところなどでもう一度シンプルにやっていこうと掲げて後半に臨んだんですけど、そこで代わってきた選手が入ってきたときにペナルティーで流れが悪くなったと思います。本当だったらラスト20分間から自分たちの流れがくると思って、トライを取りに行こうという感じでした。そこからペナルティーが増えたので、こういう点差の試合にならないようにしていきたいです

――ペナルティーが増えてしまった要因はどこにありますか

同大のプレッシャーももちろんありましたが、僕を通してれレフェリーと話せていたらここまでペナルティーは増えていなかったと思います。

――シンプルにできなかった要因は何でしょうか

ペナルティーに尽きますね。僕自身やっていて、同大のアタックは怖くないと感じていました。ペナルティーのところでゲインを切られて、あのような展開になっているので無くしていきたいです。

――ディフェンス側のペナルティーが多いようにも見受けられましたがそこについてはいかがですか

あまり欲張らずにそろって前に出て、次のフェーズでボールを取れれば良かったんですけど、すぐ修正できると思います。これを引きずるというよりは良い経験としていきたいと思います。

――今季始めてマイボールスクラムをターンオーバーされてしまいましたが振り返ってみていかがでしょうか

あれに関してはフッキングの部分で合わないところがありました。安定しなかった要因はあるんですけど、フロントのところですね。

――早大としてはどのようなアタックプランを持っていましたか

もう少しうまく攻めれたと思います。横山(SO横山陽介、スポ1=神奈川・桐蔭学園)にとってもいい経験になったと思います。もっと空いているスペースにボールを振ることができれば、タテのプレーもヨコのプレーも生きてくると思うので、そこは横山中心にやってくれると思います。

――小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の不在の影響はありましたでしょうか

頼っている部分があると思うので、一人一人自立して次に臨んでほしいです。

――次の東海大は体が強いチームでありますがどのようにして戦っていくべきでしょうか

やることは変わらず、一個一個積み重ねればチャンスは生まれてくると思うので、しっかりボールを運ぶこと。この試合でできなかったシンプルな試合運びをやっていきたいと思います。

フッカー清水新也(スポ4=宮城・仙台育英)

――1点差での辛勝。この結果をどのように受け止められていますか

全国大学選手権は勝敗が一番大事なので、とりあえず勝って良かったと思っています。

――ご自身のプレーに関してはいかがでしたか

先週から言っている最初のところで、僕が始まってすぐにペナルティーをしてしまったので、規律の部分で僕自信がもったいないことをしてしまったなという感じです。

――チームとしてもペナルティーが多く、微妙な判定の基準に戸惑っているような場面もありました。試合の中で感じられたことはありましたか

そうですね…。試合を裁いているのは1試合を通してそのレフリーなので。自分ではオッケーだと思っていても、判定の基準にはしっかり合わせるというか、規律を持ってしっかりプレーしないと、この試合みたいになってしまうと思います。

――この1週間はどのようなテーマで準備をやってこられたのでしょうか

立命大戦でサポートが多かったり、おごったプレーが全体的に多かったので自分たちのスタイルにもう一回立ち返ろうということでやっていました。

――同大の監督は、早大の1年生を狙う、FB藤田慶和(スポ3=東福岡)に仕事をさせないなど、対早大の戦略を用意してきたと話していました。試合の中でやりづらいと感じる場面はありましたか

正直BKのことはよく分からないのですが、横山とか狙われているので、僕たちがしっかりアタックのセットをしっかりしてやれば良かったのですね。前半できていなかったので、もっと助けることができたのかなと思っています。

――東海大戦に向けての意気込みをお願いします

とにかく勝たないともう終わりなので、ファーストプレーを大事にして、スクラムも同大より強いですししっかり対策して、あとはペナルティーを少なく。しっかり準備していきます。

フランカー布巻峻介(スポ4=東福岡)

――試合を振り返って感想をお願いします

個人的に内容が悪かったのでそこが印象に残っています。

――ベンチで見ていて、試合の入りはどのように見えましたか

いつもより良かったと思います。途中は我慢できない時間帯があって、そういうところが課題だと思います。

――課題とは具体的に何でしょうか

反則をしてしまったり、アタックを攻め切るところでできなかったりしたところです。

――久々の出場となりましたがどのような気持ちでしたか

いつも通りやってやろうという気持ちでした。

――布巻選手投入後、FWに勢いが増した印象を持ちましたがいかがですか

それはみんなに聞いてみないと分からないです。僕のミスが多かったので、あまりできなかったことの方が印象に強いです。

――チームとしては何が一番悪かったのでしょうか

やはりペナルティーではないでしょうか。思ったよりも同大のプレッシャーが強かったです。

――ペナルティーを減らすために必要なことは何ですか

我慢しかないと思います。取れそうなボールに行くのか行かないのか。それは個人個人であったり、声を掛け合ったりが必要だと思います。

――79分に粘り切れずトライを奪われてしまいましたが、振り返っていかがですか

あそこは足も止まってしまい、相手の気迫もあったと思います。

――ゴールキックの前にはどのような気持ちでしたか

次どうしようかなと考えていました。

――東海大戦に向けて意気込みをお願いします

ペナルティーはありましたが、それを理由にプレーを緩めることはできません。なおかつ冷静にプレーできたら良いと思います。

プロップ佐藤勇人(スポ4=秋田中央)

――試合を振り返っていかがでしたか

後半、自分たちのペナルティーなどで自陣でプレーすることが多かったのですが、そこは次の試合までに克服したければいけない課題かなと思いました。

――前半はリードすることができましたが、振り返っていかがでしたか

前半も攻めていたら敵陣でプレーできていたのですが、後手に回ってしまったら自陣でプレーすることになってしまっていたので、どんどん敵陣でプレーすることを意識したかったな、と思います。

――ハーフタイムはどのようなことをお話されましたか

最初スクラムで崩されてしまった場面があったので、そのスクラムのことなど主にセットプレーを安定させていこうと話し合いました。

――後半は攻められる展開が多かったですが、原因はどこにあると思いますか

厳しい場面で自分たちの自律というか、ペナルティーを犯してしまったのが原因かなと思います。

――マイボールスクラムを取られてしまいましたが、スクラムを組んだ印象はいかがでしたか

スクラムを組めば対抗できるかなと思っていたのですが、相手の1番と3番がどっちも強かったので、ちょっと受けてしまったなというイメージです。

――ペナルティー以外にこの試合で課題は見つかりましたか

集散の部分ですとか、一人一人のタックルのスキルですね。

――チームの雰囲気はいかがでしょうか

練習は良い雰囲気でできていたのですが、試合でミスをすると落ち込んでしまうことがあって、そこは4年生が声を掛けて、良い雰囲気をつくっていかなきゃなと思います。

――次の東海大戦に向けて意気込みをお願いします

相手もFWが主体のチームだと思うので、受けることなくこちらもFWでどんどん前に出て、勝つだけですね。

NO・8佐藤穣司(スポ3=山梨・日川)

――同大相手に苦戦しましたが、一番の要因はどのようなところにあると思いますか

ペナルティーの多さですね。

――主な原因を教えてください

レフリーとの兼ね合いであったり、僕もあったのですが、ラックで前に越えればいいところで手を出してしまったり、そういう判断や集中力などの部分かなと思います。

――布巻選手と小倉選手)というチームの核が抜けたことも影響しましたか

それもあったかもしれませんが、そういう状況が訪れることはあると思うので、他の選手が修正したり判断したりしないと勝てないです。そこはみんなでやっていきたいです。

――点差をつけられないなかで、焦りなどありましたか

特に焦っている様子はなかったです。切り替えてFWからいこうと話せていたので、そこは進歩したところかなと思います。

――アタックでは仕留め切れていないように見えましたが振り返っていかがですか

自分たちのアタックで意思統一できていなかったのかなと思います。

――ディフェンスも粘りきれず3トライ許してしまいました

この一週間で変えないと、次負けたら終わりなので、この一週間かけていきます。

――ゴールを決められたら逆転される場面で、チームで話したことはありますか

ワセダはディフェンスからだといことをずっと話していたので、強くディフェンスにいこうと話していました。

――相手がキックを蹴る時の心境はいかがでしたか

その次に向けた話をできていたので、大丈夫でした。

――自身のパフォーマンスについての評価を聞かせてください

僕個人としては、トライにつなげられてしまうペナルティーを犯してしまったので、もう一度私生活から見直していきたいと思います。

――次の東海大戦での修正ポイントを教えてください

単純にペナルティーの多さとゲームメークです。

SO横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――アタックの組み立てがうまくいっていないようでしたがゲームメークに関してはいかがでしたか

僕がたぶん仕切れていなくて、そこをもっと自分がうまくゲームコントロールしていかなくてはいけないと思います。

――ここ2試合あまりアタックで前に出られていない点についてどうお考えですか

外のランナーがマークされていると思うので、そこをうまくCTBとかFWでゲイン切っていければなと思います。

――競った原因は何でしょう

僕のゲームロールかなと。もっと良いジャッジができたと思うし、そこでもっと僕が仕掛けていったりゲームを変えたり。後藤さんにも言われたのですがもっとシンプルにラグビーをやれば良かったと感じます。

――ペナルティーの多さについてはいかがですか

そこはレフリーとコミュニケーションを取って個人個人がやっていけばいいと思うので、次はまたそれをしないようにすれば良いと思います。分からないことがあったら聞けばいいので。

――ご自身のキックについて出来はいかがでしたか

PGは当たったのですが、ロングキックが当たっていなかったのでそこを修正したいと思います。ここのグラウンドの風が変なこともあって、変に風を考えすぎてズレてしまったので、修正して思い切りやれたらいいと思います。次は秩父宮で少しは慣れているので、自信持って蹴っていければいいと思います。

――東海大戦までに修正すべき点はどこですか

アタックのフェーズが重なったところでどうするかというのが、次は順平さんも帰ってくるので二人で考えて話し合えれば良いなと思います。

WTB深津健吾(スポ4=東京・国学院久我山)

――タイトなゲームとなりましたが、いまのお気持ちを教えてください

勝って良かった、ただそれだけですね。

――試合内容を振り返っていかがですか

先週の立命大戦と一緒になってしまうのですがペナルティーが多かったです。前半の最初は敵陣でプレーできて良い流れに持っていけると思ったのですが、あれだけペナルティーをしてしまうと自分たちがやりたいこともできなくなってしまって、ディフェンスもうまくいかなくなったりしてしまうので、ノーペナルティーは徹底してやっていくべきだと思いました。

――なぜペナルティーが多くなってしまったのか、具体的な要因はありますか

レフェリングに合っていなかったという部分も多少あるとは思いますが、しっかり規律高くラグビーをできていないのがいまの実力なので、練習からそういう細かいところにこだわってやっていかなければいけないと思います。

――この点差は予想外でしたか

大学選手権(全国大学選手権)ですし、大差で勝てるとは思っていませんでした。ですが想定していたとはいえ、タイト過ぎるゲームになってしまったのは自分たちのミスから失点してしまった部分も大きいと思います。

――3点差で前半を終えてハーフタイムではどのようなことを話し合われましたか

FWのセットプレーのところでのボール確保とキックをもっと効率的に使っても良いのではないかという話をしました。

――後半に入って最初の失トライシーンを振り返っていかがですか

自分の1つ内側にいたのが飯野(CTB飯野恭史、商4=東京・早実)だったのですが、ディフェンスの人数が足りていなくてその前からやばいという感じで、そのままやられてしまいました。

――同大のアタックにうまく対応できなかったのでしょうか

ワセダのディフェンスの精度が低くて、しっかり状況判断をしてこっちにディフェンスが足りていないということを思う人が少なかったので人数が足りなくなってしまいました。タックルで受けてしまったということもありますが、そういう状況判断も含めたディフェンスの質が足りなくて失点につながったのかなと思います。

――ワセダのアタックの時間が全体的に少なかったように感じましたがいかがですか

マイボールキープがしっかりできていないということがありました。ペナルティーが多くてミスで終わってしまったので継続したアタックができなかったと思います。本当はそこでもっと継続してやっていければ良い展開になったとは思っています。相手ボールになった回数が多いのと、それを自分たちのボールにするためのターンオーバーが少なかったです。いつもは布巻のところでターンオーバーできていてもそこでペナライズされてしまっていました。そこでペナルティーをしないでマイボールになって一気に藤田(FB藤田慶和、スポ3=東福岡)とかを使ってアタックに行けて、トライにつながったら僕たちのかたちができたと思っているのですが、それが少なかったです。

――では小倉選手が抜けた影響はありましたか

精神的にもやばいだろうとはみんな思っていたでしょうし、僕も思っていました。1年生にかかる負担も大きくなってしまいますし、鶴川(CTB鶴川達彦、文構1=神奈川・桐蔭学園中教校)だと順平ほど横山をリードできないです。順平が抜けた影響も無きにしもあらずですね。

――前回、ブレイクダウンのサポートが遅かったとおっしゃっていましたが、きょうはいかがでしたか

マイボール継続ができないというのはそこもまだまだ改善されていないのかなとは思います。

――次戦までに修正したい点を教えてください

FWがもう少し逆転された後の集中を切らさないことと、最初から80分フルスロットルでやれたらもっと楽なゲームになると思います。FWにもう少し頑張ってというのもあれなんですが、頑張ってほしいです。

――意気込みをお願いします

もう本当に次負けたら終わりですし、やれても3試合なので、ワセダでできる試合を1試合1試合かみしめて、勝って、少しでも長くみんなとラグビーができるように頑張ります。

CTB鶴川達彦(文構1=神奈川・桐蔭学園中教校)

――初スタメンでしたが、戦い終えたいまの心境を聞かせてください

今週の途中にスタメンが決まったのですが、かなり大事な試合だったので緊張しました。

――試合後の会見で、同大はSOと鶴川選手を狙っていたという話が出ましたが、狙われている実感はありましたか

はい、ありましたね。

――うまく対処できたと思いますか

修正できなかった部分もあったので、次はしったり修正したいです。

――自身のアタックについてはどう思いますか

ボールを持つ機会が少なかったので、次回からはボールをもっと触りたいです。あと、真っ直ぐ当たるのではなく、スペースに走り込むことを意識したいです。

――チームとしてアタックはかみ合っていませんでしたが、フィールドではどう感じましたか

同大のディフェンスがすごく良かったです。外にボールを回しすぎて練習通りのプレーができませんでした。

――ペナルティーも多発しましたが、レフリングと合わないこともあったのですか

レフリングの差はよく分からないのですが、ペナルティーが多すぎてピンチを招いてしまいました。

――東海大戦に向けて意気込みを聞かせてください

この試合でできなかったことを修正して、もっとボールを触れるように、積極的にいきます。

CTB飯野恭史(商4=東京・早実)

――ぎりぎりでの勝利でしたが、試合を終えたいまの感想はいかがですか

本当に負けてもおかしくない試合だったので、勝てて良かったということと、このままでは次の試合で負けてしまうと思うので、いち早く修正をする必要があるなと感じています。

――試合内容についてはいかがですか

個人うんぬんの前に、チームとして試合運びが全然うまくいっていなくて、結果的にペナルティーも重ねてしまってああいった結果になってしまいました。順平がいなかったですがまずは試合運び、それからペナルティーを減らすことが必要だと思います。

――やはりペナルティーが多かったという感じでしたか

途中からあれだけ重ねられると何もできなくなってしまうので、そこでどれだけ我慢をしてプレーできるのかということが大事だと思います。

――ディフェンスを抜かれる場面もありましたがいかがですか

どちらかというとディフェンスのチームだと思うので、ああいったミスをなくしていかなければいけないと思います。

――前の試合では内容はあまりよくないと言われていましたが、比べてみて今試合はいかがでしたか

相手の強さも違いますし、メンバーも少し変わったところもありますが、前回と同じで試合運びという部分が修正できていなかったので、そこが課題だと思います。

――小倉選手の存在は大きいのですか

いままでゲームリーダーとして順平がやっていた部分を、横山がゲームリーダーでやって、横山だけではなく4年の僕とか岳志(WTB荻野岳志、先理4=神奈川・柏陽)とか上級生がしっかりとサポートしていかないと、こういった結果になってしまうと思いました。

――飯野選手個人としては、良いところも多くあったように見えたのですが、いかがですか

80分を通して、常にああいったパフォーマンスをしなければいけないと思いますし、僕のせいでピンチになったところもあったので、そういったことを一つ一つなくしていく必要があると思います。

――見つかった課題はありますか

チームとしては試合運びと我慢することは大事だと思っていて、個人としてはディフェンスもそうですし、細かいところを挙げるときりがないですけど、一つ一つつぶしていけるように練習していきます。

――最後に次の東海大戦に向けての意気込みをお願いします

本当に負けたら引退なので、多くても残り3試合ですが、来週が最後の試合にならないようにしっかりと頑張ります。

WTB荻野岳志(基理4=神奈川・柏陽)

――同大戦の振り返りをお願いします

シンプルにやろうと話していたのですが、うまくシンプルにできなかったのかなと思います。

――その原因はどのようなところにあるとお考えですか

練習でやっていることと違うことをやろうとしまった場面があったので、そこかなと思います。

――それは、相手の戦術に合わせた結果ということでしょうか

というよりはうまく取ろうとしてしまったというか…。いままでやってきたことがうまく出せなかったのかなと思います。

――18-17という僅差での勝利でしたがいかがでしょうか

内容はもちろん反省しなければいけないのですが、とりあえずいまから次の東海大戦に向けてしっかり準備していくという気持ちですね。

――勝てたという結果が大事ということでしょうか

そうですね。

――相手ディフェンスによってスペースが狭められている印象でしたが、やりづらさはありましたか

関西のチームは結構被せてくるディフェンスとか、いろいろといままでやってきたチームとは違うようなところがあるので、そういう意味では先週の立命大に続き、集中できなかったのかなと思います。

――小倉選手が不在でしたが、攻撃面での影響はありましたか

そうですね…。でも鶴川には鶴川の良さがあるので、誰が出ても同じ力が出せるようなチームになっていかなきゃいけないなと思います。

――ペナルティーが多かったように思いますが、同大のホームといったような雰囲気に影響されてしまったのでしょうか

難しい部分、一か八かといったようなプレーを狙っていたので、そういうところでたまたまはまらなかった部分もあったのかなと思います。

――トライシーンについての振り返りをお願いします

ターンオーバーからFWが良いリアクションをしてくれたので、良いシチュエーションでもらえたと思います。

――次戦の相手・東海大に対して警戒している点はありますか

相手の強みはFWとバックスリーだと思うので、明大戦のときのようにバックスリーがしっかり走って後半に突き放せるような試合展開にできたらなと思います。

――次戦までに修正したい点を教えてください

やっぱり細かいペナルティーだったりハンドリングエラーとかのミスを一つでも減らせるように私生活の部分から規律を守っていきたいなと思います。

FB藤田慶和(スポ3=東福岡)

――今回のスコアをどのようにとらえていますか

ポジティブに勝てて良かったです。でも内容は全然ダメでした。

――どのような準備を心掛けてきましたか

自分たちのやりたいことをやることを目標にやってきたのですが、ペナルティーが多かったことが一番影響したと思います。

――前半ポゼッションを維持しながら得点につながらなかった要因は何ですか

SOの横山がまだ経験が浅いので、サポートできなかったというのがダメな原因だったなと思います。

――後半はいかがでしたか

後半は相手ディフェンスの裏が空いてきたのですが、勝負どころでミスが出てしまい相手に攻め込まれてしまったと思います。正直内容は負けていたと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

全然ダメです。スペースを見つけて走っていかないといけないのに、チームを前に出せなかったことが良くなかったと思います。

――相手のディフェンスシステムに特別なものはありましたか

結構前に上がってきていたと思います。タテに強いプレーを心掛けていたのですが、そこでゲインできないので、2次、3次攻撃も手詰まりになってしまい、良いアタックができていなかったと思います。やはりどこかでブレイクしないといいアタックにはならないので、そこでしっかり自分が出ていきたいと思います。

――特にどのような部分を意識して、これから練習していきたいですか

試合が終わったばかりなのではっきりとはいえませんが、しっかりビデオを見て、修正点と良かったところをチームで話し合って改善していきたいと思います。