関東大学ジュニア選手権の最終戦。早大Bは帝京大Bと対戦した。カテゴリー2との入れ替え戦を回避するには4トライ以上での勝利が前提条件。前半は強力な相手になんとか食い下がる。しかし後半は防戦一方。12-54で敗戦し、入れ替え戦に回ることとなった。
前半の立ち上がり。お互いに積極的なアタックを仕掛けるもゴールラインを越えるには至らず、スコアが動かない時間が続いた。だが14分に反則から攻め込まれ、先制されてしまう。ブレイクダウンの劣勢が失点につながった。しかし流れは渡さない。18分にラインアウトから絶妙なサインプレーを成功させ、フッカー清水新也(スポ4=宮城・仙台育英)がインゴールへ。同点とする。その後帝京大Bにトライを連取されるが、31分にラインアウトからの1次攻撃でWTB千年原旭(法4=東京・早大学院)が見事なカットアウト。「強い気持ちで取りに行く」(千年原)と語った通り、そのまま独走し点差を縮めた。37分に再び得点されるも、12―20でなんとか前半を終える。
スピードを生かしトライを奪った千年原
逆転を視野に入れた後半。CTB盛田志(スポ3=広島・尾道)、途中出場のCTB鶴川達彦(文構1=神奈川・桐蔭学園中教校)の突進で大きくゲインする。しかしボールを奪われ、次々と前進を重ねられて逆にインゴールを陥れられた。すると主導権は相手に。セットプレーを制圧され、「対処できなかった」(プロップ千葉太一、教2=東京・早実)とスクラムトライを連続で取られる。反則とミスで攻める機会を失い、防戦一方。終盤には相手WTBに快走を許した。結局後半は無得点の一方で34失点。最終スコアは12―54と大敗だった。
フィジカルの強さに差を感じる結果となった
後半に相手の実力を見せつけられての敗戦となり、反則の多さが目立ったことも痛手となった。しかし前半は追いすがれたように、決して早大Bが弱いわけではない。Bチームにこそチームの地力は現れる。次に待ち受ける入れ替え戦では、「ワセダのプライドを持って戦う」(千葉太)というように、全力で勝利をつかみ、早大の強さを示したい。
(記事 鈴木泰介、写真 加藤千暁)
第36回関東大学ジュニア選手権 | ||||
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早大B | スコア | 帝京大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
2 | 0 | T | 4 | 6 |
1 | 0 | G | 0 | 2 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
12 | 0 | 計 | 20 | 34 |
12 | 合計 | 54 | ||
【得点】▽トライ 清水、千年原 ▽ゴール 浅見(1G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 佐田 涼祐 | 社2 | 東京・早実 |
2 | 清水 新也 | スポ4 | 宮城・仙台育英 |
後半20分交代→23周藤 | |||
3 | 千葉 太一 | 教2 | 東京・早実 |
後半20分交代→17庄村 | |||
4 | 千葉 巧也 | スポ4 | 宮城・仙台三 |
5 | 河野 秀明 | 創理3 | 東京・早実 |
6 | ◎池田 良 | 法4 | 東京・早大学院 |
7 | 仲元寺 宏行 | 社3 | 広島・尾道 |
8 | 山口 和慶 | スポ2 | 福岡 |
前半15分交代→18小谷田 | |||
9 | 平野 航輝 | スポ4 | 長崎南山 |
後半0分交代→20杉本 | |||
10 | 浅見 晋吾 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
11 | 深津 健吾 | スポ4 | 東京・国学院久我山 |
12 | 盛田 志 | スポ3 | 広島・尾道 |
13 | 田丸 暖 | 法3 | 埼玉・早大本庄 |
後半0分交代→21鶴川 | |||
14 | 千年原 旭 | 法4 | 東京・早大学院 |
15 | 滝沢 祐樹 | 基理3 | 福島 |
リザーブ | |||
16 | 光川 広之 | スポ4 | 神奈川・公文国際学園 |
17 | 庄村 光史 | スポ4 | 大阪・早稲田摂陵 |
18 | 小谷田 祐紀 | 文構4 | 東京・早実 |
19 | 五十嵐 隆介 | 教3 | 埼玉・早大本庄 |
20 | 杉本 頼亮 | スポ1 | 京都・桂 |
21 | 鶴川 達彦 | 文構1 | 神奈川・桐蔭学園中教校 |
22 | 作田 蓮太郎 | 教1 | 東京・早実 |
23 | 周藤 直也 | 社2 | 東京・早大学院 |
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷) |
コメント
プロップ千葉太一(教2=東京・早実)
――帝京大Bとの一戦にどのような思いで臨みましたか
上から下まで戦術が統一されている帝京大相手に、先週のAチームとの試合でできなかったことをやろうと思っていました。
――具体的にどのようなプレーをやろうと試みたか教えてください
ダブルタックルの部分です。低く入ったファーストタックラーのあとの2人目の部分について、前半はよかったかなと思います。
――相手は近場を攻めてきましたが、そこへの対処はできましたか
1人が下に(タックルに)入るのはいいのですが、2人目がちょっと遅くなってゲインされることで、順目へのセットが遅れたのだの思います。
――ペナルティーが多いように見えましたが、そのことについてどう捉えていますか
先週Aチームが帝京大とやったときと同様、ペナルティーを簡単にしてしまったと思います。自陣に攻められると帝京大BのFWに前に出られてしまうので、なくしていかないと感じました。
――圧力を感じた結果、ペナルティーが増えたのでしょうか
圧力を受けて自分たちが負けた部分もありますし、いらなかったり必要なかったりするペナルティーもありました。そこは修正できればと思います。
――スクラムトライを奪われましたが、組んだ印象を聞かせてください
先週のAチームの試合で1番と3番の両方で組んでいたのですが、帝京大Bの方が総重量があることを分かっていました。それでも、前半は重さに耐えられていたのですが、後半になって組み方を少し変えられると対処できなかったです。
――試合後にチームで話したことはありますか
先週と同じで、最初の60分が評価の対象で、後半の20分以降はどうなってもいいから死んでこいと言われていました。結果として、点差以上に自分たちの実力が上がっていることは実感できましたが、そのちょっとした差を詰めていかないと勝てないと言われました。
――Bチームは入れ替え戦が待っています。そこへ向けての意気込みを教えてください
カテゴリー1と2ではレベルが違うので、カテゴリー2に落ちるわけにはいかないです。試合に出る以上、ワセダのプライドを持って戦います。
WTB千年原旭(法4=東京・早大学院)
――試合を振り返ってみていかがですか
この試合は精度ということをテーマにしてやっていたのですが、セットプレーがチャンスの時に崩れてしまってチャンスを生かせないことがあって、そういうところを詰め切れなかったのだと思います。
――前半にはトライを決められましたね
一発で取るというのが自分の強みでもあったので、そこは強い気持ちを持って取りに行こうと思っていました。
――ハーフタイム中にチームでどんなことを話し合いましたか
前半はそんなに点差が開いていなかったので、後半の20分に出し切ろうということだけを意識していました。
――Bチームで結果を残しましたが赤黒についてどう考えていますか
あと数試合しか残されていないので、できる限りアピールして最後まで諦めずにやるだけです。
――課題は見つかりましたか
セットプレーに限りますね。あとは個人的ですが、ディフェンスをもう少し詰めていきたいと思います。
――次は入れ替え戦となりますが意気込みをお願いします
自分はプレーで引っ張るだけだと思っているので、自分が結果を残して勝利につなげたいと思います。
フランカー小谷田祐紀(文構4=東京・早実)
――どのような意気込みで臨みましたか
先週Aチームも点差をつけられて負けてしまって、そういう中でBチームが流れを断ち切りたかったですし、Bチームの4年生にとって最後のチャンスだったと思うので、負けられない戦いでした。
――前半にはトライを決めることができましたが、振り返ってみていかがですか
結構BKにいいランナーが残ってたというのと、最初のトライは元々用意していたサインだったので、その意味でもトライできてよかったです。FWがもっとBKを生かしてクリーンにボールを提供できていたら、点差も開かずにすんでいたのかなと思います。
――ハーフタイムは何を話しましたか
夏合宿に試合したときは、結構な大差だったのですが、試合をしてても、選手たちの中ではいける、と体を当てていて感じていて、落ちているムードは全然ありませんでした。勝てるなぁ、という気持ちだったのですが・・・。
――後半は無得点となりましたが、振り返ってみていかがでしょうか
帝京大Bのプレッシャーを受ける中で、1人で(ボールを)出せるところに、2人とか3人とか寄ってしまって、どんどんFWがフェーズで立てなくなってしまいました。結果として、BKにいいパスを供給できず、FWは運動量が落ち、ランナーが立てなくなってしまって苦しい展開になってしまいました。
――ペナルティーに関してはどうお考えですか
練習中から『規律』を意識してるのですが、実際体が強い相手だとどうしても当たり負けして倒れてしまうところが多くて、やはり私生活からしっかり『規律』を見直していきたいです。
――この試合で課題は見つかりましたか
練習中から帝京大を意識して、4年生を中心にやっていかないと、この差が縮まらないで、ことしも終わってしまうと思うので、いまからでは遅いかもしれないですが、もっと気を引き締めて、より濃度の濃い練習を上井草でしっかりやっていきたいと思います。
――良かった点はありましたか
夏に70点ぐらい取られて大敗したときに比べて、自分たちが成長できている部分を試合中に感じていて、今回も大敗ですが少しは自信を持ってもいいと思いますし、少しでも近づいた部分を残りの2ヶ月で埋めていけるように練習から意識してやっていきたいな、と思います。
――次回は入れ替え戦となりますが、意気込みをお願いします
(関東大学)ジュニア選手権では結局勝てなかったので、そういう意味でも次の試合が正念場だと思いますし、勝ちという結果だけにこだわっていきたいな、と思います。