来月にチリで開催される、『IRBジュニアワールドラグビートロフィー2013』で優勝を目指すU20日本代表の候補選手が、『U20日本選抜』としてニュージーランド学生代表(NZU)と強化試合を行った。ワセダからはNO・8佐藤穣司(スポ2=山梨・日川)とWTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)が出場。チームはNZUに大敗を喫するも、両選手ともに、明確な課題が見つかる貴重な経験となった。
ステップを切る荻野
14で先発出場した荻野は、NZUに対しても持ち味のスピードを存分に発揮。前半18分に、敵の死角からトップスピードでアタックラインに走り込み、相手ディフェンスを突破すると、追ってくる敵を引き離しトライ。見事にサインプレーを決め、自らの役割を果たす。「1対1で倒せない部分も多かった」(荻野)とディフェンス面に課題を残したが、アタックでは後半27分の交代まで積極的にボールを持ち、鉄壁のディフェンスを崩しにかかった。
一方で不安材料を残したのは佐藤穣だ。後半に出場機会を得るも、「まだ試合感覚が戻っていると感じません」と本人が語るように、無駄な動きが多く、本来のダイナミックなプレーは見られなかった。本調子で大会に臨むためにも、残りの期間で調整に励む。
突破を図る佐藤穣
来月11日にはシンガポール代表との最後の強化試合が予定されている。残された時間は決して多くないが、両選手ともに今回出てきた課題を克服し、チームの勝利のために使命を果たす。
(記事 坂田謙一、写真 戸澤美穂)
結果
●U20日本選抜19-61ニュージーランド学生代表
コメント
NO・8佐藤穰司(スポ2=山梨・日川)
――実戦はいつ以来ですか
先週のキャノン戦ぶりです。
――本日は後半からの出場でしたが、試合を振り返っていかがですか
自分としてもまだ試合感覚が戻っていると感じません。良いプレーも出来ず、ボールもあまり持てなかったので、これからしっかり調整して本大会に向けて頑張っていきたいです。
――試合をしてみて、ニュージーランド学生の印象はいかがでしたか
思っていたほどではなかったのですが、自分達のやってきたことが出せなかったのでそこが敗因だと思います。
――次の試合の予定はいつですか
来週にシンガポール戦があるのでそこだと思います。
――今季の目標をお願いします
レギュラーに定着し、一戦一戦を大事にして絶対優勝します。
WTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)
――きょうの試合を振り返って
相手が一人一人強くて、1対1で倒せない部分も多かったので、そこは二人で止めようという話だったのですが、二人目もなかなかタックルに入れなくてこういった試合になってしまったので残念です。
――代表合宿でのトレーニングの成果は
いくつか練習してたサインプレーが決まって、実際トライにつながったときもそうだったのですが、練習していたことは出せたと思います。
――今季代表チームでの初試合となったが
来月にはチリで本大会があるので、それに向けていい経験になったと思います。
――アタッキングラグビーの具体的なかたちとは
日本が勝つにはフィットネスで上回らなくてはいけないので、後半は理想とは逆の展開になってしまったのですが、本当であればフィットネスで上回って追い上げるというのが理想のかたちだと思います。
――フィットネスが及ばなかったの原因は
フィジカルの面でいかれてしまったのが原因かなと。
――個人的な課題は
ディフェンスですかね。体の大きい選手であっても1対1で止めなくてはいけないので。
――次戦のシンガポール戦に向けて
今回出たディフェンスと、フィットネスで後半に追い上げるという課題を意識して来週に臨みたいと思います。