環太平洋地域の強豪国が集う、IRBパシフィック・ネーションズカップ2013がこの日開幕した。初戦、日本代表はトンガ代表と対戦。日本の14番には藤田慶和(スポ2=東福岡)がHSBCアジア五カ国対抗2013から引き続き名を連ねる。藤田は得意のランを生かしてチームに貢献したいところだったが、トンガの屈強なフィジカルの前に阻まれ、思うような結果を残せない悔しい試合となってしまった。
「チームに迷惑をかけてしまった」。藤田のファーストプレイはこの言葉で全てが表される。前半12分、相手キックの処理からパスを受けた藤田はトンガの守備網を抜きにかかった。しかし、敵につかまるとそこからターンオーバーを許してトライまで持ち込まれてしまう。「ボールを持ったときのボディポジションが高かった」と振り返るように、簡単にボールを奪われる姿勢で敵に突っ込んだことで、不必要な失点を生み出してしまった。
3試合連続でスタメン出場を果たした
前半は日本のボール保持率が低く、藤田にボールがあまりまわって来ない。しかし後半になると日本がペースアップすると共に、藤田も徐々に存在感を出し始める。「後半はボールを持ち込んでパスを出せましたし、少しよくなった」と言うように、トライこそ奪うことは出来なかったが、ボールが渡ると藤田は確実にゲインを切る。何かやってくれるのではないかという雰囲気を漂わせる藤田のスピードに会場は大きく沸いた。
敵に激しく襲い掛かられ、突破を阻まれる藤田
前半は日本のボール保持率が低く、藤田にボールがあまりまわって来ない。しかし後半になると日本がペースアップすると共に、藤田も徐々に存在感を出し始める。「後半はボールを持ち込んでパスを出せましたし、少しよくなった」と言うように、トライこそ奪うことは出来なかったが、ボールが渡ると藤田は確実にゲインを切る。何かやってくれるのではないかという雰囲気を漂わせる藤田のスピードに会場は大きく沸いた。
日本はトンガに17-27と10点差で敗れ、藤田も大きなインパクトを残せなかったこの試合。だが、藤田にとって収穫となったのはこの厳しい結果だ。まだまだ日本代表として歩み始めたばかりの藤田が、この経験を積んだことで得た財産は計り知れない。翌週にはフィジー代表との試合が控えている。強豪国との試合でもまれて、一回りも二回りも成長していきたいところだ。
(記事 御船祥平、写真 栗田麻里奈)
◆コメント
藤田慶和(スポ2=東福岡)
――このレベルの相手との対戦は初めてとなりましたが、いかがでしたか
最初にボールを持ったときのボディポジションが高かったです。そこからターンオーバーされてトライまで行かれてしまって、チームに迷惑をかけてしまったので、そういうところを改善していかないといけないと思いました。後半はボールを持ち込んでパスを出せましたし、少しよくなったと思います。
――肌で感じたトンガの強さとは
少ないチャンスの中、ジャパンは4回ぐらいトライを取りきれないことがあって、それが今の実力だと思うので、それを取りきれるように練習から意識を高く持ってやっていきたいです。ターンオーバーされたところはもっと低く当たっておけばよかったと思います。
――プレーに迷いがあったように思えましたが
カウンターをしたときは、穴が無くて迷ったということはありました。
――この試合で学んだことはありますか
後半にボールをもって走ったときに、ジュニア・ジャパンのときよりはよくなっているという感触を得られました。ゲインも出来ましたし、コミュニケーションの部分でもよく取れました。だけど、いいところでパスをもらっているので、チャンスをものにしないとテストマッチでは使ってもらえないと思います。
――試合終了時にヘッドキャップを押さえていましたが、どういうお気持ちでしたか
悔しかったですね。10点差ということで逆転へのシナリオが自分の中にあって、しかも流れがジャパンに来ていたので、本当に悔しかったですね。