新入生にとって初めて伝統の一戦を体感することになる新人早慶戦。その試合が14日に行われた。前半の序盤に後手に回ると、そのままリードを許して折り返した。しかし、後半に入ると終始早大のテンポで試合が進む。WTB作田蓮太郎(教1=東京・早実)の連続トライで逆転すると、波に乗りさらに得点を重ねた。後半は守っても慶大をシャットアウトしトータルスコアは43-22。2010年以来となる4年ぶりに新人早慶戦で白星を飾った。
杉本頼の鋭い突破から好機が生まれた
前半は早大のFWがセットプレーで劣勢となり、スクラム、ラインアウトをなかなか確保できない。キックオフしてすぐに、自身のペナルティーから攻め込まれると、ラインアウトモールで先制を許す。さらに7分、11分と立て続けに失点し、試合の入りを慶大に制された。しかし、早大も黙ってはいない。SH吉岡航太郎(スポ1=国学院栃木)とSO杉本頼亮(スポ1=京都・桂)のハーフ団を中心にテンポの良いアタックを展開する。するとCTB高橋吾郎(スポ1=福岡・修猷館)と杉本頼がそれぞれトライをマーク。追撃を開始したかと思われたが、終盤に追加点を許してしまい12-22で前半を終えた。
10点差で迎えた後半、早大は見事な追い上げを見せる。その主役となったのは作田。後半開始直後に、キックパスを受けるとそのままインゴールになだれ込んだ。さらに18分にも再びトライ、25分には中盤から敵のディフェンス網をかいくぐりハットトリックを達成。一気に試合の主導権を早大にたぐり寄せた。この後もFWとBKが一体となり慶大を左右に揺さぶって追加点を挙げる。守備面でもロック加藤広人(スポ1=秋田工)の力あふれるプレーなどで、ピンチを脱出。後半のスコアは31-0。見事な逆転劇で、垣永真之介前主将(平26スポ卒=現サントリー)の代以来となる新人早慶戦での勝利となった。
大車輪の活躍でチームを勝利に導いた作田
この日ゲームキャプテンを務めた杉本頼が、「BKが取り切ろうということをみんなが分かっていた」と言うように、BKを中心としたアタックが随所に効力を発揮した早大。次はAチームで活躍する選手もいる明大1年生との対戦。自らの強みとなる部分で積極的にチャレンジし、どん欲に勝利を目指していきたい。
(記事 御船祥平、写真 八木瑛莉佳)
新人早慶戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 慶大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
2 | 5 | T | 4 | 0 |
1 | 3 | G | 1 | 0 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
12 | 31 | 計 | 22 | 0 |
43 | 合計 | 22 | ||
【得点】▽トライ 小谷、杉本頼、高橋吾、作田3、佐藤史 ▽ゴール 高橋吾(4G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
コメント
杉本頼亮(スポ1=京都・桂)
――最初にこの試合に向けての意気込みを教えてください
新人早慶戦、早明戦は人生で1回しかないので、その意味を考えて楽しんでプレーをしろと後藤監督(禎和、平2社卒=東京・日比谷)に言われました。実際に楽しめました。
――前半の入りはFWから崩されてしまいましたがその点はいかがですか
セットプレーがまだ安定していないというのが練習から分かっていたので、みんなでBKが取り切ろうということを分かっていたので、そこで取り切れたのが良かったと思います。
――そのBKはテンポ良くできていましたね
一つの強みだと思います。自分で言うのもあれですけど(笑)。この試合で僕はSOでしたけど、普段はSHなのでSHがやりやすいようにゲームを運んだりとかができたと思います。
――ハーフタイムにはどのようなお話がありましたか
キャプテンとしてはまだまだ勝てる点差だったので、ディフェンスでもアタックでも引かないで前に出ようということを言いました。
――後半は一方的な展開となりましたが振り返っていかがですか
前半は僕からの仕掛けが多かったんですけど、後半はWTBとかにも散らしていったので相手もやりにくくなったのではないかと思います。外を使えたというのが良かったです。
――WTB作田蓮太郎(教1=東京・早実)選手も活躍しましたがどう映りましたか
WTBが取り切ってくれて、WTBとしての仕事をやってくれて良かったと思います。
――後半0点に抑えたことも大きいのではないでしょうか
前半で悪かったところをコーチ陣にハーフタイムに聞いて、修正することができたのがそれにつながったと思います。
――前回はフィットネスが課題とおっしゃっていましたがこの試合はいかがでしたか
ロックを中心にFWが走ってくれました。BKはCTBとかが順目に走ることができていたのでフィットネスは向上してきていると思います。
――ご自身の調子はいかがですか
ケガもなくめちゃくちゃ良い状態なのでこのまま帝京大戦に向けて頑張りたいと思います。自分はアタックが売りなので、そこでトライも取れればと思います。