1964年の東京オリンピックに始まり、幾多の名勝負を生んだ国立競技場(国立)。この度2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピックに向けた改修工事が始まることに。そこで5月31日、最後を記念して様々なスポーツイベントが開催された。早大として最も国立と縁が深いのがラグビー早明戦。その伝統の一戦が、時代を彩ってきたOBによって行われた。
プレーヤーとして精力的に動いた後藤監督
ラグビーレジェンドマッチとして、最初は50代の選手が対戦。当時が思い出されるような鋭いタックルも飛び交った。結果は7-5で早大が勝利を収める。続いては、この日一番の盛り上がりを見せた40代のゲーム。雪の早明戦に代表されるような、歴史に残る時代を戦った男たちが一堂に会した。それだけに、選手の名前が会場でコールされるたびに大きな拍手が響き渡る。10分ハーフで行われた試合は同点で迎えた後半ロスタイム、NO・8清宮克幸(平2教卒=現ヤマハ発動機監督)の劇的トライで勝ち越し、2連勝。最後の30代による対決は、現役時と遜色のない激しいプレーが繰り広げられた。この試合も接戦となったが、10-7で勝利。OBによる正真正銘の最後の国立決戦は、早大の3戦全勝で幕を閉じた。
早明両校OBの集合写真
この日は、プレーヤーとしてグラウンドを駆けた後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)。本年度の早明戦はここではない場所で指揮を執ることになる。それでも明大との対戦について、「理屈ではないものがある」と言う。毎年国立で両校の魂をぶつけ合って来た。一つの歴史が終わりを告げたが、この思いはずっと継承されなければならない。舞台は変わっても、『赤黒』と『紫紺』は互いのプライドを懸けた熱戦を見せてくれるだろう。
(記事 御船祥平、写真 大口穂菜美、目黒広菜)
コメント
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――国立競技場(国立)での試合はいかがでしたか
楽しかったです。圧倒的に他のフィールドよりも走りやすかったと思います。
――選手としても監督としても満員の国立でやれたことはどう感じていますか
監督の目線からピッチに足を少し入れたり上から見る時と、ピッチの中に入った時の感想が全く違いました。昔の現役の時の感覚がよみがえってきました。
――精力的に走られていましたがご自身のプレーはいかがでしたか
この日のために3週間ぐらい走ろうと思っていたんですけど、足が痛くなってしまいました(笑)。なのでなかなかトップで走れなかった部分もありましたが、満員のお客さんの前でそれなりに自分としてはできたと思います。
――現行の国立という舞台での早明戦はなくなってしましますが、あらためて早大と明大の対決ということをどう感じましたか
やっぱりあらためて自分でプレーしてみて、理屈ではないものがあると感じました。少なくとも自分が生きている間には絶対にこれを廃れさせてはいけないという責任を感じたので、本年度の早明戦も頑張らないといけないと思いました。