藤田が追撃のトライも及ばず

ラグビー男子

 FB藤田慶和(スポ3=東福岡)が日本代表(JAPAN XV)としてアジア・パシフィックドラゴンズとの一戦に出場した。序盤から藤田は攻撃の起点となり、多くのチャンスをつくり出す。22-14とリードして前半を折り返した日本だったが、後半は一転。アジア・パシフィックドラゴンズに守備の穴をつかれて逆転を許した。藤田が33分にトライを奪って詰め寄ったが、後が続かず試合終了。日本は今季初戦を29-35で落とした。

積極的なランで敵を何度も抜いた藤田

 前半は日本が主導権を握る。10分に先制すると、勢いそのままに藤田が好プレーを見せた。敵陣10メートル付近でパスを受け、スピードに乗りどんどん加速。相手を引きつけたところで上手くパスしたが、トライライン間際で外に押し出され、惜しくも得点にはならなかった。この後は両チームともにスコアを重ね、22-14で前半を終える。後半は中盤まで激しい攻防戦が繰り広げられた。その均衡を破ったのはアジア・パシフィックドラゴンズ。立て続けにディフェンスの裏を取られて逆転されると、リードも広げられる。何とかして追いつきたい日本は33分、藤田にトライが飛び出した。敵陣でパスを何度もつなぎ、大外に構えていた藤田にボールを渡す。するとそのまま一気にインゴールへと駆け込んだ。キックも決まり29-30としたが、日本は終了間際に失点しそのままノーサイド。藤田の奮闘も見られたが、白星を飾れなかった。

 「チームを勝たせられなかったのが悔しい」と藤田は率直に述べる。FBのポジションから自由に攻撃参加をして、幾度も防御網を崩した。しかし、それが結果につながらなかった。日本が次に戦う場はアジア五カ国対抗2014。これは2015年のワールドカップ出場権を懸けた戦いだ。その場で求められるのは結果のみ。藤田のプレーがいかに勝利に引き寄せられるかがカギになる。

(記事、写真 御船祥平)

コメント

FB藤田慶和(スポ3=東福岡)

――この試合全体を振り返ってみていかがでしたか

アタックに関しては良かった面があったと思います。ディフェンスのところで抜かれてしまった場面があったので、前に出るタイミングを考えたほうがいいと思いました。

――ご自身のトライシーンを振り返ってみてください

みんなでつないで最後に良いかたちでボールをもらうことができたので、いいトライだったと思います。

――ボールをもっていないときのプレーを向上してほしいとエディー・ジョーンズヘッドコーチが言っていましたがいかがですか

もう少し前を見て、タテに行くのかヨコに振るのかという判断を的確にしていきたいと思います。

――アタックには手応えを感じているところですか

そうですね。良いチャンスをもらえたのですが、チームを勝たせられなかったのが悔しいですし、もっとFBから崩していけるような積極的なプレーをしていきたいです。

――前半の場面は良かったのではないですか

自分のトライにならなかったのですが、自分が取り切るというよりも良いかたちでつなげることができました。そこはポジティブに考えていいと思います。

――次の試合に向けて個人的な課題はありますか

やっぱりもう少しディフェンスで止められるようになりたいと思います。だいぶ良くなってきたとは思いますが、3回敵が抜けてきて1回はきちんと止められたので、後はその2回の前に行くタイミングだと思います。周りとコミュニケーションを取りながらできるようになりたいです。