秩父宮ラグビー場で東日本大学セブンズ選手権(東日本セブンズ)が開催された。先週のYC&AC JAPAN SEVENS(YC&AC)とほぼ同じメンバーで臨んだ早大は、1回戦で青学大に敗れコンソレーションへと回る。その後の二戦では勝利をつかむも、準決勝の中大戦で敗戦。早大はコンソレーション準決勝敗退という結果で東日本セブンズを終えた。
初戦の青学大戦では、開始わずか17秒で失トライ。その後もミスが重なり攻撃のリズムがつかめない。枚数をかけたタックルでも相手を止められず、早大は前半を無得点のまま終える。後半序盤にも7点を献上し19点差となったが、WTB本田宗詩(スポ2=福岡)がここぞという場面で活躍を見せた。本田は巧みなステップを生かし、敵陣10メートルラインから独走するなど連続で2トライを挙げる。早大は試合終了まで積極的な攻めの姿勢を貫いたが一歩及ばず、12-19で敗戦。コンソレーションへと進んだ。
敵を振り切り独走トライを決めて喜ぶ門田
コンソレーション1回戦では拓大と対戦。早大は先制点を奪って勢いに乗る。本田やFB門田成朗(法3=埼玉・早大本庄)の個人技が光り、後半2分には31-5。そのまま拓大を突き放すかと思われたが、ディフェンス面での甘さが露呈。残り3分を切ってから猛追撃を受けてしまう。その状況で早大はなんとかリードを守り切り、31-26で次戦へと駒を進める。続く立大戦では相手の左に右に展開するラグビーに押し切られる場面もあった。しかしフランカー池本翔一(スポ3=愛知・千種)が強烈なハンドオフで圧倒。それが起点となって門田が中央にトライを決めるなど、FWとBKが一体となった攻撃で勝利を収めた。
山本は力強いランでチームに貢献した
準決勝の中大戦では、初戦の青学大戦同様に先制トライを奪われ、中大を追う試合展開に。後半序盤、WTB山本龍平(商4=東京・都武蔵)が敵を引きずりながらインゴールにボールを叩き込み、10-10。試合を振り出しに戻す。反撃を見せたい早大だったが、その後は自身のペナルティーに苦しめられる。ラインアウト、スクラムで劣勢に立ち、主導権を握ることができず15-24で敗北した。
コンソレーション準決勝敗退。YC&AC同様、早大は満足いく結果を残せなかった。原因として試合の立ち上がりの悪さ、守備の甘さが挙げられるだろう。それでも主力選手不在の状況で4試合を戦いぬいたことは、選手たちの自信につながったようだ。来週からはいよいよ15人制ラグビーが開幕。この大会で得た反省点をこれからの春シーズンに生かし、打倒帝京大に向けてさらなる進化を遂げてほしい。
(記事 田中みずき、写真 巖千咲)
コメント
フランカー仲元寺宏行(社3=広島・尾道)
――この大会の総括をお願いします
出だしが悪くて1試合目に負けてしまったのですが、その後試合を重ねるごとに良くなっていったと思います。最後負けてしまいましたが、全体的には良かったと思います。
――先週の大会も初戦で負けてしまいましたが、その点は意識されましたか
最初からきちんとやっていこうという話をしていたんですけど、流れが悪くてそのまま変えることができませんでした。
――セブンズは2大会目でしたが、チームとしてどのようなテーマでやりましたか
意識していたことはディフェンスを練習してきたので、その点です。就職活動をしていた4年生の山本さん(龍平、商4=東京・都武蔵)や大塚さん(拓郎、人4=埼玉・早大本庄)などが帰ってきたので、充実した練習ができたと思います。
――この大会を通してのチームの雰囲気はいかがでしたか
全然悪くなかったと思います。やっぱり最後に負けてしまったのが残念です。
――個人として今シーズンに意識して臨んでいることはありますか
ディフェンスです。2試合目に抜かれることがあっったので、個人的にはそこを意識して練習していきたいと思います。フランカーという競争が激しいポジションでもあるので、切磋琢磨(せっさたくま)していきたいと思います。
――最後に今季の抱負をお願いします
Aチームに上がって、(全国)大学選手権決勝で帝京大を倒します。
SH山岡篤樹(教3=東京・本郷)
――先週からどの部分を調整してきましたか
アタック面ではブレイクダウンで孤立してしまうと相手にターンオーバーされてしまうという点をしっかり修正しようということと、ディフェンス面では流すディフェンスがうまくできていなかったので、相手がボールを持つ時間が長くても良いので、焦らずにプレーするということを意識してきました。
――その部分は試合でいかがでしたか
基本的には良かったですが、相手にオフロードパスでつながれた時にディフェンスが崩れて抜かれてしまったり、1対1の場面でタックルが飛び込んでしまって抜かれたので、その部分が改善できたらもっと良い試合ができたかなという感想です。
――試合で評価できる点はどこですか
アタック、ディフェンス共にみんなが声を出して、思いっきりプレーしていたので、そこは良かった点だと思います。
――ご自身のプレーに関してはいかがでしょうか
個人技では僕よりもすごい人がいるので、僕はパス役に徹していました。指示役も基本的にやっていたのですが、もう少し良い指示を出せたら、みんながもっとの伸び伸びプレーできたかなと思いました。あとはキックがあまり入らなかったので、そこは悔しいですね。
――収穫はありましたか
Aチームが出ていない状況で、初戦は負けましたけれども、それでも3試合なんとかみんなで良い形でチームが作れたことは良い収穫でした。また秩父宮でラグビーができたというのは大きな経験だったと思います。
――今季の抱負をお願いします
昨シーズンはBチームまでいったのですがケガをしてしまってそのままシーズンが終わってしまったという状況なので、今季は春でAチームのメンバーを勝ち取って、Aチームとして関東大学対抗戦でチームを引っ張っていきたいと思っています。
WTB山本龍平(商4=東京・都武蔵)
――久々の実戦となりましたが、どのようなモチベーションを持って試合に臨みましたか
きのうのチームのミーティングでは、このセブンズを足掛かりに一人でも多くの人がAチームに出られるようにということを話してたので、強い気持ちを持って臨みました
――初戦を落とした原因は何だったのでしょうか
やはりゲームの入りが悪くて、いきなりトライを決められてしまったところが反省点です。昨シーズンも最初の10分間の入り方を気にしてチェックしていたので、すごく残念だったと思います。
――敗戦後、どのように気持ちを立て直したのですか
最初の10分のところはもちろんなんですけど、そのためにアップから気を引き締めていこうということを意識したので、集中して臨めたかなと思います。
――最終結果について、どのように感じていますか
ワセダである以上、負けてはいけなかったと思います。個人的にも反省点が多くて、15人制に生かさなくてはいけないところもあったんですけど、昨年まで下のチームにいた仲間が活躍できていたので、このセブンズのメンバーで秋に向けて臨んでいけたらと思っています。
――最終戦で同点に追いつくトライを決めましたが、振り返っていかがですか
無心でサポートに入ってボールをもらって、トライラインに向かって走っただけという感じですけどね(笑)。周りから、よく「パスを放らない」と言われるんですけど、その自分らしさの象徴的なシーンかなと思います。
――今季の抱負をお願いします
昨季はBチームで終わってしまったので、ラストイヤーのことしこそ全身全霊で14番、15番の赤黒をもぎ取りたいです。