第2回目は、寮長を務めるCTB藤近紘二郎(政経4=神奈川・桐蔭学園)と、今季からAチームでの活躍が増えたプロップ光川広之(スポ3=神奈川・公文国際)、ロック河野秀明(創理2=東京・早実)の3人。7月に入寮した光川が加わり賑やかになったという203号室にお邪魔し、春季総括や夏への意気込み、そして部屋での生活の様子についてお話を聞いた。
※この取材は7月17日に行ったものです。
「このままじゃ駄目だと気付けた」(藤近)
今季は寮長を務める藤近
――チームとして春シーズンを振り返っていかがですか
藤近 いろいろとうまくいかない中で、最後は帝京大に対して、Aチームは負けてしまったんですけど、それぞれのチームが力を発揮できたので成長できたのではないかと思います。ここで止まったら意味がないですけど、これからまた成長できたら、全然戦えるチームだと思いました。
河野 本当にその通りです。ケガ人とかもいてチームが万全じゃなくて、もっともっとワセダは強くなれると思うので、夏合宿にもう一回(帝京大と)試合をするんですけど、その時は勝てるように精度を上げていって、一日一日の練習を大切にして強くなっていきたいと思っています。
光川 その通りだと思います。日々精進して、夏合宿の帝京大戦ではAチームからEチームまで全勝して、秋につなげていきたいと思っています。
――特に印象に残っている試合はありますか
藤近 自分は出ていないんですけど、早慶戦です。あそこまで大敗するとは思っていなかったので、自分はその場にいなかったんですけど、結果を聞いたときはびっくりしました。このままじゃ駄目だということに一番気付けた試合だったと思います。
河野 自分も出ていない試合なんですけど、帝京大とのC戦とD戦です。B戦は見られなかったんですけど。帝京大に勝つんだという気持ちがすごく伝わってきて、本当に競った試合でした。下のチームが本当に頑張っていて、次の日に自分が(Aチームで)やってやろうと思ったんですけど、負けてしまいました。
光川 僕も早慶戦が印象に強くて、僕は最後にちょっとだけ出たんですけど、ベンチで見ていてすごい差があるなあと感じていて、なんでこうなってしまったんだろうと思いました。その試合からチーム全体の雰囲気も変わって、最後の帝京大戦も、Aチームは負けましたけど、この結果につながったんだなあと思って、あの試合がすごい重要だったなと振り返ってみて感じます。
――早慶戦の前と後で練習などの雰囲気にも変化がありましたか
光川 そうですね、チーム全体がこのままじゃ駄目なんだという危機感が強くなりました。
――帝京大戦のお話もありましたが、帝京大と対戦してみて手応えはいかがでしたか
光川 正直、帝京大と戦う前は、帝京大の他の試合のスコアなどを見ると大勝していてビビっていたんですけど、最初Dチームがドローで、その後のBチームで僕は出たんですけど勝てて、Cチームもすごく良い試合ができていました。試合の内容としても、帝京大は体が強い印象がありますが、実際に強かったんですけど届かないわけではなくて、一対一では負ける部分でも、2人でタックルに入ったりすることでなんとか止められたし、AからEまで全チームとも当たり負けしていないように感じて、そこは収穫だなと思いました。
藤近 帝京大がキックを使わなかったりしていたので、まだ本番はどうなるかわからないですけど、その中で今回は相手が常にタテに攻めてくるのに対して、みんな必死に止めきれていたので、そこは負けてないのかなという感じでした。(帝京大が)戦術をいろいろと変えてきたらまたわからないんですけど、まず縦をしっかり止めるということができたのは収穫だと思います。
――『数で勝つラグビー』というのが今季のワセダのテーマとしてあると思いますが、帝京大戦ではそれができたという印象ですか
藤近 そうですね、1人が当たってくる中、それぞれが2人目3人目と入って止められたので、それぞれがサポートできたと思います。
――チームとして特に力を入れてきたところはどこですか
河野 流れの中で、セットプレーからは決まり事を守って攻めるだとか、フォーメーションだったり、そこを徹底してやってきました。何をしていいかわからないとなった時に、これをやっておけば立て直せるというような、そういう決まり事を作っていたので、それができていた試合は大きく崩れることもなくできていたと思います。あとは体重ですね。春はずっとウェイトと、自分の体重を使ったトレーニングとかで体重を増やすことに専念してきて、それで帝京大と少しでも差が詰められたなら良かったなと思います。
――決まり事というのは、例えばどのようなものですか
河野 スクラムからボールが出て、一時攻撃では誰がポイントに入って、次は何をするかだとか、そういうことです。
――個人としての春シーズンの感想を聞かせてください
藤近 自分はケガからスタートして、途中まで、後半の後半まで試合に出られてなくて、周りも新しくAチームに出て定着しているような選手もいて、いろいろと焦っていました。その中で焦りながらも復帰して、そこでもまた周りが成長していることを感じて、自分ももっと努力しなければと思わされるシーズンでした。
光川 今季の春に初めて赤黒が着られて、1回だけですけどスタメンに入れて、個人的には満足いくシーズンだったと思います。
河野 僕も今季から初めて赤黒を着られたんですけど、みんなすごいプレーヤーたちなので、春シーズンは付いていくことに精一杯で助けられるばかりでした。これからはもっと余裕を持って周りも見れるプレーヤーになれるように、頑張っていきたいと思います。
――赤黒を着てみて感じたことはありますか
光川 嬉しかったです。言葉では表現できないですけど、感激みたいな。
河野 このジャージーを着るためにみんな頑張ってきて、昔の人たちもそうですし、たくさんの人たちが頑張ってきて、それを着られるというのは本当に光栄なことだと思います。
――光川選手と河野選手は昨年まではC、D、Eチームでの出場が多かったと思いますが、今季からAチームでの出場が増えました。ご自身のどのような部分が評価されたと思いますか
河野 ケガ人が出て枠が空いたというのも一つの要因としてあるんですけど、僕は派手なプレーができるプレーヤーではないので、地味なことを地道に人よりもやってきたのが評価されたのかなとは思います。
光川 FWの前3人はセットプレーが重要なので、スクラムやラインアウトのスローなどが安定しているということは最低限なんですけど、それに加えてフィールドで結構目立てたというのが良かったのかなと思います。
藤近 トライゲッターです。
河野 慶大戦も光川さんだけでしたよ。
光川 ああそうだよ。
一同 (笑)。
――藤近選手はCTBでのポジション争いを勝ち抜くために、ご自身の強みはどのようなところだと思いますか
藤近 強みはタックルだと思っているんですけど、そこにプラスして、昨年まではパスのうまい森田さん(慶良、平25教卒=現キヤノン)とかいろんな人がいて、でも卒業してしまったので、自分もそういう仕事をしなければいけないかなと思っています。いままでは自分は強みだけを出して周りがカバーしてくれていたんですけど、今季は自分が周りを助けないといけないと思うので、強みはタックルなんですけど、その他の動きもしっかりできるように練習に励んでいます。
――FWとして、このチームが始まった頃に比べて成長したところはどこですか
光川 体重ですかね。1月からチーム全体で体作りを始めていたので、特にFWはスクラムを組んだりするので、体重を増やすためにみんな意識していました。
――スクラムの出来はいかがですか
光川 僕としてはまだまだですけど、AからEチームまであまり押されるような場面を見なかったと思います。
――スクラムは帝京大戦から新ルールが適用されたということですが、実際にやってみて大きな変化はありますか
光川 まだ僕たちも全然対応できていなかったんですけど、前より近くで組むのでヒットができなくなって、体重の軽い僕らとしてはそこのヒットが生きないということが不利だと思うので、そこをどう補っていくか試行錯誤しています。
――BKに関して良くなった部分はありますか
藤近 キックを有効的に使おうということで春はいろいろと試して、まだきれいに地域を取れるという形がうまくいっていないのですが、始まった時よりはそれぞれがパターンなども考えられて、少しは良くなっていると思うので、これからも続けていけばそこは生きるのかなと思います。
部屋では自由な共同生活
仲の良い3人
――同部屋特集ということで、お互いの印象を教えてください。まずは藤近選手について教えてください
光川 とにかく優しい、気さくな方です。心が広い。
河野 寛容な方だなと思っています。
藤近 言うんならはっきり言ってくれよ(笑)。
光川 時々僕の机に飲みかけのジュースとかを置くのが嫌です(笑)。
――河野選手について教えてください
光川 頭がおかしい(笑)。
藤近 (同部屋となって)半年経っているんですけど、まだちょっと分からないことが多くて。自分が始めびっくりしたのは、ドアを開けたら、床に寝てるんですよ(笑)。
光川 あ、きのうもそうだった。
河野 この(ベッドの)はしごを上るのが結構きついんですよ…。
藤近 そういうところとか、ちょっと謎めいたところがあって面白いです。
――光川選手について教えてください
河野 光川さんが部屋に来て会話が増えましたね。
光川 まじ?
藤近 確かに。それはある。
光川 2週間前くらいに入ったんですけど…。そうなの?会話なかったの?
河野 なかったわけじゃないですけど…。
藤近 お互い(河野と藤近)静かじゃん?(光川が部屋に来て)共通の話題もできたし。
――光川選手は入寮したばかりだということですが、入寮前と最も変化した点は何ですか
光川 自分の生活としては、食事がめっちゃ楽になりましたね。特に朝ご飯とか、一人暮らしのときは毎日早く起きてつくらなきゃいけなかったし…。
藤近 つくっていたの?
光川 もちろん。食生活はしっかり。でも寮に入ったら行けば出ているので、それがすごく楽で、体重もあまり減らなくなりましたね。
――寮の食事のシステムはどうなっているのですか
藤近 朝と晩が出て、朝は平日が7時で、晩は18時から21時半の間に食べる決まりで、それぞれがお盆を出せば出してくれます。おかずの量は決まっているんですけど、ご飯は自分で盛って何回でもおかわりして良いです。昼はご飯は出るので、あとはおかずを買ってくる感じですね。あとは、昼は外食したり。
――寮の食事はおいしいですか
藤近 おいしいよね…?
河野・光川 おいしいときもあります(笑)。
光川 そんなに僕は長くないので分かんないんですけど、飽きるとか聞くけど…。
藤近 そうですね。パターンがあるので、やっぱり飽きてきますよね。でも入ったときは、こんなにおいしいんだ、と思いました。もっとまずいものだと思っていたんですけど、普通に食べられます。入る前、すごくひどいって聞いていたので。
――その中で、一番好きなメニューは何ですか
光川 鶏の唐揚げで。
河野 食後のフルーツですかね。
一同 (笑)。
光川 それ否定してるよね?
河野 じゃあ僕も鶏の唐揚げってことでお願いします。
藤近 豚汁で。
――藤近選手は寮長もされていますが、寮長の仕事内容を具体的に教えてください
藤近 毎朝起床をかけるのと、夜23時に消灯をかけて、門限を守ってない人がいないかチェックすることが主です。あとは、電気を消し忘れたりすると「サンキュー」という罰がつくんですけど、その罰がついた人を対象に風呂掃除をさせたり、いろんな共同スペースの掃除をさせています。
――寮長としてのこだわりなどはありますか
藤近 きれいな寮に向けて頑張っています。
――寮に住むことのメリットは何ですか
藤近 いつでもチームメイトがいるので、ラグビーの話とかいろいろなコミュニケーションがすぐにとれることです。
河野 僕は、授業で6限とかだと学校が終わるのが9時だったりするんですけど、自宅だとここに来て練習してまた帰っていったら多分終電なくなっちゃうんで、そのぶん寮だとずっと練習できるので、助かっています。
藤近 (光川は)飯でしょ?
光川 はい。あとグラウンドが近いことです。
――逆にデメリットはありますか
光川 やっぱり、プライベートがちょっと…(笑)。
藤近 そんな侵してないでしょ?(笑)。
光川 いや、本当に気さくな2人で、良い方で、過ごしやすいんですけど、一人に比べたらいろいろあるじゃないですか。勝手に机の上に飲みかけのジュース置かれたり…(笑)。
藤近 引っ張るな(笑)。
光川 あと洗濯スペースが狭い、洗濯機汚い。
藤近 確かに。洗濯とか、自分がしたいときに使われているとできないので、自分のやりたいようにはうまくいかないところですかね。共同生活なので。
光川 あと門限があって23時以降はテレビが禁止なんですが、23時以降は面白い番組が多いので困っていますね。
――ホームシックになることはありますか
藤近 自分はまったくないです。
河野 僕は2週間に1回くらい帰っています。
光川 僕もないです。一人暮らしのときも正月しか帰らなくて怒られました。
――お互いのことで、同じ部屋になって初めて分かったことはありますか
河野 藤近さんは、実は結構ジブリが好きです。
藤近 甲乙つけられないんですけど、一番好きなのは『紅の豚』ですね。(河野は)本当に理工(学部)って大変なんだなって思います。練習して夜遅くに帰ってきて電気が点いているなと思ったら、机に向かって勉強しているので、スポ科と政経と違って理工は大変なんだなって思いました。めっちゃ頑張っていますよ。
光川 僕はまだ入って浅いのであんまり知れてないですね(笑)。
藤近 (光川は)いびきが…。
光川 そうですね、それは入る前から一応忠告しておいたんですけど…。言うそれ(笑)?
一同 (笑)。
――この部屋で一番几帳面なのは誰ですか
藤近 みっちゃん(光川選手)です。
光川 僕です。
――それでは一番にぎやかなのは誰ですか
藤近 みっちゃんです。
光川 僕です。
藤近 きのうも爆音流して歌っていましたよ。
光川 Mr.childrenが好きです。
――河野選手は基幹理工学部で勉強も大変だと思うのですが、どうやってラグビーと両立させているのですか
河野 遅く帰ってきてもグラウンドには出て個人練習しています。それでその後勉強しています。押さえるところは押さえて、うまくやっています。
――この部屋での決まりごとのようなものはありますか
藤近 特にないです。ラグビーと違うので、先輩後輩関係なくそれぞれが自由にしています。
河野 床で寝ていても怒られないですもん(笑)。
藤近 え、と思うけど、寝たいんならいいよと。それぞれが私生活を自由にしています。
――趣味を教えてください
光川 休みができたらよく友達とどこかに旅に行きます。『アイオラ』旅です。丹野(怜央、教3=北海道・札幌山の手)と清水(新也、スポ3=宮城・仙台育英)と山本(龍平、商3=東京・都武蔵)の3人で熱海に何も決めずに行ったんですよ。最初海に行って、その後近くの飲食店で海鮮丼とかを食べていて、熱海といったら温泉なので温泉に行きたいなと思って、(飲食店で)「ここら辺に良い温泉ないですか?」と聞いたら、「『アイオラ』という温泉があるよ、すごく良いよ」と言われたので行ったら、開けた瞬間にめっちゃ小さなペンタゴンの風呂がぽつんとあって。熱海だから眺めとかが見られると思ったら窓も全然開かなくて。それがきっかけで『アイオラ』です。行き当たりばったりの旅、ロマンあるじゃないですか。いま第4回までやっています。一番最近は千葉の九十九里浜に行きました。
藤近 スポーツ観戦と映画です。いろいろ見ます。サッカーも野球も見ます。
河野 野球はあんまりテレビで見てなくないですか?
藤近 YouTubeでめっちゃ見ています。あとはスポーツ新聞とか毎晩のニュースとか。
河野 僕はビリヤードが好きです。高田馬場に安いビリヤードがあって、結構同期と行ったりしています。岡田一平(スポ2=大阪・常勝学園)とかうまくて、倒せるように頑張っています。
持ち味は「格好良いところ」(光川)
部屋では盛り上げ役の光川
――ラグビーを始めたきっかけを教えてください
藤近 小学校1年生のときはサッカーをやっていたんですけど、1つ上の兄がラグビーをしていて、小学校のグラウンドで自分の入ったラグビースクールが練習をしていたので、小学校2年生でちょっと遊びに行ったら楽しくて始めました。
河野 僕は小学校まではテニスをやっていたんですけど、中学校に入って、背が高いからバスケか何かをしようと思ってバスケ部に体験入部に行ったら練習がきつすぎて、これは無理だと思って。そうしたら席が隣だったヤンキーみたいなやつに「お前、ラグビー部に行くぞ」みたいな感じで連れて行かれて、それで1回体験入部に行ったら先輩からも「よく来たねよく来たね」みたいで辞められない感じになっちゃいました。入ったら入ったでラグビーもめっちゃきついんですけど、なかなか辞められずに高校、大学とやっています。
光川 僕は気付いたときから太っていて、中1で普通に生活していたらラグビー部の顧問に「良い体してるな」みたいに言われて連れて行かれて始めました。
――ラグビーの魅力は何だと思いますか
藤近 やっぱりみんなで攻めてみんなで守るというところだと思います。誰がすごいとかではなくて、それぞれがそれぞれの仕事をして、それがあるからこそ勝てるというのが一番の喜びだし、楽しいところだと思います。
河野 体をぶつけるのが結構好きで、高校で引退してから一時キックボクシングをやっていたんですけど、個人スポーツだと喜びとかを共有できなくて寂しいところがありました。みんなでやって、みんなで勝ってうれしいみたいな、共有できるところが良いところだと思います。
光川 ラグビーはやっぱり、タックルが見ていても自分で入ってもすごく痛くてわぁってなるじゃないですか。そういう感じが良いですね。
――早大に入学したきっかけを教えてください
藤近 自分は早慶どっちかに行きたいと思っていて、その中でたまたま指定校推薦でワセダがとれたのでワセダに来ました。
河野 僕は早実で付属なので上がってきただけなんですけど、ラグビーの試合で、負けそうになっても最後まで諦めない姿勢を見て、早実に行こうと思いました。
光川 最初は筑波大に行こうとしていて、現役のときは筑波大に落ちてワセダは受けなかったんです。一浪して筑波大とワセダを受けて、筑波は落ちちゃって、ワセダはスポーツ科学部だけ競技歴を使うセンター利用入試で受かって、筑波大以外だったらあんまりラグビーする気がなかったんですけど、ラグビーの競技歴を使って受かったし迷っていました。そこで高校の先生に相談してどうすれば良いか聞いたら、「絶対やった方が良い」と言われて。いまでは感謝しています。
――お互いのプレーの良いところを褒め合ってください
藤近 何の罰ゲーム(笑)?
光川 近さん(藤近)はえげつないタックル。
河野 試合中は何度もほれぼれします。
光川 (河野は)仕事量がやばいよね。
藤近 真面目に、何も嫌がらずみたいな。真面目に、本当に真面目にやるところだと思います。
光川 僕はまぁ格好良いところ(笑)。
藤近 格好良いところです(笑)。こんなデブなんですけど、それに似合わないBK顔負けのスキルとかがあって、セットプレーも大事ですけど、それもこなせて、プラスアルファでパスとかもできるというところだと思います。足も意外に速いよね。
――尊敬する人、目標とする人はいますか
藤近 自分が1年生のときの4年生で、村田大志さん(平23教卒=現サントリー)と宮沢さん(正利、平23スポ卒=現ヤマハ発動機)です。
光川 尊敬というか友達なんですけど、いま慶大の4年の掛橋(研登)という人で、中高ずっと一緒にラグビーやってきて、お互い大学でもラグビーしようと言った尊敬し合える仲間です。
河野 サントリーの真壁(伸弥)選手です。
――4年生はどういう学年ですか
藤近 仲が良くてまとまりがある学年だと思います。
――3年生はどういう学年ですか
光川 仲が良い。布巻(峻介、スポ3=東福岡)を中心とした良い学年です。あいつの一言で方向性が決まるというか。
――2年生はどういう学年ですか
河野 藤田(慶和、スポ2=東福岡)はありますけど、2年生はオーラがある人はそんなにいなくて弱そうな人ばっかりなんですが、協調性はみんなあると思います。俺が俺がみたいな人はそんなにいないです。仲良くやっています。
「貪欲に上を目指していけるか」(河野)
文武両道に励む河野
――夏合宿などで取り組みたいことを教えてください
藤近 初めのほうにも話したんですけど、いろんなスキルを伸ばさなければいけないと思うので、一つにこだわるのではなくて、いろんなところを一つでも上げられるように頑張ります。あと体重がCTBですごく低いと思うので、そういったところも改善して、もっとチームのためになる選手になりたいと思います。
河野 スクラムも新ルールになって、これから体重もあるけど走れるプレーヤーが求められてくると思うので、そこをしっかりこの時期に底上げして、テクニカルなプレーヤーになれるように、スキル系の練習もちゃんとしたいです。夏は僕ちょっと熱中症とかになりやすくて、フラフラになっちゃうんですけど、そこらへんも対策してうまくやっていこうと思います。
光川 体重を増やすのと、フロントは太っていてそこを言い訳にしがちですけど、その運動量の差がチームの差に出るので、運動量を上げて頑張っていきたいと思います。
――夏にも帝京大戦がありますが、それまでに必要なことはなんですか
河野 現状に満足せずに、貪欲に上を目指していけるかだと思います。
藤近 今回もAチーム以外は勝ったりしていますけど、誰も満足していなくて、次の試合に意識が向いていて良い感じだと思います。次の試合も勝ちにいくんですけど、そこでも満足することなく、本当に目指しているのは大学日本一なので、そこまで一瞬も満足することなくいくことだと思います。
光川 同じです。
――個人的な今後の目標を教えてください
光川 僕としてはまだBチームなので、大瀧さん(祐司、文4=神奈川・横浜緑ヶ丘)を超えられるような『1番』になりたいと思っています。
藤近 自分はラストイヤーなので、大学に入って一回も大学選手権で1番という経験をしていないので、絶対に『荒ぶる』を歌いたいと思います。
河野 ワセダのロックは河野しかいないというふうに言われるように頑張っていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 大水渚、田中絢)
藤近紘二郎(ふじちか・こうじろう)
1992年(平4)1月29日生まれのA型。180センチ、85キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。政治経済学部4年。藤近選手が宝物として見せてくれたのは2本の腕時計。なんでも、同期の仲間からもらった誕生日プレゼントなのだとか。4年生同士の仲の良さが伝わってきます!
光川広之(みつかわ・ひろゆき)
1991年(平3)6月22日生まれのA型。167センチ、98キロ。神奈川・公文国際学園高出身。スポーツ科学部3年。入寮して間もないながら部屋で一番にぎやかな人に名前が挙がった光川選手。カメラを向けると面白い顔をしてくれるなど、取材中もムードメーカーぶりを発揮していました!
河野秀明(こうの・ひであき)
1993年(平5)8月17日生まれのA型。182センチ、96キロ。東京・早稲田実業高出身。基幹理工学部2年。河野選手の宝物は、本多孝好の小説である『MOMENT』だそうです。理系として勉強に励みつつ、本を読むことも好きだというインテリな一面が見られました!