北風祭の季節がことしもやってくる。北風祭とは、早大ラグビー蹴球部の本拠地である上井草グラウンドで毎年行われる、ファン感謝祭である。グラウンド内では地域の方の露店が立ち並び、OB戦やラグビー体験、現役選手によるチャリティーオークションといったファンにはたまらないイベントが目白押しだ。昨年は地域の子どもたちと選手がチームに分かれてともに競技するミニ運動会が企画され、大いに沸いた。ことし、この北風祭がさらに大きな変貌を遂げる。
ことしの北風祭のテーマは、『愛されるワセダの復活』だ。北風祭運営のリーダーである呉泰誠(スポ4=大阪朝鮮)は、「(帝京大と比べ)ワセダのファンはほとんどリピーターの人。新しいワセダのファンの人たちを獲得して、愛されるワセダを取り戻したい」と語る。北風祭は、早大ラグビー蹴球部をアピールする絶好の機会だ。「ラグビーを知らない人に来てほしい」と呉は意気込む。どうしたらワセダのラグビーの魅力を伝えられるだろうかと、選手が主体となって知恵を絞った催しが計画されている。
イベントの目玉は、上井草の街を巻き込んだ上井草パレードだ。パレードは、ラグビー部員と早大の様々なサークルで構成される。会場の最寄り駅である上井草駅からスタートし、商店街を通ってグラウンドに到着する予定で、ことし初の試みである。地域と早大生と選手が一体となったパレードは北風祭のトリを飾るだけに、関係者も並々ならぬ思いで調整を続けている。目標は上井草の街全体をテーマパーク化すること。賑やかな行進になりそうだ。
呉は、「北風祭がひとつのお祭りとして終わるのではなくて、年間を通してワセダファンの動員につなげていく起爆剤として北風祭があるのではないかと思う」と述べる。「4年生は大きな花火でもあげようかっていうそれくらいの意識」(呉)で、部員の気合いも今回は格別だ。さまざまなイベントを通して、試合中では知ることのできない赤黒戦士の一面が発見できるだろう。選手とファンの垣根を超え、ラグビーの楽しさを分かち合うことのできる北風祭。見どころたっぷりの上井草グラウンドを、訪ねてみてはいかがだろうか。
(記事 高橋真耶)
コメント
呉泰誠(スポ4=大阪朝鮮)
――ファンのみなさんに一言お願いします
ことしは上井草町全体とラグビー部がつながって、ひとつの大きな北風祭になります。本当に朝から夕方まで楽しめる一大イベントになっていると思っています。自分たち選手もそうですが、ファンの皆様にいつも支えられていると思うので、そういった人たちにも少しでも恩返しできるようにと、考えてすごくいいものが出来上がっていると思います。ぜひ足を運んでいただいて、日々ためているストレスを存分に発散していただけたらと思っています。