真夏のオールスターゲーム、対抗戦選抜が完勝!

ラグビー男子

 都内でことし初の猛暑日を記録した7日、第1回関東大学オールスターゲームが行われた。関東大学春季大会を盛り上げた各校のスター選手が一堂に集結。対抗戦選抜とリーグ戦選抜に分かれ、駆けつけた大勢のファンの前で熱戦を繰り広げた。対抗戦選抜として早大からは、プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)、フランカー金正奎(教4=大阪・常翔啓光学園)、SO小倉順平(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が出場。3選手とも持ち味を存分に発揮し、対抗戦選抜の勝利に大きく貢献した。

力強い突破でチームに貢献した垣永

 リーグ戦選抜のキックオフで幕を開けた前半。開始早々から試合が動く。4分にペナルティのリスタートから金がブレイクすると、日本代表にも召集されたフッカー坂手淳史(帝京大)がファーストトライ。これで波に乗った対抗戦選抜は、リーグ戦選抜を圧倒。前日に初めて顔を合わせたとは思えない息の合ったプレーで、次々とトライを重ねていく。垣永主将のパワフルな体当たりや金の献身的なサポートプレー、そして小倉の的確なゲームコントロール。「普段通りに臨もうと思っていて、きちんとそれがプレーにも出せた」(金)とそうそうたる顔ぶれのなかでも、早大勢は好プレーを連発し存在感を放つ。対抗戦選抜が33-0と大きくリードを広げ前半を終える。

 後半に入っても対抗戦選抜の勢いは止まらない。3分に金がこの試合2つ目のトライを奪うと、シンビンによって数的有利に立ったのも重なりさらに2トライを連取。17分にもWTB竹中祥(筑波大)の敵を仰向けにするビックタックルからチャンスを作り、小倉がインゴールに沈め55-0とする。ここまで一方的なゲーム展開が続いていたが、リーグ戦選抜もようやく目を覚ます。24分にプロップ高橋洋丞(大東文化大)が意地のトライを決め反撃の口火を切ると、続く28分にもWTB石井魁(東海大)が80メートル超を走り切る圧巻の独走トライ。流れは完全にリーグ戦選抜に傾き、それまでのうっ憤を晴らすかのような猛攻を見せる。だが4トライを返すも、時すでに遅し。対抗戦選抜が55-28で逃げ切った。

金はチーム内でMVPに選ばれた

 今回初の試みとなったオールスターゲーム。「スペシャリストの集まりなので、たくさんのスキルを学べた」(垣永主将)と選手自身も実力者たちと共にプレーすることで、さまざまな刺激を受ける機会となったようだ。これで春の戦いも幕を閉じ、いよいよ鍛錬の夏シーズンを迎える。公式戦のない夏季の強化が、秋の戦いを大きく左右するだけに、各チームの動向から目が離せない。

(記事 坂田謙一、写真 大口穂菜美)

対抗戦選抜

コメント

プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)

――初のオールスターゲームでしたが、出場してみていかがでしたか

さまざまなことを学べると思いましたし、実際にたくさんのことを吸収できたので、いい機会になりました。

――前半だけのプレーでしたが、そのなかで学んだことがあれば教えてください

スペシャリストの集まりなので、たくさんのスキルを学べたと思います。

――スクラムに関して言えば、フロントローはどちらも帝京大の選手でしたが組んでみていかがでしたか

即席だったので、そこは参考にならないですね。でも、ためになってやりがいのあるいいプレーヤーだと思いました。

――非常に気温が高く、厳しいコンディションでした。体力面はいかがでしたか

オフ明けというのもあって、きつかったです。これからしっかり体力づくりと体作りを頑張っていきたいと思います。

――来週の北風祭に向けてひと言お願いします

早明戦観客動員にも関わってきますし、年に一回のイベントなので、率先して盛り上げるという気持ちで取り組みたいです。

フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)

――ゲームを振り返って感想をお願いします

いやもう本当に充実していて楽しかったです。

――2トライということですがプレーを振り返っていかがですか

トライに関してはみんながお膳立てしてくれたというのもあるので。ただ結果的に楽しくプレーできたので満足しています。

――この試合にはどういう心境で臨まれたのか

もう普通に普段通りに臨もうと思っていて、きちんとそれがプレーにも出せたかなとは思います。(大舞台でも)緊張はなかったです。

――30度を超える猛暑となりましたが体力面はいかがでしたか

前半はきつかったですが後半は走れたと思うので、良かったです。

――いよいよ夏を迎えます。ご自身の目標を教えてください

サイズアップに一番重点を置いて、あとは基本的な部分の精度を高めていけたらと思います。

――最後にこのゲームを通して、何かチームに伝えるべきことがあれば教えてください

やっぱりトップ(レベル)のチームと体を合わせてみて、自分たちが通用していないというのを感じているので、フィジカルの重要性をチームに伝えていきたいです。

SO小倉順平(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返っていかがですか

即席チームだったのですが、良い雰囲気でできたと思います。

――混合チームでのやりにくさなどはありましたか

無かったです。一人一人が強くてやりやすかったですね。

――刺激などは受けましたか

はい。強い選手が多かったので。

――SH流大(帝京大)選手と何度か組んだことがあると思いますが、いかがでしたか

上手いので、特に何も言うことなく普段通りできました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

体が細いですね。少しまずいと思いました。

――自分のプレーで良かった点はどこですか

ないですね。周りがとても良くて、それに便乗しているだけだったので。いつも通りです。

――とても暑かったと思いますが、その中でプレーしての感想を教えて下さい

暑い分FWはもっときついと思うので、キックを上手く使っていけたらなと思いました。

――エリアマネジメントはどうでしたか

きょうはどう頑張っても疲れるゲームだったと思いますが、最低限はできたのかなと思います。

――最低限というのは具体的にどの辺りですか

みんな一人一人が強かったので自陣にいる時間が長かったので、結局はそこですかね。

――夏に向けて強化したい点を教えてください

体ですね。きょう一緒に帝京大の人とやっていても体が強いなと思ったので、夏の帝京大戦に勝てるようにやっていきたいと思います。