手応え得るも、悔しさが残る結果に

ラグビー男子

 東京セブンズ2014の2日目、日本代表は9位から16位を決めるボウルトーナメントに臨んだ。SO藤田慶和(スポ3=東福岡)は前日のSHからポジションをSOに変更して出場。初戦のサモア戦は積極的な動きでチャンスを作り、チームに大量得点をもたらす。次のウェールズ戦でも攻撃の基点となったが、自身のパスミスから失点。サドンデス形式の延長戦までもつれた結果、敗れてしまった。最終成績は16チーム中11位。

タックルを受けながらも前進する藤田

 予選プールBで最下位の日本は、プールC3位のサモアと対戦。藤田はオフェンスのかじ取り役を任され、見事その役目を果たした。相手をかわしてできたスペースに味方を走らせ、多くの得点を演出。計6トライを奪い、42-12で大勝を収める。続いて行われたのはウェールズとの一戦。日本は前半を14-0とリードして折り返した。しかし後半、「チームや個人にとって駄目な選択をしてしまいました」というプレーで一気に流れが敵に傾く。藤田が放ったパスが相手選手にカットされてインゴールを割られる。ここから立て続けに失点し逆転を許した。終了間際に同点に追いつくが、延長戦でトライを奪われて敗戦。惜しくも1桁の順位には届かなかった。

 「勝負どころの判断を冷静にできたら良かった」。こう語る藤田の表情には悔しさがにじみ出ていた。予選でのアルゼンチン戦に続き、勝てる試合をものにできなかったのが心に残っているのだろう。日本代表が次に控える大会は香港セブンズだ。これは、ワールドシリーズに常時出場できるコアチーム入りを懸けた戦いになる。2016年リオデジャネイロ五輪に向けた強化を進めていく上で絶対に落とせない試合だ。「全ての準備を大切にしたら必ず結果はついてくると思う」。悔しさも残った一方で、東京セブンズで強豪を相手に手応えをつかんだことも確かだ。この経験を糧にして今度こそは笑顔で終えたい。

(記事 御船祥平、写真 高畑幸)

コメント

SO藤田慶和(スポ3=東福岡)

――試合を終えての感想をお願いします

ウェールズ戦で自分のミスから悪い流れにしてしまい同点に追いつかれて、さらに逆転も許したのでそういうところを反省していかないといけないと思います。

――この日はSOでのプレーでしたがやってみていかがでしたか

チャンスメークはできたと思います。でもチームや個人にとって駄目な選択をしてしまいました。勝負どころの判断を冷静にできたら良かったと思います。

――個人的にどのような点を意識して臨みましたか

チームを前に押し出すことと、チャンスメーク、トライを取ることも意識しました。それがサモア戦ではできたと思います。

――この大会を通しての感想をお願いします

自分自身でトライはあまり取れませんでしたが、それにつながるプレーができたのはチームにとっても良かったと思います。ディフェンスもタックルを下に入ることが、だいぶできるようになってきたと感じています。

――香港大会に向けても自信を持てた大会になったのではないでしょうか

強い相手に戦えたので自信を持てます。でもそれがおごりにならないで謙虚な気持ちでコアチーム入りを果たしたいと思います。

――コアチームに入ることが一番の成長の機会になると考えますか

この大会中でも成長ができたので、こういう強豪と戦える機会を作ることは大切だと思います。

――香港大会に向けて一言お願いします

ここから1週間でのいい準備が求められるので、プロセスを楽しみたいと思います。試合がキックオフする瞬間まで全ての準備を大切にしたら必ず結果はついてくると思うので、準備をしっかりしていきたいです。