明大Bに勝利、全勝に向け前進

ラグビー男子

 春季オープン戦も残り2試合。早大BはFWを武器とする明大Bと対戦した。前戦の対タマリバクラブ戦での追い風そのままに、前半は14点を挙げる。その一方で後半のスコアは19-20と明大Bの反撃を受けたが、早大Bは33-20で勝利。春季Bオープン戦全勝に向けてまた一つ勝ち星を重ねた。

 早大Bは積極的にトライを狙っていった。相手ペナルティからゴール前5メートルのラインアウトに持ち込み、そのままモールトライを決める。続いてFB滝沢祐樹(基理2=福島)が敵のギャップをついてゲイン。大外へとボールをつないで、フランカー古賀壮一郎(教4=福岡・筑紫)がインゴール右隅に飛び込んで追加点。連携の取れたプレーに、選手たちも笑顔を見せた。その後は反則で得点が遠のくも早大Bはブレイクダウンで優位に立ち、ゴールラインを割られることなく14-0で前半を折り返した。

突破を図る滝沢

 メンバーを大幅に変えて臨んだ後半、早大Bはなかなか試合の流れをつかめない。明大Bの独走を許すなどディフェンスの穴も目立ち、2トライを連続で献上。そんな状況を打開したのは早大BのBK陣だった。WTB杉聡司(政経4=福岡・西南学院)が鋭いハンドオフでラインブレイク。そこからフェーズを重ね、最後はSH山岡篤樹(教2=東京・本郷)がゴール中央にトライ。WTB土肥将也(人4=東京・三鷹)はタックラーを何人も振り切って独走、28-10まで押し上げた。終盤は集中力切れから明大Bの得点を許すが、1トライを追加して33-20でノーサイド。前半のリードを守り切った。

途中出場ながら得点を決めた土肥

 FW勝負の明大B相手にブレイクダウンでの圧倒やターンオーバーを見せた早大Bだったが、選手たちは試合内容に納得していない。「今回みたいな試合をすれば、多分負けると思います」(フランカー呉泰誠、スポ4=大阪朝鮮)。次戦は帝京大B戦。目標としてきたチームとの対戦を目前にしているからこそ、この内容の勝利に満足はできないのだ。今回のようなペナルティや細かなミスは許されない。早大Bが積み重ねてきた鍛錬の真価が試されようとしている。

(記事 田中みずき、写真 大口穂菜美)

春季オープン戦
早大B スコア 明大B
前半 後半 得点 前半 後半
14 19 20
33 合計 20
【得点】▽トライ 清水、古賀、山岡2、土肥 ▽ゴール 間島(2G)、浅見(2G)
※得点者は早大Bのみ記載
コメント

フランカー呉泰誠ゲームキャプテン(スポ4=大阪朝鮮)

――試合を振り返っていかがですか

相手がメイジということでフォーカスしたのは、セットプレー、スクラムとラインアウトで、BKで勝負していこうという話をしたのですが、スクラムの方はペナルティも重なってしまいましたし、ラインアウトもなんだかミスをしてしまいました。そういう時に限って相手に前に出られてしまい、苦しい展開がいくつかあったと思います。ただブレイクダウン、ターンオーバーで超えるところは超えられたので、そこでしっかりとBKが良いスピードとタイミングでアタックしてくれて、点を着実に重ねていけたのが勝因だと思います。取らなければならない所で何度か取れなかったのですが、絶対取らなきゃいけないところでは取れました。相手の強いプレーヤーに走られてブレイクされトライを取られたというのが何度かあったので、修正したいと思います。

――後半は押される場面もありました

FBであったり、外にいるプレーヤーがボールを取ったときに、FWランナーが速く寄ることができなかった。そこでやっぱり相手が大外でターンオーバーブレイクを狙っている所に、ワセダが寄れなかったので、そこでプレッシャーを受けたこともそうですし、細かいミス、もっともっと後半出てきたフレッシュな人たちが前に出て、勝負して欲しかったのですが、横に流れたりだとか受け身の攻撃をしてしまったので、前に出れずトライにつながらなかったのではないかなと思います。2枚目3枚目のサポートの寄りと速さとあとは精度が原因ですかね。

――そこが次戦に向けての課題になってくるということでしょうか

そうですね。このままだと帝京大にやられてしまうと思います。

――他に修正したい点などはありますか

気持ちの面で言うと、気持ちはもちろんできあがるだろうし、そこは問題ではないと思うのですが、相手は1年間目標にしてきたチームで、FWもBKも強くて速くて、才能集団です。しかも才能を持った人たちが上手くコミュニケーションを取れている。そういうチームに勝つためには1個1個本当にミスを少なく、100パーセント、むしろ120パーセントそれ以上の精度と能力でやっていかなければ、勝てないと思います。今回みたいな試合をすれば、多分負けると思います。試合終わってから、まず勝てたことを喜びましたが、最後、後半の後半で追い上げられるようでは(だめだと思う)。ゲームは80分なので良い所ばかりではなく、悪い所も出てきます。悪い所をいかに少なくしていくか、そこの集中力であったりとか、どこかで33点取って緩んだところがあるので、そういう部分をもう一度しっかり気を引き締めてやろうと話しました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

全然だめです。走れなかったです。トータルして、自分がボールキャリアーであったりとか、自分のタックル起点でターンオーバーしたりだとか、そういうことをして自分が火をつける、勢いづけるプレーをしていこうと思ったのですが、少しサポートに徹しすぎてしまったかなと。フィットネスの点にも(課題が)あると思います。

――帝京大戦に向けて一言お願いします

今回初めて遠征Aチームに入れなかったんですよね。もちろんすごく悔しいですし、布巻(布巻峻介、スポ3=東福岡)というプレーヤーがフランカーにきたことで、自分にとってすごく刺激になります。自分に何が足りないのかというのをもう一度見つめ直せる良い機会なので、しっかりと自分の課題を克服して次の帝京大戦に向けて頑張っていきたいと思います。

SH山岡篤樹(教2=東京・本郷)

――この試合を振り返って、いかがでしたか

僕は後半から出て、後半は入りで2本立て続けにやられてしまったので、後半の入りと、それから最後のフィットネスが切れてきたところで相手にやられてしまったことが課題です。個人的には、アタックの面では良かったのですが、ディフェンスで何本か抜かれてしまうところがあったので、そこが反省点です。

――この明大B戦にはどのような気持ちで臨まれしたか

相手はFWが強いので、まずはそういう相手の強みをつぶしていくということを考えて、あとは自分たちのプレーをすれば絶対に勝てるということを信じてやりました。

――どういうゲームメイクをしようと意識していましたか

前半から見ている限り、まずは陣地をとって、マイボールをキープすれば絶対に点は取れると思っていたので、それを後半も続けていこうという感じです。

――チームとして良かったところはどこですか

FWが頑張ってくれて、FW戦でそんなにやられなかったところ、勝てたところが勝因ではないかなと思います。

――帝京大戦に向けて、意気込みをお願いします

帝京大はFWもBKももっと体が強いので、そこで受けないで自分たちで越えていけば絶対に勝てると思うので、それを信じてやっていきたいと思います。

SO浅見晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合全体を振り返って、いかがでしたか

本当に前半を良いかたちでもらって、そのまま後半に行こうっていう感じだったんですけど、僕のキックミスがあったりして、乗り切れなかったところが大きかったですね。

――後半からの出場でしたが、どのようなことを考えて試合に臨まれましたか

相手のアタックラインがあんまり上がってこなかったというのがあって、ディフェンスで前に行けば絶対に怖くないということで、ディフェンスしようというふうに話していました。

――後半は立ち上がりで苦戦していましたが、原因はなんだとお考えですか

ディフェンスのタックルの一対一で勝てなかったところがあったんですが、そこは中盤以降修正できた点でもあるのでそれはよかったと思います。

――ご自身が得点に絡むシーンもありましたが、プレーを振り返っていかがでしたか

あれは本当にたまたまです。

――来週はいよいよ帝京大戦です。改善点と意気込みをお願いします

そうですね、やっぱり日本一のチームなので僕らちっちゃいなか、低く低く行って、気持ちだけは負けずにやりたいと思います。

WTB山本龍平(商3=東京・都武蔵)

――試合を振り返ってどうですか

そうですね、前半バックスリーとしての課題は、前半に大外のブレイクダウンのところでペナルティを犯したり、ターンオーバーされるシーンが多くブレイクダウンかけられるところがバックスリーとしての最大の責任なので、そこをもうちょっと突き詰めていけば前半から試合作りがうまくいったかなと思います。

――調整はどうでしたか

今週はBチームとしてやって、週末日曜日にAチームとして上がることを目指してBチーム全体でやってきていてチーム全体としては後半まで締まったゲームができて良かったですけど、自分自身がAチームに上がれなかったことが一番悔やまれます。

――明大Bの当たりはどうでしたか

一人一人がかなり強く特にFWは前に進む力がすごく強く、タックルも弾かれてしまったこともあったのでもっとフィジカルのアップやタックルのスキルを上げていかないと、この先もっと大きい帝京大とかと戦うにはやっていけないので、そういうところは個人でもできることはいっぱいあるのでそういうところから突き詰めていきたいです。

――運動量はどうでしたか

最後脳振とうを起こして倒れてしまったので、最後までケガせず思いっきりプレー出来るようにしたいです。この春フィットネスをチーム全体の課題としてやってきて、途中FWの足が止まってしまうところはBKがカバーし、BKがカバーした後にFWが取り返すというチーム全体のサイクルはかなりうまくできていたので、そこは春の成果かなと思います。でもまだ全然改善できる点はあると思います。

――帝京大に向けての目標を教えてください

帝京の選手はきょうよりもみんな大きかったり、速かったり一人一人の能力が高いことが予想されるのでもっと来週は気持ちを入れて一週間で変われるか分からないが、気持ちの面では一人一人が負けないように戦って、Bチームで戦った後必ずAチームに上がれるように頑張っていきたいです。