難敵・筑波大を振り切り決勝進出!

ラグビー男子

 悲願の『荒ぶる』まで、あと1勝だ。セカンドステージを3戦全勝で勝ち上がり、全国大学選手権ファイナルステージ準決勝進出を果たした早大。関東大学対抗戦での激戦(○20-17)の記憶が新しい筑波大との対戦となった準決勝は先制点を許したものの、前半のうちに逆転し、リードを保って前半を折り返す。後半は相手の猛攻撃に遭い、自陣にくぎ付けにされる時間帯が続いたが、トライを許さずに攻撃を凌ぎ切ると、終盤に追加点を挙げて追いすがる筑波大を突き放し、29-11で快勝。見事、決勝へとコマを進めた。

決勝進出を決め、笑顔で歓声に応える選手たち

 前半6分にペナルティーから先制点、その4分後にはハンドリングミスから追加点を許すなど、試合の入りは厳しいものであった。激しいブレイクダウンでの攻防において、序盤は後手に回ったものの、FWのゲインを起点としたテンポの良い球出しから徐々にリズムをつかみ、FB藤田慶和(スポ2=東福岡)のトライとSO小倉順平(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のPGで逆転に成功。しかし、10-8とリードをして迎えた後半は、再逆転を狙う筑波大の圧力を前に、幾度となくゴール前まで迫られた。エリアマネジメントにも苦しみ、ボールをターンオーバーするもハンドリングエラーから再びボールを失い、自陣でのプレーを余儀なくされる悪循環も見られた。だが、「あれだけ自分たちがミスしてもディフェンスで守り切れた」と、ロック黒木東星(スポ4=東福岡)が試合後語ったように、高い集中力を保った早大は最後までインゴールを割らせることなく、懸命のディフェンスで守り抜いた。

 勝敗を分けたのは、スクラムだった。7-8と1点ビハインドで迎えた前半26分、相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけ、逆転PGにつながる相手の反則を誘うと、極めつけは後半28分。敵陣ゴール前でまたしても筑波大ボールでのスクラムを迎えると、「1年間やってきたことが凝縮されていて、いままでで一番のスクラム」(プロップ垣永真之介主将、スポ4=東福岡)と、相手SHがボールを入れた瞬間に一気に押し込み、ターンオーバー。勝利をグッと近づける、SH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)のスクラムトライを呼び込んだ。後半は立ち上がりから自陣でのプレーを長時間余儀なくされていただけに、そのうっぷんを晴らすかのような鮮やかなトライであった。「あそこの場面でターンオーバーしてスクラムからトライをとって試合を決めることができたので、その点は素直に褒めてもいいと思います」(後藤禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)。こだわり続けてきたFW、こだわり続けてきたスクラムが早大の大きな武器であることを改めて示した瞬間であった。

ワセダの強みであるスクラムが勝利を大きく近づけた

 リードを守り抜くだけでなく、28分、34分、37分と立て続けにトライを奪って相手を突き放せた点は、試合終盤に競り負けることの多かった昨年からチームが成長した部分であろう。セカンドステージ最終戦の中大戦で負傷し、きょうの試合の出場が危ぶまれていたフッカー須藤拓輝(スポ4=東京・国学院久我山)も随所に好プレーを見せ、復活をアピール。大きな故障者がいなくなったことで、チームは万全の状態にあると言える。大学選手権決勝という最高のシチュエーション、5年ぶりの王座奪還という達成すべき目標、改修前最後の国立競技場。そして、相手は絶対王者・帝京大。舞台はすべて整った。残すは、勝利のみだ。

(記事 八木和基、写真 戸澤美穂)

全国大学選手権ファイナルステージ準決勝
早大 スコア 筑波大
前半 後半 得点 前半 後半
10 19
29 合計 11
【得点】▽トライ 岡田、深津、藤田2 ▽ゴール 小倉(3G・1PG)
※得点者は早大のみ記載

  

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
大瀧 祐司 文4 神奈川・横浜緑ケ丘
須藤 拓輝 スポ4 東京・国学院久我山
◎垣永 真之介 スポ4 東福岡
黒木 東星 スポ4 東福岡
芦谷 勇帆 スポ4 京都・伏見工
金 正奎 教4 大阪・常翔啓光学園
布巻 峻介 スポ3 東福岡
佐藤 穣司 スポ2 山梨・日川
岡田 一平 スポ2 大阪・常翔学園
10 小倉 順平 スポ3 神奈川・桐蔭学園
11 深津 健吾 スポ3 東京・国学院久我山
12 坪郷 勇輝 商4 東京・早実
13 飯野 恭史 商3 東京・早実
14 荻野 岳志 先理3 神奈川・柏陽
15 藤田 慶和 スポ2 東福岡
  後半39分交代→23滝沢    
リザーブ
16 光川 広之 スポ3 神奈川・公文国際学園
17 清水 新也 スポ3 宮城・仙台育英
18 佐藤 勇人 スポ3 秋田中央
19 大峯 功三 スポ3 福岡・東筑
20 植田 耕平 スポ4 東京・本郷
21 辰野 新之介 文構4 神奈川・桐蔭学園
22 水野 健人 人4 大阪・東海大仰星
23 滝沢 祐樹 基理2 福島
※◎は主将、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
コメント

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――決勝進出おめでとうございます。試合を振り返っていかがでしたか

向こうが一番強いディフェンスのブレイクダウンのところでしかけてくるのは分かっていたので、そこを真っ向から受け止めてワセダはワセダの強みのセットプレーでしかけて勝ち切ろうということだったんですけど、やっぱり前半はそこのブレイクダウンのところでプレッシャーを受けましたね。

――きょうの試合ではSO小倉選手(順平、スポ3=神奈川・桐蔭学園)とフッカー須藤選手(拓輝、スポ4=東京・国学院久我山)がケガから復帰されましたが、2人の復帰に関してはいつ頃に決めたことなのでしょうか

小倉に関しては前節の試合が終わった時には間に合うことが分かっていたので以前から決めていました。須藤に関しては6日前ぐらいまで微妙な状況だったんですけど、スクラムである程度問題なく押せるということが分かった時点で須藤で行こうと決めました。

――前半をリードして終えることができたことは大きかったのではないでしょうか

ミスからの失点はしましたけども、ワセダのディフェンスが崩れなくて基本的には前半の途中ぐらいからゲームをコントロールできたと思います。いずれにしてもロースコアのゲームになると思っていたので、あの展開は望むところでした。

――後半の入りはずっと自陣でプレーする苦しい時間が続きましたが、そこで無得点に抑えれたのが終盤につながったのでしょうか

そこのエリアマネジメントのところなどはまだ稚拙なところがあったんですけど、結果論としてあの時間帯を0点で抑えれたのは選手たちに自信になったと思うので、これを次の決勝戦に向けて活かしていきたいと思います。

――FB藤田選手(慶和、スポ2=東福岡)が勝負どころで2トライ決める活躍を見せましたが、藤田選手に関してはいかがでしたか

前戦まで同様かなりマークはされていましたが、その中でも2つトライを決め切るというのは彼の持っている決定力の部分が出たのかなと思います。

――今季はこれまでFWにこだわってきましたが、これまでの試合を通じての完成度などはいかがでしたか

最後あそこの場面でターンオーバーしてスクラムからトライをとって試合を決めることができたので、その点は素直に褒めてもいいと思います。

――決勝戦の相手は帝大に決まりましたが、本日の試合を見て印象はいかがですか

これまでと変わらないですね。やはり強くて大きい相手だなと思います。

――『荒ぶる』に向けて一言お願いします

ここまで来たらあとは精神力の問題で、持てる力を出し切るということも含めて精神的にタフに戦えるかだと思います。きょうの試合で間違いなくタフに戦えたと思うので決勝戦ではさらにタフになって、そこで相手を上回って勝ちたいと思います。

プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)

――試合を振り返って感想をお願いします

筑波大のディフェンスブレイクダウンにフォーカスを当てて練習に取り組んできました。前半は予想以上に相手選手の意識が上回って、かなり苦しまされました。後半の20、30分あたりまでかなり攻め込まれましたが、あそこを耐えきったことは、僕らが春から苦しんできた課題が克服されたと思います。心の底から自信になりました。とはいえ、まだ課題はあるので上井草に帰って真摯に向き合って、決勝戦に向けた最高の準備をしていきたいと思います。

――負けられない戦いでしたが、どんな気持ちで臨みましたか

いままでやってきたことをすべて出し切るつもりで臨みました。

――前半はブレイクダウンでかなりプレッシャーを受けていました

対策はしていたのですが、予想以上にブレイクダウンが強かったです。その中でも粘り強くディフェンスできたのは、評価できる点だと思います。

――セットプレーに関してはどんな感想をお持ちですか

ラインアウトは100パーセントだったので満足しているのですが、スクラムはもっとプレッシャーをかけられたのかなと思います。

――後半は、攻め込まれて何度もピンチを迎えましたが、あの場面で意識していたことは何ですか

全員が絶対に止めるという意識を共有できたことが、良い結果につながったと思います。

――早明戦も然り、あの場面を耐え抜いたことは、大きな自信になりますか

かなりの自信になると思います。春は簡単にトライを取られていた場面だったんですけど、耐えてそこから盛り返してトライを取れたのは、大きな自信になりました。

――後半のスクラムトライは見事でした

1年間やってきたことが凝縮されていて、いままでで一番のスクラムでした。

――決勝戦で大事になってくることは何ですか

気合と根性です。メンタルに関しては、きょうの試合でかなり自信がついたので、決勝戦につなげていきたいと思います。

――決勝戦で戦う帝京大の印象を教えてください

素晴らしいチームだと思います。

――決勝戦に向けて意気込みをお願いします

とうとう舞台が整ってあとは勝つだけなので、悔いが残らないように頑張りたいと思います。

フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)

――ゲームを振り返っていかがでしたか

いままでやってきたことをしっかりと出せた結果、点差もつけられましたし、しつこいディフェンスもできたので良かったのではないかと思います。

――前半の前半のブレイクダウンでは劣勢でした。筑波大の圧力を感じましたか

もちろん筑波大は強いのですが、どのチームも前半の前半というのは元気なので。そこで修正できなかったのは問題だったのですが、前半の後半以降は修正できていたと思います。

――どういった修正をしたのですか

2人目の寄りを早くするのと、キャリアーが早く寝ないということを意識しました。みんなしっかりとそれを遂行できていたと思います。

――筑波大のフィジカルはいかがでしたか

個々がすごい強かったですし、やはり大学ではトップレベルだなということを強く感じました。

――後半は自陣でのプレーが続きました。ご自身は何を考えてプレーしていましたか

ちょっとミスが続いて、自滅で自陣にくぎ付けになってしまったのですが、ここをしっかり粘り切ればワセダに流れが来るかなというのは感じていました。実際その通りにゲームが進んでいったので良かったです。

――その後敵陣でのスクラムを押し込み一気に流れを引き込みました。スクラムの前に何を話しましたか

ここでしっかりターンオーバーしようということを話しました。これが最後のチャンスだと。このスクラムにしっかり懸けようということがしっかり形に出たと思います。

――スクラムには自信がありましたか

そうですね、何十本、何百本とずっと組み続けてきたので。そこはこだわりを持ってやってきたという自負があります。

――帝京大と対戦するに当たり、FWとして心掛けることは

相手も組織としてすごいのですが、ワセダはそれ以上に組織力があると思うので、そこでまずぶれないということと、1対1で前に行かせないということですね。最後の最後までそこだけはこだわって自分たちの方が強いFWだということを証明したいと思います。

――ご自身の意気込みを教えてください

垣永組として最後の試合になるので、いままで早大ラグビー部で培ってきた4年間の集大成を、自分としても、チームとしても出したいと思います。

プロップ大瀧祐司(文4=神奈川・横浜緑ヶ丘)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

とりあえず、勝てて良かったです。

――この試合に向けて、チームとしてはどういった調整を行ったのでしょうか

基本的にはいつもと変わらなかったですね。練習量がいつもより少なかったかな、という感じです。

――試合を振り返って、先に先制を許す展開となりました。チームの雰囲気はどのような感じでしたか

自分たちのミスとペナルティーから点を取られたという感覚だったので、そんなに慌てることはなかったです。

――ブレイクダウンの局面に関して、プレーしていていかがでしたか

ブレイクダウンのところで人数をあまりかけれていなくて、そこを突かれたので…。改善していきたいです。

――リードして折り返した後半、攻め込まれる時間帯が長く続きました

相手のミスに助けられた部分もあったんですけど、粘り強いディフェンスが出来たのかな、って思います。体のぶつかり合いのところで絶対に気持ちで負けないようにいこう、と試合前に話をしていたので、気持ちが切れることなくディフェンスをし続けられたのかなという感じです。

――そういった時間帯を0トライでしのぎ、終盤には連続トライで相手を突き放しました

きょねんまででしたら終盤に逆転されてたりしてたんですけど、ことし積み上げてきたこととして精神的なところが強くなったので、ああいった展開になったのかなという感じです。

――きょうはスクラムの出来が良かったように感じたのですが、プレーしていてどうでしたか

スクラムには自信を持っているので、スクラムで勝って相手を崩していくという作戦というか、そういったことを考えているので良かったです。

――後半のスクラムで押し切ったトライについて、試合後の記者会見で垣永選手(真之介、スポ4=東福岡)が「今までで一番良かった」とおっしゃっていたのですが、どう感じていますか

今季で一番良かったと言っても良いと思います。

――先日の中大戦ではここのところ調子があまり良くないという風におっしゃっていましたが、コンディション面も含めて、きょうのご自身のプレーはどうでしたか

ボールを持つ回数が何時もより多かったのでそこは良かったと思うんですけど、ディフェンスのセットのところやタックルした後の起き上がりが少し遅かったと感じています。コンディションの方は疲れも取れているので、上がってきていると思います。

――いよいよ次は決勝、相手は帝京大になります

1年間やってきたことを全て出して、勝ちます。

フッカー須藤拓輝(スポ4=東京・国学院久我山)

――決勝進出が決まりました。今の気持ちを教えて下さい

素直に嬉しい気持ちと、(決勝の)相手が帝京大ということで気が引き締まる思いです。

――試合を振り返っていかがでしたか

1番きつい後半の最初の20分間を耐え切ることができたのが勝因だったかなと思います。

――ケガの状態はどうですか

もう大丈夫です。

――ゴールライン間際のスクラムではどのようなことを話し合いましたか

もうターンオーバーをするしかない、と。あのスクラムが試合の分岐点というかポイントだったと思うので、ターンオーバーをしよう、と話していました。シンプルに「押そう」ということしか考えていませんでした。

――筑波大のディフェンスの印象はいかがでしたか

個々がやっぱり強いな、と思いました。良いディフェンスをしてくるので、突破するのが難しかったですね。

――ご自身のプレーに関しては何を意識していましたか

目の前の相手しか見ずにいこうかな、と思ってプレーをしていました。

――チームとしてのディフェンス面はいかがでしたか

1回ゲインされてからのディフェンスがあまりよくなかったので、ここから決勝に向けてまた修正していきます。

――『荒ぶる』に向けて意気込みをお願いします

もう勝つだけなので、いつも通りのパフォーマンスをして、勝って終わりたいと思います。

ロック黒木東星(スポ4=東福岡)

――きょうの試合は29ー11で勝利となりました。振り返っていかがですか

あと残り長くても2試合で、自分たちの100パーセントをこの試合で出せたら良いと思ってやりました。

――対戦相手の筑波大はタテに強い印象がありましたが、いかがでしたか

個人個人では相手の方が少し上回っている部分があるので、自分たちは走り回って、後半疲れてきた中で優位に立てるかだと思っていました。強かったですけど、全然いけると感じました。

――前半は先制されながらもリードで折り返しましたが、いかがでしたか

前半は自分たちのミスでいかれたところもあったので、リードして折り返したのは大きかったんですけど、まだ分からないなというのはありました。

――後半半ばまで自陣でのプレーが続き、ゴールに迫られながら粘るという展開が続きました。いかがでしてか

あれだけ自分たちがミスしてもディフェンスで守り切れたというのは収穫でした。苦しかったですけど、守り切れて良かったです。

――悪い流れの中、スクラムからトライを奪うシーンがありましたが、その時のFW陣の雰囲気はいかがでしたか

めちゃめちゃテンション上がってました。ここでやってやろうと。スクラムでプレッシャーかけて絶対ボール取ろうと思っていました。

――そのシーンを含めてスクラムで相手を圧倒していましたが、いかがでしたか

自分たちはセットプレー、スクラムに関して日本一強いと思っているので、絶対に揺るがないプレーをして、自分たちのスクラムを組めたら良いなと思います。

――次の試合が最後となりますが、4年生を中心としたことしのチームはいかがでしたか

真之介(プロップ垣永主将、スポ4=東福岡)がことしのチームが始まる時にいままでやってきた努力よりも死ぬほど努力して、覚悟を決めると言って始まったので、4年生ひとりひとりが覚悟を決めてことしに臨みました。良いチームになったと思いますし、絶対どこにも負けないチームになったんじゃないかなと思います。

――次はいよいよ決勝戦の帝京大戦です。それに向けて

あと自分たち4年も10日間しかないですけど、最後まで試合に出られない4年生も連れて来たからには優勝しかないと思っているので、自分たちのラグビーを100パーセントして、帝京大をぶっ倒します。

ロック芦谷勇帆(スポ4=京都・伏見工)

――決勝進出が決まりました。お気持ちをお願いします

あと10日間また垣永組でラグビーできるということが、素直にうれしいです。

――ご自身が出場した選手権では初の決勝進出です

優勝するだけです。

――きょうの試合のことをお聞きします。前半特に立ち上がりが筑波ペースでした。要因は何でしょうか

ブレイクダウンでプレッシャーをかけられて球が取れなかったというのが、リズムがつかめなかった1番の要因だと思います。

――ミスやペナルティーなども目立ったように思います

二つのペナルティー(編注:ラインオフサイド)が僕のペナルティーなのですが…相手のプレッシャーからペナルティーをしてしまいました。

――後半、自陣前で筑波の猛攻を防いだシーンがありました

あそこを防いだのはすごく大きかったです。後藤さん(禎和、平2社卒=東京・日比谷)もおっしゃっていたのですが、本当にあのトライを防いだのはチームが成長している証しだし、自信を持てばいいと。すごく良かったです。

――SH岡田一平選手(スポ2=大阪・常翔学園)のトライでは、スクラムで長距離を押し込みました

相手ボールだったのですが、FW8人にスクラムで押そう、という統一がありました。それが上手く8人でヒットして押せてスクラムトライになりました。

――ことし1年間FWがいい、と言われ続けたと思います。実感としてはいかがですか

FWにはやはり自信があります。

――ラインアウトに関しては、昨年よりも精度は上がっていますか

上がっていますね。ラインアウトコーチの星野さん(邦夫、平18法卒)という人がおられるんですけど、その人の教えの下、精度は上がっていると思います。

――筑波大の印象はいかがでしたか

フィジカルと個々の力。特にブレイクダウンが強かったです。

――次戦、帝京大戦が最後の公式戦です

もう『荒ぶる』を取るだけなので。みんなで『荒ぶる』を歌いたいです。

フランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)

――決勝進出を決めた感想を聞かせてください

今シーズンの目標である優勝の一歩手前まで来たので、素直にうれしいです。

――立ち上がりは厳しい展開になりました。筑波大の印象はいかがでしたか

もちろん強い相手ということは分かっていましたし、こういう試合になるというのは分かっていたので、焦らずにできたと思います。

――後半もかなり自陣での我慢の時間帯が続きました

あそこが勝負の分かれ道だったと思うんですけど、うまく敵陣にいけないのも分かっていたので、どれだけFWとBKとが一緒になってディフェンスできるかがポイントだったと思います。

――その厳しい展開の中で奪った相手ボールスクラムからのトライは、早大FWの強さが表れた場面だったのではないでしょうか

そこはどんどん強みとしてやっていこうと言っているので、その通りになって良かったです。

――後半の途中からスクラムやモールで押し込む場面も見られました。前半からどのような修正をしたのですか

相手がばてたのか分からないですけど、早大はきついときでも同じようにスクラムを組もうと言っていたので、みんな力が落ちることなく組めていたと思います。

――布巻選手がフランカーにポジションを変更された今年度の試合も次戦が最後となります。ここまでの仕上がりや課題などを教えてください

次の試合でいままでで一番良いプレーをしなければいけないですし、まだ時間もあるのでもっともっと成長して、良い準備をしていきたいと思います。

――次戦は布巻選手にとって初となる決勝戦です。その帝京大戦に向けて意気込みをお願いします

どんな世界なのか分からないですけど、きょうと変わらず勝つことを信じて、自分にできることをしたいと思います。

NO・8佐藤穣司(スポ2=山梨・日川)

――試合を振り返って感想をお願いします

勝つことができて率直にうれしいです。『荒ぶる』を取るための切符を手に入れたので、試合までの間しっかりと調整していきたいです。

――試合にはどのような気持ちで臨まれましたか

負けたら『荒ぶる』という目的にたどり着くことができないので、どんな形であろうと勝ちにこだわるつもりで臨みました。

――前半の立ち上がりが苦しかったですが、いかがでしたか

予想以上に筑波大のブレイクダウンやディフェンスが激しかったので、思うようなパス回しができず流れが作れませんでしたね。試合の流れの中で声かけをするようにして、徐々に良くはなっていったので、いい修正はできたと思います。

――切り替えることができた要因は何ですか

前半の立ち上がりでは球を出すという部分でのプレッシャーで流れが作れなかったんだと思います。ボールさえ出れば相手を崩せていたので、まずは球を出すことを意識して切り替えましたね。

――決勝に向けて意気込みをお願いします

『荒ぶる』を目指して全力で頑張るだけです。

SH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)

――試合を振り返っていかがですか

思った通り、最初は厳しい試合になりました。でも後半ディフェンスの自陣にくぎ付けの場面で、トライをとられることなく防ぎきったというのはかなり自信になるし、こういうモチベーションで決勝も行ければ、勝機はあるなと感じました。

――前半は筑波大に圧倒されていた印象でした

そうですね。自分たちが固かったのと、筑波大のすごいディフェンスブレイクがありました。予想通りの展開で苦しめられましたが、後半までワセダは80分間走りきったことで勝ったのだと思います。

――後半のラスト10分間は完全にワセダペースでした

前半は相手も元気なので、自分たちが一番走らないといけない70分以降にはこだわって、今回のように自分たちの流れにすべきだと感じました。

――流れが変わったのは岡田選手のトライでしたね

スクラムですね。全部流れを持ってきたのは。中盤でもゴール前でもスクラムが有利にたてるというのは、試合全部を自分らの流れに持っていけるということなので。帝京大は強いですけど、そこはやっぱりスクラムでこだわってほしいです。ぼくのトライもあれだけ押してくれたら取らなければと思いました。

――一方で、ペナルティーやBKのハンドリングミスが多く見られました

総合的なペナルティーは減ったかなと思うんで、やっぱりラインオフサイドなど一度取られたら修正して、意識を持つことが大事だと思います。ハンドリングについては、ターンオーバーシチュエーションが多く、またBKには準決勝経験者が全然いないのでそこで焦りが少しあったのかなと思います。このようなミスをプラスに考えて、次の決勝では修正したところを見せたいと思います。

――帝京大戦に向けて、改善したい課題を教えてください

ペナルティーは減ってはきているのですが、ノーペナルティーにすることが課題です。あとはワセダらしく、80分間強いタックル・低いタックルをどんどん帝京大に浴びせて、最後は我慢強くいけば勝利できるかなと思います。

――勝利のカギになるのは、やはりFWでしょうか

そうですね。FWのセットプレー、ラインアウト、スクラム。ここにプレッシャーをかけられればBKもそれで有利になれると思うので。

――『荒ぶる』への意気込みをお願いします

全く経験したことがないので、すごく楽しみですし、また少し不安なところもあります。決勝なので楽しんで、最後に笑顔で終われたらいいなと思います。

WTB深津健吾(スポ3=東京・国学院久我山)

――試合を振り返っていかがですか

前半は自分たちのやりたい事がうまくできなかったので点差があまり開かなくて、つらい時間が多かったんですけど、ディフェンスがしっかりできてゴール前まで来られても守り切った事は自信になるし、個人的には最後トライを取れて良かったと思います。

――後半序盤は攻め込まれる時間帯が長かったですが、その要因は何ですか

ブレイクダウンで圧倒されて劣勢に回ることが多くなってしまったので、それでターンオーバーできなかったし、マイボールでやる時間が少なかったから攻め込まれることになったと思います。

――後半の1トライ目を決めてからワセダの流れになりましたが、何か意識した点やそれまでと変えた点はありますか

自分たちが自信持ってしっかりボールコントロールしながら外で勝負できたのと、ブレイクダウンで受けに回ることも減ったというのがあると思います。

――深津選手自身のトライシーンを振り返っていかがですか

あれはもういつも通り内側がストレートでしっかりマークしてくれて、飯野(恭史、商3=東京・早実)も仕掛けていってくれたので、頂いたようなトライです。でもまあうれしいです。

――中大戦の後に「課題はメンタル」とおっしゃっていましたが、きょうはどうでしたか

きょうはこの次の決勝までの10日間を絶対に取りにいく気持ちで最初から入れたので、そこは修正できたかなと思います。

――決勝の帝京大戦に向けて意気込みをお願いします

もちろんここまで来たら勝つしかないので、帝京大にリベンジして『荒ぶる』を歌います。

CTB坪郷勇輝(商4=東京・早実)

──筑波大戦を振り返ってみていかがですか

前半の最初にブレイクダウンで圧力をかけられて、そこは早大としても予想通りでそこをどうにかしようということでしたが、最初にトライを取られてあまり良くない入りになってしまいました。ですが、そこで焦らずに早大らしくプレーできたことが良かったかなと思います。後半もきつい時間帯が結構多かったのですが、相手に点数を取られないという所が次に向けて結構自信になったと思います。

──前半の序盤はBKの連携ミスがあったように思います

相手のプレッシャーも結構あったのですが、そこは次の試合に向けてもっと精度を高めて絶対にチャンスで取り切るというふうにしたいです。次は最後なので、そこで集中してやっていきたいと思います。

──決勝進出を決めたことに関してはどのように思われますか

素直にうれしいです。1年生の時以来なので。次も絶対に勝って『荒ぶる』を歌いたいですね。

──帝京大戦へ向けての意気込みをお願いします

次は最後なので、自分の持っている力を全部ぶつけて絶対に優勝します。

CTB飯野恭史(商3=東京・早実)

――筑波大を破り、決勝進出を決めた今のお気持ちはいかがですか

うれしいというかほっとしました。自分のミスであわやという場面もあったので、勝ててよかったです。

――相手の印象はいかがでしたか

強いとは想定していたのですが、想定していた以上に相手のブレイクダウンが激しくて、前半の初めのほうは思うようにアタックできなくて、ターンオーバーされている場面も多かったので、そういったところは想像よりもすごかったです。

――飯野選手ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

アタックの時にもっといいアタックラインを作ってから、もっといい仕掛けだったり、まだまだできることはあったので、帝京大戦までには修正できると思うので、そういったところを、自分としては修正していきたいです。

――勝ち進むにつれて相手のレベルも上がると思いますが、対応の難しさはありますか

個々の強さが変わってくるので、毎回そういうことにも慣れていかないといけないと思います。

――帝京大相手にどういった点に気をつけて臨みたいですか

とにかく強い相手なので、少ないチャンスしかないと思うので、そこでしっかり取りきれるように、あとはひたすらディフェンスで我慢して、チャンスがあったらボールを持ってというところを頑張っていきたいです。

――意気込みをお願いします

『荒ぶる』とります

WTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)

――試合を振り返ってどうでしたか

前半はワセダが用意していた戦いができなかったです。でも後半からはフィットネスで上回り、バックスリーで攻めるというワセダのラグビーができました。

――試合の立ち上がりについてはどうでしょうか

少し動きが硬くなってしまっていたかなと。でも途中からはほぐれました。

――後半は自陣でのプレーが続きましたが、得点は許しませんでしたね

そうですね。布巻(峻介、スポ3=東福岡)や(金)正奎さん(教4=大阪・常翔啓光学園)のようなキープレイヤーの活躍が目立ちますね。ゴール前でもボールを取り返すようなしぶといディフェンスが最近できていると思います。

――筑波大の福岡堅樹選手との対決はどうでしたか

間合いがあったら抜かれるのが怖いので、詰めてディフェンスをしていました。

――ご自身のプレーについては

ボールをとにかく前へ運ぼうとしていました。でも大事なところでミスをしてしまったので反省です。

――帝京大戦への思いを教えてください

僕が入学してから勝っていない相手ですし、思い入れは強いです。勝っても負けても垣永組は次で終わりなので、ミスを恐れず思い切り戦いたいと思います。

FB藤田慶和(スポ2=東福岡)

――決勝進出が決まりましたがお気持ちを教えて下さい

準決勝も楽しんでできたので良かったと思います。決勝に向けて10日間準備ができますし、率直に喜びの気持ちがあるのでまた良い準備をして決勝に臨みたいと思います。

――対戦して筑波大の印象はいかがでしたか

日本代表クラスのプレーヤーが多いのでやりづらかった部分はありましたが、そこをしっかりと守ってくれたFWが良かったのではないかと思います。

――グループステージから敵のフィジカルレベルが上がるという話がありましたがその部分についてはどう感じましたか

この試合はずっと前に出られていましたし、ゴール前でも守ることができたので良かったです。ワセダの成長が見られた試合だと思います。もっともっと帝京大は強いと思うので、より前に出ていきたいと思います。

――序盤にブレイクダウンでターンオーバーされるシーンが目立ちましたが実感はいかがでしたか

勢いだけで入っていくのではなくて、ブレイクダウンのテクニックというのをもう一回整理してやっていきたいと思います。特にブレイクダウンに人数をかけないという戦術ではなくて、入る枚数の状況判断の問題で、そこももう一回整理すればもっと良い球出しができるんじゃないかなと思います。

――先制トライを挙げたシーンは振り返ってみてどうでしたか

しっかりとタテに入って崩せたシーンで良かったと思います。僕が取ったトライじゃなくて、ワセダ全体で奪ったトライですね。

――ダメ押しとなった2トライ目はいかがですか

チームがずっとディフェンスをしていたつらい時間に一本取れたので良かったと思います。内側が空いていたのが見えてパスを呼んだだけで、順平さん(小倉、スポ3=神奈川・桐蔭学園)が良いパスをくれました。

――後半開始から20分は苦しい場面が続きましたね。

ああいった場面で守りきれたのは良かったところです。次の試合はこういう時間帯を作らないようにできたらいいんですけど、守れたところに成長を感じています。

――次は帝京大との決勝戦ですが意気込みをお願いします

まずは自分たちができる準備をして相手に挑むだけです。最高の準備をして最高の状態で決勝戦を迎えたいと思います。