またも帝京大にかなわず…

ラグビー男子

 ここまで関東大学対抗戦(対抗戦)4戦全勝の早大。同じく全勝で、全国大学選手権(大学選手権)4連覇中の王者・帝京大との頂上決戦が行われた。試合序盤は早大がペースを握りリードを奪うも、逆転を許す展開に。一時同点に追いつき見せ場を作るも、最終スコアは31-40。最大のターゲットとしてきた帝京大に、またも雪辱を果たすことはできなかった。

 開始直後、秩父宮ラグビー場にどよめきが起こる。早大キックオフのダイレクトタッチによるセンタースクラムで帝京大のペナルティーを誘うと、いきなりPGを選択。SO小倉順平(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のキックは大きく外れるも、勝ちにこだわった積極的な姿勢が流れを引き寄せていく。11分、小倉が今度はPGを成功させて先制。その直後、スクラムを起点にプロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)のタテへの突破でチャンスを作ると、BKが外へつなぎ、最後はWTB深津健吾(スポ3=東京・国学院久我山)が駆け抜けトライを奪う。「相手を前に出さないこと」を意識したというフランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)のビッグタックルでボールを奪うなど、とにかく敵陣でのプレーを徹底した早大。17分には再びPGを決め、11-0とリードを奪う。しかし、ここから帝京大が目を覚ます。自陣深くから蹴ったボールが相手にわたると、テンポの速い攻撃から最後はWTB磯田泰成に走られ、ついに28分に失トライ。その後畳みかけるように2トライを奪われ、11-19と逆転を許して前半を折り返す。

3試合ぶりに先発復帰し、巧みなゲームメイクを披露した小倉

 悪い流れを断ち切りたい早大は、後半開始早々に小倉がDGを決めるも、再び帝京大にトライを許し、12点差まで離される。しかし、早大の士気が下がることはなかった。14分にフランカー金正奎(教4=大阪・常翔啓光学園)が大きくゲインすると、オープンサイドに素早く展開し、大外のWTB荻野岳志(先理3=神奈川・柏陽)がインゴール右隅にトライ。19分に小倉が狙ったPGはわずかにゴール右に外れるが、直後に再びチャンスが生まれる。ゴール前のマイボールスクラムを優位に進め、ラックから持ち出したSH平野航輝(スポ3=長崎南山)が自らインゴール中央に飛び込みトライ。キックも決まり、ここで試合を振り出しに戻す。残り時間は約10分。だが、ここで慌てないのが王者・帝京大。たちまち2トライを奪われ、ロスタイムに1トライを返すも、31-40でノーサイドを迎えた。

逆転トライを奪われ、崩れ落ちる選手たち

 「敗因は前半の最後の15分間」(フッカー須藤拓輝、スポ4=東京・国学院久我山)。前節までの対抗戦4試合でわずか3失トライと粘り強いディフェンスを誇る早大にとって、立て続けのトライ献上は勝敗を分けるものとなった。しかし、その中で後半再び同点に追いつけたことは、「間違いなくワセダのフィットネスレベルが上がっている」と後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)の言葉通り、評価すべきだと言える。またペナルティーやミスが減るなど、ここ数試合での課題に改善が見られたが、それだけに「個々のフィジカルの差やチーム力など、一つ一つで負けている」(布巻)と、改めて実力の差を痛感する結果となった。大学選手権で必ずリベンジを果たすためにも、残りの早慶戦、早明戦で死力を尽くす。

(記事 田中絢、写真 森健悟、近藤万里奈)

関東大学対抗戦
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
11 20 19 21
31 合計 40
【得点】▽トライ 黒木、深津、荻野、平野 ▽ゴール 小倉(1G・2PG・1DG)
※得点者は早大のみ記載

  

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
大瀧 祐司 文4 神奈川・横浜緑ケ丘
  後半39分交代→16光川    
須藤 拓輝 スポ4 東京・国学院久我山
  後39分交代→17清水    
◎垣永 真之介 スポ4 東福岡
黒木 東星 スポ4 東福岡
芦谷 勇帆 スポ4 京都・伏見工
金 正奎 教4 大阪・常翔啓光学園
布巻 峻介 スポ3 東福岡
  後半37分交代→19大峯    
佐藤 穣司 スポ2 山梨・日川
岡田 一平 スポ2 大阪・常翔学院
  後半9分交代→21平野    
10 小倉 順平 スポ3 神奈川・桐蔭学園
11 深津 健吾 スポ3 東京・国学院久我山
12 坪郷 勇輝 商4 東京・早実
13 飯野 恭史 商3 東京・早実
14 荻野 岳志 先理3 神奈川・柏陽
15 滝沢 祐樹 基理2 福島
  後半9分交代→23廣野    
リザーブ
16 光川 広之 スポ3 神奈川・公文国際
17 清水 新也 スポ3 宮城・仙台育英
18 佐藤 勇人 スポ3 秋田中央
19 大峯 功三 スポ3 福岡・東筑
20 植田 耕平 スポ4 東京・本郷
21 平野 航輝 スポ3 長崎南山
22 間島 陸 商4 東京・早大学院
23 廣野 晃紀 社4 東京・早実
※◎は主将、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
関東大学対抗戦Aグループ星取表(11月3日現在)
  筑波大 帝京大 明大 早大 慶大 日体大 青学大 成蹊大
筑波大 ●3-10 ○50-10 ●17-20 ●12-20 ○76-0 11/24 14:00
駒澤
11/10 14:00
熊谷
帝京大 ○10-3 11/17 14:00
秩父宮
○40-31 12/1 12:00
秩父宮
○147-0 ○59-7 ○92-0
明大 ●10-50 11/17 14:00
秩父宮

12/1 14:00
国立
●18-24 ○41-0 ○45-0 ○90-0
早大 ○20-17 ●31-40 12/1 14:00
国立
11/23 14:00
秩父宮
○69-0 ○19-6 ○70-7
慶大 ○20-12 12/1 12:00
秩父宮
○24-18 11/23 14:00
秩父宮
○56-12 ●18-24 ○62-14
日体大 ●0-76 ●0-147 ●0-41 ●0-69 ●12-56 11/16 14:00
三ツ沢
12/1 14:00
相模原麻溝
青学大 11/24 14:00
駒澤
●7-59 ●0-45 ●6-19 ○24-18 11/16 14:00
三ツ沢
○29-8
成蹊大 11/10 14:00
熊谷
●0-92 ●0-90 ●7-70 ●14-62 12/1 14:00
相模原麻溝
●8-29
※国立は国立競技場、秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷は熊谷ラグビー場、駒沢は駒沢オリンピック公園総合運動場、三ツ沢はニッパツ三ツ沢球技場、相模原麻溝は相模原麻溝公園競技場
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月3日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 348 41 307 53
早大 209 70 139 33
慶大 180 80 100 27
明大 204 74 130 32
筑波大 158 60 98 24
青学大 66 149 -83
成蹊大 29 343 -314
日体大 12 389 -377
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
コメント

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――試合を終えての振り替えりをお願いします

前半に取られた3本のトライが全てです。まずはキックチェイスを集中してFWが分厚く覆い前で相手を止めようと意志統一をしていたんですけども、そこが緩くなってしまいました。その前段階の自陣深いところで、中途半端なキックを蹴ってしまう判断と精度の両方が悪かったです。いずれにしても、やられることがないはずのトライを3本与えてしまったというところに、チームとしての未熟さがあると思います。あれだけ強い相手にビハインドで後半を迎えてしまう時点で駄目で、後半はあれがいっぱいいっぱいの限界だったのかと感じます。

――最初からPGを狙ったように、リードした展開で試合を進めたかったのでしょうか

前半ではあわよくばリードを奪い、最低でも同点か2、3点以内のところで折り返したかったです。

――集散が素早く守れていたように思えますが、ディフェンスはどう映りましたか

練習でカバーできるセットプレーを中心とした、計算の範囲内の部分では、いまのワセダはかなり精度が高いディフェンスができていると思います。ただ、やはり個々を比べたら相手の方が強くて大きくて足が速い選手が揃っているので、崩れてしまった状態の中で一対一の状態を作ってしまうと抜かれたり、もしくは食い込まれてしまいます。一度食い込まれると、大きな選手がどんどん押し寄せて来る。これを自陣で繰り返してしまう時間をどれだけ短くするかということを、まだまだ選手たちがイメージしきれてないと思いました。

――これまではBKが取りきる場面が少なかったのに対し、この試合ではBKが好調のように見えましたがいかがですか

まだまだです。それはこれから最終局面を迎えるまで努力し続けていきます。

――前半の最後は押し込まれる時間帯が続き、選手の疲労がたまっていたのではないでしょうか

あの瞬間はたしかにかなりあったと思いますよ。でもハーフタイムで時間を置いて、息を整えて、後半もう一度あれだけ盛り返したということは間違いなくワセダのフィットネスレベルが上がっているという事だと思います。

――後半に追い付いた場面までは評価していいととらえてよいのでしょうか

そうですね。それだけに、前半の点差というのがもったいないところです。 たらればの話になってしまいますが、あそこの点差がもう少し小さければ、どういう後半になっていたのかなと思います。

――敗戦となりましたが、どのような言葉を選手にかけましたか

やはり夏合宿から掲げている『規律』と『集中力』、『クレバーさ』ということです。『規律』に関してはそこそこできていたと思いますが、いま一つの『集中力』と、いま二つ、三つの冷静さを含めた『クレバーさ』が帝京大のほうが上だったということですね。

――今季3回帝京大と戦って、感触はどう変化していますか

恐らく、僕以上に選手たちが距離が縮まっている感をひしひしと感じていると思います。この試合をネガティブにとらえる必要はなくて、自分たちの確信に繋げていき、今後の鍛練に生かしてくれれば間違いなく逆転できると思っています。

プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)

――最大のターゲットであった帝京大との一戦でしたが、どんな気持ちで臨みましたか

勝ちにこだわって臨んだんですけど、結果が結果なんで非常に残念です。

――素晴らしい立ち上がりでした

いい立ち上がりができたんですけど、そこでミスしたらいけないという意識が強すぎて後手に回ってしまいました。

――キックオフ直後にハーフライン付近からPGを選択した理由は何ですか

外したとしてもドロップアウトでマイボールをキープできるんで、あの選択に関しては間違ってなかったと思います。

――前半の終盤に3連続トライを許したことに関してはいかがですか

油断ではないですけど、ペナルティーを少し恐れてしまって後手に回ってしまったことが大きいと思います。反則を犯したらいけないですけど、もっとギリギリの厳しいプレーをしないといけないと感じました。

――ハーフタイム中にチームにどんな言葉をかけましたか

当たり前のことを当たり前にやるようにと言いました。

――夏と比較して成長を感じた点はどこですか

アタックの部分とかですね。トライも量産しましたし、あとはディフェンスをもっと詰めていきたいです。

――具体的にディフェンスのどのあたりが課題ですか

ディフェンスで誰を見るかとか、内から埋めるとか細かい精度の部分ですね。

――帝京大との距離は縮まったと思いますか

点差も縮まってますし、それは間違いないと思います。

――関東大学対抗戦も残り2試合となりました。これからに向けて一言お願いします

とにかく勝ちにこだわって、結果だけを追い求めてやっていきたいと思います。

フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)

――相当な気合いがうかがえました。試合前に何を話されましたか

まあ変わらず、思い切ってやろうということを話しました。

――帝京大が近場を攻めてくる中で、ディフェンス中は何を意識していましたか

やっぱり順目順目に走らなくてはいけなかったのですが、動き出しが悪かったのでちょっともったいなかったなと思いますね。

――31―40というスコアでした。率直な思いを教えてください

まあ点を取られすぎというのが第一にありますね。もっと意識と集中力を高く持ってディフェンスできればもう少し抑えられたかなと思います。

――これまで関東大学対抗戦1失トライの帝京大相手に4トライを挙げました。アタックのどんな部分に手応えを感じましたか

まあ練習通りのかたちが出たかなと。練習通りですね。

――試合後に後藤監督(禎和、平2社卒=東京・日比谷)からどんなコメントがありましたか

これが現状だぞと。ここからもう一度頑張ろうと言われましたね。その言葉通り、もう一度一から頑張っていかないと、と思いました。

――早慶戦に向けて一言お願いします

早慶戦は伝統の一戦なので。勝敗関係なく高い意識を持って臨める試合なので、いい準備をして試合を楽しみたいと思います。

プロップ大瀧祐司(文4=神奈川・横浜緑ヶ丘)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

勝てなくて悔しいです。

――帝京大戦に向けて、どのような準備をしたのでしょうか

特別なことはほとんどやっていなくて、今までやってきたことを突き詰めて、しっかりやり切ることを意識して臨みました。いくつかプレーも用意していたんですけど、それ以外は特別な準備はありませんでした。

――試合立ち上がりから立て続けにPGを狙ったことについては、事前のプラン通りということでしょうか

そうですね。狙えるところは狙っていこうということで、試合前に全員で決めていました。

――スクラムに関して、プレーしていていかがでしたか

相手の組み方にうまく対応し切れなかったというか、思った通りには組めなかったです。

――夏合宿で帝京大と対戦した時と比べて、きょうの試合で手応えや変化はありましたか

夏合宿の時と一緒でFWのサイドのところを破られてしまったりしたので…。まだまだ力の差はあるのかな、という感じですね。

――スコアに関してはどのように感じていますか

あんなに大量失点してしまったら絶対に勝てないと思うので、そこは改善していかないといけないです。オフェンスについてはワセダらしい形でトライを取れた場面がいくつかあったと思うので、それは良かったです。

――自身のプレーを振り返っていかがでしたか

きょうは全然走れなくてすぐにバテてしまったので、まだまだトレーニング不足というか、そういうところが出てしまったと思います。コンディションはそんなに悪くなかったんですけど体重を増やしているところがあって、自分の感覚的にはあまり走れなかったですね。

――早慶戦、早明戦と重要な試合が続きます。意気込みをお願いします

もう負けたくないので、絶対にあと2試合勝ち切って良い形で全国大学選手権を迎えたいです。

フッカー須藤拓輝(スポ4=東京・国学院久我山)

――試合を振り返っていかがですか

勝てるチャンスはあったと思うのですが、ここ最近勝てていないのは最後の詰めの甘さだったり、途中で気が緩んだところが原因かな、と思います。

――どのような意気込みで臨みましたか

全勝ということはあまり考えずに、帝京大をターゲットに1年間やってきたので、ここで結果を出す、という気持ちでやりました。

――ラインアウトはいかがでしたか

確保はしたのですが、あまりいいキャッチができていないのが何本かあったので、そこはしっかり調整していきたいです。

――スクラムはいかがでしたか

いつも通りのスクラムを組もう、ということでやっていたので、その結果は不十分だと思いますし、まだいけたかな、と思います。

――チームとしてのディフェンス面はいかがでしたか

ペナルティーは少なかったのですが、ディフェンスはFWを中心に前半の最後の方など崩れてしまったので、そこを修正していきたいと思います。

――ご自身のフィールドプレーはいかがでしたか

もう少しキャリアやタックルの回数を増やしていかなければいけないと思います。

――敗因はどこにあると思いますか

前半の最後の15分間ですね。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

自分たちの強みを1つでも多く出して、いい試合でしっかり勝てるように頑張ります。

ロック黒木東星(スポ4=東福岡)

――最大の目標にしていた帝京大戦ですが、31―40で敗戦となりました。振り返って下さい

入りは良かったんですけど、FWの圧力に負けてしまって3トライ取られてしまったので、そこを直すことと、もうちょっと自分たちのやりたいラグビーをするためにもっと厳しくやっていこうと思いました。

――前半の途中まではスピーディーなラグビーでリードを奪う展開でしたが、いかがでしたか

結構理想的な形だったので、あの入りを継続してリードした状態でどれだけ優位に進めていけるかが次はカギになると思います。

――その後は帝京大に立て続けにトライを許し、苦しい展開となりましたが、原因は

ディフェンスになった時の自分たちの層の厚さというか、走る量でもちょっと足りなかったと思うので、1番強い相手にどれだけディフェンスでコミュニケーションをとって走れるかというのが必要だったと思います。

――きょうの試合では1度突き放されながらも追い付き、最後には黒木選手自身もトライを決めるなど粘り強さというものを感じましたが、いかがでしたか

最後自分がとる前に、相手にも自分たちがとった後すぐにとられてしまったので、そこのトライを無くすことと、自分たちがとった後のキックオフのセットプレーをしっかりすればいける思います。

――夏の帝京大戦(●24ー39)の時と比べて、感じた差や逆に優っているという部分は何でしょうか

FWの力負けしている部分があるので、そこは向こうのFWでのパワープレーを見習って自分たちにも出来るところはたくさんあると思います。逆にセットプレーとかでは自分たちもいけるなと。スクラムとかは低く組めばいけるところがあったので、そこを強みにしてどんどん食い付いていけたらなと思います。

――今後は慶大戦、明大戦、帝京大へのリベンジの機会があり得る全国大学選手権と続いていきます。それらに向けて

負けて良い試合というのはひとつも無いので、このまま突っ走て、自分たちもどんどん成長していると思うので、きょうの課題を次につなげて、慶大、明大を倒したいと思います。

ロック芦谷勇帆(スポ4=京都・伏見工)

――いまのお気持ちをお願いします

まだまだ自分は、甘かったなと思います。

――どういった点で甘かったと思われますか

集中力です。最後のキックオフや、タックルも外されたし、ダメでした。

――立ち上がりからワセダは積極的なプレーをしましたが、ゲームプランはどういったものがありましたか

キックチェイスで相手を止めることと、ディフェンスでは、FWフェイズで前に出させないこと。アタックは普段通り、練習してきたことを出すだけという感じでした。ただ、キックチェイスのところでだいぶ前半行かれたなと思いますね。

――芦谷選手は、今シーズン帝京大との対戦は初めてになりましたが、実際に対戦してみていかがでしたか

自分は甘いなと。強い相手に対してこんなんじゃダメだなというのを痛感しました。

――接点でのターンオーバーも何度か見られました

ディフェンスブレイクダウンで何個かめくれたシーンもあったので、それは良かったですね。

――ラインアウトの成功率も高かったですね

佐藤穣司(スポ2=山梨・日川)が良いサインチョイスをしてくれて、けっこう確保することができました。

――スクラムでは帝京大に勝っていました

そこは元から自信のある部分で、絶対に押せるという確信があったので、実際に押せて良かった。

――その中で帝京大に6トライを許しました。何が原因だと思われますか

順目に足が動いていなかったです。みんな、相手のフィジカルの強さに身体がばててしまって。思うようにディフェンスのときにセットができていませんでした。

――第1試合で慶大が明大に勝利しました。次の慶大戦に向けて意気込みをお願いします

もう1試合も負けられないので。相手がどこであろうと勝ちます。

フランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)

――いまのお気持ちを聞かせてください

悔しいですね。

――9点の差はどこにあると思いますか

個々のフィジカルの差であったり、チームの力であったり、一つ一つで負けていると思います。

――帝京大相手にどう対抗しようとしたのか、戦術的な部分を教えてください

とにかく敵陣でやり続けること、ディフェンスでは低く刺さって相手を前に出さないことだったんですけど、後半あたりからうまく敵陣でやれなくなって、厳しい時間が続いたと思います。

――接点でボールを奪うことも多かったと思います。そのあたりの手応えはいかがでしたか

強かったんですけど、いけない相手でもないかなと。でも、プレッシャーはものすごく感じました。

――スクラムに関してはいかがですか

良い感触はありました。

――前半ラスト10分間での3トライの原因はどこにあるのでしょうか

やはり相手はそういう力を持っているので、そこで厳しさを持てなかったというか、チームとしてどこかで気が緩んだ部分はあったのかなと思います。

――それでも後半に追いつく場面もありました。ハーフタイムでどう立て直しましたか

難しいことはせず、普段通りにというか、敵陣に入って自分たちがやってきたことをもう一度しようという感じです。

――布巻選手の良いタックルもたくさんあったと思います。ご自身のプレーはいかがですか

うまく仕事をさせてもらえなかったというのはありますけど、良いプレー悪いプレー半々ですね。最後の方は走れなかったですし、ノータッチキックもチームに迷惑をかけましたし、これから成長しないといけないと思います。

――春、夏に比べて、帝京大との差は縮まっていると思いますか

相手も強くなっているので、まだ平行線だと思いますね。

――接点に人数をかける分、外で数的不利になる場面も多いですが、そこはどのように対応すればよいのでしょうか

もう一度一人一人が強くなって、スキル面でも相手を上回って、小さい僕たちでも少ない人数でボールを出すことであったり、相手を倒すことであったり、そういうことをしないといけないと思いました。

――練習試合を含め帝京大に8連敗ということについては、どのように感じますか

僕自身はそんなに戦ってはいないんですけど、ワセダ全体で見ればそういう結果なので、本当にもう勝ちたいですよね。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦をターゲットに切り替えて、そこに全力でいけるように練習から頑張りたいと思います。

NO・8佐藤穣司(スポ2=山梨・日川)

――試合を振り返って感想をお願いします

春夏と同じパターンで負けてしまいました。追い詰められた場面でどれだけ対応できるかが、今後を左右すると思います。

――前半はいいペースでしたがいかがでしたか

その後のFWフェーズでズルズルと行かれてしまいました。そこが帝京大の強みでもあるので、止められていたらもう少し自分たちのペースでプレーできたと思います。

――後半は帝京大の猛攻が続きましたが、どう感じましたか

後半は我慢の時間でしたね。あそこで我慢しきれなかったのが敗因につながりました。

――課題は見つかりましたか

ずっと春から言われていることなんですが、日頃の練習や私生活から『規律』を守っていかなくてはいけないと感じましたね。

――ご自身の調子はいかがですか

徐々に良くなってきているとは思います。まだタックルで弾かれる場面もあるので、もっと強く入っていけるように頑張ります。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

ディフェンスが大事になってくると思うので、精度を高めていきたいです。

SH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)

――試合全体を振り返っていかがですか

自分のディフェンスが通用しなかったというのはかなり悔しいところです。自分がタックルする以前に味方のFWを前に立たせて指示して、タックルさせないといけないですね。自分の指示の仕方が悪かったのかなとか、声が出せなかったとかいろいろ反省点はあるのですが、それはビデオを何回も見て、課題を見つけて練習を頑張っていきたいと思います。

――ゲームプランはどのように考えていましたか

春からの課題であるコンタクトやフィジカルの部分は、少しは補えたかなという気持ちもあり、今回は負けずに体を当てていこうということで臨んだんですけど、帝京大も春よりも成長して強くなっていて。やっぱり自分たちの日頃の練習や私生活が甘かったかなと思ってます。

――前半の始めは敵陣でのプレーが多かったですね

自分たちのプレーができれば、どんどんトライできると思うんですけど、やっぱりディフェンスに回ったときに相手のウエイトの重さに受けてしまうということが多かったです。ディフェンスでも攻め続けるというのが大切だなと思いました。

――同じところに何度もトライを決められるシーンがありました

そうですね。取られ方も一緒でした。自分たちが走りきるフィットネスをどんどんつけていきたいです。これで終わりではなく、もう一度戦えるチャンスはあるので、練習してやり直したいと思います。

――ペナルティーは少なくなりましたね

そこは改善したかなと思っているので、プラスに考えていいと思います。

――スクラムなど、帝京大に勝てる部分も出てきました

FWの先輩たちが頑張って練習してきた結果が出ていると思います。そういう練習した結果が試合には出ると思うので、これからどんな練習をすればいいかなど考え、一回一回の練習を大切にしていきたいと思います。

――SHのポジション争いについてはどう考えますか