秋季オープン戦 10月20日 対明大C 明大・八幡山グラウンド
10月も後半となり、冷たい秋風が強く吹き付ける明大・八幡山グラウンドにて、早大Cは明大Cとの一戦を迎えた。前半3分、早大Cは明大Cに隙を突かれ先制点を許し、食らいついたものの流れを掴みきれず、明大Cに2トライの差を許し前半を折り返す。早大Cは流石の修正力を見せ、後半開始から連続で4トライを挙げる。逆転に燃える明大Cの猛攻に苦戦しながらも、48-47と1点差で白星を飾った。
アウェイの空気感の中、早大Cボールから幕開けした今試合。しかし、強風の影響もありボールが10メートルラインを越えることができず明大Cのセンターボールスクラムから試合は展開された。思わぬ形でボールを渡した早大Cはそのままの勢いで自陣に攻め込まれ、瞬く間に先制トライを許した。ゲームキャプテンを務めたSH清水翔大(文4=東京・早実)が試合後「明大の強いキャリーやサイズの大きい選手に引いてしまって劣勢に回ってしまった」と語るように、その後も自陣22メートルライン付近でのディフェンスを強いられる。流れを変えたのは20分、敵陣22メートルラインでのマイボールスクラムから右に回し、CTB佐々木豪正(文2=東京・早実)が中央でラインブレイクしてゴール前へと一気に足を進めた。さらにCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)へとパスが渡され、FB髙栁壮史(創理3=東京・早大学院)がインゴールを走り抜けた。その後、1トライを取り合いながらも逆転の兆しが見えた早大Cは続く30分、相手ボールキックオフから自陣22メートルライン中央でSO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)からWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)へとをパスを回し、左に回ってきた島田に再びボールが渡る。密集したラックで明大Cのオーバーザトップを誘い、ペナルティーキックで陣地を広げた早大C。しかし敵陣アタックで外にパスしたところを明大Cがインターセプト。独走トライを許してしまう。その後も明大Cのディフェンスに苦戦を強いられ、17ー33と2トライ差で試合を折り返した。
後半は早大Cが底力を見せつける。後半3分、ハーフウェイラインマイボールスクラムを見事に押し込み、島田、佐々木へとパス。髙栁が明大Cのディフェンスラインを引き裂きトライを決めた。このトライを皮切りに早大Cは勢いづき、その後連続2トライで36-33と逆転。波に乗った早大Cは20分、ディフェンスで明大Cを追い込み、ライン際でのミスを誘う。中盤でのマイボールスクラムからBKへと回ったボールはゴール前へと運ばれ、LO小林光晴(文1=福岡)へとパス。しかしここは、明大Cの固いディフェンスによってゲートオフサイドの反則を犯してしまう。絶好のチャンスを逃したと思われた早大Cだったが22分、相手ボールラインアウトから漏れ出たボールを鈴木がキャッチ。見事なステップで明大Cディフェンスを寄せ付けず、独走トライを決めた。10点の差をつけた早大Cだったが28分、キックがデッドラインを越えてしまい自陣ゴール前スクラムという状況に追い込まれる。奮闘した早大Cであったが抑えきれずにトライラインを割られた。その後早大Cは1トライを返すも、試合終盤に差を縮められる。苦戦し続けた早大Cであったが、奮闘の甲斐あって48-47と1点差で辛勝し、笑顔を見せた。
トライの取り合いや自陣ゴール前での相手ボールセットプレーに苦戦するシーンが印象的であった今試合だが、NO・8髙橋松大郎(スポ2=愛媛・松山東)が「きつい時間帯にエナジーを出し続け、自分だけじゃなくチーム全体を鼓舞することを意識していた」と振り返るように、試合終了まで手を緩めることなく彼ららしいディフェンスを続け、見事に勝利を収めた。この試合の直前に行われた関東大学ジュニア選手権では早大Bが今季初の黒星を許したが、仇をとる形で勝利を飾った早大C。彼らの活躍は確実にチーム全体の士気を高め、チーム内での争いはより熾烈を極めるだろう。関東大学対抗戦での『赤黒』を目指し、一試合ごとに成長を続ける早大Cに今後も注目していきたい。
(記事 伊藤文音、写真 高木颯人)
コメント
SH清水翔大(文4=東京・早実)ゲームキャプテン
ーー今日のチームのコンセプトを教えてください
ゲームラインバトルとガッツセットをテーマにして試合に臨みました。
ーーSHとして、バックスにどのような指示を出していましたか
ゲームテーマのゲームラインバトルを意識して、縦に強くいこうと指示しました。明治が強いプレッシャーをかけてくるけどそれに負けずに自分たちのプレーをすることを話しました。
ーー明治のアタックに苦戦する様子が多く見られましたが、ディフェンスの出来はいかがでしたか
明治の強いキャリーやサイズの大きい選手に引いてしまって劣勢に回ってしまったと思います。システム的に崩された部分は特にないんですけど、一人一人のブレイクダウンでファイトするというところで負けてしまったと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
残り少ないシーズンなので1日1日を大事にして、対抗戦のメンバーに食い込めるように努力したいと思います。
LO紀伊龍二(商3=東京・早実)
ーー今日の個人のコンセプトを教えてください
今日はアタックプレッシャーの部分とディフェンスの思い切りの部分、ラインアウトの部分を意識しました。
ーーモールでは一進一退の攻防のように思えましたが、ゲームを振り返ってモールをどのように評価しますか
モールアタックに関しては最初のヒットの部分で勝ちきれなかったです。まとまりと最初のインパクトを出したかった
モールディフェンスに関しても最初のヒットで押し切る意識をもっと持ちたいです。
ーースクラムの手応えはいかがでしたか
レフェリーのコールのタイミングが早いこともあり、アジャストに時間がかかったが、明治に対してはあまりマイナスなイメージもなく、押せる場面も多かったので、ベーシックなスキルにこだわっていきたいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
今日みたいなタイトなゲームに今後も勝ち切れるように今後の練習から試合を想定してまた上のカテゴリーで戦えるようにがんばります。
FL髙橋松大郎(スポ2=愛媛・松山東)
ーー今日の個人のゲームコンセプトを教えてください
接点で負けないことです。相手が自分たちより体が大きかったので接点で前に出ることも意識しました。
ーー試合をふりかえって、自身でチームに貢献できたと思うポイントを教えてください
ブレイクダウンを確実にやること、ターンオーバーのシーンです。
ーー激しいアタックやディフェンスが多く見られましたが、振り返ってみていかがですか
きつい時間帯にエナジーを出し続けて自分だけじゃなくチーム全体を鼓舞することを意識してました。
ーー今後の意気込みをお願いします
自分自身、成長して『荒ぶる』に貢献します。
WTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)
ーー今日の個人のコンセプトを教えてください
自分の持ち味を出して試合で活躍することです。
ーー機敏なステップを生かしたアタックが目立ちましたが、アタックの出来はいかがでしたか
前半はボールのタッチ回数やもらい方に苦戦したんですけど、後半はボールをもらえるように呼び込めたのでよかったと思います。
ーーBKではどのようなコミュニケーションをとっていましたか
前半では後ろにボールを回そうとしすぎてそこを相手に狙われてターンオーバーされる場面が多かったので、後半はそこを修正して前に強くしようとコミュニケーションを取りました。
ーー今後の意気込みをお願いします
残り少ない試合で少しでも上のカテゴリーで戦って、選手権に出れるように頑張ります。