定期戦 6月22日 対高麗大 高麗大・ソウルキャンパス緑地運動場
今回で15回目の開催となる韓国・高麗大学との定期戦が高麗大学・ソウルキャンパスにて行われた。一年ぶりの再戦となる今節、激しい雨が降り注いでいたが5年ぶりに韓国を訪れた早大を一目見ようと多くの観客がグランドに足を運んだ。試合開始直後から勢いよくトライを重ねた早大だったが、その後は攻守が激しく入れ替わり試合が動かない。後半も一時はこう着状態が続く。しかし、早大らしい展開ラグビーで流れを掴むと5トライを挙げ、50ー14で異国の地にて白星をあげた。
早大のキックオフから始まった今試合。開始早々スコアが動く。前半3分、早大はスクラムで相手のペナルティーを誘う。敵陣5メートル付近でのラインアウトからそのままモールを形成すると、HO安恒直人(スポ4=福岡)が右隅へグラウンディング。15分には、相手ボールスクラムをターンオーバーするとそこから左に展開。CTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)、FB池本晴人(社2=東京・早実)が順にゲインし、最後はサポートに走っていたCTB福島に再びボールが渡り、インゴールへ飛び込んだ。続く22分にも、相手のペナルティーからSH細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)がすぐにタップで再開し、相手ディフェンスに切り込む。HO安恒へとボールがつながると、大外で待っていたWTB清透馬(商4=茨城・茗溪学園)がゴールラインを叩き割った。ここで勢いに乗ったかと思われた早大であったが、その後はプレーで精細を欠き、攻守の入れ替わりが激しい展開に。両者拮抗した状態が続き、19ー0で前半を折り返した。
後半に入ってもなお、こう着状態が続いていたが、先に試合を動かしたのは早大だった。11分、WTB三浦哲(文構4=東京・早実)が大きくゲインしゴールラインまで大きく迫ったものの、ボールをこぼしてしまう。これを逃さなかった高麗大がそのまま独走トライを挙げ、先制を許してしまった。しかし続く13分に相手ディフェンスのギャップをつき、CTB福島がゲインラインを割ると順目にパスをつなぎ、HO安恒がゴールポスト右横へ。試合の流れを掴んだ早大は猛攻を仕掛け、19分、24分に連続してトライをあげる。33分に7点を献上するも、直後の35分には敵陣5メートルでラインアウトモールからHO佐々木柊(スポ4=東京・本郷)がトライ。また試合終了間際には、左右に大きく振るアタックで相手ディフェンスを翻弄。SH糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)がダメ押しのトライをあげ、50ー14で見事勝利した。
ラインアウトを起点とした攻撃で高麗大を圧倒した早大。慣れない環境ながらも、年に一度の国際交流試合を通して「普段経験できないこと」(細矢)から多くの学びを得たことだろう。今年こそ悲願の『荒ぶる』を獲得するため、帝京大へのリベンジに燃える赤黒戦士たちは、鍛錬の夏を迎えるーー。
(記事 安藤香穂、写真 清水浬央、河邨未羽)
コメント
SH細矢聖樹ゲームキャプテン(スポ4=国学院栃木)
――今試合のチームとしてのテーマとその達成度を教えてください
精度という部分にフォーカスしました。いい部分もありましたが、ちょっとしたミスが結構目立っていました。また、ルーズボールの反応がみんな全然できていなかったので、そこは修正していきたいと思います。
――帝京大戦からチームとしての意識で修正したことはありますか
少し下げられた時のアタックのポジショニングやディフェンスのインサイドワークなどの僕たちが「ガッツ」と読んでる部分で、早く戻るとか、インサイドワーク行くとか、細かいワークレートを意識してプレーしました。
――コロナ後、初の海外遠征でしたが、いかがでしたか
やっぱり移動の疲れだったり、スケジュールのタイトさなど、普段経験できないことがかなり多くて、そういった面でも良い経験になったと思います。
――チームのアタックを振り返って、ハーフとして意識したことなどあれば教えてください
精度という部分もそうですし、あとはブレイクダウンです。アタックのブレイクダウンは細かいキャリアーのスキルもしっかり丁寧にやろうというのを意識しました。
――今後夏、合宿も控えてますが、意気込みをお願いします。
帝京大学との差を埋めるという部分で、ここから 6月、7月とすごくハードな練習になると思うので、そこをしっかり耐え抜いて成長していきたいと思います。
CTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)
――今試合の個人のテーマを教えてください
縦を意識したプレーです。
――その達成度はいかがでしたか
まずまずです
――今試合、トライにつながるプレーも多かったですが、意識していたことはありますか
帝京大戦では自分の強みである縦のプレーがあまりできていなかったので、今回はそこをしっかり意識してトライも取れたので良かったです。
――初めての国際交流試合でしたが、何か得られたことなどありました。
日本のセットプレーやサインプレーとは違って、見たことの無い崩し方などがあったので、そこの対応や今後取り入れたいことなどを試合を通して得られたので良かったです。
――今後の意気込みをお願いします
春シーズン帝京大に負けてしまったので、夏合宿では勝てるように練習頑張ります。
HO安恒直人(スポ4=福岡)
――今回の個人のテーマとその達成度はいかがでしたか
テーマとしては、スローイングとディフェンスを自分の中で意識していました。スローの部分は、やはり雨の影響やボールが違うということもあり、上手く投げれませんでした。他にも、ジャンパーの人たちとのコミュニケーションがあまり取れず、少しうまくいかなかったかなと思います。ディフェンスは、最初にプレッシャーがあった中で、あまり前に出れなかったことが反省です。
――モールトライもありましたが、セットプレーの感触はいかがでしたか
モールは、最初のヒットのところでは相手にフォロア一回って行けていたのですが、相手にサックされた時の対応などができていませんでした。そこはまだ詰める必要があると思います。スクラムに関しては、自分たちの武器にしたいところなので、自分は自ら相手に圧力をかけて、早稲田らしいスクラムを組めたのは良かったかなと思います。
――国際試合で得られたことなどあれば教えてください
セットプレーでは色んなコミュニケーションを取らないといけないのですが、レフリーの人とのコミュニケーションがやはり難しくて。その分、すごく良い経験だったなと思います。
――今後の意気込みお願いします
これから夏合宿に入っていくのですが、そこで帝京大にリベンジするためにもう1回フォワードを立て直し、スクラムだけではなく、次はモールでも圧倒できるように頑張りたいです。