バックスリーが躍動 45ー24で早大Cが快勝

ラグビー男子

秋季オープン戦 10月13日 対東海大C 早大・上井草グラウンド

 10月13日、早大・上井草グラウンドで行われた早大C対東海大Cの一戦。この試合の前にはD戦と関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)が行われ、そのどちらとも早大が勝利。3連勝を賭けた譲れない戦いは早大Cに軍配が挙がった。試合開始早々、早大Cは前に出るディフェンスと精度の高いアタックで敵陣に入り込む。すると前半7分、BKの連携でディフェンスラインを崩し先制点を上げる。その後すぐに1トライを返されるものの、早大Cの勢いは止まらない。守備の乱れを見逃さず、バックスリーを筆頭に、次々と襲い掛かるアタックで東海大Cを引き離す。2トライを連続であげ、24ー7とリードして前半を折り返した。後半も開始直後にスコアが動く。敵のパスミスを見逃さず、早大Cは1トライを追加。その後は点の取り合いとなり、38ー24まで巻き返される展開となるが、ハードワークを継続した早大Cが試合終盤にダメ押しの1トライをあげ、45ー24で快勝した。

4トライの大活躍を見せたWTB高柳


 試合は早大Cのキックオフで幕を開ける。前半3分、自陣で相手にモールを組まれ、ピンチを迎える。しかし、FW陣がここを完璧に抑え、前に出る強気のディフェンスでノックオンを誘う。続けて、スクラムでペナルティーを奪うと、流れは完全に早大Cに傾く。前半5分、東海大CのハイパントキックをFB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)が競り勝って獲得すると、そのままディフェンスラインをブレイク。オフロードパスをFWに繋ぎ、再びディフェンスラインを押し下げると、最後は右サイドをWTB高栁壮史(創理3=東京・早大学院)が駆け抜け、先制点をあげる。しかし後半10分、早大Cがスクラムで反則を犯すと、ラインアウトからサインプレーですぐに1トライを返される。再度リードを得たい早大Cは今度はディフェンスで魅せる。前半15分、ラインアウトのミスから自陣への侵入を許した。しかし、高栁が持ち味の快速で背後から追いつき、これを阻止すると、CTB平野仁(スポ1=神奈川・法政二)がインターセプトに成功して一気にマイボールとなる。このプレーをきっかけに早大Cのアタックは加速する。前半24分、山下恵が鋭いステップで相手ディフェンスをブレイクすると、高栁がインゴールを駆け抜けた。再びリードを得る。前半32分、勢い止まらぬ早大Cはスクラムでペナルティーを獲得。セットプレーでも強さを見せると、グラウンドを左右に大きく使ったアタックで右サイドに隙を作った。そこで待ち構えていたのはやはり高柳。快足を生かしてライン際を駆け抜け、スコアは19ー7に。縦に鋭く強いFWアタックで早大Cは東海大Cディフェンスに圧力をかけた。守備の綻びを見逃さなかったSO仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)からLO小林光晴(文1=福岡)にボールがわたり、さらにゲイン。フィニッシュはまたも高栁。24ー7とさらに点差を広げて前半を折り返す。

強いフィジカルを見せつけたCTB平野


 東海大Cボールで始まった後半、開始早々にFL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星)が相手のパスミスを見逃さずにそのまま駆け抜け、トライを上げる。31ー7と点差を広げたのも束の間、後半14分、自陣左サイドをブレイクされた早大Cはたまらずハイタックルをしてしまう。ゴール前モールから相手アタックを仕留めきれずに反撃の1トライを許してしまう。しかしやり返されたまま黙っている早大Cではなかった。被トライ直後、敵陣ゴール前でモールを形成すると、BKラインに繋いで最後はCTB佐々木豪正(文2=東京・早実)が交代早々トライを決め切り結果を残した。このまま試合を終えるかと思われた早大Cだが、キックオフボールをノックオンしてしまうと、そこから東海大Cの猛攻を受け、これを防ぎきれず38ー19と追撃を許す展開となる。なんとか建て直したい早大Cだったが、キックオフ直後、右サイドに大きく展開した相手WTBの快速にちぎられ、失点を重ねてしまう。このままでは終われない早大Cは、一試合を通した素早いアタック、セカンドマンレースで相手に地力の差を見せつけ圧倒する。試合終盤、一進一退の攻防が続く中、交代メンバーが魅せる。WTB山下一吹(教3=東京・早実)が相手ディフェンスの間を縫って大きくゲインすると、ラストはPR勝矢紘史(スポ3=長崎北陽台)に託し、ダメ押しのトライを叩きつけた。蓋を開けてみれば45ー24と快勝であった。

力強いボールキャリーを見せるLO小林


 ルーキーメンバーも多く、セットプレーで不利になるかと思われた今試合。「セットを組む所までは練習で意識したことができていた」と龍が語るように、課題は残るものの着実に練習の成果をものにしている。今試合で光ったのは特にバックスリーの強力なアタック、決定力であろう。また、一瞬の隙を見逃さないハーフ団も今季早稲田の攻撃力を底上げしている。まさにアピール合戦であった今試合、今後のチーム内競走から目が離せない。

(記事 堀内遥寿、写真 西川龍佑)

 

コメント

SH井上泰志ゲームキャプテン(スポ4=福岡・東筑)
ーー今日のチームのコンセプトを教えてください
 アタックがコミュニケーションとキルワークの二つで、ディフェンスがセカンドマンファイトをテーマに掲げて取り組みました。
ーーBKのディフェンスを振り返ってはいかがですか
 おおむね良かったと思うのですが、逆サイドのアタックの時に枚数を何枚残すかというところで1枚足りないことがあったので、そこは課題だなと思います。
ーーチームとしての収穫や課題はどのようなことがあげられますか
 後半になって追い上げられてしまったので80分間通してクオリティーを落とさずにやり続けるというところが課題だと思います。収穫は、まず一つは勝ったこと。そして二つ目は我慢をして大外で取れたところではないかなと思います。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
 まず今日は3試合とも勝てて良かったのですがその分課題も見つかったので、今日の東海大戦を起点としてここから個人、チーム共にもう一回りも二回りも成長して、最後は『日本一』になれるように頑張りたいと思います。

WTB高栁壮史(創理3=東京・早大学院)
ーー今日のゲームコンセプトはなんですか
 アタックはコミュニケーションを取って統一されたアタックをする。またブレイクダウンをしっかり超えていくことです。ディフェンスはセカンドマンがファイトしてブレイクダウンを遅らせるということを意識してました。
ーーアタックが光る今試合でしたが、試合を通して意識したこと、次戦に向けての反省点はありますか
 外側にスペースがある時の呼び込み、ボールの貰い方は自分の得意な形を意識したのですが、トライシーン以外でのチャンスを逃してしまったと思うので、ラインコントロールの部分を修正していきたいです。
ーーバックスリーでの連携の部分を振り返ってみてどうですか
 アタックはコミュニケーションが上手く取れていてよかったと思います。ただ、ディフェンスキックゲームのときのポディショニングの部分でもっとコミュニケーションが必要だなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
 これからAチームの試合も本番になってくるので、そこに食い込めるように頑張ります。

LO龍康之助(文構1=東京・早大学院)
ーー本日のゲームコンセプトはなんですか
 「縦とスクラム」です。初めてのC戦、初めてのロックだったんですが、セットプレーでチームの足を引っ張らないこと、自分がロックでも通用することをコーチ陣に見せるっていうところを意識しました。前回の試合で縦へのプレーを評価してもらったので、自分の強みとして意識してプレーしました。
ーー1試合フルでの出場でしたが試合を通しての反省点や出来たことはなんですか
 ロックで慣れない動きがあった中走りきれたことは評価できます。ただ、ボールを貰うスピードであったり、ゴール前でのファイト、モールディフェンスといった期待されてる部分で自分の存在を示せなかったのは反省点です。
ーーセットプレー、特にモールでの攻防を振り返ってどうでしたか
 アタックはトライを取りきれなかった、ディフェンスでは取られたというところはまず反省点です。ただ、セットを組む所までは練習で意識したことができていたので、その後の部分を改善していきたいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
 Eチームから始まって今Cチームまで食い込めたんですが、やっぱりまだまだここからだと思うので、上のカテゴリーに食い込めるように頑張ります。

 

得点表

メンバー表