ジュニア選手権3連勝 盤石の強さを見せ、東海大Bに勝利

ラグビー男子

関東大学ジュニア選手権 10月13日 対東海大B 早大・上井草グラウンド

 雲一つない秋晴れの下、早大・上井草グラウンドにて関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)第3節が行われた。東海大Bとの今試合、前半開始直後から両者一進一退の攻防が続く緊張感のある試合展開に。それでもアグレッシブなアタックで相手ペナルティーを誘発した早大Bはチャンスを確実にものにし、19ー14と5点リードで前半を折り返す。後半に入ると、試合の流れは早大Bに。FWが次々とゲインラインを切ると、BKも勢いを増していき、インゴールに雪崩れ込む。試合終了間際に自陣ゴール前まで攻め込まれたものの、意地のディフェンスで逆転の糸口をつかませなかった早大Bは、最終スコア36ー21で無敗記録を更新した。

前半14分に同点のトライを挙げたCTB黒川

 東海大Bのキックオフで始まった今試合。先にチャンスを作ったのは東海大Bだった。前半9分、自陣深くの早大Bボールラインアウトでノットストレートの反則。再開のスクラムから持ち出され、先制トライを許してしまう。しかし14分、敵陣22メートルライン付近でのマイボールラインアウトからFL久我真之介(文構1=東京・早実)がブレイク。パスを受けたCTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)がゴール中央へトライし、7ー7とゲームを振り出しに戻す。20分、東海大Bは早大Bディフェンスの裏を突いたキックを再獲得し、ゴール左隅へトライを沈めた。しかし直後の22分、早大BのFWアタックが光る。細かくパスをつなぎ、確実にゲインラインを切る。ボールを受け取ったFB植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)がパスダミーで相手を交わす。およそ50メートルを一人で走り切る独走トライを見せた。SO吉岡麟太朗(スポ4=東京・本郷)のコンバージョンキックも決まり、14ー14と同点に追いついた。さらに37分、早大Bラインアウトアタックのボールを東海大Bの選手がはたいたとして、一時退場になると、敵陣深くでモールを形成し、最後は久我がインゴールへ。19ー14で前半を折り返す。

ディフェンスに力強く仕掛けるFL久我

 迎えた後半、再開直後のマイボールラインアウトから右にテンポの良いアタックを展開。バックドアパスを受け取ったWTB西浦岳優(社1=東福岡)がオフロードで植木へつなげ、インゴールを叩き割った。10分にはマイボールスクラムからビッグゲインを見せた西浦が東海大Bのペナルティーを誘発。直後のモールでFWがトライを取り切った。29ー14と、点差を15点に広げる。さらに、敵陣深くでのラインアウトからモールを形成すると見せかけ、HO清水健伸(スポ2=東京・国学院久我山)が自らディフェンスラインに仕掛ける。力強いゲインでディフェンスラインを押し下げると、早大Bはテンポ良いアタックを繰り広げる。最後はLO若松泰佑(文構4=東京・早実)がインゴールに。怒涛の3連続トライを決めた。しかし「試合の入りや終わりなど要所での集中が切れてしまった場面があった」とSH清水翔大(文4=東京・早実)が振り返るように、その後は早大がペナルティーを連発。再三ピンチを迎えるが、意地のディフェンスで失点を7点に抑え、そのままノーサイドとなった。

2トライの活躍を見せたFB植木

 「ゴール前での粘り強いディフェンスや簡単にトライを割らせないというところはチームとして強い意識を持って臨めた」(清水翔)とAチーム同様、ディフェンスでのプライドを見せた早大B。しかし、先制点を許すなど立ち上がりに課題を残す。次戦は明大B戦。全勝を賭けた大一番はキックオフから白熱した試合展開となるだろう。清水健は「また一段階精度を上げていきたい」と語る。ジュニア選手権最大の山場へ向け、早大Bは走り出している。

(記事 安藤香穂、写真 西川龍佑、村上結太)

コメント

SH清水翔大(文4=東京・早実) ゲームキャプテン
ーー今日のチームのコンセプトを教えてください
 「ガッツセット」です。達成度としては、全体的には割とできたかなとは思うのですが、試合の入りや終わりなど要所での集中が切れてしまった場面があったので、そこが課題かなと思います。
ーーチーム全体のアタックを振り返って、収穫や反省点を教えてください
 ゲインラインで戦うということは意識していて、それが成果として出たかなとは思います。とはいえ、細かいところでのミスなどは見られたので次回の試合までに修正したいです。
ーーチーム全体のディフェンスに関してはいかがですか
 ペナルティーが続いてしまったところなど規律の点では反省しなければならないと思います。しかし、ゴール前での粘り強いディフェンスや簡単にトライを割らせないというところはチームとして強い意識を持って臨めたかなと思います。いままで取り組んできたことが成長して形として表れたかなと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
 来週は明治戦、そしてAチームは帝京戦があり、厳しい戦いが続くと思うのですが、これまで積み上げてきたことを発揮すると同時に、強い相手に対しても自分たちのラグビーをして勝利できるように頑張りたいです。

HO清水健伸(スポ2=東京・国学院久我山)
ーー個人のコンセプトを教えてください
 「フットワーク」です。タックルやボールキャリーの細かいところを精度高くやろうと思ってました。
ーーボールキャリーでは力強くゲインするシーンが何度も見られましたが、アタックで意識していたことはありますか
 アタックでプレッシャーを与えつつも、相手をずらして前に出ることを意識していました。プレッシャーを与えることはできたのですが、距離感が詰まってしまったところがあったのでそこは修正したいです。
ーーFWのディフェンスを振り返っていかがですか
 今日の相手は逆目、狭いところにアタックをしかけてくることが多かったので、しっかり前を見て判断するということを特に意識できていたと思います。
ーー今後の意気込みをお願いします
 来週には明治戦があるので、また一段階精度を上げていきたいなと思います。

FL久我真之介(文構1=東京・早実)
ーー個人のテーマを教えてください
 「コンタクト」です。
ーーゴール前まで攻め込まれたシーンではどのような思いでディフェンスしましたか
 相手のフォワードもコンタクトが強いので一対一の局面で負けないというのを意識していました。また、トイメンの相手に近づくことも意識していました。 
ーー今日のご自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか
 目標としていたコンタクトの部分で相手に近づくことができたので良かったです。
ーー今後の意気込みをお願いします
 パスなどのスキルをもっと身につけていきたいです。

CTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)
ーー今日の個人のテーマを教えてください
 今日の個人のテーマはディフェンスのシャッフルの部分です。
ーーご自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか
 ディフェンスでは、自分がテーマとして抱えていたシャッフルの部分でしっかり体を当てて良いタックルや、ターンオーバーにつながるジャッカルをできたと思います。一方でアタックの面では、自分が前にラインプレッシャーを上げる場面もあったのですが、その時に自分が孤立して行ってしまったことでチーム全体としてのテンポが生まれなかったので、そこはしっかり周りとコミュニケーションを取っていくところが一つ課題なのかなと思います。
ーーBK全体としてはいかがですか
 前半、外側に展開する中で、東海大の外側から飛び出してくるディフェンスにこちらはあんまり対応できずにアタックしてしまったので、その反省を踏まえて後半はしっかり縦のプレーを使いながら対応できたので、そこは一つ良かったのかなと思います。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
 自分自身まだまだチャレンジャーだと思っているので、これから明大とのジュニア戦や対抗戦、選手権も深まっていく中で、しっかり早稲田の『日本一』に貢献できるように頑張っていきたいと思います。

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