定期戦 7月6日 対東大 東大・駒場キャンパス
灼熱の猛暑の中、毎年行われる東大との定期戦が東大・駒場キャンパスで今年も行われた。前半からリズムに乗りたい早大だったが、東大の勢いと自らのミスで東大に得点を許し、主導権を握れずリードを許したまま前半を終える。しかし続く後半では早大がギアを上げて逆転に成功し、勢いに乗りそのまま得点を重ねていった。最終的には後半を無失点で守り切った早大が東大を63―28で下し、伝統の一戦を白星で飾った。
SO池山昂佑(商 2=東京・早実)の好キックオフから始まった今試合。開始直後にWTB溝井颯太朗(スポ4=北海道・函館ラサール) のタックルでマイボールを獲得する。CTB谷司馬人(教 3=東京・早実)やNO・8国谷赳斗(スポ 2=東京・国学院久我山) のボールキャリー、FB山下一吹(教 3=東京・早実) のラインブレイクでチャンスを作るが、自分たちのミスでトライを取り切ることができない。一方、東大は前半14分に粘り強いディフェンスからチャンスをつかみ切りトライを挙げ、早大は先制点を許してしまう。続けざまに東大が得点を挙げ、点差を0―14まで広げられた。早大の待望の初得点は前半26分、谷のタックルから勢いに乗り、東大がたまらずペナルティー。池山のタッチキックで敵陣5mまで攻め込み、最後はモールからキャリーしたPR伊藤和稀(文 2=東京・早実) がゴールラインを叩き割った。左隅の難しい角度からのコンバージョンキックを池山が決め7―14と点差を縮める。その後東大にトライを許すも32分、敵陣22m付近でのマイボールラインアウトからLO小松輝也(スポ 2=大阪・常翔啓光学園) とFL久我真之介(文構1=東京・早実)が前進し起点を作ると、相手ディフェンスを抜け出した山下からパスを受け取ったWTB早乙女遼(人 2=東京・国学院久我山) が再び山下に繋ぎゴールラインを駆け抜けた。右隅のコンバージョンキックをSO田中大斗(教1=東京・早実)がきっちり決め14―21と東大に迫る。このまま流れに乗りたい早大だったが、またも東大に得点を許し14―28で前半を終えた。東大の勢いに苦戦した早大だったが、両者が譲らない試合展開となった。
後半7分東大がゴールラインまで攻め込むも、早大がミスを誘いピンチを耐え凌ぐ。自陣マイボールスクラムでゲインに成功した久我から、ボールを受け取った山下が自陣から華麗なステップで走り切り、今試合2つ目のトライを挙げた。このまま流れに乗った早大は17分にCTB鈴木彪馬(スポ1=東京・国学院久我山)がインゴールを駆け抜け、28―28と同点に追いつくことに成功した。その後も山下が相手の裏のスペースに転がしたボールに溝井がプレッシャーをかけ、敵陣深くまでエリアを獲得。更には敵陣深くの相手ボールスクラムで早大が東大のスクラムを粉砕しペナルティーを誘うと、クイックスタートで出されたボールを山下から鈴木に繋ぎ、最後にパスを受け取った溝井がトライをあげ35―28と今試合初めてのリードを奪った。勢いが止まらない早大は28分に鈴木、34分にHO尾関康輔(スポ 2=東京・本郷) 、36分にはPR遠藤直輝(教1=東京・早実)が追加点を挙げる。最後は後半40分にまたも山下のキックで敵陣深くまで攻め込むと、LO原田恒耀(スポ 2=福岡・修猷館) がインゴールを叩き割った。池山のコンバージョンゴールも決まり、後半を無失点で守り切った早大が63―28と最後は東大を突き放し、伝統の一戦に勝利した。
試合の序盤は東大の圧力に苦戦した早大だったが、後半に入ると持ち前のランニングラグビーや、選手が今試合のテーマとして語っていた『セットプレー』で圧倒し快勝をおさめた。春シーズンが終わり、夏の厳しいトレーニング期間に突入する。多くのトレーニングマッチも予定される中、『赤黒』を目指す選手たちの部内競争も激化していく。勝負の秋に向けて成長を続ける早大から目が離せない。
(記事 大林祐太、写真 堀内遥寿)
コメント
LO折戸健介ゲームキャプテン(法4=東京・早実)
――今日のチームコンセプトをお聞かせください
『プレッシャー』という一言でやっていました。今シーズンの早稲田はハイプレッシャーを意識してディフェンスに取り組んでいるので、プレッシャーというテーマにしました。
――個人的なテーマはありましたか
個人的なテーマはラインアウトとエナジーというのを掲げていました。夏で暑いのでエナジーを出すというところと、僕の得意なプレーであるラインアウトで貢献しようと思っていました。
――立ち上がりの苦しんだ場面を振り返っていかがですか
自分たちが練習でやってきたことが出せないとあのような状況になるとは全員がわかっていたので、そこを後半で変えられたのはよかったかなと思います。
――具体的な修正ポイントは話し合われましたか
修正点はブレイクダウンのところで、ブレイクダウンで引かずにかけていかないと相手にこられるので、ブレイクダウンでかけようと話しました。
――試合全体を総括していかがですか
65点ぐらいです。よかったところとしてはジュニアとして帝京以外にまだ負けていないというところで、悪かったところとしては試合の入りから早稲田のアタックとディフェンスを出せなかったところです。
――今後の意気込みをお願いします
チームとしては今年『荒ぶる』をとるという目標を達成するために、これからもまたエナジー全開で頑張るということと、個人としては夏合宿でAチームの試合に絡めるようにしっかり練習していきたいと思います。
FB山下一吹(教3=東京・早実)
――今日の個人的なテーマを教えてください
僕は春のシーズン途中で怪我をしてしまって、なかなかゲームに出れない状況でこういったチャンスをいただいたので、自分の強みであるランをしっかり出せるように積極的にボールタッチを増やして、しっかり外で勝負してゲームコントロールをするというテーマでした。
――二つのトライシーンを振り返っていかがですか
1トライ目は、相手のディフェンスが自分たちのテンポの速いアタックについてこれないことがわかっていたので、順目で絶対に数的有利ができると思っていて、最後にできたスペースでしっかり崩してトライを取りきれてよかったです。2トライ目はフォワードの久我がいいラインブレイクしてくれたところに、相手より先に入ってボールを貰って走り切ろうという意識で取り切りました。
――試合全体を振り返ってご自身のプレーはいかがですか
試合の入りというのがいつも課題なのですが、前半はチームとしても試合に入りきれないというか、自分たちのテンポの速いアタックが出せなかったというのがあって、そこに自分もリードして絡めなかったというのがありました。後半は新しく入ってきたメンバーがしっかりシードしてくれて、その中で自分もリズムに乗ることができたかなと思います。
――何か課題は見つかりましたか
やはり試合の入りのところ、それからキックオフリターンのところで、せっかく点をとった後のリターンでミスをしてしまうとまた自陣で戦うことになるので、ゲームを支配していくために連続で得点するという意味でも、キックオフの部分に修正が必要なのかなと感じました。
――今後の意気込みをお願いします
夏合宿までに自分の体をまず作って、合宿でも試合が多くあるので、しっかり上のチームに上がっていけるようにアピールしていきたいと思います。
F L髙橋松大郎(スポ 2=愛媛・松山東)
――今日のチームとしてのコンセプトを教えてください
チームとしてはアタックとディフェンスのプレッシャーをこの試合のテーマとしていました。
――今日の個人としてのテーマを教えてください
チームのテーマと被りますが、特にディフェンスの部分のタックルで相手にプレッシャーをかけ続けることを意識しました。
――今日のセットプレーを振り返ってみてどうですか。
今年は特にセットプレーに早稲田のフォワードとして力を入れて取り組んできているので、絶対にセットプレーでは負けないという気持ちでこの試合に臨みました。試合を振り返ってみるとスクラムでもラインアウトでも東大に早大が勝てたので良かったと思います。
――今後の意気込みをお願いします
まずは菅平で1つでも上のカテゴリーで出られるように頑張ります。そして自分らしいプレーをして早稲田にとって特別な選手になれるように頑張ります。