終始ゲームを支配した早大B 法大Bを突き放し白星を挙げた

ラグビー男子

春季ジュニアオープン戦 6月9日 対法大B 早大・上井草グラウンド

 日が陰るが蒸し暑い早大・上井草グラウンドには多くの観客が集まり、春季オープン戦早大B対法大Bの一戦を観戦した。序盤から早大はスクラムで圧倒するも自分たちのミスで流れを作ることができない。それでも前半10分に待望の先制トライを挙げると、その後も敵陣で長くプレーをし続け前半だけで6トライを挙げた。42ー0で前半を折り返すと、続く後半も着実に得点を重ねて点差を広げてゆき、最終的には87ー7と大差で勝利した。

3トライを挙げる活躍を見せたWTB髙柳

 前半開始早々は法大のアタックで自陣深くまで攻め込まれるも、NO・8永井新之助(スポ 4=東京・早実) のキャリーからCTB佐々木豪正(文 2=東京・早実)につながり敵陣まで陣地を回復する。その後は敵陣に攻め込むも自分たちのミスが続き、なかなかリズムに乗ることができない。しかし10分に法大のハイタックルによるペナルティーからSO仲山倫平(法 3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)の好タッチキックで敵陣深くまで攻め込む。その後のラインアウトからFWでフェイズを重ね、最後にFL山田凜太(法 2=茨城・茗渓学園)がインゴールに飛び込み待望のトライを挙げた。左隅から難しい角度のコンバージョンキックを仲山が決め、7ー0と先制に成功する。続く16分にはWTB三浦哲(文構 4=東京・早実)がタッチライン際を抜け出してSH井上泰志(スポ 4=福岡・東筑)につなぎ、最後はオフロードパスを受け取った仲山がトライ。その後も幾度となく敵陣に攻め込む早大だったが、ハンドリングエラーが重なり得点に結びつけることはできない。停滞する時間帯が続いていた28分、法大ボールのスクラムから早大がペナルティーを獲得。FL山本竜大(教 3=東京・早実) がゲインし、LO米倉翔(スポ 2=福岡・修猷館)がインゴールを叩き割った。仲山のキックも決まり点差を21ー0まで広げる。さらに37分には仲山のラインブレイクから佐々木へとつながると、最後はFB高栁壮史(創理 3=東京・早大学院) が快速を見せトライ。前半終了間際にはBKが展開し、WTB杉野駿太(政経 4=東京・早大学院) がラインブレイク。HO田中健心(スポ1=神奈川・桐蔭学園) のロングパスを受け取った永井がインゴールに飛び込んだ。ここでも難しいキックを仲山が沈め42ー0とし、法大に得点の隙を与えることなく前半を終えた。

力強く前進するルーキーHO田中

 続く後半は途中出場のSO吉岡麟太朗(スポ 4=東京・本郷) の好キックで開始されるも、2分に法大ボールのラインアウトからFWにフェイズを重ねられトライを許してしまった。しかし早大はすぐさま反撃を開始、6分に法大のオフサイドを誘い、敵陣深くまで攻め込む。この敵陣でのラインアウトから、最後はHO真田稜大(教 3=東京・早実)が持ち出しトライを決める。12分にはゲームキャプテンの井上が自陣からボールをつなぎ、佐々木のゲインから三浦が追加点を挙げた。今試合のテーマである『継続』を体現する場面となった。54ー7と点差を広げる。その後は途中出場のFL粟飯原謙(スポ 3=神奈川・桐蔭学園)が何度も力強いボールキャリーを見せ会場をどよめかせる。23分に粟飯原のゲインからWTB田尻遥也(文 4=埼玉・早大本庄)につながり、オフロードパスを受けた高栁がハーフラインからスピードとスワーブを使いインゴールを駆け抜けた。30分には粟飯原がディフェンスで魅せる。法大の選手2人を相手に粟飯原がタックルで仕留め切り、そのままターンオーバー。最後にパスを受けた高栁が再びスピードで振り切りトライを決めた。34分にはモールで真田が、39分にはLO鈴木大和(国教 2=東京・早実)がそれぞれトライを取りきり点差を広げていく。最終盤には吉岡の裏から顔を出した高栁がゲインし、最後は田尻に渡ってダメ押しのトライ。コンバージョンを吉岡が確実に決め、87ー7と大差をつけて勝利を挙げた。

攻守にわたり存在感を示したFL粟飯原

 Aチーム同様にスクラムで強さを示した早大。PR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も「試合を通してよいスクラムの組み方ができた」と試合を振り返る。また今試合では前田や田中が好プレーを連発するなど、ルーキーの活躍もあり、今後のポジション争いは激しさを増すだろう。春シーズンも残すところあと1試合。昨年の王者である帝京大を相手にする早大の成長から目が離せない。

(記事 大林祐太、写真 安藤香穂、植村皓大)

 コメント 

SH井上泰志(スポ 4=福岡・東筑) ゲームキャプテン

――今日のチームとしてのコンセプトはなんですか

 『継続』です。アタックだったら外からの要求、ディフェンスだったらボールへのファイトという自分たちで決めたことを80分継続することを意識していました。

――試合全体で特にノットリリースザボールのペナルティーが多いように見られましたが、どんな課題があげられますか

 1人目が低いタックルを受けてしまったため、まずボールキャリアーが粘ること、そして2人目の競走で勝つことを徹底する必要があったと思います。

――チーム全体のアタックを振り返っていかがですか

 前半のメンバー、後半のメンバーでそれぞれプレーの質を落とすことなくできたというのは良い点だと思います。課題としては敵陣の22メートルラインに入ってからラインアウトで2本ミスしてしまうなど、精度や集中といったところを改善していかなければならないと思います。

――今後の意気込みをお願いします

春シーズンは残り1試合となりましたが、個人として『荒ぶる』に貢献できるようにこれからも頑張ります。

PR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――今日の個人のコンセプトを教えてください

今日は久しぶりに上のチームでの試合だったので、セットプレーでチームに勢いづけることと、接点でしっかり前に出るということを意識して試合に臨みました。

――スクラムの手応えはいかがですか

 スクラムは試合を通して結構良い組み方ができたので、しっかり継続して次の試合にも生かせればなと思います。

――チーム全体としてのコンタクト勝負はいかがでしたか

 FWもしっかり前に出るところは出られていたのですが、ハンドリングなど課題もまだたくさんあるので、しっかりそこを来週の帝京大戦までに修正して臨めるようにしたいと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 まずは来週の帝京大戦に向けてしっかりチームで練習して、活躍できるように頑張りたいと思います。

LO米倉翔(スポ 2=福岡・修猷館)

――今日の個人のコンセプトはなんですか

 接点のスピードを意識していました。最近は良いアタックやディフェンスができていなかったのでそこを意識していました。

――ラインアウトの振り返っていかがですか

 収穫としては、メンバーが変わっても良いラインアウトができたところです。相手陣地22メートルラインに入った時、チャンスの時に自分たちのアタックができずに、流れを掴めなかったシーンがあったので、帝京戦までに修正したいと思います。

――FWのディフェンスを振り返っていかがですか

 1トライで抑えることができたのは良い点だと思いますが、1トライ取られてしまったこと、後半になるにつれてノミネートがずれてゲインされてしまう場面が多かったので、そこを修正したいです。

――今後の意気込みをお願いします

 まずは2年生らしく、がむしゃらに頑張ります。

FB高栁壮史(創理 3=東京・早大学院)

――今日の個人のコンセプトを教えてください

 ゲインラインに仕掛けて、前でプレーすることを意識していました。

――BKのアタックを振り返っていかがですか

 前半はサインプレーをしようとしすぎた、ということが反省点だと思います。難しいプレーをしようとしてアタックが上手くいかない場面が何度かあったので、後半はシンプルに、前に仕掛けてボールを継続することを意識していました。

――後半は自陣から積極的に展開するアタックが見られましたが、ハーフタイムでなにか意思統一を行ったのですか

 先程も言ったように、前半はCTBの位置で難しいプレーをしようとしすぎたので、後半はシンプルなサインプレーに頭を切り替えようという話をしていました。

――今後の意気込みをお願いします

 春シーズンの試合もラスト1試合なので、赤黒を着られるように最後まで頑張ります。

 メンバー表 

 

 得点表