新人早慶戦 40―12で圧倒、赤黒への執念を見せる

ラグビー男子

新人早慶戦 6月8日 早大・上井草グラウンド

 強い日差しが照りつける中、25分ハーフで50分間行われた新人早慶戦。1週間前に新人早明戦で勝利を挙げたルーキーたちは「接点で圧倒する」ことをテーマに試合に臨んだ。前半は序盤に慶大の猛攻を受け自陣での時間が続くも、前に出るディフェンスでプレッシャーをかけ無失点に抑える。攻撃ではパスやテンポで高い精度を見せ、4本のトライを挙げ試合を折り返した。後半は立て続けに2トライを奪われるが、グラウンドの幅を大きく使った攻撃で得点し流れを断ち切る。終了間際にもトライを決め、40―12で勝利を収めた。

ゲームキャプテンを務めたLO小林

 序盤は慶大ペースで試合が進んだ。5分には自身のペナルティーからゴール前まで迫られるが、早い出足のディフェンスで突破を許さず相手のミスを誘発し危機を退ける。その後も集中力を欠かさない守備を見せると、10分に敵陣でのラインアウトを獲得する。フォワードを縦に当て起点を作り、ショートパスやオフロードで外へ展開。大外でパスを受けたWTB西浦岳優(社1=東福岡)が抜け出し先制トライを挙げた。続く13分、自陣でのスクラムからCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)が強い当たりでゲインラインを押し上げると、ディフェンスのギャップに走りこんだNO・8多田陽道(商1=東京・早実)がブレイクしそのまま独走トライを決めた。勢いに乗った早大は直後のリスタートからも素早いテンポで外に展開する。大外でボールを持ったWTB西浦が快走し再びトライラインを駆け抜けた。終了間際にはラインアウトからモールを仕掛け、HO小笠原正義(商1=東京・早実)がグラウンディングし得点。28―0で前半を終えた。

2トライを奪う活躍を見せたWTB西浦

 後半は慶大のトライから始まった。3分、自陣でのラインアウトで反則を起こすとクイックで攻められる。粘り強くディフェンスを続けるも、フェイズを重ねるにつれてディフェンスにギャップが生まれトライを奪われた。対する早大はパスミスから攻撃に勢いが出ず、攻めきれない展開が続く。10分にはディフェンスの出足が弱まり、自陣ゴール前まで侵入を許すと慶大フォワードに押し込まれトライラインを割られた。早大が持ち直したのは15分。ラインアウトからグラウンドの横幅を大きく使って攻撃を展開。2分間にわたって粘り強く攻め、最後は飛ばしパスを受けたWTB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)がトライを取り切った。このトライで相手の勢いを削いだ早大は敵陣でプレーを続け、終盤にダメ押しのトライを挙げノーサイド。40―12で新人戦に白星を飾った。

ディフェンスラインを突破するNO・8多田

 先週の新人早明戦に続いて勝利を収めた本試合。グラウンドを大きく使った早大らしいアタックや、前に出る鋭いタックルで慶大を圧倒した。ゲームキャプテンを務めたLO小林光晴(文1=福岡)は「もっとレベルアップして上のカテゴリーで活躍し、赤黒を着て『荒ぶる』に貢献できるように頑張ります」と語った。貪欲な姿勢で『荒ぶる』を狙う、未来の赤黒戦士たちの活躍に注目だ。

(記事 原 旺太、写真 清水浬央)

LO小林光晴(文1=福岡)

――今日のチームコンセプトを教えてください

 接点で圧倒するというテーマを掲げていました。今週、アタックとディフェンスともにセカンドのファイトをテーマにやってきたのでそこを意識して、体当てるところではしっかり当てていこうと話しました。

――その達成度はいかがでしたか

 最初はかなり相手のアタック、ディフェンスを受ける場面が多かったのですが、監督からハーフタイムで喝を入れてもらったので、後半意識を変えれて良いディフェンスができたと思います。

――ゲームキャプテンとして何を意識しましたか

 自分は声をかけたりまとめることは苦手なのでハードワークしてプレーで見せていこうと意識しました。

――今日の試合を振り返って良かった部分や見つかった課題があれば教えてください

 まずは新人早慶戦という伝統の試合で勝てたことはとても良かったです。また、前半悪かった部分を修正できた点も良かったですが、1年生の中でも上のカテゴリーのメンバーが抜けたことでできないことが多くなったり、試合がうまくいかなかったりする部分がありました。上のメンバーが抜けてても自分たちで強くなって勝てるチームになっていきたいです。

――今後の意気込みをお願いします

 もっとレベルアップして上のカテゴリーで活躍し、赤黒を着て『荒ぶる』に貢献できるように頑張ります。

NO・8多田陽道(商1=東京・早実)

――本試合のフォワードのテーマを教えてください

 接点で圧倒することをテーマに臨みました。

――フォワードの働きはいかがでしたか

 前半に慶大に先手を取られてしまい苦しい流れになってしまいましたが、後半に少し改善できたことは良かったと思います。

――個人の成果、反省点を教えてください

 自分のテーマはセカンドマンで強く出るということでしたが、前に出て相手に勝つということがあまりできなかったので反省点です。

――今後の意気込みをお願いします

 まずは体作りに力を入れて、上のカテゴリーに上がっていけるよう頑張ります。

FB田中大斗(教1=東京・早実)

――今日のバックスのテーマを教えてください

 接点を圧倒するというテーマを掲げていました。今週、アタックとディフェンスともにセカンドのファイトをテーマにやってきたのでそこを意識して、体当てるところではしっかり当てていこうと話しました。

――その達成度はいかがでしたか

 縦に強いランナーと外に早いランナーがいるのでそこのメリハリの部分を意識していました。

――バックスの働きはいかがでしたか

 外にスペースがあるのに焦って縦に行こうとしてライン全体が浅くなってしまうことがあったので、ハーフタイムでタメの部分を改善しようという話があったのですがあまり改善できなかったのが反省点です・

――個人としての成果、反省点を教えてください

 両WTBが決定力がある二人が揃っていたので自分が上手くつなごうと意識をしていて、結果的に2つアシストができたので良かったと思います。反省点としてはディフェンスの時の裏のケアの部分をSO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)とあまりコミュニケーションが取れていなかったことが課題になりました

――今後の意気込みをお願いします

 まだ下のチームに残っている状態が続いているので、毎練習アピールを続けて上のチームに上がれるよう頑張ります。

WTB西浦岳優(社1=東福岡)

――今試合の個人のコンセプトを教えてください

 肩を手術していて、3週間程前に復帰して、先週に初試合として新人早明戦に出たのですが、なにもできなくて。WTBなのでトライにこだわりたくて、今日はトライを取りたいという思いで臨みました。

――個人のプレーの振り返りをお願いします

 目標にしてたトライは取れたので良かったですが、タックルの恐怖心があって。肩の手術を終えたあとのタックルの怖さみたいなものがまだ抜けていなくて、仕留めきれないところがあったので、次はディフェンスでももっと前に出れるようにしたいです。

――2トライをあげたことについて率直な思いを聞かせてください

 WTBの役割をしっかり果たせて嬉しいです。ですがもっと貪欲に、さらにトライを取れるように頑張ります。

――今後の意気込みをお願いします

 小学生の頃から赤黒を着るためにラグビーをやってきて、まずは赤黒を着ることを目標に1日1日大事に練習していきます。