関東大学春季大会 明大戦展望

ラグビー男子

関東大学春季大会 対明大 6月2日 新潟・デンカビッグスワンスタジアム

 春の早明戦。『春シーズン全勝』を掲げる早大にとって、最大の脅威となる紫紺の壁。早大と明大、両雄は新潟・デンカビッグスワンスタジアムで相まみえる。早大が明大に打ち勝ったのは2022年12月25日、第59回大学選手権準々決勝が最後であり、現在は2連敗を喫している。春季大会では2013年に73ー12で大勝して以来、10年近く勝利から遠ざかっている。今シーズンこそ『荒ぶる』を奪還するため、苦手意識を持つ春の早明戦で何としても勝利し、自信と弾みをつけたいところだ。

  前節は愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で行われた関東大学春季大会(春季大会)第2節。関東大学リーグ戦1部で史上初の5連覇を達成した強豪・東海大との一戦に臨んだ早大は、序盤から猛攻を繰り広げ、前半だけで6トライを挙げた。後半は東海大の粘り強いディフェンスに苦戦したものの、追い上げを許さず、59ー26でノーサイドとなった。

力強いプレーでチームを牽引するHO佐藤主将

   「春から積み上げてきたスクラムが少しずつ形になってきている」とHO佐藤健次主将(スポ 4=神奈川・桐蔭学園) が振り返るように、東海大のパワフルなスクラムにも後手に回らず、試合を優位に進めた早大。明大の爆発力のあるスクラムとも対等に組み、セットプレーを安定させられるか期待したい。今節から復帰を果たしたNO・8松沼寛治(スポ 2=東海大大阪仰星)の存在も忘れてはならない。ラガーマンの肝となる力強いプレーはもちろん、機動力を持ち合わせた生粋のハードワーカーはスクラムの最後尾から明大の綻びに目を光らせる。SO野中健吾(スポ 3=東海大大阪仰星)は好調を維持し、どんな角度からでも得点に結びつける高精度なキックが明大のプレッシャーとなることは間違いないだろう。ベンチにはHO安恒直人(スポ 4=福岡) やFL粟飯原謙(スポ 3=神奈川・桐蔭学園)、SH糸瀬真周(スポ 3=福岡・修猷館) など早大の起爆剤になる選手たちが控えている。これらの選手を有効的に切る大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工) の采配にも注目が集まるだろう。

安定したゲームコントロールを見せるSO野中

  対する明大は安定したセットプレーと強力なコリジョンで次々と前進する伝統的な重戦車FWに加え、個々が高いスキルを持ち、それぞれがアタックの起点となりうるスター軍団のBKの融合が魅力のチームだ。明大のスターティングメンバ―にはHO西野帆平やFL福田大晟、NO・8木戸大士郎など明大FWを支えてきたタレントに加え、昨年の全国高等学校ラグビーフットボール大会で観客を沸かせたルーキー、SO萩井耀司とFB為房幸之介が顔を揃える。控えにはCTB秋濱悠太やWTB安田昂平など多くのスターが座り、層の厚さを見せつける明大。『銀河系軍団』の多彩なアタックに対し、この春シーズンに時間をかけて鍛えてきた組織ディフェンスで対抗できるか、注目の一戦である。

   ここまでの春シーズン、全カテゴリーで勝利を収めてきた早大。『BEAT UP』を宿敵・明大相手にも体現することができるか。伝統の一戦、これからのシーズンを占う試金石になる春の早明戦に対し、全選手は並々ならぬ思いで試合に臨むことだろう。両校は新潟の地で雌雄を決する。

(記事 村上結太、写真 清水浬央)

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
杉本 安伊朗 スポ2 東京・国学院久我山
佐藤 健次 スポ4 神奈川・桐蔭学園
亀山 昇太郎 スポ4 茨城・茗溪学園
西浦 剛臣 社4 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
栗田 文介 スポ3 愛知・千種
田中 勇成 教3 東京・早実
萩原 武大 スポ3 茨城・茗渓学園
松沼 寛治 スポ2 東海大大阪仰星
細矢 聖樹 スポ4 国学院栃木
10 野中 健吾 スポ3 東海大大阪仰星
11 清 透馬 商4 茨城・茗溪学園
12 森田 倫太朗 スポ2 兵庫・報徳
13 金子 礼人 法3 福岡・西南学院
14 鈴木 寛大 スポ2 岡山・倉敷
15 池本 晴人 社2 東京・早実
リザーブ
16 安恒 直人 スポ4 福岡
17 山口 湧太郎 スポ3 神奈川・桐蔭学園
18 新井 瑛大 教2 大阪桐蔭
19 若松 泰佑 文構4 東京・早実
20 粟飯原 謙 スポ3 神奈川・桐蔭学園
21 糸瀬 真周 スポ3 福岡・修猷館
22 吉岡 麟太朗 スポ4 東京・本郷
23 小澤 ジョージィ スポ3 千葉・流経大柏
24 鈴木 風詩 社4 国学院栃木
25 城 央祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
26 田中 健想 社1 神奈川・桐蔭学園
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)