前半同点の接戦も 筑波大相手に地力を見せつけ勝利

ラグビー明大

 時折小雨がちらつく福島・ハワイアンズスタジアムいわき。前節の成蹊大戦から1週間空けて、「僕たちがチャレンジャー」(CTB廣瀬雄也主将)という思いを胸に、昨年全日本大学選手権ベスト4の成績を残した筑波大との一戦に挑んだ。明大は先制トライから立て続けに得点を奪ったものの、その後は筑波大の連続トライで追いつかれてしまう。さらに後半最初のトライを奪われ、追いかける展開となった明大は、ここで反撃を開始する。後半10分、HO松下潤一郎のトライから4連続トライの猛攻で実力を発揮。後半は筑波大を1トライに抑え、40ー21でノーサイドとなった。

 筑波大のキックオフで開始すると、中盤まで両チームともに得点が入らないまま試合が進む。拮抗(きっこう)が崩れたのは前半19分、敵陣左でのスクラムから。右に展開していくと、勢いのあるアタックで廣瀬が縦に抜け、廣瀬からのオフロードパスでWTB西川賢哉、SO伊藤耕太郎、CTB平翔太、FB秋濱悠太がつないで前進する。最後は秋濱からパスを受けたWTB安田昂平がインゴールへ飛び込んだ。先制トライを奪って7ー0とした明大は、勢いに乗って続けて得点を奪う。前半23分、ハーフライン付近から松下がディフェンスを突破。そのままタックルを受けながらも力強い走りでゴールポスト左へトライ。この2トライで流れをつかんだと思われた明大だったが、筑波大の攻撃を止められず14ー14の同点で前半を終える。

 

トライを決めた松下

 ハーフタイムが明け、試合の主導権を握りたい明大。しかし、最初のトライを決めたのは筑波大だった。リードを奪われた明大は、後半10分、筑波大のペナルティから敵陣左ゴール前でのラインアウトを迎えると、この好機を逃さずモールトライを決め、すぐさま同点に追いつく。勝ち越しに成功したのは19分、自陣でのスクラムからノンストップでアタックを続けると、明大の速いテンポでの攻撃に筑波大のディフェンスは追いつかない。そのままフェーズを重ね、伊藤耕がゴールポスト左へ飛び込んだ。さらに続く22分にも廣瀬のパスを受けた秋濱がディフェンスの裏に抜け出すと、再び廣瀬がボールを受け取り自らゴールラインを割った。これで33ー21とした明大は、敵陣右での筑波大ボールのラインアウトが乱れたところをHO西野帆平とPR富田陸が奥深くまで運び、最後はFL福田大晟が押し込み試合を締めくくった。後半、筑波大に許したトライはわずかに1つ。40ー21で勝利を収めた。

 

POM選出の活躍を見せた廣瀬

 前半を同点で終え、最後まで勝負の行方が分からなかった今試合。前節での課題であった「後半も気を抜かず、0対0という気持ちで、自分たちが目指すラグビー」(廣瀬)をやるということを実現してきた明大は、ここからさらにステップアップしてくるだろう。春から積み上げてきたものを糧に、シーズン本番も勝ち抜いていく。

 (記事 濵嶋彩加、写真 西川龍佑)

コメント

※記者会見より抜粋

神鳥裕之監督

――試合を振り返って

 今日はどうもありがとうございました。福島の素晴らしいグラウンドで試合ができたことに改めて関係者の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。今日のゲームで筑波大学さんは非常に素晴らしいチームだなと思いました。前半同点で折り返して、後半も序盤からどちらが勝つかわからないような展開が続いて、最後にはしっかりとスコアの部分で3トライ差をつけて勝てたことはチームとして成長材料になるかなと思いますが、前半の互角だった部分に関してはこれから修正を加えて次のステップに繋げていきたいと思います。

CTB廣瀬雄也主将

――試合を振り返って

 福島の素晴らしいグラウンドで試合ができたことをとても嬉しく思います。相手が筑波大学さんということで、先週早稲田大学さんといい試合をしていましたし、僕たちが油断していたようなことはありませんでしたし、前半同点で折り返したことは想定内でした。試合前に自分たちは去年ベスト8で終わって、筑波大学さんはベスト4だったので、格上として僕たちがチャレンジャーという気持ちを忘れないということを意識して、自分たちが春やってきたモメンタムや勢いの部分で出し切ることができて、結果トライ数で3トライ差をつけることができたことは、自分たちにとって成長につながるかなと感じました。

――夏に対戦した頃に比べて、筑波大学さんはどのような違いを感じましたか

 まずスクラムの部分で筑波大学さんはすごく対策をしてきていました。そこの部分で自分たちが流れに乗れなかったことがメンタル的にはすごく大きかったと思います。もともとバックスの展開力があるチームなので、そこでトライを取られるシーンもありましたが、前半戦っていて筑波大学さんが夏からすごく成長しているなというのは感じました。

――前半途中から後半にかけて三連続トライを奪われていたわけですが、何か悪いきっかけがあったのでしょうか

 自分たちのペナルティのミスから相手がやりたいアタックをさせてしまったので、自分たちのミスで首を絞めてしまっていたと思います。

――今日の試合で一番得られたものというのはなんだと感じていますか

 後半モールでトライしたところから、自分たちが今まで積み上げてきたモメンタムという部分を筑波大学さんにぶつけることができ、トライに繋げることができたことは、春から夏、そして対抗戦まで自分たちの積み上げてきたものを繋げることができたということだと思うので、その部分がとても良かったと感じています。

 

関東大学対抗戦
明大 スコア 筑波大
前半 後半 得点 前半 後半
14 26 14
40 合計 21
【得点】▽トライ 安田、松下(2T)、伊藤耕、廣瀬、福田 ▽ゴール 廣瀬(4G)、伊藤利(1G)
※得点者は明大のみ記載
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 明大 早大 慶大 筑波大 立大 青学大 成蹊大
帝京大

11/19 14:00

秩父宮

11/5 14:00

秩父宮

12/2 14:00

秩父宮

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

◯83-0

13T9G

〇80-0

12T10G

〇117-5

19T11G

明大

11/19 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/5 14:00

熊谷

◯40-21

6T5G

10/15 13:00

大和

〇87-7

13T11G

〇93-12

15T9G

早大

11/5 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/23 14:00

国立

〇38-35

6T4G

〇64-7

10T7G

10/14 13:00

セナリオH三郷

◯70-7

10T10G

慶大

12/2 14:00

秩父宮

11/5 14:00

熊谷

11/23 14:00

国立

●18-21

3T1PG

〇28-21

3T2G3PG

◯31-20

4T4G1PG

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

筑波大

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

●21-40

3T3G

●35-38

5T5G

〇21-18

3T3G

12/2 14:00

熊谷

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

熊谷

立大

●0-80

0T0G

10/15 13:00

大和

●7-64

1T1G

●21-28

3T3G

12/2 14:00

熊谷

11/5 11:30

秩父宮

11/19 11:30

AGF

青学大

●0-80

0T0G

●7-87

1T1G

10/14 11:30

セナリオH三郷

●20-31

4T4G

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

秩父宮

12/2 11:30

熊谷

成蹊大

●5-117

1T0G

●12-93

2T1G

●7-70

1T1G

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

11/5 11:30

熊谷

11/19 11:30

AGF

12/2 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷は熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場、AGFはAGFフィールド。