ここまで負けなしの明大は今季から関東大学対抗戦(対抗戦)Aグループに復帰した成蹊大と対戦した。試合を通して攻撃の手を緩めることなく、前後半ともに5トライずつを決め、コンバージョンキックもすべて成功。自陣深くに攻め込まれる場面もあったが、要所を締め、インゴールは明け渡さなかった。成蹊大を70-0で下し、今季の対抗戦で2度目となる完封勝利を挙げた。
試合開始直後は両チームが反則を重ね、何度もスクラムを組みなおす。なかなか試合が進まないかと思われたが、やはり先制点は明大だった。前半7分、左右にボールを展開し、中央付近に相手ディフェンスを引き付けると、空いた左サイドをWTB渡部寛太が駆け抜け先制トライ。さらに明大は連携のミスから自陣への侵入を何度も許しつつも、相手のキックミスなどにも助けられ、無失点のまま、14分、27分にもトライを重ねる。38分にはフランカー田中真一がハーフウェイライン付近から右サイドを一気に駆け抜けて大幅にゲインすると、素早く左に展開。ディフェンスを引きずりながら前進する渡部のフォローにSO堀米航平が入り、インゴール左端に飛び込んだ。堀米はこの難しい角度のコンバージョンキックも成功。筑波大戦に続いて、きょうのキック成功率も100パーセント、復調をアピールした。前半終了間際にもWTB宮嵜永也がダメ押しのトライを決め、35-0と成蹊大に大きく差をつけて前半を折り返す。
3トライを奪う活躍を見せた渡部
ハーフタイムを挟んでも明大の勢いは止まらない。後半開始早々2分に渡部がノーホイッスルトライを決め、成蹊大に反撃のスキを与えなかった。また、きょうは先週の筑波大戦で苦戦したラインアウトの精度が高く、そこを起点としたプレーでトライを量産。相手ボールのラインアウトでボールを奪う場面も多くみられ、相手に思うような攻撃をさせなかった。45分に渡部がこの試合3つ目のトライを決めたところでノーサイド。後半も効率よくトライを重ね、前半と同じく35得点を決め、70-0で試合を終えた。
精度に磨きがかかったラインアウト
70-0とスコアだけを見れば大勝だが、試合内容は決して良かったとは言いがたい。前半にスクラムトライこそ決めたものの、試合を通してスクラムで圧倒した印象はなく、明大本来の『重戦車』FWは鳴りを潜めた。ペナルティーの多さも課題と言えるだろう。残り3試合には順位を占う大事な試合が並ぶ。次戦は帝京大相手に善戦した慶大だ。不安要素を抱えながら勝つには難しい相手だが、慶大に勝利し、対抗戦連覇へさらに勢いをつけたい。
(記事 萩原大勝、写真 橋本望、吉田安祐香、下長根沙羅)
関東大学対抗戦 | ||||
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明大 | スコア | 成蹊大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
5 | 5 | T | 0 | 0 |
5 | 5 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
35 | 35 | 計 | 0 | 0 |
70 | 合計 | 0 | ||
【得点】▽トライ 渡部3、前田2、堀米、宮嵜、桶谷、近藤、松岡 ▽ゴール 堀米(7G)、森田(3G) | ||||
※得点者は明大のみ記載 |