今季の関東大学対抗戦(対抗戦)、ここまで全勝と波に乗る明大は、同じく全勝の帝京大と対戦した。勝った方が優勝という大一番、スタンドには多くの明大ファンが押しかけ、選手達を鼓舞するも、最後は力尽き、32-49で敗戦。帝京大の対抗戦5連覇を阻止することは出来なかった。
試合開始直後、足並みが揃わぬ帝京大に対して、果敢に前に出ていく明大は、敵陣深くでペナルティーを獲得し、PGを選択。FB田村煕が見事に決め、先制する。さらに、FW陣とBK陣が一体となり、帝京大を圧倒。前半9分にはCTB梶村祐介が相手に絡まれながらもトライを奪う。しかし、前半中盤から落ち着きを取り戻した帝京大に対し、受けに回る場面も目立ちはじめた。「相手に付き合ってしまった」とフッカー中村駿太主将が語るように、スクラムやラインアウトで何度も反則を繰り返し、帝京大に得点を立て続けに奪われる契機を自ら生み出し、前半を13-21で折り返した。
粘り強いディフェンスで王者・帝京大を苦しめた
後半に入り、何としても追い付きたい明大。だが開始5分、自陣ゴール前でのラインアウトで一度は相手ボールを奪うもパスが乱れ、こぼれ球に反応した帝京大NO・8小野貴久にトライを奪われてしまう。しかし13分にはNO・8松橋周平を中心に帝京大のディフェンスラインを破り、大きくゲイン。最後は途中出場のプロップ祝原涼介がゴール前のラックから、サイドをこじ開けトライ。試合の流れを明大に引き戻す。その後、双方が1トライずつを奪い合って迎えた、後半30分。ピッチ中央付近で獲得したペナルティから、田村のキックで一気に敵陣5mまで進む。ここでFW陣が再三サイドを突き、相手ディフェンスの注意を引きつけると、最後はBKが展開攻撃を仕掛け、空いたスペースに田村が飛び込みトライ。点差を3点にまで縮める。しかし、残り時間10分を切った焦りからか、前へ出る気持ちが空回りした明大の隙をつき、帝京大は後半終了間際に2本のトライを奪う。帝京大のSO松田力也がこのコンバージョンキックを決め、ノーサイド。32-49での敗戦となった。
祝原は途中出場ながらトライを挙げる
帝京大には後一歩及ばなかったものの、中村のトライのようなFWとBKが一体となった攻撃は、確実に王者・帝京大を圧倒していた。一方で、全体的にペナルティーが多く、これに起因した余計な失点が今季を通して目立っていた。次節の早明戦では、日本代表のWTB藤田慶和(スポ4=東福岡)などを中心に、ワセダの主力選手が復帰するとみられている。一回りも二回りも強くなった宿敵相手に、今季の対抗戦の集大成として、勢いに任せたプレーではなく精度の高いプレーが求められる。
(記事 浅野純輝、写真 尾澤琴美、吉田安祐香)
関東大学対抗戦 | ||||
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明大 | スコア | 帝京大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 3 | T | 2 | 4 |
1 | 2 | G | 1 | 4 |
2 | 0 | P | 3 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
13 | 19 | 計 | 21 | 28 |
32 | 合計 | 49 | ||
【得点】▽トライ 中村、梶村、田村、祝原 ▽ゴール 田村(2PG、3G) | ||||
※得点者は明大のみ記載 |