鋭いディフェンスが光り、成蹊大に46ー16で快勝！

　冬の訪れを感じさせるような寒空の中、岩手県・ウエスタンデジタルスタジアム北上にて関東大学対抗戦（対抗戦）第４節、慶大と成蹊大の一戦が行われた。対抗戦を勝ち越して折り返したい慶大はなんとしてもものにしたい一戦。前半開始早々にトライを獲得し、試合の流れに乗る。ペナルティーゴールでの失点は許すが、トライを与えることなく20ー３で前半を終えると、後半はＦＷのセットプレーで圧倒。モールだけで３トライを挙げ、成蹊大を突き放した。最終スコアを46ー16とし、残る強豪３連戦に向けて弾みをつけた。

　前半２分、成蹊大のダイレクトタッチによって敵陣22メートルラインの位置でラインアウトを獲得した慶大はＦＷで力強く前進する。早いテンポで数的有利を作り、最後はＳＯ山田響からロングパスを受け取ったＷＴＢ佐々仁悟がインゴールを駆け抜けた。14分、ペナルティーを重ねて成蹊大に陣地を奪われ、ペナルティーゴールで失点を許すも、続く21分にはＨＯ中山大暉がラックサイドを突き、大きくゲイン。オフロードパスを受け取ったＷＴＢ大野嵩明が右隅にトライした。その後も慶大の鋭いディフェンスで成蹊大の前進を許さず、多くの時間を敵陣でプレーすることに成功する。ペナルティーゴール、そしてトライと得点を追加し、20ー３とリードを広げて試合を折り返す。

インゴールへ押し込むＳＯ山田響

　後半、先制したのは成蹊大であった。後半５分、ダイレクトタッチによって自陣深い位置まで侵入を許した慶大は痛恨のペナルティーを犯してしまい、３点を失う。しかし続く12分、中山がすぐにモールでトライを取り返し、点差を広げるとともに試合の流れを渡さない。17分には成蹊大に今試合初トライを許すものの、25分にはＣＴＢ永山淳がトライラインを割り、成蹊大を突き放す。さらに慶大は35分、山田のジャッカルから得たラインアウトモールで追加点を挙げ、差を広げる。39分にトライを許すものの、試合終盤にスクラムでペナルティーを獲得し、ラインアウトモールでダメ押しのトライ。46ー16でノーサイドとなった。

力強いキャリーを見せるＰＲ岡広将主将

　「ディフェンスに再度、力を入れて取り組んできました」と青貫浩之監督が語るように、ディフェンスで光った慶大。前半をノートライで抑え、終始試合の主導権を渡さなかった。しかし、「後半に２トライ取られてしまった」とＰＲ岡広将主将が指摘するように、後半での継続力に課題が見えた。次節の対戦相手である明大は対抗戦屈指の攻撃力を誇るチームだ。ディフェンスの精度をさらに高め、接戦を制することができるか。慶大ラグビーの仕上がりに期待したい。

（記事　村上結太、写真　長野恵治）

コメント　※記者会見より抜粋

青貫浩之監督

――今試合の総括をお願いします

　試合の入りを大事にしようという話をしていました。これまでの立教、青学、筑波では入りが悪かったので、今回は良い入りができたと思います。逆に後半の入りが悪かったのが反省点だと思います

――前半をノートライで抑えましたが、この３週間どんな準備をしてきましたか

　ディフェンスに再度、力を入れて取り組んできました。明治、早稲田に繋がる、次に繋がるような試合をしようと話しました

――次戦に向けての意気込みをお願いします

　確実に自分たちより強い相手なので、チャレンジするだけだと思います

ＰＲ岡広将主将

――今試合のテーマは何でしたか

　新しいディフェンスシステムを試すこと、また前半20分の課題を解決するというテーマで臨みました

――ペナルティーを獲得し、モールでトライを取り切る形ができているように見えますが、モールの感触はどうですか

　慶応の戦い方はどんな相手でも変わらないので、そこのクオリティーを挙げることが３週間のテーマでした。時間をかけて取り組んできて仕上がってきたところもありますが、まだ足りないところもあると思います。

――今試合のディフェンスはいかがでしたか

　前半はすごくよかったのですが、後半に２トライ取られてしまったことだったり、ペナルティーを許してペナルティゴールで得点を許してしまったのでそこが課題だと思います。１点、２点を争う試合展開になるのでそこをもっと厳しくしていかなければならないと思います

――明大戦への意気込みをお願いします

　今シーズン初めてで、日本一にすごく近いチームだと思うので常にチャレンジャーとして戦いたいと思います