青学大との接戦をモールで打開、今季2勝目を飾る

ラグビー慶大

 9月30日、神奈川・小田原市城山陸上競技場で第3節となる青学大戦が行われた。対抗戦も中盤にさしかかり、絶対に落とせない一戦。試合は、序盤に立て続けに失点し流れをつかまれてしまう。しかし、前半33分に武器であるラインアウトモールでトライすると、そこから息を吹き返した慶大。後半は、相手の素早い攻撃も一丸となって守り抜き、最終的には31-20で勝利を収めた。

 前半は、「勢いのある相手に受けてしまった」(青貫浩之監督)という言葉通り、青学大のプレッシャーに押される苦しい入りに。ラインアウトとスクラムで続けてペナルティーを取られ試合の流れを掴まれると、6分、ペナルティゴールを献上し、先制を許す。8分には、素早く勢いのある展開から数的優位を作られ、右の大外からインゴールを駆け抜けられる。開始12分に、相手のオフサイドからチャンスを得た慶大は、SO山田響がペナルティゴールを確実に決め3点を返すものの、19分と27分に、トライとペナルティゴールで続けて失点し、3-20と点差を大きく開けられてしまう。悪い流れを断ち切りたい慶大は、31分に敵陣5メートル付近でラインアウトを獲得。こぼれ球にHO中山大暉が反応すると、相手の隙を突いてディフェンスラインを突破。そこから左へと展開しフェーズを重ねる。その間に青学大がたまらずペナルティ。再びラインアウトを獲得し、モールを形成。BKも加わり、相手を押し込む。最後は中山が左隅に押し込んで、待望のトライが生まれる。38分にも同様の展開から中山がインゴールを割り、3点差に詰め試合を折り返した。

ペナルティゴールを決めるSO山田響

 後半は、一転慶大のゲームになった。19分、敵陣5メートル付近でラインアウトを獲得すると、またしてもモールに持ち込む。最後は、後ろから抜け出した中山がトライし逆転に成功。すると、30分にはチャンスが訪れる。自陣22メートルライン左で獲得したマイボールラインアウト後のボックスキックでの競り合いで、ボールをWTB佐々仁悟が獲得。その後、ハーフライン付近で右へ展開をすると、CTB永山淳がキックし敵陣22メートルすぎまで大きく前進する。一度は青学大の選手に奪われたものの、チェイスしプレッシャーをかけていたFB松田怜大がボールの奪取に成功。その後、相手のプレッシャーを受けながらも後ろから走り込んできたSH橋本弾介へとパスが渡る。ボールを受けた橋本は、そのまま勢いよくインゴールを駆け抜け、中央付近へグラウンディング。キックも山田が冷静に沈め、点差を31-20とする。その後は、持ち味である粘り強い守備で青学大の反撃をしのいだ慶大。40分には、この試合で度々劣勢に立たされ、ペナルティを取られていたスクラムで逆に相手のコラプシングを誘う。数的優位やフリーの選手を作られ危ない場面もあったものの、要所で低いタックルが炸裂(さくれつ)し勝負あり。ピンチの場面でも試合テーマの「守備でのコネクト」(PR岡広将主将)を徹底した慶大。自分たちの強み、原点であるラインアウトモールにこだわりを見せ接戦をものにし、今季対抗戦2勝目を獲得した。

モールでトライを狙うHO中山大暉

 今節プレイヤーオブザマッチに選出された中山が「2試合連続きつい試合の中で勝ちきれたのは今後の糧」と振り返ったように、接戦をものにしたことに大きな意味があるだろう。しかし、試合の立ち上がりで相手の圧に負け、主導権を相手に掴まれてしまった点は、今後格上の相手と戦う上で課題になる。また、青学大を相手に5回の反則を取られたスクラムの立て直しは急務だ。

(記事 戸祭華子、写真 長野恵治)

コメント ※記者会見より抜粋

青貫浩之監督

――今日の試合の振り返りをお願いします

 前半20分は、相手が強い時間帯でしたので、ここを耐えきるという話をしていましたが、想像以上に青学さんのタックル、アタック共に勢いがあって、受けてしまったというのが、前半に差が開いてしまった要因かと思います。ただ、自分たちはディフェンスを中心にブレずにやり続け、地道にスコアを重ねて勝つことができたのは、我々にとって収穫だと思っております。

――今試合の修正点を教えてください。

 強いと分かっている相手に対して、少し受け身の姿勢になってしまったことです。ここを改善していくにあたって、私だけじゃなくて、プレイヤーを含めて話し合って改善していきたいと思っています。

PR岡広将主将

――今日の試合の振り返りをお願いします

  監督がおっしゃる通りで、最初の20分に受けてしまった部分は、今後の試合に対する反省です。そのうえで、そこからの粘りや着実に自分たちの強みを生かせたのは、今回の試合の収穫だと思います。

――今試合のチーム全体としてのテーマと達成度合いを教えてください

 フォーカスしていたポイントは、ディフェンスのコネクトの部分です。横の人としっかりコミュニケーションをとって、面でディフェンスするというのをテーマに挙げていました。その点に関しては、かなりできていたと思います。

関東大学対抗戦
慶大 スコア 青学大
前半 後半 得点 前半 後半
17 14 20 0
31 合計 20
【得点】▽トライ 中山(3トライ)、橋本 ▽ゴール 永山(4G1PG)
※得点者は慶大のみ記載
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 明大 早大 慶大 筑波大 立大 青学大 成蹊大
帝京大

11/19 14:00

秩父宮

11/5 14:00

秩父宮

12/2 14:00

秩父宮

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 15:00

熊谷

〇80-0

12T10G

〇117-5

19T11G

明大

11/19 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/5 14:00

熊谷

〇40-21

6T5G

10/15 13:00

大和

〇87-7

13T11G

〇93-12

15T9G

早大

11/5 14:00

秩父宮

12/3 14:00

国立

11/23 14:00

国立

〇38-35

6T4G

〇64-7

10T7G

10/14 13:00

セナリオH三郷

〇70-7

10T10G

慶大

12/2 14:00

秩父宮

11/5 14:00

熊谷

11/23 14:00

国立

●18-21

3T1PG

〇28-21

3T2G3PG

〇31-20

4T4G1PG

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

筑波大

10/15 13:00

森エンジニアリング桐生スタジアム

10/1 13:00

いわきグリーンF

●35-38

5G5T

〇21-18

3T3G

12/2 14:00

熊谷

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

熊谷

立大

●0-83

 

10/15 13:00

大和

●7-64

1T1G

●21-28

3T3G

12/2 14:00

熊谷

11/5 11:30

秩父宮

11/19 11:30

AGF

青学大

●0-80

 

●7-87

1T1G

10/14 11:30

セナリオH三郷

●20-31

2T2G2PG

11/19 14:00

AGF

11/5 11:30

秩父宮

12/2 11:30

熊谷

成蹊大

●5-117

1T

●12-93

2T1G

●7-70

1T1G

10/22 13:00

ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

11/5 11:30

熊谷

11/19 11:30

AGF

12/2 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷は熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場、AGFはAGFフィールド。