王者帝京大相手に粘り強く戦うも惜敗

ラグビー慶大

 関東大学対抗戦第5戦目は帝京大との対戦となった。ゲーム全体を通してなかなか敵陣深くまで切り込むことができず、ゲームの主導権を握られる苦しい展開となる。しかし、帝京大の猛攻に押されつつも、慶大の持ち味である高い防御力で食らいつき、3点差にまで迫った。しかしロスタイムで点を奪うことは叶わず、28-31でノーサイド。無念の敗北となった。

 前半は帝京大に主導権を握られる時間帯が目立った。慶大キックオフで試合が開始すると、積極的に仕掛けていく。だが帝京大の堅いディフェンスにプレッシャーを掛けられ、じわじわと押し返されてしまう。11分には、一瞬の隙を突かれトライを許し、失点からのスタートとなった。点を奪い返したい慶大だが、焦りからかなかなか攻め切ることが出来ない。一進一退の攻防が続くなか、22分、FB尾﨑晟也(帝京大)にディフェンスを引きつけられると、WTB元田翔太(帝京大)へラストパス許し追加点。しかし、ここから慶大の反撃が始まる。27分、帝京大ディフェンスラインの裏へのショートパントにより突破すると、左へ展開して最後はWTB宮本瑛介がトライを決める。その後は両校勢いに乗り出し、互いに1トライを決め14-21。7点差と、安全圏とは言えない差まで詰められた帝京大は38分、慶大のペナルティーを利用しペナルティーショットを選択。3点を加えられ、14-24と10点差とされる。慶大はこの差を少しでも縮めるべく執念の攻めを見せる。43分、テンポよくパスをつなぐと、SH江嵜真悟のパスを受け取ったCTB栗原由太がトライを挙げ21-24。わずか3点差で後半を迎えることとなった。

トライを決める栗原

 前半43分のトライで完全に勢いに乗った慶大。後半19分、帝京大にゴールライン直前まで攻め入られるものの、低いタックルをはじめとする慶大のディフェンスの精度の高さが光り、トライを許さない。その後も慶大は驚異的なディフェンスで粘り続け、危機的状況を脱した。しかし26分、慶大のオフサイドからラインアウトを獲得される。スローからのモールを突破されると、巧みなパス回しから左隅へのトライを許してしまい再び10点差。この状況を打開しようと、35分にはボールを得たCTB堀越貴晴が疾駆しトライ。に見えたがゴールライン直前でまさかのミス。ボールを落としてしまう。最大の好機を逃した慶大は、37分、江嵜に替わり小宮山大地を投入。40分には小宮山とSO古田京がテンポ良くパスを回すと、右中間に駆け込んだCTB堀越貴晴にパスしトライを決める。再び3点差。ロスタイムに突入し、ボールを失えば敗北という状況に立たされた慶大は何としてでも追加点を奪いたかったが、帝京大のディフェンスを突破することが出来ず、ノーサイドを迎えた。最終スコアは28-31。勝利は目前に見えていたがあと一歩のところでつかむことができなかった。

ノーサイドでうなだれる選手たち

 驚異的な粘り強さを見せ、防御力の高さを示した慶大。金澤徹、丹治辰碩といった選手が欠けるなか、帝京大に3点差まで迫ってみせた。その一方で、後半35分のミスのように致命的なミスも見られたこの試合。次の試合である早慶戦に向け修正すべき課題ははっきりと見えた。この課題を乗り越えた慶大は、いったいどれほどの完成度で慶早戦に臨むのだろうか。

(記事 伊東穂高、写真 松本一葉、本野日向子)

※掲載が遅くなり、申し訳ございません

関東大学対抗戦
慶大 28 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
21 24
28 合計 31
【得点】▽トライ 宮本2、栗原、堀越 ▽ゴール 古田(4G)
※得点者は慶大のみ記載
関東大学対抗戦Aグループ星取表(11月5日現在)
  帝京大 早大 明大 慶大 筑波大 青学大 日体大 成蹊大
帝京大 〇40-21

11/18 14:00

三ツ沢

〇31-28

11/26 11:30

秩父宮

〇89-5

〇70-3

〇70-0

早大 ●21-40

12/3 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

〇33-10 〇94-24 〇54-20 〇99-14
明大

11/8 14:00

三ツ沢

12/3 14:00

秩父宮

●26-28 〇68-28 〇108-7 〇101-7 〇87-0
慶大 ●28-31

11/23 14:00

秩父宮

〇28-26 〇43-26

12/3 14:00

東京ガスG

〇49-22 〇61-7
筑波大

11/26 11:30

秩父宮

●10-33 ●28-68 ●26-43

〇38-12

〇41-10

11/12 14:00

敷島

青学大

●5-89

●24-94 ●7-108

12/3 14:00

東京ガスG

11/5 14:00

●12-38

11/18 11:30

三ツ沢

〇26-19

日体大

●3-70

●20-54 ●7-101 ●22-49

●10-41

11/18 11:30

三ツ沢

11/25 11:30

江戸川

成蹊大

●0-70

●14-99 ●0-87 ●7-61

11/12 14:00

敷島

●19-26

11/25 11:30

江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、三ツ沢はニッパツ三ツ沢球技場、相模原は相模原ギオンスタジアム、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、海老名は海老名運動公園陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、浜川は高崎市浜川陸上競技場、キヤノンGはキヤノンスポーツパーク、東京ガスGは東京ガス大森グラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、NECGはNEC我孫子グラウンド、江戸川は江戸川区陸上競技場。
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月5日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 300 57 243 43
明大 390 70 320 57
早大 301 108 193 45
慶大 209 112 97 30
筑波大 143 166 -23 22
青学大 74 348 -274 12
日体大 62 315 -253 7
成蹊大 40 343 -303 6
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。