接戦を制し雪辱を果たす

ラグビー慶大

 関東大学対抗戦第4戦目。慶大は昨年の対抗戦でロスタイムに逆転され惜敗した明大との試合に臨んだ。互いにここまで全勝と勝った方が対抗戦優勝に近づく大事な試合。終始どちらが勝利してもおかしくない試合であったが、慶大が強みのディフェンスを活かして勝利をものにした。

 先制したのは明大だった。前半開始13分にスクラムで押され、そこから右サイドを崩され、最後は中央にトライを許してしまう。点を取り返したい慶大はその後相手陣を突破し、相手の陣形がそろっていないところを狙ってキックするが惜しくも拾えず、トライにつながらない。「ポゼッションをいかに持てるかというゲームプランを選手たちが体現してくれた」という金澤ヘッドコーチの言葉通り、敵陣で果敢に攻め込む場面が目立った慶大であるが、決定力を欠きトライできない時間が続く。しかし30分に相手のハイタックルによる認定トライを決めると、流れが一気に慶大に傾く。続いてハーフライン近辺でのラインアウトから左に展開すると、WTB宮本瑛介が大外で相手を振り切りインゴールを駆け抜けた。さらに前半終了間際に強みであるディフェンスでボールを奪い右に展開、FB丹治辰碩が抜け出し最後はSH江嵜真悟が相手を振り切りながらトライ。21-7で前半を折り返した。

試合中随所で光ったディフェンス

 後半、明大の反撃が始まる。14分、FWでフェーズを重ねると、右へ展開しFBにディフェンスラインを突破されトライを奪われる。その後も連続攻撃から人数が少なくなったところを突かれ、インゴールを駆け抜けられる。ディフェンスで粘りを見せるも同点に追いつかれた慶大。なんとか追加点を挙げたいが、ミスが続き相手にボールを取られてしまう場面が続く。しかし29分、LO辻雄康が意地をみせる。ラックからボールを持ち出し、そのまま押し込みインゴールにねじ込んだ。SO古田京もしっかりコンバージョンキックを決め、28-21と再びリードする。その後自陣ゴール前で連続攻撃を受けトライを奪われるが、コンバージョンキックが外れ2点差で試合終了。慶大はなんとか点差を守りきり、28-26で接戦を制した。

得点を奪い喜ぶ選手たち

 ディフェンスを強みとする慶大とパワフルなオフェンスを強みとする明大の対戦。昨年の対抗戦で悔しい思いをした慶大が強みを活かしたプレーと粘りを見せ勝利し、雪辱を果たした。「ラッキーな形での勝利にであったが、自分たちのラグビーに満足しているし次へのステップアップになるだろう」というロック佐藤大樹主将の言葉のように、今回の勝利は次戦の帝京戦につながるであろう。

(記事 阿部かれん、写真 石塚ひなの)

関東大学対抗戦
慶大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
21 19
28 合計 26
【得点】▽トライ 宮本、江嵜、辻 ▽ゴール 古田(3G)
※得点者は慶大のみ記載
関東大学対抗戦Aグループ星取表(10月28日現在)
  帝京大 早大 明大 慶大 筑波大 青学大 日体大 成蹊大
帝京大 〇40-21

11/18 14:00

三ツ沢

11/5 14:00

相模原

11/26 11:30

秩父宮

〇89-5

〇70-3

〇70-0

早大 ●21-40

12/3 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

〇33-10 〇94-24 〇54-20

11/5 11:30

相模原

明大

11/8 14:00

三ツ沢

12/3 14:00

秩父宮

●26-28 〇68-28 〇108-7

11/5 14:00

明大G

〇87-0
慶大

11/5 14:00

相模原

11/23 14:00

秩父宮

〇28-26 〇43-26

12/3 14:00

東京ガスG

〇49-22 〇61-7
筑波大

11/26 11:30

秩父宮

●10-33 ●28-68 ●26-43

11/5 14:00

NECG

〇41-10

11/12 14:00

敷島

青学大

●5-89

●24-94 ●7-108

12/3 14:00

東京ガスG

11/5 14:00

NECG

11/18 11:30

三ツ沢

〇26-19

日体大

●3-70

●20-54

11/5 14:00

明大G

●22-49

●10-41

11/18 11:30

三ツ沢

11/25 11:30

江戸川

成蹊大

●0-70

11/5 11:30

相模原

●0-87 ●7-61

11/12 14:00

敷島

●19-26

11/25 11:30

江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、三ツ沢はニッパツ三ツ沢球技場、相模原は相模原ギオンスタジアム、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、海老名は海老名運動公園陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、浜川は高崎市浜川陸上競技場、キヤノンGはキヤノンスポーツパーク、東京ガスGは東京ガス大森グラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、NECGはNEC我孫子グラウンド、江戸川は江戸川区陸上競技場。
関東大学対抗戦Aグループ順位表(10月26日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 269 29 240 39
慶大 181 81 100 27
明大 289 63 226 42
早大 202 94 108 30
筑波大 105 154 -49 16
青学大 62 310 -248 10
日体大 55 214 -159 6
成蹊大 26 244 -218 4
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。