慶大、初戦で明学大を下し好スタート

ラグビー慶大

 きょねんは悲願の優勝を果たせず、3位で終わった関東大学対抗戦から1年。ことしこそ頂点に立ちたい慶大の初戦の相手は明学大。ことしBグループから昇格してきた勢いのあるチームだ。前半は明学大の堅固なディフェンスや多くのペナルティーに苦しみ流れをつかむことができなかった慶大だったが、後半はスタミナ切れした相手の隙を突きトライを重ね、68-3で快勝。好スタートを切った。

 試合開始のホイッスルがピッチに響き渡り、明学大のキックオフで試合が始まった。立ち上がりはボールの蹴り合いで落ち着かない不安定な状況であったが、前半5分、右から左へ鮮やかに展開し、最後はWTB関東申峻がトライ。ゴールキックを危なげなく決めた慶大のペースでゲームは進むかと思われたが、相手も黙ってはいない。敵のオフェンスに押され、じりじりと下がった慶大は、インゴール手前でペナルティーを犯してしまう。明学大はPGを選択し、3点奪われた。その後も一進一退の攻防が続き、なかなか前進できない。前半終了時のスコアこそ21-3と圧倒していたが、納得のできる内容ではなかった。

攻守にわたって活躍を見せたNO・8森川翼

 前半のよどんだ空気を吹き飛ばしたい後半。しかし、開始早々攻め込まれ、自陣でのプレーを余儀なくされてしまう。苦しい時間が続く中、後半12分、ついに相手からボールを奪った。ターンオーバーから素早く展開し、70メートルという距離を駆け抜けて関東がインゴールへ飛び込んだ。この一連のプレーで流れをつかんだ慶大は試合を有利に展開していき、後半15分にCTB川原健太郎がディフェンスラインを突破し、再び得点。33―3と大きくリードする。その後、何度か窮地に陥ることがあったが、強固なディフェンスで防ぎ切り得点を許さなかった。後半39分、明学大は最後の力を振り絞り攻勢に出るも致命的なパスミスを犯す。それを川原が拾い、ダメ押しのトライを決めた。直後にノーサイドとなり、68-3と慶大の勝利で終わった。

関東の4トライがチームの勝利を呼び込んだ

 スコア上では圧勝だったが、反則やミスが多く、うまく自分たちのペースに乗ることできないなど内容としてはあまりよくなかった慶大。しかし、内容が悪くても快勝できたということはポテンシャルがあるということの証明であろう。今回の対戦で見つかった課題を早急に解決することができれば、もっと上を目指すことができるはずだ。次戦にも慶大の活躍に期待したい。

(記事 佐藤諒、写真 高柳龍太郎、平川さつき)

関東大学対抗戦
慶大 スコア 明学大
前半 後半 得点 前半 後半
21 47
68 合計
【得点】▽トライ 関東4、森川、川原2、廣川、石橋、末永 ▽ゴール 矢川(9G)
※得点者は慶大のみ記載