9月15日に行われた関東大学対抗戦(対抗戦)初戦で、昨季の対抗戦王者・筑波大に快勝した慶大。続く2戦目の相手は初戦で早大に完封負けを喫した日体大だった。慶大は序盤から積極的に攻め込み得点を重ねるも、終始ミスが続き、流れに乗り切れない。終わってみれば、56-12で相手を圧倒したものの、課題の残る試合となった。
慶大は開始早々からキックミスやペナルティーが目立ったが、先制点を奪ったのも慶大だった。前半8分、敵陣に攻め込んだ慶大は、相手のディフェンスをかわし左右に展開。最後は大外に構えていたCTB大石陽介がトライを決める。その後スクラムからボールを取られる場面もあったが、15分に相手のミスから好機を得ると、ターンオーバーに成功。右へとボールを運び、余ったところでWTB関東申峻がインゴールへ飛び込んだ。続く27分にも、インゴール前のラインアウトからモールトライを決め、追加点を挙げる。それでも重要な局面でのミスが続き、なかなかチャンスを生かしきれず、33分には初失点。しかし、前半終了間際、相手の反則によりPGの機会を得た慶大は、これを着実に決めさらに3点を追加する。18-7とリードするが、実力以上に点差をつけられず、流れに乗り切れないまま前半を終えた。
迎えた後半。流れをつかみたい慶大は、開始1分にFWとBKが一体となった連携プレーでゲインし、SO佐藤龍羽がトライ。ここでようやくコンバージョンキックも初成功させ、一気に7点を入れた。続く3分には、左隅でロック白子雄太郎がディフェンスから抜け出し、グラバーキック。ゴールラインまで蹴り出し自らボールを押え込んだ。その後も大石がこの試合2度目のトライを挙げるなど、徐々にペースを取り戻す慶大。28分には相手のハンドリングエラーから捕球すると、関東が敵陣から70メートル近く独走し、そのままグラウンディング。さらに32分にも7点を追加した。しかし39分。この日何度も見られたオフサイドの反則からボールを明け渡し、自陣での展開を許すと、そのままインゴールへ走りこまれ5点を返される。これには慶大も最後の意地を見せ、ラストワンプレーでトライをもぎとりノーサイドを迎えた。慶大はミスをカバーしながら9トライを奪い、56-12で対抗戦2勝目を挙げた。
前回課題に挙がったラインアウトの成功率に関しては修正してきているが、この試合ではとにかく小さなミスが目立った。相手のミスに助けられるシーンもしばしば。対抗戦優勝を目標に掲げる慶大にとっては、巡ってきたチャンスを無駄にせず得点につなげるために、ミスは減らしていきたい。2週間後に控える青学大戦に向け、課題の改善は必至だ。
(記事 田々楽智咲、写真 伊藤なつ実、末永響子)
関東大学対抗戦 | ||||
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慶大 | スコア | 日体大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
3 | 6 | T | 1 | 1 |
0 | 4 | G | 1 | 0 |
1 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
18 | 38 | 計 | 7 | 5 |
56 | 合計 | 12 | ||
【得点】▽トライ 小山田、白子、濱田、佐藤、関東2、大石2、真鍋 ▽ゴール 佐藤(1G・1PG)、中村(3G) | ||||
※得点者は慶大のみ記載 |