男子エイトが10年ぶりの優勝!女子は総合2位/全日本大学選手権

漕艇

※掲載が遅れ、申し訳ございません。

 大学ボートの集大成である全日本大学選手権が5日間にわたり開催された。早大は8クルーが出場し、そのうち4種目で表彰台入り。中でも男子エイトは、2015年以来10年ぶりの優勝を飾った。

 総合優勝を目標に掲げてきた女子からは、舵手付きフォア、ペア、ダブルスカル、シングルスカル、エイトの5種目が出場。準決勝では全種目で上位フィニッシュを果たし、A決勝に駒を進めた。大会最終日、初陣を切ったのは舵手付きフォア。500メートル地点まではほぼ横並びの展開となるも、徐々に立命館大、立大に水をあけられる。やがて慶大にも先行を許し、表彰台争いには絡めず4着でフィニッシュした。ペアでは、序盤につけられた差を詰められず、6着でレースを終えた。前回大会優勝のダブルスカルでは、「スタートから攻める」(加藤真奈女子主将、スポ4=静岡・浜松西)の言葉通り、勢いよく飛び出し、差はわずかながら先頭を走る。しかし中盤に入ると同志社大に並ばれ、さらに富山国際大、立命館大も加わって4艇での優勝争いに。得意の終盤の粘りで抜け出したい早大だったが、最後は富山国際大の猛スパートに屈するなどして3着フィニッシュ。健闘しつつも悔しさが残る結果となった。シングルスカルでは緒方美奈(スポ3=熊本学園大付)が出場。レースは序盤で明大の兼松が抜け出し、4名での2着争いに。1000メートル地点で緒方が前に出て後続との差を広げ、そのまま安定した漕ぎで2位入賞を果たした。女子の最終種目は、ほとんどの選手がダブルエントリーしたエイト。疲労もある中でまずまずのスタートを切り3番手につける。中盤から終盤にかけて差を詰めていったが、ラストで再び離され、3着でのゴールとなった。

A決勝の女子ダブルスカル

A決勝の女子シングルスカル

 男子からはフォア、舵手付きフォア、エイトの3種目が出場。女子と同じく全種目で準決勝を突破し、A決勝に進んだ。フォアは他クルーの飛び出しについていけず、6着に終わった。舵手付きフォアは、早慶レガッタ対校エイト出場者を多く含む布陣で臨んだ。レース序盤は日大を視界に捉えながら2番手で進むも、次第に引き離され2位争いに。1750メートル手前で富山国際大に並ばれると、最後までスピードを落とさず漕ぎ切ったものの、惜しくも3着に終わった。

 そして大会の目玉、男子エイト。前年度王者・日大をはじめ強豪が揃う中で決勝のレースが幕を開けた。スタート直後は中大が飛び出すも、500メートル地点で早大が逆転し首位に浮上。1250メートルを過ぎると中大が失速し、勝負は早大と日大の一騎打ちへ。疲れが見え始める1500メートル地点でもトップを守った早大は、さらにギアを上げてレート40超えの力強い漕ぎを展開。日大に半艇身差をつけた。しかし最終盤、日大が猛烈な追い上げを見せ、ラストは横並びの死闘に。それでも早大がわずかに先着し、大接戦を制して10年ぶりの栄冠を手にした。

A決勝の男子エイト

 今年の目標に掲げていた「早慶レガッタでの完全優勝」と「インカレ男子エイト優勝」を達成した早大。4年生5人と2年生4人から成るクルーは、経験値こそ異なれど優勝への思いは強く一致していた。そして何より、今年で退任する阿二真樹監督(平4理工卒=東京・早大学院)に4年間の感謝を最高の形で伝えることができた。小山知起主将(創理4=東京・早実)は「最高の恩返しができて良かった」と笑顔を見せた。

 先輩が築き上げた勇姿を胸に、後輩たちは次への一歩を踏み出していく。伝統を背負い、新たな道を切り拓く早大漕艇部の挑戦は、これからも止まることはない。

 

コメント

小山知起主将(創理4=東京・早実)

――インカレで優勝した今の気持ちは

 昨年2位で日大に負けてから、ずっと日大に勝つ、1位になることだけを目標にやってきたので、最後に勝つことができて嬉しい気持ちでいっぱいです。

――クルーのメンバーはいつ決まりましたか

 1ヶ月前ほどに決まりました。

――どのようなメンバーでしたか

 4年生5人と2年生4人という、年季の入ったメンバーとフレッシュなメンバーが入りました。勝ちたいという気持ちは今までで一番あったクルーだと思うので、その気持ちを練習にぶつけて、試合は練習の通りできたかなと思います。

――ここまでどんな準備を積んできましたか

 レースを想定した練習を多く行ったこと、また今年は特にたくさん漕ぐことに注力したので、2000メートルがあっという間に感じるような、そんな大会にすることができました。

――決勝のレース全体を振り返っていかがですか

 途中に風が吹いたり、うまくいかないこともありましたが、その中でも自分たちができることを考えながらやり切れました。最後は日大が迫ってきて、気合の勝負だったんですけど、今までやってきたことを信じてやれたと思います。

――5日間のインカレを振り返っていかがですか

 あっという間に終わったなというのが率直な気持ちです。練習が長かった分、試合は本当に楽しくやれましたし、レースの中でも改善点が出たら修正して、最後決勝で一番いいレースをすることができたので、そこは自分たちの成果かなと思います。

――今年で退任される阿ニ監督にどんな言葉をかけたいですか

 本当にありがとうございましたの一言です。自分たちが1年生の時からずっと見てくださったので、最後に最高の恩返しができて良かったなと思います。

――どんな4年間でしたか

 苦しいこともありましたが、ずっと楽しかったです。4年間の最後に最高の仲間と良い結果を残すことができたので本当に良かったです。

加藤真奈女子主将(スポ4=静岡・浜松西)

――ダブルスカルで3位に入りましたが今の心境を教えてください

 悔しいというのが率直な感想です。真ん中あたりまで自分たちの想定よりもトップのクルーと並べていて、ラストの粘りが自分たちの強みだと思っていたので、そこで他のクルーに差されて負けてしまったのが悔しいです。でも出しきれたので悔いはないです。

――このクルーが決まったのはいつでしたか 

 大会の2週間前に決まりました。当初出ようとしていたクルーと変わってしまったので、組んでからかなり日が浅い方です。

――そのような中でどのような準備をされてきましたか

 組んでから時間がなかったので、レース毎に自分たちの課題を克服して、どんどんいいレースができるように意識して取り組みました。決勝は一番いいレースができたので良かったです。

――レース全体を振り返っていかがですか

 スタートが苦手だったので、スタートから攻めて、予選、準決勝より前に出ることができたので、そこは良かったかなと思いました。反省点は、ラストの上げです。他クルーよりも消耗してしまっていて上げきれず、他クルーの上げに対応しきれなかったところは反省点としてあります。

――最後にエイトに向けての意気込みをお願いします

 全員ダブルエントリーということで、2レース目で体力が消耗していると思うのですが、どの大学もそうだと思うので、9人で気持ちを合わせて、スタートから攻めていきたいです。4年生が5人乗っているので、底力で最後に勝って終わりたいと思います。