【連載】インカレ直前特集 【第3回】M4+:髙山格×堀内一輝×菅原諒馬

漕艇

 「次とか言ってられない」(髙山格、スポ4=神奈川・横浜商)。「一番高いところに乗って、そのまま引退」(堀内一輝、スポ4=山梨・富士河口湖)。「(自分史に)一番大きく刻まれるようなレースを」(菅原諒馬、商4=東京・早大学院)。長く続けてきたボート生活も残りわずか。全日本大学選手権(インカレ)はそういった意味でも絶対に負けられない大勝負となる。今回は舵手付きフォアから4年生の三人が登場。バウの瀧川尚歩(法3=香川・高松)、コックス菱谷泰志(スポ3=鳥取・米子東)を合わせた五人で学生頂点を目指す。狙うは勝ち逃げただ一つ。最後の大舞台、今その幕が上がる。

※この取材は8月8日に行われたものです。

「自分の漕ぎに対する見方が狭かった」(菅原諒)

今年の部の状況について話す髙山

――最近の練習からお聞きします。現在練習で力を入れている部分は

髙山 難しいね。

堀内 (笑)。

菅原諒 艇に合わせて漕ぐこと。

髙山 シンプルに、艇を進めるということですね。あとは、クルーのユニフォーミティーがバラバラになりやすいのでそこを合わせて漕ぐことです。

――今回のクルーが組まれた経緯について教えてください

堀内 そういったことは、基本監督(内田大介、昭54教卒=長野・岡谷南)が。なので、特に何も言えない感じですね。

髙山 そうだね。

菅原諒 重い艇・・・。

髙山 まぁ、デカめのやつらを集めたと思うけどね。他に漕手(そうしゅ)で瀧川というのがいるのですが、そいつも身長が高く、体重もあり、パワーもあって。そこはそういうところをそろえてくれたのかなと思います。

――今季を振り返って印象的な試合は何でしたか

髙山 一番印象に残ったのは早慶戦かな。

菅原諒 だよね。

髙山 あれだけすごく接戦だった中で勝つことができたのは、すごく印象に残っていますね。

菅原諒 全く同じです。

堀内 そうですね、三人一緒のクルーだったので(対校エイト)。一応早慶戦で勝ったという良かった点もありますし、全日本で非常に悪かった、ボコボコに負けたという点でも早慶戦の方がいいなとは思います。

髙山 全日本も印象には残ってる。

菅原諒 そうなんだよね〜。

堀内 どちらも印象には残っていますが、天と地の差がある印象の残り方ですね。

一同 (笑)。

――今季を通して成長を感じている点は

菅原諒 成長を感じている点かぁ・・・。

髙山 (菅原諒に向けて)成長して(笑)。

菅原諒 自分の漕ぎに向き合う機会は増えましたね(笑)。

髙山、堀内 (笑)。

菅原諒 エイトの時は自分よりも全体の動きにフォーカスしていた分、自分の漕ぎに対する見方が狭かったと思います。今は8人乗りから4人乗りになった分、自分の漕ぎをもう少し見るようになりました。そうなったことで、自分の漕ぎや、これからどうしていくべきかということについて真剣に考える機会がとても増えました。

堀内 ここ最近ですか・・・? すごくしょうもないことですが、体重が減ったことですね。

――減量されていたのでしょうか

堀内 そうですね。3週間ほど前は96、7(キロ)ほどあったので。8キロを短期間で減らして、あと6キロほど痩せる予定です。それプラス、菅原諒のユニフォーミティーが合わされば決勝・・・優勝を狙えるクルーだと思っています。なので、もう少し頑張りたいと思います。(菅原諒に向けて)ね!

菅原諒 そだね!

堀内 (笑)。

髙山 早慶戦や全日本の時はストロークではなかったので、サポート役でした。前の方に乗っていたことが多かったので、後ろに(漕ぎを)伝える場面が多かったです。今はストロークになり、自分で(艇の漕ぎを)つくっていく場面が増えました。前からそういうことも多かったですが、最近はバウとかを経て、そういうことを理解してつくるということでは成長したのではないかと思います。

――現在の部の雰囲気はいかがですか

堀内 数年前よりは柔らかい(笑)。

菅原諒 柔らかいですね。まったりしてます。インカレが結構近いですが、そんなにピリピリしている感じでもありません。

髙山 過ごしやすくなったよね。

菅原諒 過ごしやすくなりましたね。

髙山 下級生も伸び伸びしているし。

――今年は実力のある新入生が多数加入しました。そうした1年生が部に与える影響というのはどう感じられていますか

菅原諒 やはり、結構下から突き上げる感じがあります。強い1年生が入ってきたことは部にとってプラスですが、同時に試合に出るためには自分のシートを守らなければいけないという危機感にもあおられます。部の底力が上がる点においては必要なことだと思っています。なので、プラスな影響が出ていると思います。

髙山 部全体で頑張れる環境はできたと思います。そういう強い人が来たから(自分のシートを)守らないといけないですし、もっと成長していかないといけないので。そういう点ではいい起爆剤になったと思います。

――クロアチアの漕法の習得状況はいかがですか

髙山 イメージとしてそれがあるので、それに近づこうと練習に励むことができることは分かりやすくていいと思います。明確なものに対して自分たちが成長していけるという点で、やりやすくなったと思います。まだいくらでもやれることがあるので、どれくらい習得したのかというのはある意味分からないところです。ですが、変わっていることは確実だと思います。

堀内選手の冷蔵庫の中はアレでいっぱい!

プライベートに関する質問に笑顔で答える堀内

――お互いの印象を教えてください

菅原諒 印象・・・。ゲーム好き。

堀内 そんなん二人ともじゃん。

一同 (笑)。

菅原諒 俺が全くゲームしないからね。

堀内 私生活よく分からないよな。

髙山 ごんち(菅原諒)はよく分からないんだよなぁ。

菅原諒 俺の私生活?

髙山 何してるの?

菅原諒 俺? えー。(アマゾン)プライムビデオ見るか、英語の勉強をしてる。

堀内 ・・・という風に(笑)。

髙山 意外と分かっていないよな(笑)。

髙山 でも、ごんちは・・・いや、分からないな。

菅原諒 でも、結構・・・。

髙山 お互いの印象でしょ。何をしているかじゃなくて。

菅原諒 印象? 確かにね、俺部屋で何やってるか謎だよね(笑)。

堀内 分からないよね(笑)。

菅原諒 でも、部屋で全然大したことをやっていないんだけど(笑)。

髙山 大したことしていない人になっちゃうよ、今のところ(笑)。

――アマゾンプライムビデオで何見るのでしょうか

菅原諒 あー、そういう質問になりますよね(笑)。最近ドラマを見ることが好きですね。海外ドラマとか。(疑問顔の二人に対して)ほんとほんとほんと。あとね、自分の話になっちゃうけど・・・、自分の話じゃないんでしょ?

――自分の話でも大丈夫です

菅原諒 えー・・・、自分の話をしますと。

一同 (笑)。

菅原諒 自分、ご飯を食べることが結構好きなので、最近は自分で作るよりもご飯を食べに行ったりしています。きのうも同じ部屋の後輩を連れて、ご飯食べに行って。シュラスコ(切り落として食べる固形の肉)を食べました。

堀内 自慢かいな(笑)。

菅原諒 僕から二人への印象は、「ゲームすっげぇ好きなんだなぁ」ということですね。

髙山 すーごい、雑な。

堀内 雑だな。

――どのようなゲームをされるのでしょうか

堀内 どんなゲーム? えー、バトルロワイヤル系ですね。

髙山 一緒にやるのはそういうね、シューティング(ゲーム)みたいな。

堀内 まぁ、自分の場合は全体的に全部好きなので。アーケイド(業務用ゲーム機によるゲームのこと)もRPG(自宅でできるゲーム機のこと)も全部好きですね。何でもやっている感じです。格(髙山)は、全部やっているよね。

髙山 うん、別にやるな。

堀内 ゲーム自体は日常的にやっているという感じで、そこで時間が合えば二人で一緒にやるという感じです。

菅原諒 その時僕は、多分、プライムビデオ(笑)。

一同 (笑)。

堀内 印象の話をしている(笑)。

髙山 一輝(堀内)は、『しっかりしろよ、一人っ子』という感じ。

堀内 まぁルーズ。時間にルーズで、言うことは言うというね。うん、身に覚えがあるよ(笑)。

菅原諒 最近ウェルチとかは飲んでないの?

堀内 今はモンスター。冷蔵庫の上の段が全部モンスター。

菅原諒 それはそれでどうなの(笑)。 引っかかりそうだよね、ドーピング。

堀内 大丈夫(笑)。

――モンスターがお好きなのでしょうか

堀内 ダイエットをしており食べられず、ずっと空腹だったので。

――お腹に溜まるのでしょうか

堀内 そうですね。炭酸でカフェインも取れるので。1本200キロカロリーぐらいで、カロリー計算も楽ですし。とりあえずそれを飲んでごまかすということをしていたら、毎日飲むようになりました。

菅原諒 何も言えないね。

堀内 癖になっちゃった(笑)。菅原諒の印象か。

菅原諒 結構まったり過ごしている。

髙山 印象で言ったら・・・。変なところで不器用だよね。

菅原諒 変なところというか、全面的に不器用だと思う。

髙山 基本不器用だよね。時々・・・不器用だわ。

一同 (笑)。

髙山 なんか、いろいろやっているんだけど・・・(笑)。「面白」ってなる(笑)。

菅原諒 確かに。カメラとかコーヒーとか、結構いろんなものに手を出しているけど、あまり周りに褒められたことはない(笑)。

髙山 こいつ不器用だなぁって。

堀内 でも何だかんだ言って、自分自身で楽しんでるよね。

菅原諒 僕は楽しんでいるからいいんよ。

髙山 楽しんではいるけど、周りからしたらあいつ不器用だなって(笑)。

堀内 あいつ、いろいろ手を出してるなぁって(笑)。

――最近はまっていることはありますか

堀内 俺はモンスターだから。さっき言った。うん。

髙山 ゲームははまっているというか・・・。

堀内 8年くらいはまっていることになっちゃうよ(笑)。

菅原諒 はまっていることかぁ・・・。本を読むようになりました。

――どういった本を読まれますか

菅原諒 元々は就活に備えていろんな本読んだりしていました。まぁ、あまり意味はなかったんですけど。

髙山 なかったんだ(笑)。

菅原諒 ただそれで本を読む習慣が身に付いて、そのあとは小説なども結構読むようになりましたね。あと、僕って結構不器用なのですが、不器用なりに頭の中からこの不器用な感じ変えられるのかなって思って。いろんな人の考え方などが書いてある経営者とかの自伝のような本を読み、頭の中で考え方を変えようとしています。

堀内 へぇ。

菅原諒 頭の中を変えられるのかなと思い、読んでいるのですが・・・。何かあんまり変わりそうな感じはしないですね。こんな考え方あるんだなぁ・・・で終わってしまうんですよね。

堀内 ここ最近読んだのは?

菅原諒 ここ最近読んだのは、キリンの経営者の本。

髙山、堀内 へぇー。

菅原諒 内容はすごく面白かったです。でも、「真似できねぇな」って(笑)。どうしても、自分とその人に一線を引いてしまいます。ただ面白いんですけどね。もうちょっと読んだ方がいいな、と思います。

――髙山選手と堀内選手は最近はまっていることはありますか

髙山 うーん、何だろう。あんまりしてないなぁ。

堀内 最近はないなぁ、練習きついし。

菅原諒 オフの日にあまりはじけたことやろうという気になれない・・・。

髙山 まぁでも、急になんかすることはある。

堀内 映画じゃない?

菅原諒 あるかも。

髙山 最近見てないなぁ。一時期見ていたけど。あんましてないんだよな、うん。

――漕艇を好きになったきっかけは何しょうか

堀内 おっと。まずはボートは好きではないというところから話を始めなくてはいけなくなった(笑)。

髙山 どこで嫌いになったのか(笑)。

 

菅原諒 僕も負けた記憶の方がはるかに多いので、ボート競技単体で見ると好きとか嫌いとかいうよりは、単純に自分の現時点でのライフ生活の一部という感じで捉えていますね。大学でも続けた理由は、結構それもあるかな。高校時代は、興味本位で始めたのですが・・・。という感じかな。好きになったきっかけでしたっけ?

 

――そうですね。

菅原諒 好きになったきっかけ・・・。高校の時に一番最初の大会、すごく小さなローカルの大会だったのですが、その予選でたまたま一着になったことがあって。それがすごく気持ち良くて、その時の爽快感がボート競技に打ち込むきっかけになったという感じですね。ですが、ここまで来ますと好きとかそういう次元ではなく。

 

堀内 俺は分からん。

 

髙山 いつからだっけ。

 

堀内 中学から。自分の地元は辺境の地・山梨県河口湖にあって。まぁ、まともな部活動が2、3個しかありませんでした。それでその中から選ぶということで、河口湖という地元の特徴を生かした競技がボートだったので、始めました。高校はだいたいローカルなので、(中学が)同じ先輩がいたのでその流れで連れていってもらい、続けました。その流れで大学もそのまま続けたという感じなので、その・・・、好きになることはなかったのですが、楽しくやっているという感じですね。勝てばうれしいですし。チーム、特に自分が乗っているエイトとかM4+(男子舵手付きフォア)とかはチームの4人、8人とかで何かを合わせて、みんなで一緒に水上練習だったりをすることが、その点に関しては面白いと感じています。好きではないですが。

 

菅原諒 もっと広げるとね。

 

堀内 楽しくはやっています。でも好きじゃない。練習自体は絶対嫌だ。

 

髙山 自分は高校から始めました。多分関東大会だと思うのですが、自分が1年生の時に全然勝てなくて。上の代の人たちと戦っていたので力の差はあったのですが、全然勝てませんでした。ですが、1年後の関東大会でしっかりと実力出して、自分たちの力で勝ったというところから、楽しくなって好きになりました。

 

菅原諒 それ、俺が負けたやつ(笑)。1位と3位。

 

髙山そこらへんで、頑張った分ちゃんと返ってくるというところが、好きなところかな。

 

――ほかのメンバーに「これは負けないぞ」ということはありますか

堀内 体重だろ、俺は。

 

一同 (笑)。

 

堀内 絶対そうだろ、部で一番です。あ、一人・・・。

髙山 え、誰かいる?

堀内 一人、同じぐらいのが・・・。ま、でも多分一番かな。(菅原諒に向けて)多趣味じゃない? 多趣味って言っとけ。

 

菅原諒 多趣味? あーそれだと、一つ上の人とちょっとがぶるんだよなぁ。

 

一同 (笑)。

 

堀内 影がちらつく(笑)。

一同 (笑)。

菅原諒 そうじゃないんだよなぁ。えー負けない。えーどうだろ。歯茎(笑)。

 

髙山、堀内 歯茎!!

一同 (笑)。

 

菅原諒 笑顔を絶やさないようにはしているよ。確かに(笑)。

 

堀内 歯茎(笑)。

髙山 笑うと歯茎がたくさん見える(笑)。

菅原諒 何だろうね。どれくらい自分のことが好きとか。

 

堀内 そんなに(笑)。

髙山 そんな好きなん(笑)。部で一番自分のことが好き。

菅原諒 それすごい気持ち悪いね。

 

髙山 いいことじゃん。

 

堀内 後輩に慕われているとか。

 

菅原諒 えーどうだろうな。後輩との関係は確かにいいと思うけど。まぁ、ポジティブ思考かな。

 

髙山 メンタルじゃない? 結局メンタル強いよな。

 

菅原諒 メンタルはですね、2年連続1位だったと思います。

 

早慶戦の時のパンフレットに載せるランキングみたいなものがあって、いくつか項目あるのですが、その時の『メンタル強い人ランキング』1位。

 

――メンタル強化のために何かやられていることはありますか

 

一同 (笑)。

堀内 何かやられているの(笑)。

 

菅原諒 そもそも、僕がすごい鈍いんですよ。

 

一同 (笑)。

 

菅原諒 鈍いので、そもそも自分に響きにくいというか。

 

一同 (笑)。

 

髙山 たぶん周りから見ているより本人には響いてなくて、周りが「すげぇやばくね」って。

 

菅原諒 就活の時は、むしろ助かったけど。でもあれですね。結構、僕って幸せのハードルが低いんですよ。なので、例えば練習の後に、冷たいオレンジジュースとかを飲んだりすると、それだけで嫌なことはとりあえず吹き飛んでいきます。

 

堀内 やめろ、覚えておいてくれ(笑)。

 

菅原諒 ちょっとしたいいことがあったら、それだけですごい暗い気持ちとは、シューッとなくなっている感じがします。幸せのハードルが低いところと、鈍いってところが(全ての)源泉なのかなって。

――お二人はどうですか

髙山 どうですかねぇ。

堀内 家族愛?

髙山 まぁまぁ。

菅原諒 横浜・・・?

髙山 横浜はたくさんいるよ。飯島(温人、基理2=東京・早大学院)もそうだし。

堀内 あー、飯島もそうか。意外といるな。

菅原諒 この質問にするって答えが出てくる人すごいよね。

堀内 俺あと一つするっと出てくるよ。睡眠。

菅原諒 確かに寝てるもんなぁ。

堀内 9時に寝る。

――9時に寝られているのですか

堀内 こいつが来るときは、9時に寝ていることが多くて。長時間寝ることは多いですね。(髙山に向けて)エアコンの温度は?

 

髙山 めっちゃ暑がり。たぶん一番暑がり。

――何度くらいなのでしょうか

髙山 それは、あまり言っちゃうと良くないので(笑)。

堀内 この部のルールに抵触するレベルの涼しさだからね(笑)。同室の二人が、「まじで寒いっす」と言ってたくらい(笑)。

 

髙山 あちぃからな。

――部で決まっているのですか

 

堀内 一応(26度)。

 

髙山 それじゃあ暑いからな。一番は暑がりですね。

 

菅原諒 じゃあ、暑がり、睡眠、メンタル。

 

――ありがとうございます。今部内で流行していることは何ですか

菅原諒 えー・・・、自炊。

髙山 確かに自炊多いよね。

――自炊されるのですか

菅原諒 僕とかは、寮のご飯が出ない時は、外に食べに行くことがすごく多いです。ですが、特に1、2年生は外食している人はいないのではないかなというくらい、みんな自炊しています。混むんですよ、厨房が。その分ね、厨房が汚れたりだとか、物が置きっぱなしとかあるんですけど。

髙山 自炊はすげぇ増えたね。

――誰かと一緒に作ったりしますか

菅原諒 そういう人もいますよ。共同で材料折半して買うだとか、共同で作ったりだとか。

――得意料理はなんですか

菅原諒 得意料理ですか。僕の得意料理は、豚バラ大根です。

髙山 渋い(笑)。

菅原諒 俺ね、超好きなの。豚バラ大根、すごく好き。

――大根がお好きなのでしょうか

 

菅原諒 あ、大根も好きですね。

 

堀内 豚も好きだよね。

 

菅原諒 豚も好きです。
艇庫の流行りは、移り変わるよね、流行りはね。今はなんだろ。

 

堀内 一番問題が起きたのは自炊だね。

 

――問題が起きるのですか

 

堀内 (調理器具などが)置きっぱなしだとか、洗わないだとか。

 

菅原諒 衛生環境の維持が難しいです。特に夏場はね。

 

堀内 あと、熱中症? ここ最近倒れた人は多いよね。

 

菅原諒 確かに多いよね。流行ではある。

 

髙山 良くないけどね。

 

堀内 熱中症のおかげの、早朝練習がここ最近の流行りじゃないかな。

 

――せっかくなので、他のお二人にも得意料理をお伺いしても宜しいでしょうか

 

堀内 得意料理・・・。俺は煮込み料理が好きだな。全般的に。ワイン煮込みとか。

 

菅原諒 でっけぇ肉、塊で入れるやつ。

 

堀内 そうそう、角煮とか。

 

髙山 何だろう。

 

堀内 パスタって言っとけ。

 

髙山 パスタゆでるだけやん。

 

堀内 ここ最近見てないもん。自炊した?

 

髙山 作ろうと思えば何でも作れるからなぁ。これといったものがない。(何でも)作れる。

 

菅原諒 あ、あと艇庫の流行でいったら、スマブラかな。きのうも1、2年生が、あのテレビでやってたし。

髙山 スマブラはね、結構下級生とのコミュニケーションツールになる。みんなやれるから。

 

――漕艇選手あるあるを教えてください。漕艇選手であるがゆえに、気になることなどはありますか

 

堀内 腰痛だろ。

 

一同 (笑)。

 

堀内 絶対腰痛だろ。だいたいみんな腰が痛いって、菅原諒はあんま言わないけど。

 

菅原諒 俺は腰痛くなったことないから。

 

髙山 8割ぐらいは、腰が痛てぇ、腰が痛てぇって言って。

 

菅原諒 あと日焼けですねぇ。ご覧になればわかると思うんですが。日焼け。あとマメ。これだとマイナスなことばっかになるなぁ。

 

――日焼け対策などをされるのでしょうか

 

菅原諒 去年はしていたのですが、全くもって効果がなかったので、めんどくさくなって今は何もしていませんね。あと僕は肌が日光に強いので、かゆくなったりとか、皮がむけたりとかしないんですよ。一瞬で黒くなる。だいたい、みんな風呂入りながら、かゆいって言ってますよ。

 

髙山 あとは川を見て漕げそうだなぁとか、ここなら漕げるかなって。

 

菅原諒 あー、確かにちょっと考えますね。旅先とかでね。この幅じゃちょっとギリギリだなとか。

 

一同 (笑)。

 

菅原諒 あと、風向きが分かるとか?

 

堀内 天気予報で、風向きは絶対見るようになった。

 

菅原諒 風量とか、向きとかは見るようになりました。ボートやるまでは気にしたことなかった。

 

――天気予報だと、どういった風だとうれしいですか

 

菅原諒 風はないのが、吹かないのがいいですね。

 

髙山 競技的にはいいですね。僕らは無風を喜んでいます。

 

菅原諒 あとさ、ボートだとコミュニティが結構狭いから、知っている人が多いよね、競技内でね。

 

髙山 戸田とかに来たら、高校からやっていた人がいろいろな所の大学に散らばっていって、知り合いだらけだよね。

 

菅原諒 やっている高校は少ないからね。

 

――大学漕艇界に知り合いは多いですか

 

菅原諒 僕は大学の付属上がりなので、ぜんぜん友達はいないんですけど。外の高校から来た子は。

 

髙山 付属校から来たかは関係ないよ(笑)。選抜(全国高等学校選抜大会)とかで、友達作れば、友達になる(笑)。

 

菅原諒 やめろって(笑)。友達を作る暇なく、俺は予選敗退したんだから。

 

堀内 (笑)。

 

髙山 インターハイ(全国高等学校総合体育大会)に行けば、友達増えるよ(笑)。

 

菅原諒 お前、この場にいるやつらが、全員インターハイ行ってるって思うなよ!

 

髙山 出ていないもんね(笑)。

菅原諒結構そういうインターハイの話とかするよね。

 

堀内 懐かしいよね。

 

菅原諒 僕はインターハイに出られなかったので、そういう話僕だけスルーですけど。

  

髙山 思い出話の共有率が高いね。

 

菅原諒 確かにそうだね。

 

髙山 「あの時こうだったね」という話をしたら、「そうそう」ってなる。ならない人(菅原諒)もたまにいるけど(笑)。

 

菅原諒 僕は、「へーそうだったんだー。」

 

一同 (笑)。

 

「勝ち逃げしていきたい」(髙山)

「(自分が)頑張らなくちゃいけない」と話す菅原諒(右)

――先ほどお話にあった体が大きいということ以外ですと、今回のクルーの強みは何だとお考えですか

髙山 学年が上ということですね。話しやすく、コミュニケーションが取りやすいです。長く乗っている(漕歴が長い)人も多いですし。直接的にクルーの強さとかは関係ありませんが、やりやすさは感じています。全員3、4年だしね。なんなら、年齢は同じだし(笑)。

菅原諒 なんなら、3年生の方が生まれた月は早いしね(笑)。

髙山 早慶戦から乗っていた人しかいないので、本当にやりやすいクルーができあがっていると思います。

――クルーの現在の雰囲気はいかがですか

髙山 ごんちがんばれって感じかな(笑)。

菅原諒 僕頑張れって感じですね。頑張らなくちゃいけない。

一同 (笑)。

――クルーの中でのご自身の役割は何だとお考えですか

菅原諒 僕は真ん中なので、前の人の漕ぎを後ろに伝える役割です。あとは(艇の)エンジンなので、パワーも出します。そこをなるべくシンプルに考えて、艇の動きに対して邪魔にならないように。そんな役割になろうと頑張っています。

一同 (笑)。

堀内 僕は3番で、格の後ろです。なので、格をどれだけラストまで生存させるか。

髙山 温存!

堀内 1500(メートル)まで温存させて、ラスト500(メートル)で上げてもらいたいです。そのために体重も落としていますし、どれだけ格を全面に押すサポートができるかという課題と、それに加えて菅原諒と一緒にスタートダッシュやラスト100メートルなどのここぞという時のパワー(を出すこと)。この二つができれば、いいなと思っています。

髙山 自分は前に乗っていて、リズムをつくり、感じられる場所にいます。なので、リズムをつくりつつ、感じた違いであったりをフィードバックしながら艇を進めることが基本的な役割だと思います。

――夏合宿で強化していきたいポイントは(※対談時は合宿前)

堀内 クルー全体としては、高身長で体重もある程度あるので、トップスピードは現状でもある程度出ています。それを1000メートルくらいはマックススピードで動かすことができれば、優勝にも近づくと思います。個人課題としては、体重を落とすことです。今一番近い選手でも、3年生の瀧川の80キロで、8キロの差があるので。あとは、彼(菅原諒)。四人の中で特徴のある個人課題がまだあるので、そこをどれだけ他の三人でサポートしながら彼が直すか。勝つか勝たないかは分かりませんが、それによってクルーの安定感は変わってくると思います。なので頑張ってください(笑)。

菅原諒 はい!

堀内 (笑)。

――大学卒業後の競技継続予定はありますか

堀内、菅原諒 ないです。

髙山 ありませんが、インカレの後に国体(国民体育大会)があるので。卒業後ではありませんが。卒業後は・・・さすがに無理かな。

菅原諒 たまーに楽しく漕ぐ分にはいいですね。

――それでは、堀内選手と菅原諒選手にとっては競技生活最後の、髙山選手にとっても早大のクルーとして挑む最後の大舞台となります。インカレへはどのような思いで臨まれますか

菅原諒 とにかく胸を張って引退できるように。僕は結構これに尽きているので。

堀内 一番高いところに乗って、そのまま引退していきたいですね。

髙山 勝ち逃げしていきたいよね(笑)。

堀内 うん(笑)。勝ち逃げしたい(笑)。

髙山 最後なのでしっかり結果を残したいですし、一応後輩も乗っているので何か残すことができればなと思います。

――注目している他大はありますか

髙山 ライバルとまでいけているかは分かりませんが、法政は全日本の結果を見ても速いと思いますね。もちろん他にもいろいろありますが。

菅原諒 うん。

――インカレでどのようなレースをしたいか、差し支えない程度でお答えください

菅原諒 スタートで出たいよね。

髙山 見ていて面白くないレースをしたいよね(笑)。

堀内 そうだね(笑)。

髙山 競技としては、最初に出てそのままゴールというのは楽ですけどね。見ていて面白くはありませんが(笑)。最後まで競って競ってというのが面白いのですが(笑)。そうならないようにはしたいですね。みんなが思っている理想です。

――最後にインカレの目標を教えてください

堀内 それは1位でしょ。

髙山、菅原諒 それはもちろん。

菅原諒 チームスポーツなので。

――男子部としての目標は

髙山 エイト優勝、他2種目表彰台。

堀内 表彰台を1位にしてやるという思いで。個人課題は体重かな。

髙山 全力を出し切れたら。悔いが残らないようにしたいですね。次とか言ってられないので。

堀内 それに加えて体調管理が難しい天候が続いているので。暑い日も続きますし、夏バテなどもあります。そこを個人的に管理しながらどうマックスパフォーマンス(
を出すことのできるコンディション)を大会に持っていくか。技術面は分かりませんが、あと1カ月で個人の力量、筋力や持久力、精神力はあまり変わらないと思うので、それをどう大会当日にベストな状態を持っていくか。それも課題というか調整していくところだと思います。じゃあ、最後に菅原諒くん、抱負を!(笑)。

菅原諒 これ抱負だよね!? 個人課題じゃないよね?

堀内 そうだね(笑)。個人課題でも抱負でも何でも!

菅原諒 えー。

――では、意気込みをお願いします

菅原諒 意気込みですか! 自分史のようなものがあれば、それに一番大きく刻まれるようなレースをしたいと思います。本当に僕はそういう気持ちです。

堀内 悪い面で刻まれないようにな(笑)。

菅原諒 それな!

――ありがとうございました!

(取材・編集 金澤麻由、樋本岳)

◆髙山格(たかやま・いたる)(※写真中央)
1997(平9)年8月28日生まれ。180センチ、72キロ。O型。神奈川・横浜商高出身。スポーツ科学部4年。ストローク。早大漕艇部きってのビジュアル派・髙山選手。「写真撮るなら髪切れば良かったかな(笑)」と爽やかに笑っていました。一方、隣で取材を受けていた同期の坂本英皓副将(スポ4=静岡・浜松北)は体育着で登場。その対象的な姿が印象的でした。国体もありますが、早大を背負って乗るのはこれが最後。その力強い漕ぎでクルーを頂点へと導きます!

◆堀内一輝(ほりうち・かずき)(※写真右)
1998(平10)年2月14日生まれ。185センチ、88キロ(※8月8日時点)。B型。山梨・富士河口湖高出身。スポーツ科学部4年。3番。「デカい、重い、カルピス」こと堀内選手。ダイエットのため、大好きなカルピスを我慢しています。1日2000カロリー以下という食事制限の他は特別なことはしていないそうですが、着々と体重を落としています。それもそのはず、ボート競技のカロリー消費量はすごいんです。朝練習だけで千カロリー以上を消費するのだとか。堀内選手の決死のダイエットは、きっと大舞台での快漕につながることでしょう!

◆菅原諒馬(すがわら・りょうま)(※写真左)
1997(平9)年12月11日生まれ。180センチ、76キロ。B型。東京・早大学院出身。商学部4年。2番。愛称はごんち。「メンタル、コーヒー、歯茎」こと菅原諒選手。就活の思い出は、いくつかの某超大手商社の最終面接で役員とけんかをしたことだそうです。中には、ボート競技を軽んじる発言もあり、黙っていられなかったのだとか。内定は貰えませんでしたが、もっと大切なものを守れたのではないでしょうか。「就活はやはり最終的に行くところが第一志望」。大好きなアイスコーヒーを飲んで自分史に栄光を刻みます!