【連載】インカレ直前特集『Now or Never!』【最終回】米川志保女子主将 × 澤田夏実チーフコックス × 青木華弥 × 北村綾香

漕艇

 今回は女子部をけん引する4年生に話をうかがった。シングルスカルに出場する米川志保女子主将(スポ4=愛知・旭丘)、舵手付きクォドルプルのコックスを務める澤田夏実(スポ4=東京・小松川)、舵手付きフォアに出場する青木華弥(教4=東京・本所)、北村綾香(スポ4=滋賀・膳所)の4人だ。最後の全日本大学選手権(インカレ)に懸ける思いとは。

※この取材は8月3日に行われたものです。

「すごく良いシーズンのスタートになった」(青木)

青木の乗る舵手付きフォアは新種目。初代女王を狙う

――まず、今季の振り返りからお願いします。早慶レガッタを振り返っていかがですか

北村 早慶レガッタには2回出させてもらって、その中でストロークでリズムをつくる役割を担わせてもらって、本番ちょっといろいろトラブルがあって自分の中では消化不良なレースになったんですけど、そこで後ろで支えてもらった青木とか下級生とか頼りがいがあってそれを感じました。そこから東日本とか選考とかいろいろあったんですけど、自分としては今シーズンはまだケガなく調子良くここまで来られているので、良いシーズンかなとは思っています。

青木 自分も早慶レガッタは2回目の出場となって、昨年は慶大に出られてというちょっと悔しいレースになって、今年は絶対に1ミリも出させたくないっていうことで動いていて、それがアクシデントもあったけどしっかり(慶大に)出られずにいけたので、すごく良いシーズンのスタートになったかなと思ってます。クルーとしては下級生が多くて、4年のクルーリーダーがぐいぐい引っ張っていくんじゃなくて、2年生とか下級生の意見もしっかり聞いて全員でチームとして早慶戦に向かっていけたかなと思ったので、人間関係の面でもいい試合だったんじゃないかなと思います。

澤田 今年は結構レース前から良くいけたパターンとアクシデントがあったパターンのイメージレースも昨年よりも練習中からしてたので、アクシデントというのが北村が腹を切ってしまったっていうところなんですけど、でもそこでの対応も綾香(北村)自身も良かったですし、後ろもそこで止まらずに漕ぎ始められたっていうのは、華弥も言っていたようにかなり人間関係で信頼があったからこそだと思うので、すごくそこは良かったかなと思います。あとは練習のときから米川がジャパン(日本代表)の方で抜けていたりして、補漕で乗ってくれてた子たちも練習のときから良いスピードで出してくれてたので、そういう面でも早慶戦で成長できたのは今につながってるかなという感じがします。

米川 私が代表の合宿とかでいなくて、みんなが土台をつくってくれて私が後からそこに乗っていって、しかも私はそんなにスイープとかあまり漕いでなかったので、あれをしていこうこれをしていこうとかそういうふうに引っ張っていくというよりは、みんなの意見をくみ取ってチームの雰囲気というか、9人もいるのでなかなかまとめるのは大変なんですけど、そこでいかにみんなが漕ぎやすいクルーをつくるかっていうことを早慶戦は特に大事にしていきました。みんなが言ってくれたように、隅田は何が起きるかわからないということがあるので、どんなレースになってもいいようにそこで冷静に対応できるようにイメージはしていたので、結局勝つことに変わりはなかったんじゃないかなと思います。

――北村選手と青木選手は東日本選手権に舵手なしペアで出場されましたが、レースや結果を振り返っていかがですか

北村 私と青木は早慶レガッタのストロークペアで、それ以前のクルーでも結構前後で漕ぐことが多くて、漕ぎ始めから相性は良くて船の進みも良かったなと思っていました。結果としては2位だったんですけど、それまでの練習の中で2人が成長できて課題も見つかって、インカレもスイープで出るのでそれにつなげて今練習できているところだと思います。

青木 北村も言ってたんですけど、乗り始めからすごく良かったし、自分は合わせる側で綾香のリズムはだいたいわかっていたのでスタートは良かったなと感じて、その過程の中で成長はできていたと思うんですけど結果として2位だったということで、1位だったペアが持ってて自分たちにないものが技術面だったり、体力だったりを実感できたので、インカレにつながるレースにはなったのかなと思ってます。

――米川選手は先日、世界選手権に出場されましたが、そちらはいかがでしたか

米川 結果としては自分の目標には届かなかったんですけど、やっぱり全然日本とはレベルが違うので、どのレースもレベルが高い中で、でも委縮することなく自分たちが今出せる力を出せた良いレースではなかったんじゃないかと思います。自分たちが目標に届かなかった世界との差というのは大きいとは思うんですけど、その差を埋めることができなくはないと感じました。一番重要だった敗者復活戦のレースでスイスとあと2秒という差だったんですけど、1500メートルまでついてってその後2秒離されてしまったんですけど、その2秒を詰めればもっとレベルの高いところにも行けるとポジティブにも考えられる結果だったので、満足したというか今の自分たちの力を出せた良いレースになったんじゃないかなと思います。

「7年目にして体に染み付いてきた」(北村)

競技歴の長い北村。安定した漕力でクルーを底上げする

――今季を通して成長した点はありますか

米川 自分はチームにいることが少なくなってしまったんですけど、やっぱり4年生ということで自分たちの代で勝ちたいというのはあって今まではどちらかというと、自分が強くなりたいとか速くなりたいとか、自分の乗ってるクルーが勝ちたいとかそういう思いがあったんですけど、女子部で勝ちたいとかワセダ全部で勝ちたいとかそういう思いがあって、周りをよく気にするようになったというか後輩とか悩んでそうだったら、「最近どう?」とか具体的な何かをするというわけじゃなくても、気にかけてコミュニケーションを取るということができるようになって、そこは成功したところなんじゃないかと思います。

北村 これまで下級生で先輩がいたときは、先輩の意見を自分たちの代とか下にうまく伝えて先輩が動きやすいようにというのは意識してたんですけど、自分が最上級生になって自分で決めなきゃいけないこととか後輩にこう動いてもらおうとか考えなきゃいけないことが増えて、この部分でどういう根拠を持ってそう考えるのかっていう考え方ができるようになったところが成長できた点かなと思います。まだ、試行錯誤して手探りの状態でやってるところも多いんですけど、そこは引退までにはもっと成長していきたいなと思います。

青木 自分は後輩と関わるようになったことが一番成長したのかなと思います。今まではどちらかというと先輩派という感じがして、後輩とは一切関わらなかったんですけど、先輩いなくなったし、自分たちの代で後輩を動かしていかなきゃいけないという立場になって、後輩と関わることは大事だなと思って、ちょっかい出したり話しかけたりっていう小さいことで、周りからどう見られてるかはわからないですけど、個人的には後輩と接することは多くなったかなと思います。

澤田 4年生としての自覚っていうところでは3人と同じような感じなんですけど、競技面ではコックスとして自分のコールに自信を持てるようになってきたかなっていうのがあります。昨年の国体(国民体育大会)では関東ブロックでワセダとは全く違うクルーでレースに出させていただく機会があって、ワセダ以外のところで舵引いてコールをするっていうことに昨年はすごい緊張してたんですけど、社会人と一緒に乗らせていただいて、そういうところで「さっきのコール良かったよ」とか「乗ってくれていい感じになった」というふうに言われて、自分できるじゃんみたいな(笑)感じに思えるようになったので、全く他のところの人からそういうふうに言われるとワセダの中でもかなり自信を持ってコールできるようになったのは、コックス始めて7年目にして初めての感覚なので楽しいです。

――他の方は競技面で感じる部分はありますか

青木 コツコツ練習していく中で、スイープは成長してるのかなと思うんですけど、たまにシングルとか乗るとなんか衰えているんじゃないかって思います(笑)。種目によって感覚が変わってきてるのかなって感じです。

北村 私はスカルとスイープ乗り換えたときに昔よりはすぐに順応できるなって思って、そこが7年目にして体に染み付いてきたところかなとは思ってます。

米川 U23世界選手権のときに感じたのは、今まで疲れてきたら漕ぎがちょっと変わりがちで、ちょっと崩れてきちゃうところがあったんですけど、2000メートル通してブレない、あまり崩れないようになって、気持ちの面なのかもしれないし、持久力とかそういう面でそれがカバーできてるのかはわからないんですけど、とりあえず2000メートル同じ漕ぎを通すってことが以前よりも精度として上がってるんじゃないかなと思います。

――逆に見つかった課題はありますか

北村 競技の面なんですけど、東日本(東日本選手権)のとき1位だった木下(弥桜、スポ3=和歌山北)と三浦(彩朱佳、文2=青森)のペアになんで勝てないのかなと思ったときに、オールを入れてからの船の動かし方が自分たちはまだまだ未熟だなって気付かされて、そこを今も課題にはしてるんですけど、直面した壁でした。

米川 私はあまりそういうふうに見られないんですけど、自信がなくて…。結構人の前ではポジティブに振る舞ってるんですけど、すごくネガティブで。レースで負けたらどうしようとかすごい考えちゃうことがあっていろんな人に自信持ってとか言われて、確かに自信持ってレースしないと、自分の実力を出せないなと思うので…。レース本番になればもうそんなにネガティブなことなんて忘れちゃうんですけど、それまで結構ネガティブな気持ちになってしまうので、ポジティブに。だからあえてポジティブな自分を繕ってるんだと思うんですけど、自信を持てるようにしたいなと思います。

青木 東日本で出た課題は競技の中では一番で、パワーと技術面は一番の課題になってるかなと思います。あとはもっと自分の気分とか疲労度とかに関わらず意見を言わなきゃいけないなと思ってます。

澤田 私は先輩がいなくなってコックスとして引っ張っていかなきゃいけないなという思いは、先輩方が引退した直後からずっとあったので今度は引っ張っていく立場でやろうと思ってやってきたんですけど、もうそろそろ私も引退なので私からどんどん言うのにプラスして後輩たちにも考えてもらってどんどん発信してほしいなっていうことを考え始めたかなと思います。コックスと漕手で違う立場でやってるのでそういうのがやりやすいので。今、クォドルプルで練習していて私以外が1、2年生なので1、2年生に自分たちで考えてもらって、教えてもらったことをうまく生かしていくっていう方向を試しています。今のところよくはまってるかなと思うんですけど、そのやり方で考えてもらうっていうところの課題を克服していけたらと思います。私がいなくなってもみんなが頑張れるように。

「私たちの代で勝ちたい」(米川)

U23日本代表である米川。シングル種目では国内敵なしだ

――話は変わりますが、4年生女子部員のカラーを教えてください

米川 平和だよね。精神年齢が高いんじゃないかな。ちょっとババくさいかも(笑)。

澤田 確かにババくさいかも。1年生の頃から大きなぶつかりあいをしたという記憶もなく、小さいうちに結構解決してきた感じがあるので、平和な感じ。

北村 そうそう。ぶつからないけど、だからといって干渉しないわけでもないので、ちょうどいい。

――プライべートでも結構仲良しですか

北村 そうですね。ちょいちょいサシで飲みに行ったりしますね。

澤田 部活でずっと一緒にいるからしょっちゅう遊びに行くというわけではないんですけど、「今日暇?」みたいな感じで遊びにいったりはします。

――それではお互いの印象を教えてください。まず、米川選手からお願いします

北村 今年もでかいなという印象と(笑)、世界選手権などで色々忙しくても主将として部のことを一番に考えてくれてて、同期なのに頼りがいがあります。よね(米川)がいてくれてよかったです。

青木 もう女子部のお母さんって感じですね。ベイビーだけどお母さんっていう、両面ありますね(笑)。後輩ともフランクに接していて、いるとその場が明るくなるというか、世界選手権から帰ってきたときも女子部屋が明るいなあというのを感じましたし、自分がもし後輩で米川が主将だったとしても、付いていきたいと思えるし、その代が勝ってほしいと思うと思います。

澤田 よねは主将になって、より女子部のことを考えてくれて発信してくれているので、そういう性格が頼りがいにつながるのかなと思いました。よねはネガティブってさっき言ってたんですけど、ネガティブというか心配性だからこそレースに向かってしっかり準備ができると言うこともできると思うので、負けたらどうしようとか考えるから、逆に頑張れて心配性であることも強みになっていると思います。まあ、大きくて強い子です(笑)

米川 みんないい人ですね。単純なのでうれしいです(笑)。

――北村選手の印象を教えてください

米川 綾香は優しくて、私がわあわあ言うのをいつも受け止めてくれるので、私も自由にやらせてもらってます。綾香がいい感じに受け止めてくれて私を抑えてくれるので、いい意味でクッション材になってくれてるのかなと思います。

青木 昨年の全日本(全日本選手権)から、ほとんど同じクルーに乗っていて、しっかりしてるなあって思います。あと前に比べて、慣れてない関西語じゃなくて標準語で話しているので、怖い印象が無くなりました(笑)。

澤田 全日本のエイトとか、早慶戦のエイトでストロークだったときは向き合っていたので、話す機会も多かったんですけど、私がコックスで綾香がストロークのときは、スイープを長くやっていたということもあって、フィードバックにも説得力があって、成長したなあと思いました。あと、この間、部でのタイムトライアルがあって、綾香は下級生の頃はケガとかたくさんしていたんですけどそれを感じさせない漕ぎをしてくれて、もちろん気は病んでいたと思うんですけど、それをあまり表に出さずにやるべきことをやってきたというのは、漕艇部の中でもメンタルが強いと言われるゆえんなのかなと思います。

北村 いやなんか、照れますね(笑)。

――青木選手の印象を教えてください

米川 華弥のことは高校生のときから知っていたんですけど、正直、当時は怖かったんですよ(笑)。かっこいいじゃないですか、雰囲気が。けれど大学に入ってからそのイメージは無くなりましたし、髪の毛も伸ばして女性らしくなったというか(笑)。雰囲気が柔らかくなったと思います。綾香と同じで、割と常に冷静でいてくれるので、私が感情の波があるときでも、しっかりしていてくれるのがありがたいです。

北村 私は、華弥と一年生の時から、割と同じクルーに乗ったり、部の行事があったときも同じ場所で過ごすということが多かったんですけど、この一年間で後輩に対して積極的になった華弥を見て、だいぶお茶目な華弥をみることができました。 下級生の頃は冷静でかっこいいイメージだったんですけど、今はかわいいです(笑)。頼りがいがあっていい仲間です。

澤田 前もこういう質問をされたときにも同じように答えたかもしれないんですけど、 高校生の時からお互い東京出身ということで同じ練習場所で、付き合いが長い分、部活にいる誰よりも性質は理解しているのかなって思います。みんなは最近お茶目になったって言ってますけど、私は高校生の時から華弥がお茶目だったのを知っているので、4年目にしてやっと自分を出してきたなという印象です。特に後輩と楽しそうにしているところを見ると「大きくなったね」という親心的なものが出ます(笑)

青木 恥ずかしいです。見透かされてた…。

――澤田選手の印象を聞かせてください

米川 身長は小さいんですけど誕生日は一番早くて、精神年齢はおばあちゃんくらい(笑)。いろんな人生を知り尽くした人みたいなオーラがあります。あと、本当にボートが好きなんだろうなと思います。「私ボート続けるけど、あなたも続けたら?」って言うくらい、ボートが好きだからこそ本当にいろいろな事を考えていて、部活の事に関しても、競技面に関しても結構考えてくれているなあという印象があります。

北村 小さい分しっかりしているなと思います(笑)。昨年の全日本だったり今年の早慶レガッタであったり、ずっと近くで乗せてもらっていて、コールが信頼できるし的確に指示を出してくれるので、一緒に乗っていて安心感があります。でもたまに抜けているところがあって、日常生活ではギャップがあります。そういうところはかわいいなと思います。

青木 高校生からの付き合いなんですけど、高校生のときは一緒に乗ったことがほぼ無くて、大学に入って一緒に乗るようになって、北村も言っていたように、なつ(澤田)がコールをしてくれていると安心感があって、そのコールに反応すればしっかり船が動くなという実感もあります。この小さい体に安定感が詰まってますね(笑)。あとは、プライベートでも色々とお世話になってるところがあるので、感謝しています。

澤田 うれしいお言葉を色々聞けて、ありがとうございます。小さいはちょっと要らなかったかなあ(笑)。

――最上級生という立場になって心境の変化などはありましたか

北村 自分で決めて動かしていかなければいけないということを考えるようになったので、その部分が一番大きく変わったし、今も課題としているところではあります。

青木 自分にはもう『後輩』っていうキーワードしかなくて、後輩とのコミュニケーションはクルーを組んでいく上でも、4年生についてきてもらうためにも、コミュニケーションは大事だなと思ったので、後輩とのコミュニケーションが今一番重要視している事です。

澤田 引退という言葉を意識し始めてからは、私たちだけでは絶対うまくいかないなと思ったので、後輩にも各自考えてもらって、うまくやっていこうというふうに意識が変わりました。

米川 4年生が引っ張っていくというのはもちろんなんですけど、やはり私たちの代で勝ちたいという思いがあるので、練習においても4年生になってからは、本当に妥協しないことを決めています。

「やっぱり総合優勝したい」(澤田)

チーフコックスとして名実共にコックスを率いる澤田

――インカレに向けた練習でのクルーの状態はいかがですか

澤田 雰囲気は良い感じです。私は今クォドルプルに付いているんですけど、安井が米川と一緒にポーランドに行って帰ってきて、本当に数日前からフルメンバーそろっての練習が始まりましたが、初めて乗った時の感触は結構良くて、スタートのレベルも高いと思いました。あまりまだ合ってないんですけど、パワーだけでもかなり進められているので、合わせるところをしっかり合わせてもらうということを徹底すれば見えてくるかなと思います。あと1年生で宇野が1人だけ乗っていて、その子はパワーはあるんですけど技術面はまだまだ伸ばせるところがあるので、1年生があまりプレッシャーを感じないように全員でよいものを作って行けるように、年長者の私がまとめていきたいです。

北村 東日本のペアが2つくっついた形で今はやっています。乗り始めから、技術力はそれぞれあるので、最初からいいスピードは出せているかなとは思います。最近はまとまりも出てきて、お互いに声を出し合えているので、もっともっと欲張って更に良い雰囲気にしていきたいです。

――現在の練習の雰囲気を教えてください

北村 女子に関しては世界選手権に行っているメンバーがいて、インカレグループで練習できないとか入れ替えて練習することが多かったので、これからまだまだ出発かなという感じなんですが、女子部の目標だったら昨年は優勝を果たせなかったので、それに向けてどのクルーもしっかり目標をぶらさずにやっているなあという印象があります。

青木 今年も女子部屋のドアのところに、インカレカウントダウンと、一言何か意気込みや好きな言葉を書いて毎日それを見ることを習慣づけています。それを見ることで、この人はこういうことを考えてるんだ、とか目標を知ることができますね。勝ちたいという想いはみんなあると思うので、それに向けみんないい雰囲気でやってるんではないかと思います。

澤田 同じようなことなんですが、昨年優勝が一つも無かったという悔しさは特に今の4年を始め、上級生である3年生とかもやはり強いと思います。その勝ちたいという思いは出しつつもあまり悲観的になりすぎずに明るく、ポジティブに全員で良くしていこうという雰囲気があるので、良いと思います。

――北村選手と青木選手が出場される舵手付きフォアは今年からの新種目ですが、強みに感じる部分はありますか

北村 やっぱり早慶レガッタでどの大学よりも早くスイープを漕ぎ始めたので、まだエイトでは全日本では優勝したことはないんですけど、昨年は2位で良いところまでいってたので、そういう点でみんなスイープが漕げるし、技術力とかもあって、東日本でもそこそこ良い結果を出していたのでその辺がワセジョの強みかなと思っています。

青木 早慶戦がエイトということで、多くの人間がスイープを経験しているのでその基盤っていうのはどの大学よりもあるんじゃないかなと思っています。なので、インカレのフォアとペア、全日本のエイトはもちろん優勝目指してやっていきたいし、長くスイープをやっているので他の大学に負けたくないという思いは個人的にはあります。

――インカレでの目標を教えてください

米川 インカレはシングルで出場するので、女子部の総合優勝という目標はぶらさずに、その中で自分がシングルで優勝できることは絶対条件にしています。

北村 もちろん優勝です。まずは自分たちの種目で初代王者を目指して1位に立ちたいですし、優勝を目標に掲げてる種目で優勝して、表彰台が目標のクルーも表彰台に乗れるように士気を上げて、目標達成していきたいなと思ってます。

青木 ほぼ一緒なんですけど、掲げている目標をしっかり達成することで、初代王者としてフォアで優勝することを、私はまだ全日本級の大会で優勝経験がなくてもうあと2回しかチャンスは残されていないのでしっかりと結果を出すことが一番かなと思っています。

澤田 女子部としてはやっぱり総合優勝したいので、今フォアからも話があったんですけど、どのクルーもいい結果を残せるようにコックスとしても船の整備とか雰囲気づくりとか頑張っていきたいなと思います。クルーとしてはやっぱりクォドルプルは王座奪還っていうところがあるので、私もクォドルプルで日本一に なりたくてボートを続けたというところもあるので、そこを最後しっかり抑えたいかなという目標が個人的にはあります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤千咲、馬塲貴子)

仲のいい4年生、独特のポーズの1枚です!

◆北村綾香(きたむら・あやか)(※写真左)

1996(平8)年11月19日生まれ。172センチ、63キロ。滋賀・膳所高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは舵手付きフォアのバウ。終始、丁寧に質問に答えてくださった北村選手。これまでケガに苦しんでいたそうですが、最終学年のインカレでは新種目での優勝に期待です!

◆米川志保女子主将(よねかわ・しほ)(※写真中央)

1996(平8)年8月20日生まれ。179センチ、85キロ。愛知・旭丘高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはシングルスカル。日本代表に選出され、多くの国際大会で活躍する米川選手。主将として周囲を気にかけつつ、結果でも女子部を引っ張る姿に注目です!

◆青木華弥(あおき・かや)(※写真右)

1997(平9)年2月11日生まれ。168センチ、65キロ。東京・本所高出身。教育学部4年。ポジションは舵手付きフォアの2番。受け答えからクールな印象を受けましたが、後輩にちょっかいを出す一面もあるという青木選手。最上級生として全日本クラスでの優勝に懸ける思いの強さが伝わってきました!

◆澤田夏実(さわた・なつみ)(※写真手前下)

1996(平8)年5月30日生まれ。149センチ、47キロ。東京・小松川高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは舵手付きクォドルプルのコックス。はきはきと質問に答えてくださる姿が印象的でした。コックスとしてチームを引っ張り、クォドルプルでのインカレ優勝に向けて艇を導いてくれることでしょう!