【連載】インカレ直前特集『Now or Never!』【第4回】奈良岡寛子 × 木下弥桜 × 三浦彩朱佳

漕艇

 全日本大学選手権(インカレ)に向けて、漕艇部は日々鍛錬を積んでいる。東日本選手権で優勝を果たした木下弥桜(スポ3=和歌山北)、三浦彩朱佳(文2=青森)とコックスとしてさらなる活躍が期待される奈良岡寛子(教2=青森)にインカレに懸ける思いを伺った。

※この取材は8月7日に行われたものです。

「女子部全体がボトムアップできた」(三浦)

1年時から主力として活躍する三浦

――まずは今季の振り返りをお願いします。早慶レガッタに三浦さんは女子エイトとして出場されましたが、いかがでしたか

三浦 今年は海外からコーチを招待して、色々指導をしていただきました。やっぱり今までのスイープの考えと違った視点や漕ぎを詳しく教えていただきました。なかなかうまくできないこともあったんですけど、その点で女子部全体がボトムアップできて良い経験ができたなと思います。そこからワセダの完全優勝につながったのかなと感じています。

――具体的にはどのように違うのですか

三浦 オールを水に入れる瞬間の力の掛け方だったり、フィニッシュの押し切りの形だったりが、去年の全日本(全日本選手権)でエイト乗ってたんですけど、その時とは違うやり方で教えていただいたところです。

――木下さんと奈良岡さんも早慶レガッタの振り返りをお願いします。完全優勝という結果をどのように捉えていらっしゃいますか

木下 一部員としては嬉しい結果です。レースには出ていなくても、早慶戦は学生主体で運営するレースなので、そのサポートをしてきた側からしても、完全優勝は部員全員で勝ち取ったものだと思うので、すごくシーズンに向けての出発が良いものになったと感じます。

奈良岡 海外からコーチが来て、冬の間にみんなが積み重ねてきたことが、早慶戦でしっかり結果として現れたのは自信になったと思います。私の場合は、来年は夏実さん(澤田、スポ4=東京、小松川)がいなくなってしまって、乗る確率が高いので、少し怖いというか…。勝利が積み重なっている分、自分が役割を果たせるか不安にもなりました。

――東日本選手権はいかがでしたか

木下 早慶戦からのコーチに教えていただいた漕ぎを引き続きやってきて、優勝の勝因はコミュニケーションをちゃんと取って、毎練習をちゃんとフィードバックし合ったり、言いやすい関係だったと私は思っているので(笑)、そこがクルーメイクとしては良かったと思います。東日本でワセダがスイープで1、2位が取れたということは、インカレのスイープ種目にもつながると思うので良かったと思います。

三浦 私も弥桜さんと一緒で、思ったことを「ああした方が良いんじゃないか」「こうした方が良いんじゃないか」っていうのを毎モーション2人で言いました。その度に、船の進みとかがどんどん改善されていって、コミュニケーションが優勝への一歩につながったと思います。一番イメージした漕ぎがあって、ロンドンオリンピックの女子ペアの漕ぎを何度も2人で確認をして、この漕ぎをしようという風に練習したことも優勝につながったと感じています。次はフォアなので、漕ぎを崩さず出していけるようにしたいです。

――今季の成績の自己評価をお願いします

奈良岡 特に大会は出ていないのですが、自分はポジションが変わって冬から乗っています。最初は、漕いでいない分感覚がよく分からなくて、漕手に教えてもらうことが多かったなという印象です。回数を重ねて、最近は自分で気づけるようになってきたかなという点では、少しは成長できたかなと思います。ただ、まだまだ船を真っすぐ進めるとか、漕手の気持ちになるとかまだ足りていないと思うので、まだまだですね(笑)。これからですね(笑)。

木下 去年のシーズンはずっと漕いでいなかったので、東日本選手権がほぼ1年ぶりくらいのレースでした。漕いでない時に、自己管理の部分で成長できて、東日本選手権のレースに向けても合わせていけました。休んでいた時に成長したことがレースにもつなげられたことが、自分では評価できると思います。

三浦 去年まではスカル種目に多くのっていましたが、今年はオール1本のスイープに乗っています。今年に入ってからは、ほぼスイープでしか漕いでいないので、スイープの技術を高められているし、今までコーチとか監督に教えていただいていることを漕ぎに反映できたからこそ、早慶戦や東日本選手権で勝つことができました。もう少しインカレまでに成長できると思っています。後ろに4年生の先輩に乗っていただいているので、きょう(の練習で)もアドバイスをいただいたので、自分もまだまだ成長できると思っているのが自己評価です。

――今のクルーの雰囲気はどうですか

木下 悪くはないし、毎練習でレベルアップも必ずできています。前(東日本選手権時)のペアみたいに、何でも言い合えるようなコミュニケーションを取れたらいいなと思います。

三浦 練習で一緒になる女子クォドルプルは、すごく明るいです。1人が発言したことに対して、対話みたいになればいいなって。もう少し盛り上げて、若さを出して(笑)。雰囲気に関しては、もう少し明るくいきたいです。

「メリハリのついている学年」(木下)

数少ない3年生の一人である木下

――3年生はどのような学年ですか

木下 少人数の学年なので、こじんまりしていますね(笑)。あと誕生日にお互いケーキを送り合っています。安いものじゃなくて高めのケーキです(笑)。でもやるところはやる、というメリハリがついている学年です。

――2年生はどのような学年ですか

三浦 みんな我が強い(笑)。

奈良岡 うん(笑)。うるさいね。みんなが女子部屋に集まってわちゃわちゃしています。この前も弥桜さん(木下)に「元気やなあ」って言われましたね。

三浦 元気を通り越して、他の先輩に迷惑をかけているんじゃないかと思います(笑)。 

――そのことについて木下選手はどう思っていますか

木下 いやー、「若いなあ」と思っています(笑)。

三浦、奈良岡(笑)

三浦 あとは小ネタで盛り上がっています。

――例えばどのようなものがありましたか

奈良岡 少し前の平昌五輪でみんなカーリングにはまっていました。船を出発させるところとカーリングのハウスが似ていて、しかもデッキブラシもあったのでみんなで真似をして動画を撮って遊んだりしていました。(笑)あと彩朱佳(三浦)、サッカーの…。 

三浦 あー(笑)。「そんなんできひんやん普通」とか「大迫半端ないって」をいろいろ変えています。流行りのものをオマージュして使っていますね(笑)。

――オフの日は何をしていますか

木下 よくお出かけをします。

――どこに行かれますか

木下 江ノ島とかに行きます。地方出身なので東京やその周辺を楽しむようにしています。

奈良岡 東京に出てきている高校の同級生とか大学の友達と遊びます。ディズニーランドとか焼き肉とかアウトレットに行きます。 

木下 おしゃれ(笑)。

三浦 姉が近くに住んでいるので一緒に遊んだりします。この前もディズニーに行きました。あとは友達とご飯を食べたり、アイドルのDVDを見たりします。 

――好きなアイドルがいるのですか

三浦 はい。嵐とK-POPが好きです。

――ハマっていることはありますか

木下 暇になるとYOUTUBEをよく開きますね。さっき三浦さんも言ったK-POPアイドルとか東海オンエアとかの動画を鑑賞しています。

奈良岡 ハマっているというか、最近よくするのは夏休みに「こういうことをしよう!」っていうのを想像することです(笑)。夏休み中に自分のために何をすればいいのかな~と考えるだけなんですけどやっています。

――具体的に何をする予定ですか

奈良岡 本を読みたいなと思っています。授業中に紹介されていたもので面白そうだなと思った本を読みたいです。あと英語英文学科なので英語の勉強もしなきゃなと思っています。 

三浦 最近ハマっていることは映画鑑賞です。 

――何か最近見た映画はありますか

三浦 つい昨日「キングスマン」という映画を見ました。シリーズの1、2を両方見て面白かったので続編も楽しみにしています。あとマーベル作品の「ガーディアンズオブギャラクシー」という作品も今、シリーズ3が撮影中なので日本で公開されるのが楽しみです。 

「絶対に優勝を取りたい」(奈良岡)

冬からコックスへと転向した奈良岡

――今はどのような練習をしているのですか

木下 今は、入水から漕ぐところが弱いです。

奈良岡 ペア2艇っていう感じの漕ぎがまだあるので、そこをいかにまとまって漕いでいくかが課題です。

――個人的な目標はありますか

木下 フォアが今年からできたので、今年優勝すれば『初代チャンピオン』の肩書を頂けるので、それって特別なものだと思います。フォアに乗れたのもご縁なので、優勝できるように今の練習を全力で取り組もうと思っております。

奈良岡 初代チャンピオンになれるのは、ワセダの中でもここの5人で、すごい鳥肌(笑)。そこはしっかり絶対に取りたいです。去年は1個も優勝がなくて…。優勝と2位では全然違うので、絶対に優勝を取りたいです。全日本ではエイトになって、エイト優勝が目標です。(このメンバーは)エイトにも乗っていくメンバーだと思うので、つなげられたら良いなと思います。「ワセダのスイープもやばいな」と思わせたいです。ワセダの女子はスカルのイメージが強いと思うんですけど、スイープもちゃんと強いというか、どの種目でも強いんだぞっていうのを見せつけたいです。

三浦 2人と同じで、初代女王の座をどうしても勝ち取りたいです。去年はすごく悔しい思いをしたので…。眠れないくらい悔しい思いをしたので、今年は何としてでも1位を取ってやるっていうのが個人の目標です。去年の全日本の決勝で腹を切ってしまったので、絶対フォアは腹を切らないようにというのを第一の目標に掲げています。

――部としての目標を教えてください

全員 あれの通りです。(艇庫に掲げてある「優勝」の文字を指差しながら)総合優勝です。

――最後に、インカレへの意気込みをお願いします

木下 さっき言った目標を達成できるように、毎日の練習で手を抜かないで全力で取り組みます。自分だけではなくてクルーがいるので、5人でレベルアップできる雰囲気をつくっていきたいですし、良い練習ができるような環境をつくります。

奈良岡 コックスとしての技術とか、あらゆる面で夏実さんの方が何倍も上なんですけど、私が乗っているからマイナスと思われたくないので。「夏実さんが乗っていたら」みたいになるのはすごく嫌なので、「キャリアが違うから仕方ないよね」と言われないようにしたいです。その結果として、5人全員でまとまって優勝したいです。

三浦 目標に掲げている通り、優勝に向けて日々の練習を重ねています。私と寛子(奈良岡)が乗っている中では一番年下なので、声を出して盛り上げてクルーの雰囲気を高めていきたいです。スイープにずっと乗ってきたので、本番で全て出し切れるように自分を追い込んでいきたいと思っております。

――ありがとうございました!

(取材・編集 下長根沙羅、飯塚茜)

◆奈良岡寛子(ならおか・ひろこ)(※写真右)
1999年(平11)3月10日生まれ。164センチ、50キロ。青森高出身。教育学部2年。冬からコックスに転向して練習をしている奈良岡選手。「経験不足だからしょうがないよね、と終わりたくはないので高いレベルを目指してやっていきたいです」とコックスとしての意気込みを熱く語っていただきました!

◆木下弥桜(きのした・みお)(※写真中央)
1998年(平10)3月12日生まれ。164センチ、62キロ。和歌山北高出身。スポーツ科学部3年。丁寧に質問に答えてくださった木下選手。東日本選手権で優勝したことが、自信につながったようです。インカレでも実力を発揮してくれるでしょう!

◆三浦彩朱佳(みうら・あすか)(※写真左)
1998年(平10)12月10日生まれ。177センチ、69キロ。青森高出身。文学部2年。去年のインカレでは人一倍悔しい思いをした三浦選手。強い思いで日々の練習に打ち込んでいらっしゃいます。「自分を追い込んでいきたい」とストイックな姿勢を見せてくださいました!