6年ぶりにメダルなしに終わった昨年の全日本大学選手権(インカレ)。昨年の雪辱を果たすためには、唯一昨年のインカレでも決勝進出を果たした舵手なしフォアの躍進は欠かせないだろう。クルーは、昨年も出場した川田翔悟(基理3=東京・早大学院)をはじめ、高山格(スポ3=神奈川・横浜商)、そして、2年生コンビの舩越湧太郎(社2=滋賀・膳所)、鈴木利駆(スポ2=静岡・浜松西)の4人。現在のクルーの状態などを伺ってみた。
※この取材は8月2日に行われたものです。
「インカレに向けてどのように高めていくかと考えながらやってきた」(舩越)
初めてインカレクルーに選出された舩越
――まずは今季の振り返りから始めたいと思います。早慶レガッタは4選手とも第二エイトで出場されていましたが、振り返っていかがでしょうか
舩越 早慶戦ではスタートで(前に)出られて、そこからずっと離していく展開だったのでスタートの方しか記憶がないんですが、スタートは歓漕会のときから結構早くて、そこが自信になりました。最初出られると得なので、そういうところが一番良かったかなと思います。
川田翔 僕は2年生の時に早慶戦出られていなくて、まずは出場できて嬉しいという気持ちが大きかったですね。ストロークの井踏先輩(直隆副将、文構4=東京・早大学院)がクルーキャップで引っ張ってくれたんですけど、井踏さんのクルーメイクが自分でガツガツ引っ張るっていうよりは、みんなでつくっていくという感じだったので、いい形でレースに臨めたかなと思います。なので、今回のクルーでもそういう風にできるようにしたいと思います。
高山 昨年の2年生の時から第二エイトで出場させていただいたんですけど、スイープもあまり経験がなくて下級生としてということだったんですが、今回は3年生としてということで、クルーキャップが一人いて引っ張ってもらいつつ、自分たちもしっかり引っ張っていくっていう立ち位置だったので、下級生もついてきてくれたのですごいやりやすかったです。そのおかげでクルーも一つになれたかなと思いますし、意思も通りやすかったですし、自分たちの漕ぎというものができてよかったなと思います。
鈴木利 早慶戦のときはスイープをあまりやったことがなかったんですよね。去年まではスカルを漕いでいて早慶戦のときにスイープの練習の練習をし始めたので、周りの先輩にも教えてもらいながら、わからないことがあったら一緒にビデオ見てもらったりだとか、バック台でやったりとかしていただいたいので、早慶戦は自分のスイープの基礎を築くことができたのかなと思います。さっき格さんも言ったんですけど、先輩に食らいついていくという感じで一生懸命やれて、結果としても大差で勝てたので良かったかなと思います。
――スイープとスカルで感じた違いなどはありますか
鈴木利 (スイープは)体をねじる動作が入るので、そこが一番苦労しましたね。どうやってねじればいいのか、ねじった上でキャッチを狙いにいくのが僕のなかでは難しくて、そこがスカルとは違うなと感じました。
――その後は全日本軽量級選手権(軽量級)や東日本選手権(東日本)がありました
舩越 軽量級はクルー全員が強いってわけではなかったというのもあるんですけど、去年軽量級に出た時のように全日本という名前だけあってレベルの高い大会だなというのは実感しました。で、負けてその後どうにかしないといけないと思ったので、東日本に向けては陸トレでエルゴをしたり、トレーニングクルーという感じが強かったので、自分をインカレに向けてどのように高めていくかと考えながらやってきたかなと思います。
――経験を積めたということなのでしょうか
舩越 経験を積めたというよりは、成長できたかなと思いました。
――他の3選手はいかがですか
川田翔 僕は東日本に出たんですが、そのクルーは教育というか、自分が相方に教えるというのがテーマだと思ったんですけど、教える側に立つと今まで以上にボートのことを考えて、漕ぎを見つめ直すいい機会になったので結果は出なかったですけど、自分の漕ぎを見つめ直せたという意味ではいい期間だったと思います。教える側だと自分もしっかりと理解していないといけないので考え直すいい機会になりました。
高山 僕は両方出場させていただいたんですけど、軽量級も東日本もセカンドと対校のメンバーが混ざったクルーでした。そのときにセカンドと対校の差などを体感しつつ、インカレまで時間のある大会だったので、いつもとは違うレースプランを立ててみたり、普段できない経験を積めて、ある程度成功することができました。なので、そこを土台にしてインカレにつなげられたらなと思います。
――セカンドクルーと対校エイトのクルーではどのような差を感じたのでしょうか
高山 対校の人はパワーのある人が多いので、パワーの使い方であったり、多少使う言葉も違ったので、「そういう言葉の表現方法もあるのだな」というのを知れたのはよかったですね。
――鈴木利選手はいかがですか
鈴木利 軽量級、東日本と両方出場したんですけど、対校の人と乗らせていただいて。東日本のときに対校の藤井さん(拓弥、社3=山梨・吉田)と一緒にペアに乗ったんですけど、レースまでの過程をビデオミーティングしてつめていけて、すごい充実した練習ができたので、対校のやり方とか体の使い方を直に感じられました。一番良かったのは、対校の坂本さん(英皓、スポ3=静岡・浜松北)と海晴(田中、スポ2=愛媛・今治西)のペアがあったんですけど、実際には並べてないんですけどタイムとか練習では勝つことができて、自分も対校に食いついていけるんじゃないかという自信ができたのが東日本でした。早慶戦終わって東日本漕いでそこが一番大きな収穫だったと思います。
「船の感じ方が繊細になってきた」(川田翔)
川田翔は2年連続舵手なしフォアでの出場となる
――今季成長したポイントなどがありましたら教えていただけますか
鈴木利 僕はやっぱりスイープが漕げるようになったことです。去年スカルしか漕いでいなかったので、スイープでも対校のペアの選手に食いついていけるくらいのテクニカルはだんだん身についてきたことはポイントだと思います。
川田翔 前よりも船の感じ方が繊細になってきたかなと思っていて。あとは繊細になってきたのに準じてキャッチが前よりもいいタイミングとか形でできるようになってきたかなと思います。あとは、そこからの船の進め方だったり、どういう風な体の使い方、力の入れ方で動かしていくかが前よりも大分はっきりわかるようになってきたかなと思います。
舩越 スイープを経験するにつれて、川田さんが言ったように船の感じ方が変わったというのはありますし、それに加えて中学、高校、1年生の頃と体重が軽かったので、後ろの方のポジションから声を出すという感じで乗ることが多かったんですけど、東日本の時や今回のクルー含めてストロークになったので、そこから感じる視野とかもまた違うと思うので、違う視点からボートを感じることができたことがよかったかなと思います。
高山 舩越の言ったことと逆になるんですけど、僕は今までストロークとか3番とか前の方に乗る機会が多かったんですけど、最近はバウペアとか後ろの方に乗る回数が増えてきているので、そこらへんは違いが大きくて。後ろからみんなの漕ぎを見つつ声を掛けたり、違いが分かってきたりなどしたことが最近成長したことかなと思います。
――逆に課題としている部分はどこでしょうか
一同 一瞬の沈黙
一同 (笑)。
高山 皆ヤバい、完璧やね(笑)。
鈴木利 僕はコックスのいない艇に乗っているので、僕が掛け声をするんですけど、あまり僕も後ろのポジションに乗ったことがないので、掛け声を上手くできていなかったりだとか、後ろから視野を広く持ってクルーに対して言っていかないといけないんですけど、そこがまだ自分のなかではできていないかなと思いますね。テクニカルの部分はこだわりを持ってやっているつもりなので、コーチとも連携を取ってビデオを見ながら研究しているので、テクニカルよりは視野を広く持ってもっとフィードバックしていけたらなと思います。
川田翔 前回の東日本でストロークで漕いだんですけど、僕はバウサイドなので普段はストロークで乗ることはあまりなくて。どちらかというと、前の人にあわせるポジションが多いんですけど、東日本でストロークを経験したことによって、自分のやりたいようにやってしまうというか、本当は今は前の舩越にあわせて漕がないといけないんですけど、集中力が切れてくると自分の漕ぎたいように漕いでしまうことが課題ですね。少なくともストロークペアはぶれてはいけないと思うので、ちゃんとシンクロできるようにしたいと思います。
高山 自分は前に乗っていて、前に乗っているとリズムがつくりやすかったのでつくっていけばよかったんですが、最近はずっと後ろに乗っています。(前に)合わせてどこがずれているかっていうのを考えて漕がないといけないので、根気強くやらないといけない部分もあるので、自分がやっていると「前いきたいな」って思うときもあるんですけど、その辺り完璧に合わせるのがまだ自信がない部分があります。
舩越 技術的な課題もたくさんあるんですけど、クルーとして高めていくことがもっと大事かなと思います。早慶戦前の選考とか、インカレ前の選考とかのときって結構頑張るんですけど、クルー決まると安心して成長が止まっちゃう部分があるので、常に成長の時のような緊張感を全員でもって、インカレの決勝を意識した練習をできれば、さらに成長できるんじゃないかなと思います。
――新入生が入部してしばらく経ちましたが、心境の変化などはありますか
川田翔 今までは先輩のほうが多かったんですけど、今は後輩のほうが多いので、自分としてはここまで来てしまったのかという感じですね。自分が下級生の時って先輩たちに対して色々思うことがあると思うんですけど、自分は特にそういうのを感じていたので、今は自分が後輩から見られる立場になったことともあってそういうところは気を遣うというか、示しがつかないということにならないようにしないといけないなと思います。あとは、シンプルに過ごしやすくなりました(笑)。雑用のような仕事も減ってきますし、上に気を遣う回数も減るので、暮らしやすくなっていたかなと思います。
鈴木利 僕は新入生が入ってきてもあまり変わっていなくて。あまりよくないかもしれないんですけど、自分が上手くなりたい、俺が勝ちたい、俺が上のクルーに行きたいって感じで自分のことばかりになってしまっていて。なので、下まで意識するというよりかは、自分が自分がという意識が強いので、その中で格さんの代わりに1年生が乗っていたときがあったんですけど、そのときは4時半起きの時でもさらに早く起きて、出艇前にエルゴやったり、バック台やったりしたので、そういうときにもっと1年生と関わっていかないといけないかなと思いました。なので、最近は自分が上手くなりつつ、後輩の面倒も見ていかないといけないなという意識は芽生えてきたので、多少先輩になろうとしているところです(笑)
舩越 同じような感じなんですけど、『ONE WASEDA』を目標とした早大の漕ぎとしては未経験なので、4年生なったときには確実にその後輩と乗る機会が増えていくと思うので、今のうちにしっかり伝授して4年生になったときに一緒に勝てるようにしないといけないなという意識は強くあります。
高山 過ごしやすくなったなというのは思うところなんですけど(笑)、その分自分の悪いところとかも出やすいと思うので、自分を出しすぎないというか、後輩が見ていても恥ずかしくないことをしないといけないなとは思っていますね。あまりはしゃぎすぎないで、心を引き締めていかないといけないなとは思っています。
チャラいのも向上心の表れ!?
人一倍ストイックな鈴木利。部員からは「チャラい」の一言だった
――お互いの印象などがあれば教えて頂けますか
舩越 誰からいく?
高山 舩越から集中攻撃する?(笑)
川田翔 あぁ、そういうことか。マイペースですね、舩越は。独特な自分の世界観があって。僕は結構面白いなと思っているんですけど、別の言い方をすると変な奴だなという印象ですね。究極のマイペースです。
高山 初めて会うタイプ。頭は良いはずなんやけどな・・・。
舩越 遅い方のマイペースなの、早い方のマイペースなの?
川田翔 いや、マイペースって我が道を行くみたいな感じだから・・・。
高山 それは何人たりとも。
川田翔 邪魔できない。そういう感じ。出艇前にアンパンマンマーチ歌ったりな(笑)。
舩越 さすがに船のなかでは違いますよ(笑)。
川田翔 船の中でそうだったら怒る(笑)。
――続いて川田翔選手の印象はいかがでしょうか
川田翔 そうですね・・・(笑)。
――それだと自己紹介になってしまいます(笑)
舩越 最初はもっと怖い先輩かなと思っていたんですけど、意外と僕のダル絡みに付き合ってくれて。
高山 後輩がダル絡みってなめてるだろ(笑)。
鈴木利 舩越、すぐ川田翔さんにダル絡みするやん。
舩越 いい先輩です。
川田翔 変なLINEが来たりするんです(笑)。変な画像が送られてきて。それを「面白くない」とか言って評価してます。そんな感じです。
――ちゃんと返信は返すんですね
川田翔 そこは自分でも偉いと思っています。
舩越 こういうの送ってどう思いますか、って聞いてるんです(画像を見せる)。
高山 意味わかんない、本当に(笑)。
川田翔 何の前触れもなく送ってくるの。
舩越 面白いことがあったら誰かに共有したいなと思って。
鈴木利 いつの間にか舩越紹介になってる(笑)。
高山 舩越がどんどん変な人になってる(笑)。
舩越 優しい人だなぁと(笑)。
高山 前は金髪だったからこいつ何なんだと思っていましたけど。
川田翔 高校生の時から知り合いなんですけど、金髪だし頭いいし、絶対負けないと思っていたんですけど、勝手に思っていたイメージとは違って普通にいいやつだし。でも、時々ネガティブだよね。ネガティブというか、暗いときがある。でも、一緒に意味わかんないことにも付き合ってくれるし、それが楽しいです。
――結局はそこへ落ち着くのですね(笑)
一同 (笑)。
川田翔 らしいですね~(笑)。
――続いて高山選手の印象を教えてください
川田翔 お気づきかもしれないんですけど、カッコいいんですよ(笑)。
高山 それは違うじゃん(笑)。
川田翔 印象だから。第一印象はこう。この感じで横浜出身みたいな。
――過去の対談では「さりげない無自覚なイケメン」という印象も書かれていました
高山 それ修平さん(佐藤修平、平30文卒=秋田)じゃない?(笑)
鈴木利 最近は自覚あるイケメンになってきました(笑)。
一同 (笑)。
川田翔 イケメンって言われすぎてね。
鈴木利 イケメンって言われすぎて自覚が芽生えてきてる(笑)。最近イケメンって言われても「あぁ、わかったわかった」みたいな感じなんで(笑)。
川田翔 僕としてはタイプは違うんですけど、マイペースかなと思っていて。
鈴木利 ちょっと世界観持ってますよね。
川田翔 二人ともそうなんですけど、自分の芯みたいなものは感じますね。それがたまに暴走するときがあるんですけど(笑)。結構過激な思考回路なんですよね。極端というか。例えば、「人間が全員いなくなれば不幸な人いなくなるから、幸せじゃね?」とか、そういうサイコパス的なところはあるんですけど、独特の世界観をぶらさないところは感じますね。
舩越 僕は、変な世界観を持っているとは聞きますけど、僕はあまり直接は聞いたことないですね。
川田翔 あとは、優しいですね。本人は優しさとか気遣いのつもりなんですけど、それがイケメンだから何だよってなる・・・(笑)。
高山 何だよって何だよ(笑)。
川田翔 それが無自覚なイケメンにつながってるんです。
鈴木利 「これ誰もやらないから俺やっておけばよくね」みたいな感じで。
高山 自分がマイペースなのはあるんですけど。
川田翔 相手の考えていることとかも考えながら動いてくれるんですけどね。
――最後に鈴木利選手の印象をお願いします
一同 チャラい(笑)。
高山 別にそんなチャラくないけど、なんかチャラい。
川田翔 Tシャツも今一人だけ袖まくってますし(笑)。
鈴木利 もうほら。今日着る予定だったタンクトップ無くなっちゃったんで。
高山 しっかりしているんだけどなんかチャラいんだよね(笑)。
鈴木利 チャラいしか言われてない(笑)。イケメンになれなかったからのチャラい(笑)。隣に本物(高山選手)がいると、かすんでしまってしょうがない(笑)。
川田翔 さっき自分でも「自分が上手くなりたい」ということは言ってましたけど、そういうガッツみたいなものは一番感じるかなと思いますね。向上心は。
高山 そういうのがあるから頼りにもなるし、先輩を脅かしてくれると思うので、頑張って頑張って、って感じですね。安心しすぎると自分の立場も危なくなっちゃうと思うので、安心もできるし、危ないとも思わせてくれます。
川田翔 たまに上にいきたいという気持ちが暴走しかけるときがあるので、そういう意味でも脅かされるところがありますね。
――ここまでの印象を要約すると向上心があってチャラいという印象になってしまいますが・・・(笑)
鈴木利 向上心があってチャラい(笑)。
高山 チャラいのも向上心の表れだ(笑)。
川田翔 カッコよくなりたいという気持ちの結果ね。
――最近ハマっているものはありますか
一同 (笑)。
高山 ここ(高山選手、川田翔選手)は一緒のゲームやってます
川田翔 Fortniteっていう世界的には流行っているゲームなんですけど、高山とかの同期とかとチャットしながら一緒にやるっていうのが、暇さえあればやってることですね。
舩越 僕はツムツムやってて(笑)。
鈴木利 ずっとやってるもん。
舩越 まだ15人ぐらいやっていて。この部活にも5、6人やっている人がいるので、楽しんでいます。それまではそんなになかったんですけどね。
川田翔 Fortniteとツムツム(笑)。
高山 まともじゃねぇ(笑)。
鈴木利 僕はゲームとかも全然ハマらなくて、何かをしているわけでもなく。寝て、起きて、ボートするくらいしかしてないですね。
川田翔 じゃあ、ハマってるのはボートかな?
鈴木利 ハマってるのはボートですね。あとは、チャラく自分磨きですね(笑)。
一同 (笑)。
――自分磨きでされていることはありますか
鈴木利 自分の健康に気を遣って、ちゃんと昼寝をして体のメンテナンスをするとかですね(笑)。僕、趣味らしい趣味が何一つなくて。何もしてないです。
――昨年の対談では、結構外に出かけていらっしゃるという話も聞きました
鈴木利 出かけてはいるんですけど、落ち着きましたね。インドアではないんですけど、前みたいに「渋谷にスイーツを食べに行きたい」とかよりは、落ち着いたことしていますね。
——もし部内の誰か別の人に入れ替われるとしたら誰になりたいですか
一同 えぇ~!?
鈴木利 僕はもう決まってるんです(笑)。本当のイケメン(高山)になりたいですね。
川田翔 大生さん(伊藤大生主将、スポ4=埼玉・南稜)かな、やっぱり。
高山 大生さんの体でエルゴ(エルゴメーター)1回引いてみたいよね。
川田翔 やっぱり主将の大生さんの体・・・。日本代表にもなっているので、その体でボート漕いでみたいなっていうのはありますかね。でも僕、中身までは入れ替わらなくていいかな(笑)。
舩越 う〜ん、どうしよう。
高山 お前、絶対いないだろ(笑)。
舩越 ジンさん(徐銘辰、政経3=カナダ・St.Andrew‘s highschool)とか。
高山 ジンの体、重そうじゃん。
舩越 でも自由に生きてるじゃないですか。かつ、日本語と英語と韓国語を喋れるところが。
高山 ジンの頭使ったら大体解決できそうだよね。頭良いし。
舩越 コックスも楽しそうだし。でもあと利駆も割と良いと思うな。
鈴木利 俺!?
舩越 色んな所に遊びに行けるじゃん。
鈴木利 それは(舩越が)いつも部屋に引きこもってツムツムしてるから。
高山 ツムツムしてないで外歩けよ。
川田翔 ツムツムって移動中にやるやつじゃん。
舩越 違いますよ。ちゃんとした台で両手でやるんですよ。
鈴木利 ちゃんとした台じゃなくてそれ俺のアイロン台だから(笑)。
舩越 アイロン台が1番(良い)。
鈴木利 俺のアイロン台でやってる。
舩越 寝転びながらやってるとスコア出ない。
鈴木利 こだわりが強い(笑)。
高山 俺は誰だろう・・めちゃくちゃ身長高い人とかになりたい。
川田翔 飯島(温人、基理1=東京・早大学院)?
高山 飯島違うだろ(笑)。
鈴木 格さん(高山)は自分は自分のままでっていう。
高山 誰だろう、195センチくらいの人にはなりたい。
高山 部内でしょ、良知さん(石田、平30スポ卒=滋賀・彦根東)の体とか入りたい。いまいないですけど、OBの。でもそれでも質問に答えてないんだよな。何だろう・・・尾崎さん(光、スポ4=愛媛・今治西)の体に入って技術を盗んで帰ってくるっていうのはアリ。
川田翔 確かに尾崎さんがどういう感覚で漕いでいるのかは気になる。
「悔しい思いをずっとしている大会だなという印象」(高山)
3年目のインカレとなる高山。3度目の正直となるか
——これまで練習を重ねてきてクルーとしての状態はいかがですか
川田翔 色々な諸事情であんまり4人で一緒に乗って練習出来た期間が無くて、まだ乗り始めみたいな感じなんですけど、みんな感覚として良いものは持っていると思うので、そこは4人ですり合わせられたら大分良くなってくるかなと思います。まだまだ伸び代はあるかな、と。
鈴木利 まだ本当にクルーが発足した段階なので、これからどんどんすり合わせて、まだどんな状態に持っていきたいのかっていうのもあんまり定まっていない状態なのでそれをもっと明確にして、そこに(向けて)みんなですり合わせていく段階だと思います。
——それぞれのポジションについて考えていることを教えてください
舩越 (ストロークは)リズムを作る人なのでリズム良く漕ぐことを常に意識してます。まだ4人が一つで動かしている気がしないので合わせていけたら良いなと思います。
川田翔 自分はさっきも話したと思うんですけど、連携って二人で自分は合わせつつもリズムを作りながらやっていかなきゃいけないっていう若干難しい所ではあるんですけど、自分の当てられた仕事としてしっかりやっていけたら良いかなっていう風に思います。
高山 僕は後ろの方に乗っているので、周りを見つつ、利駆(鈴木)だけが声出していると大変なので自分もサポートして、一応ミドルペアでもあるので、フォアって漕ぐ仕事が多いのでそこでしっかりペアを支えるんですけど、ミドルペアとしても出力で支えつつ船を進めていかなきゃいけないので、しっかり全体を支えられるようにしていかないといけないと思います。
鈴木利 僕は一番後ろなんですけど、全部が見えているのでそこをしっかり今の船の状態を全員にフィードバックするっていうのが一番大事だと思っています。でも最近は結構フィードバックの仕方みたいなのが、まだ自分で上手くクルーに出来ていないなと思っていて、段々上手く出来てないと僕はちょっと強く言ってしまったりして、あの時あんな言い方しなきゃ良かったなってたまに部屋帰って反省したりするので、もっと上手く全員に良い言い方で伝えたいっていうのが今一番やっていきたいと思ってます。
——今練習で重点を置いていることを教えてください
川田翔 今はあんまりバランスが良くない状態なので、良いバランスを作るためにしっかりフィニッシュからセットの流れを全員で揃えて、他の技術的な部分を意識しやすいような環境を作ろうとしてますね。
鈴木利 そこはミーティングでクルーで統一してます。
——合宿ではどのようなことを重点的に練習したいと考えていますか
川田翔 まだちゃんと全員で話し合ってはいないんですけど、自分としては合宿までにはバランスの面はクリアしておきたくて、そこからひと月くらいしか時間がないので良いスピードを出せるようにキャッチの方に重点を置いて、良いスピードを維持できるように合宿で完成度を上げて、余裕を持ってインカレに望みたいなと思います。ギリギリでここら辺が出来てきたねってなるのではなくて、合宿のうちにいつでもレース出来るくらいにしておきたいかなって感じです。
高山 しっかりベースを作って、そこからより高いレートだったり低速だったりっていう技術を高めていかないといけないので、そのベースをしっかり自信に繋がるように合宿でハッキリさせてレースに望めれば良いのかなと思います。
舩越 合宿ではコーチに直接船で伴走してもらってコーチングを受けるっていうことが結構できると思うので、そこで自分らの漕いでいる感覚と外から見た感じを完全に合わせてさらに高めていけたらな、と合宿では期待してます。
鈴木利 合宿でやっぱりハイレートになってきても4人がしっかり揃った動きが出来るように、低レートで作り上げたものがハイレートでいかに出せるかっていうところを合宿では詰めていけたらなと思うので、まず合宿までの練習で低レートをしっかり作っていきたいと思います。
——このクルーの強みを教えてください
川田翔 自分が思ってるのは、ある意味強みでも弱みでもあると思うんですけど、最高学年の4年生がいないのでみんなで意見を出し合うのが比較的しやすいかなと思います。多分最高学年が1人いると、その人について行くっていう風になって、それはそれで僕は全然良いと思うんですけど、2年3年で2人ずつっていう状態なので4人での連携とか信頼とかそういう部分は取っていきやすいのかなとは思ってます。
高山 本当にその感じで、まとまりやすいのかなと。そこでしっかり意見出しつつ常にまとまっていけるっていうのが一番良いところだと思います。
鈴木利 一緒で、4年生がいないので3年生に対してガンガン下級生も(意見を)言えるので、そこで上手くまとまれれば、逆にまとめる人がいないので一つになれないと弱みになってしまうけど、4人の結束感をもっと出していければ強みになるんじゃないかと思います。
舩越 早慶戦でも同じクルーで乗っていたので、こういう感じだよっていうのを割と共有しやすい。思い出して出来るのが強みかなと思うのと、あとは言ってくれたように4年生がいないので仲良い感じで思ったことも言いやすいのかなと思います。
川田翔 ボートの漕ぎ的な話ですよね?それで言ったら、(舵手)無しフォアは軽くて低速が速い船なんですけど、みんなそれの進め方がちゃんとイメージがあるというか、(舵手)無し艇向きの漕ぎが出来る人だと思うので、(舵手)付き艇と(舵手)無し艇で漕ぎ方って変わってくるんですけど、(舵手)無し艇の漕ぎが全員結構出来るタイプだと思うので、それは強みかなと思います。
——意見の出し合いは皆さんで頻繁にやられるんですか
川田翔 そうですね、練習のちょっとした休憩の時とかなるべく誰かしら喋って、意見を出し合うようにはしてます。
——インカレに対する印象はいかがですか
舩越 インカレはインターハイみたいにすごい人ばっかりが出るわけではなくて大学生ばっかりですし、全日本優勝みたいに遠いところではないので、手が届くところで目標が立てやすいかなと思います。でも一番上は同じ大学生なのにこんなに違うのかと痛感するところもあるので、刺激を受けつつ自分も頑張りつつって感じかな。
川田翔 ちょっと舩越と被るところあるんですけど、インカレはインターハイみたいに地方予選勝ち上がってみたいなのが無いので色んなレベルの人が出てくるんですけど、自分は高校時代に華々しい成績を出した訳ではないのである意味リベンジとかはしやすいって言ったらあれですけど、そういうチャンスがある大会なのかなと思います。去年も同じ種目で出ていて、決勝までは行けたんですけどメダル獲れてないので今年はメダル獲りたいなと思ってます。
高山 自分はインカレになると最終日にはいるけど(メダルは獲れてない)っていう戦いしか今まで出来てないので、決勝の中の最下位で4位で表彰式に出られなかったりとか、順位決定戦で最終日にレースはしているけどあくまで順位決定だったりとか、そういう悔しい思いをずっとしている大会だなという印象です。
鈴木利 やっぱりインカレはさっきから言っているように社会人も出てこないので、僕らの部の目標として大きなウエイトを置いてる大会だと思うので、勝たなくちゃいけない大会なのかなっていう風に僕は思ってます。
——意識している他校はありますか
川田翔 決勝とかに絶対絡んでくるだろうなっていうところ、明大とか中大とか日大とか専大とかそこら辺より速かったらメダルは結構堅いかなって感じなので。自分が一番意識しているのは明大なんですけど、よく見かけるので。
鈴木利 明大は同級生とか知り合いも乗っているので負けたくないなっていう。
——インカレでの目標を教えてください
川田翔 部としてはエイトが優勝で、それ以外の全種目が最終日まで残ってその中で一つ以上メダルです。自分たちはそれ以外になってしまうので、メダルを4人とも意識していると思うんですけど、メダルを獲って表彰式出たいなっていうのがクルーとしての目標です。
——それぞれの個人としての目標を教えてください
高山 メダルは前提として、今まで自分が予選で強いところと当たるっていうのがなかったのでそこでタイムがあんまり伸ばせずに準決勝とかでの当たりが良くないっていうのが結構あるので、予選がどういう当たりでも自分たちクルーとしての実力っていうのをしっかり出して、予選の時点で良い位置につけることが出来るレースをしていかないといけないと思ってます。
鈴木利 僕が考えてたのは、結局僕は(舵手)無しフォアでエイトには乗れなかったメンバーなんですけど、僕たちもしっかり戦えるっていうのをちゃんと証明できるようなレースがしたい。今後、来年4年生が抜けても僕たちがしっかり部の主力になって戦っていけるっていうのを示せる大会にできたらなと思っています。
舩越 利駆(鈴木)と同じような感じで、メダル獲りたいなっていうのは個人としてあるんですけど、それ以上にやっぱり(舵手)無しフォア凄いなとみんなに思ってもらえたら嬉しいので、今後にしっかり繋がるような漕ぎができたらなと思います。
川田翔 自分は同じ種目で2年連続で、去年は4位でっていうのが自分の中ではあるので、やっぱりどうしてもメダルを獲って写真撮りたいなっていう感じですかね。去年はインカレの後の全日本新人とかでも4位で勝ち切れない感じが多かったので、しっかり勝ち切ってメダル獲れたらいいかなと思います。そうしたら自ずと、今後に繋がってくると思うのでまずはそこの結果を取りに行きたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 新開滉倫、松下端季)
今後主力を担う世代のクルー、どんな活躍を見せてくれるのか期待がかかります
◆鈴木利駆(すずき・りく)(※写真左)
1998年(平10)7月30日生まれ。179センチ、70キロ。静岡・浜松西高出身。スポーツ科学部2年。ポジションは男子舵手なしフォアのバウ。常に上手くなりたい、と向上心の強い鈴木利選手。しかし、一方で朝練の後、二度寝してしまって学校の授業に遅刻してしまうこともあるという一面も。ストイックなアスリートも睡魔には勝てないこともあるようです。
◆舩越湧太郎(ふなこし・ゆうたろう)(※写真中央左)1999年(平11)1月9日生まれ。174センチ、61キロ。滋賀・膳所高出身。社会科学部2年。ポジションは舵手なしフォアのストローク。今回の対談でこのクルーの盛り上げ役をお伺いしたところ、最初に名前が挙がった舩越選手。ストロークとして安定した漕ぎでクルーを引っ張ってほしいですね!
◆川田翔悟(かわだ・しょうご)(※写真中央右)
1997年(平9)8月6日生まれ。173センチ、72キロ。東京・早大学院高出身。基幹理工学部3年。ポジションは舵手なしフォアの2番。今回の対談では心の広さを物語るエピソードが聞かれた川田翔選手。その優しさでこのクルーをけん引してくれるはずです!
◆高山格(たかやま・いたる)(※写真左)
1997年(平9)8月28日生まれ。180センチ、71キロ。神奈川・横浜商高出身。スポーツ科学部3年。ポジションは舵手なしフォアの3番。過去のインカレではメダルに届かず、悔しさが残っている高山選手。今回はその雪辱を果たすべく、メダル獲得へ向けた強い想いを感じることができました。