早慶レガッタ28連覇。輝かしい記録を誇る女子部だが、昨年のレースは慶大のミスに助けられた辛勝となった。気持ちを新たに臨むことしの女子部を率いるのは、昨年U23日本代表に選出された実力者・米川志保女子主将(スポ4=愛知・旭丘)。そして主将を支え、水陸共にチームをまとめる澤田夏実チーフコックス(スポ4=東京・小松川)。女子部を引っ張るお二人に、早慶戦への意気込みを伺った。
※この取材は3月8日に行われたものです。
「ことしは完全にもう挑戦という気持ちで臨みたい」(澤田)
女子部唯一のコックスである澤田
――最近はどのような練習をされていますか
米川 最近はエイトの練習をもう始めていてしばらく乗っていたんですけど、私が日本代表の選考の方に出て合宿に出ているので、私はまたシングルで練習して代漕に乗ってもらってエイトを組んでいるという感じです。
――選考はどのように行われましたか
澤田 今までタイムトライアルとかでずっと(選考を)してきて、乗れるか乗れないかの境界線の人たちでフォアに乗ってもらって並べて選考したという感じですね。
――現在のクルーの雰囲気はいかがですか
澤田 結構いいと思います。新2年生が多く乗っていて若いクルーだと思うんですけど、学年関係なく声を出していこうという雰囲気づくりを上級生は頑張ろうとしていて、それにしっかり下級生も応えてくれている感じがあって。雰囲気がいいともちろん艇速も伸びるので、いい感じかなと思います。
米川 私もやっぱり新2年生が(シートの)後ろ4人で固まってしまっていて前が上級生なので、新2年生が何も言えない雰囲気になるのは嫌だなと前から思っていて、私はちょうど真ん中5番という位置に乗っているので、私から声を出して後ろの4人新2年生にもしっかり声を出していく雰囲気を伝えてみんなで盛り上げていこうかなというふうに思っています。でも新2年生も声出していってくれているので、そういうコールにはしっかり応えようかなと思っています。
――早慶レガッタには独特の雰囲気があると思いますがどう感じていますか
米川 私は去年は日本代表の方の活動をしていて早慶戦出られなくてというのがあって、ことしもちょっとそういうふうになるのではないかという恐れはあったんですけど、去年やっぱり完全優勝した姿を見ていて私も出たいなという風に思ったり、ことしは最後の年ですしワセダに入ったからには早慶レガッタで勝ちたいというのはすごくあったので、なんとしても出たいというふうに監督や日本代表のコーチとも話して、出られるとなって。やっぱりいろいろ他にもやらなければならないことがあって大変なんですけど、やっぱり早慶レガッタは出たいし勝ちたいなと思っています。
澤田 早慶戦は本当に毎年あの隅田川という特殊な環境というのもあって、何が起こるかわからないというのが毎年色んな人に言われてきたんですけど、例えばおととしだったらリガーが折れてしまったりだとかというのもあって、観客もすごくたくさんいますし特別な大会だと思います。あと女子にとっては1000メートルというすごく短いレースで、この前コーチとかとも話したんですけど1000メートルのレースって難しいなというのを去年実際に慶大に(前に)出られてしまってより感じたので、去年最終的には勝てたんですけど、早慶レガッタが一番最初の重要な大会になってくるので、ことしは完全にもう挑戦という気持ちで臨みたい大会かなと思います。
――澤田選手は昨年も女子エイトのコックスとして出場されていましたが
澤田 初めてだったということもあって、先輩たちに頼ってしまった部分が個人的には大きかったなと思っていて。実際に去年のレースはスタートがあまりうまくいかなくてその後に全員が焦ってしまったんですけど、あまりみんなをまとめられるコールができなかったなという反省が残っています。その後全日本選手権(全日本)とかでもこの悔しい思いをもってエイトに乗らせてもらって確実にエイトでの乗艇は積み重ねてきているので、ことしはそこには自信をもって米川たちと引っ張っていくんだという気持ちで臨みたいと思います。
――米川選手は昨年は日本代表の方を優先するということで早慶戦は出場されませんでしたが、レースをご覧になっていかがでしたか
米川 後半の方で見ていたんですけど、来た時に(慶大に前に)出られていて、正直本当にひやひやして、「え、うそでしょ」と最初はなりました(笑)。でもまあ結果的にどんなかたちであれ勝ってくれたのでほっとはしました。
――9年ぶりの完全優勝を実際に目にしてどう思われましたか
米川 やっぱり早慶戦って違うなと思いました。ただ女子は毎年慶大に勝っていて、男子は対校が勝ってもセカンドが、とかセカンドが勝っても対校が、とかすっきり完全優勝とはなかなかいかなくて。私も2年前早慶戦に出ていて、女子は勝っていてそれは嬉しかったんですけど、やっぱり全員が勝たないと嬉しさが違うなと思いました。去年は出られなかったんですけど全クルーが勝っている雰囲気を見て、やっぱり自分もこの場にいたかったなと思いましたし、全員で勝つことで喜び倍増というか、完全優勝することに意味はあるのかなというふうに思います。
――各クルーが勝つのと完全優勝とはやっぱり違うということですか
米川 各クルーが勝つことはそのクルーにとって嬉しいことではあるし部にとっても嬉しいことなんですけど、やっぱり女子が勝っても男子が勝ってくれなきゃ嬉しくないみたいなのはあって。特に対校が勝ってくれたら嬉しいですし。もうだって対校のレースのときだけ違うもんね。
澤田 観客数も全然違うし。
米川 雰囲気が違うからね。
――澤田選手はいかがでしたか
澤田 私たちのレースとセカンドのレースが終わって最後対校が勝って帰ってきた時、ゴールした瞬間は本当に泣いてしまって。私たちの代は対校エイトの失格と沈没と本当に色んな最悪の事態を見てきている感じだったので、何もなく勝ったということが本当に嬉しくて。さっきよね(米川)も言ったんですけど完全優勝って違うなということをそこで思ったのと、あとは本当に何はともあれ対校が勝った時に「あぁ勝ってよかったな」と本当に思って…(笑)。自分のレースをしている時に実際に出られているときも負ける怖さというのは不思議となくて、「絶対追いつく」という感じで自分自身を信じてレースをしていたんですけど、対校エイトが勝った瞬間に負けたときのことを考えてしまって、そのとき初めて負けることの怖さを対校が勝ったことによって実感した感じがあったので。まあでも勝ってくれたおかげでいい体験ができたなと思います(笑)。
――早慶レガッタの完全優勝から始まった昨シーズンを振り返っていかがでしたか
米川 女子部全体としては、やっぱり今までが結構輝かしかっただけに、少し寂しい結果にはなってしまったかなとは思うんですけど、もうその負けのことを振り返っては前に進めないと思うので。でも全員がこの悔しい思いをして逆にいい刺激になったのかなと思うので、昨シーズンはあまり勝ちがない結果にはなってしまったんですけど、ことしにつながるいいシーズンではあったのかなと思います。
澤田 米川と一緒なんですけど、もちろん自分たちの目標のために勝つためにやってきたのでそれが達成できなかったことは本当にくやしい結果だったんですけど、早慶戦で出られてしまったこともそうなんですけど、その悔しい思いをした分今度また挑戦するという気持ちに切り替えられているので、ピンチはチャンスじゃないですけどこのいい刺激をしっかり次のシーズンにつなげていきたいなと思いますね。実際優勝はなかったもののそのときの1年生が結構入賞してくれているので、そこは後輩たちをもっと成長させていきたいなと思います。
――ご自身に関しては
米川 去年は個人的にはU23の世界選手権というのが大きくて。いい経験で済ませたらだめなんですけど本当にいい経験ができたし、個人的には本当に成長したなと思う一年で、いい意味で自信を持つことができたなというふうに思っています。今までは選考のレースとかで失敗してきたりして、なかなかすっきりしない結果が多かったんですけど、去年もケガとかは少しあったんですけどでも結果として世界に行って世界でも戦えるんだということをわかって、でももっと強くならなければいけないなと思いました。自信もついたし、これからの自分に期待ができるシーズンになったかなと思いますね。
――成長というのはメンタルとしてですか、それともスキルとしてですか
米川 両方ですね。合宿とかで速い人たちと練習することが多くて、そういう人たちの練習に取り組む姿勢であったりとかそもそものスキルであったりというものをすごく間近で見られたのは、自分も成長できたのではないかなと思います。
――澤田選手はいかがでしたか
澤田 私はレースに全部出たのが昨シーズンが初めてで、1、2年の頃はずっとサポートというかたちだったので、1、2年の間に自分が出たときのためのことはしてきたという自信はあったんですけど、実際出てみると違うことも多いなということに気づけたかなと思いますね。私自身まだ一番というのになっていないので、そこの準優勝と優勝の差という厳しさもすごく実感しましたし、自分に足りないことを去年初めてレースに出させてもらって感じることができたので、去年気づいたということでその時の先輩方には申し訳ないんですけど、去年気づけたことをことしは全部出そうと思っています。去年は一番成長の幅が大きかったシーズンかなと思います。
――四年間共に過ごされてきてお互いの印象はいかがですか
澤田 悪口言わないでね(笑)。
一同 (笑)。
米川 いい人なんですけど…(笑)。
澤田 説得力がない(笑)。
米川 本当に誰よりもボートが好きだなって思いますこの人は。本当にボートに自分の人生かけてるなって。
澤田 そんなことないよ(笑)。
米川 ボートも好きだし、みんなのことを考えてくれているなとすごく思います。
澤田 ありがとうございます(笑)。
米川 今も、自分が主将で(澤田が)チーフコックスで女子の中では引っ張っていかなくてはいけない二人なんですけど、私が(日本代表の)合宿でいなかったりするときに頼りになって…(笑)。
澤田 本当に思ってる?(笑)
米川 思ってる思ってる。
澤田 ありがとうございます。
――澤田選手から見て米川選手はいかがですか
澤田 ボートにかかわっているときとプライベートが本当に全然違くて、プライベートは「あはは」って感じでなんかこういうキャラクターみたいな…米川ランドの米川みたいな(笑)。そんな感じなんですけど、でもボートに乗るとスイッチが180度変わって、さっきトップ選手たちと触れ合って成長してきたという話もしてたんですけど、やっぱりトップ選手なんだなという貫禄があるというか。ボートに関する言葉にすごく説得力があって頼りに…して…ます(笑)。頼りにしてるし、プライベートでも結構遊びに行ったりご飯食べに行ったりしてるし、公私共に仲が良い関係かなと思います。
――プライベートも仲が良いということですがオフはどう過ごされていますか
澤田 最近のオフは…私は就活が(笑)。
米川 いや赤からって言おうよ(笑)。
澤田 そうだそうだ。他のメンバーもいるんですけど、二人とも辛いものが好きで、よねとはよく赤からに行って、この前は赤からで10段階中9番目の9辛にいって「次は10だね」って言って。食べてばっかりですね、よねと遊びに行ったときは。
米川 ご飯は大事だよ。
澤田 よねの家に行ってなんか作って食べたりとか、お酒飲んだりとか。最近はちょっとできていないんですけど。まあでも就職活動とか選考とか終わったらまたしたいなと思います。
「どこまででも突き放して圧倒的勝利がしたい」(米川)
先日U23日本代表に選出され、名実共に部を率いる米川
――では競技の話に戻させていただきます。米川選手はことし女子主将を任されてどのように感じていますか
米川 人数も増えてきて、引っ張っていくことが大変だなというふうには感じていて、自分は「これやるよ、あれやるよ」と引っ張っていくというより自分がやる姿を見せてその姿を見てみんなについてきてほしいという感じなので、それが果たしてできているかどうかはまだこれからというところなんですけど。でも難しいなとは思うんですけど、こうやって引っ張っていって勝てたときの喜びというのは人一倍大きいのではないかなと思っています。今自分は主将という立場ですけど、なつ(澤田)も含めて4年生全員に支えられているなと感じているので、そういう役割はありますけど4年生全員で引っ張っていけたらなと思っています。
――ことしは副将はいらっしゃらないそうですが、チームの運営に関してはいかがですか
米川 男子に副将がいて、副将としての仕事はそこで回ってはいるので。正直女子(の4年生)であと青木(華弥、教4=東京・本所)と北村(綾香、スポ4=滋賀・膳所)のどちらが副将をやってもやれるリーダーシップというのはあって、だからあえて副将を作らなかったというのもあるんですけど、ポジション的にそういう役割が明確になっていなくてもみんなしっかり引っ張っていけるというのがあったので大丈夫です。
――米川選手は先日2000メートルタイムトライアルでご自身の持っていたアジア新記録を更新されていましたね
米川 正直自分で言うのもなんですけど、日本にこの人がライバルという人がいなくて、かと言って自分の記録が限界というふうには決めてはいないので、自分との戦いになるんですけど、世界にはもっと速い人がいて、そういう人やタイムにも目を向けてやっていかなければいけないねというのはずっと思っているので、ベストを更新したということは嬉しいんですけど、そんなにすごいことだとは正直思っていないです。
――部の中の反応はいかがでしたか
澤田 いやもう大盛り上がりで(笑)。エルゴのベストって本当にこの人はポンポン出すんですけど、そんなに簡単なことではなくて。コックスってエルゴの記録の管理とかもやるんですけど、1年生の頃から頑張っていてもほとんどベストが出せない人ももちろんいて、その中でもよねが何回も自己ベストを出しているのは頑張り度というか向上心がやっぱり違うのかなというくらいすごいなと思います。あんまり触れると怒るんですよね(笑)。
米川 怒らないよ(笑)。
――米川選手はご自身の漕ぎの強みはどこにあるとお考えですか
米川 今までは「自分はパワーがあります」とか言ってきたんですけど、最近は出した力をずっとキープできるようになってきたなというふうに思っていて。昔は疲れてきたり、少しコンディションが悪いと力が抜けてどんどん下がっていってしまったりしていたんですけど、最近はコンディションとか自分の疲れているという状況であってもずっと同じペースで漕ぎ続けることはできるようになってきたのかなというふうに思って、最近はそこが自分の強みかなと思っています。
――澤田選手はチーフコックスとしてのお仕事はどのような内容ですか
澤田 あまり普通のコックスのときと変わっていないんですけど、普通のコックスの仕事というのが乗艇したり、艇の整備をしたり、一人一人の漕ぎを見たりということなんですけど、艇の整備だったりとかを今後輩がコックス4人いるので、整備の計画とか買わなくてはいけないものを指示するというのがチーフコックスの仕事ですね。さっきも話に出たんですけど、ことし女子部に副将がいないということでよねが合宿に行ったときは代理として女子部をまとめたり、普段のときでも二人で相談したりしてやっていくという感じですかね。なのでまあ副将ではないんですけど、去年の副将がやっていたことを少しかじっているという感じはあるかもしれないです。
――澤田選手は昨年も出場されていましたが、昨年との違いは感じていらっしゃいますか
澤田 やっぱり去年も自分が引っ張らなくてはという気持ちはあったもののやっぱり先輩がいたので、結局ついていくという感じになってしまったという反省があるので、ことしは先輩たちがいないので自分からどんどん引っ張っていこうという違いはあります。あとクルー全員が同期と後輩なので、コックスとしてそこは上級生と下級生のギャップを埋められるようにより一層コミュニケーションを大事にしていこうという感じですかね。
――クルーの中でのご自身の役割は何だとお考えですか
米川 私は5番というちょうど真ん中のポジションで、もちろんポジションとしての役割はエンジンとなって艇を進めるというところなんですけど、真ん中にいて後ろからの反応も前からの反応もわかるかなと思うのでしっかり声を出して雰囲気づくりをしていくというのもやっていけたらなと思っています。
澤田 コックスなので、全員をまとめるというところが一番重要だと思うんですけど、水上でまとめるということは私が率先してやらなくても米川とか、青木、北村とかが結構声出してやってくれるので、私は陸上とかでみんなが何考えているのかをしっかり見て、漕ぎだけではなく意識をまとめていくことが重要な役割かなと思います。
――今のクルーの強みはどこですか
澤田 …成長率。うーん難しいんですけど、若い子たちが結構乗っているので、毎回毎回の練習でかなり良くなっているというのがあって。現段階で結構スピードも出てきてはいるんですけど、まだできるなという限界のない感じが逆に怖いというか。私もまだ見えないという感じで、(漕ぎが)完璧に合ったらすごく速いんだろうなという恐ろしさというのは、これから私たちのリーダーシップ次第でもあると思うんですけど、強みかなと思います。
――29連覇がかかっていますが意識はされていますか
澤田 今知った、29連覇って(笑)。
米川 何連覇というのは正直考えていなくて、毎回メンバーも変わりますし、何連覇するぞというよりかはその年で絶対圧倒的に勝つというところにフォーカスを置いています。でもやっぱり先輩方が代々築き上げてきた連覇なので、それをつなげていきたいという思いはもちろんあります。
澤田 私の中では去年出られてしまったというところがかなり大きいので、連覇というかたちにはなっているんですけど、挑戦という気持ちで。よねも言ったんですけど次は圧倒的に勝てるように、挑戦という感じですかねことしは。
――クルーの中でキーマンを挙げるとすれば
米川 キーマン…全員だよね(笑)。
澤田 そうだけど(笑)。
米川 うーん…じゃあ友理乃ちゃん(松井、スポ2=愛媛・今治西)で。バウに乗ってる子なんですけど、やっぱりエイトって後ろの方すごく揺れるので、クルーのバランスを取るのも大事だし、隅田川ってすごく荒れるイメージが皆さんあるように実際荒れるので、バウペア(2番とバウの2人)は大事になってくるなと感じています。あとバウは一番後ろなのでクルー全体が見えるというところで声出しであったり、まあ私たちももちろんやっていくんですけど雰囲気づくりは後ろからというのもあるので、キーマンかなと思います。まあみんななんですけどね(笑)。
澤田 みんななんですけどね(笑)。かぶってしまったんですけど、私も南(菜月、教3=新潟南)と松井で。南は去年はバウからのことしは現段階ではストロークなので、いいリズムをつくってほしいなというのはあります。去年あまりレートが上がらなかったことが出られてしまったことの一つの原因でもあるので、そこはみんなの課題なんですけど、しっかりそこを出していけるように私もサポートしていきたいなと思っています。友理乃に関しては彼女の言った通りです(笑)。
――コースの中で注意すべきポイントや勝負の分かれ目はありますか
米川 コースに関してはなつに答えてもらって…勝負の分かれ目はスタートですかね。女子は1000メートルと短いので、スタートで絶対に出たいところですね。
澤田 ちょっと地味なカーブがあるんですよ。男子ほどのラダーは切らないんですけど。そこのカーブと、あとランドマークをしっかり私は見てコース取りしていかなくてはいけないとは思っています。あとやっぱりスタートで去年出られて焦ってしまったのが結構大きかったので、1000メートルの中で、慶大さんもかなりレベルアップしてきているので、万が一出られてしまっても焦らなければ絶対にチャンスは巡ってくるので、1000メートルどこも気を抜けないかなと。勝負を仕掛けるところとしてはそういう印象ですね。
――慶大クルーの印象はいかがですか
米川 おととし、去年とビデオ見ていてもすごくスイープのレベル、エイトのレベルが上がっているなと思うので、ことしは去年出た人がたくさんいるのもあってもっと上のレベルで来るのではないかと。怖い相手ではあると思います。
澤田 よねが言った通りスイープにかなり力を入れてきているなと印象があるので、そこにしっかり私たちもレベルアップしていくためにことしは結構早い段階からワセダもスイープの練習をしていますし、去年2000メートルではあるんですけど全日本で準優勝している自信もあるので、過信はないんですけど着実に自分たちで積み上げてきたものを、レベルアップしている向こうのクルーにぶつけたいなという気持ちです。
――これからどういった部分を中心に調整を行っていきますか
米川 隅田でしっかり漕ぐためには、普通のコースとか荒川であったり比較的落ち着いているコンディションではピタッと合わせて、しっかり一枚で漕いでいくというのをやっていかなくてはいけないところなので、まだまだ少しちょっとしたずれがあって艇が揺れてしまったりとかはあるので、こっち(戸田)では完璧に合わせていくというところは最後までやっていきたいと思います。
澤田 よねが言った通り隅田川では本当にちょっとのずれが大きなずれになってしまうので、いいコンディションの中でも少し風が強かったり波が強かったりしても全員でオールを合わせてリズムを刻んでいくというところが早慶戦では一番だと思うので、精度を上げていきたいなと思います。
――最後に改めて意気込みをお願いします
米川 ただ勝つだけではなくて、どこまででも突き放して圧倒的勝利がしたいなと思います。女子が最初のレースになるのでセカンド、対校といい波をつなげられるようにまずは一発ぶちかましていきたいなと思います。
澤田 私も去年は結構苦しいレース展開になってしまったので、ことしは去年のレースよりもいいレース、差をつけられるレースをしたいなと思うので、去年の自分にも慶大にも油断なく挑戦していきたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石塚ひなの)
お二人の身長差はなんと30センチ。凸凹コンビでの対談は笑いの絶えない時間となりました!
◆米川志保(よねかわ・しほ)(※写真左)
1996(平8)年8月20日生まれ。179センチ。愛知・旭丘高出身。スポーツ科学部4年。先日2000メートルタイムトライアルで自らのアジア記録を更新、さらにU23日本代表にも選出されまさに今国内敵なしの圧倒的女王。対談中は柔らかな話し方と明るい笑顔が印象的でした!
◆澤田夏実(さわた・なつみ)(※写真右)
1996(平8)年5月30日生まれ。149センチ。東京・小松川高出身。スポーツ科学部4年。対談では答えに迷う米川選手に突っ込みを入れる場面もしばしば。早大の先陣を切って出艇する女子エイト、冷静かつ的確なコールでクルーを勝利へ導いてくれることでしょう!