前日に引き続き爽やかな秋晴れの下で行われた全日本選手権(全日本)2日目。早大からは準決勝、決勝への進出をかけて男女計7艇が出場した。女子部は舵手なしペアを皮切りに3艇全てがそれぞれ翌日以降のステージに駒を進めた一方、男子部はこの日敗者復活戦に挑んだ4艇すべてが全日本の舞台を去ることとなった。
朝一番に行われた女子舵手なしペアの予選には、南菜月(教2=新潟南)と尾嶋歩美(スポ1=埼玉・南稜)の下級生クルーが出艇。スタートからラストまで首位を譲ることなく、二人の息の合った漕ぎで決勝進出を決めた。続く女子ダブルスカル、女子エイトも序盤から他艇を突き放す圧倒的な強さでそれぞれ準決勝、決勝進出を決めた。「全てのクルーに優勝が見えている段階にある」(木野田沙帆子女子主将、スポ4=青森)。完敗に終わった全日本大学選手権(インカレ)から2カ月。『女王』の再起にかけて、雪辱を果たしたい。
南・尾嶋の若きペアが1着で決勝進出を決めた
女子部と対照的な結果となったのが男子部だった。インカレからメンバーを変えて挑んだ舵手なしペアだったが、結果は組4着に終わった。続くダブルスカルには今大会がラストレースとなる富田剣志(スポ4=愛媛・今治西)と、川田翔悟(基理2=東京・早大学院)が出場。前日の予選で全体2位のタイムながらも敗者復活戦へ回った関西電力美浜にスタートから大きく突き放され、そのまま組3着に沈んだ。このままでは終われない早大だが、下級生を中心とした舵手なしクォドルプルも準決勝に駒を進めることはかなわず。迎えた最終種目、男子エイト。インカレの反省をもとにバウサイドをほぼ入れ替えメンバーを刷新したクルーで挑んだが、明大をはじめとする強豪に力負け、この1年間部を率いてきた内田達大主将(スポ4=山梨・吉田)を含め4人の4年生が引退を迎えることとなった。
クルーを入れ替え、スピードも出ていたというエイトだったが、残念ながら敗者復活戦で敗退となった
「悔しい、の一言に尽きる」(東駿佑副将、政経4=東京・早大学院)。大学生活最後のレースを終え、主将の内田を支えつつ自らも副将としてチームを引っ張ってきた東は率直にこう語った。目標としていた『日本一』についに手が届くことはなかった。しかし早大の戦いがこれで幕を閉じたわけではない。最後の舞台に残ったクルーは、ラストレースで涙をのんだ部員たちの思いを胸に2日間を戦い抜いていく。
(記事 石塚ひなの 写真 喜田村廉人、加藤佑紀乃)
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結果
【予選】
▽女子部
【エイト】
C:澤田夏実(スポ3=東京・小松川)
S:北村綾香(スポ3=滋賀・膳所)
7:青木華弥(教3=東京・本所)
6:三浦彩朱佳(文1=青森)
5:木野田沙帆子女子主将(スポ4=青森)
4:石上璃奈(スポ4=長野・下諏訪向陽)
3:田口えり花(商4=埼玉・浦和一女)
2:宇都宮沙紀(商1=愛媛・今治西)
B:木下美奈女子副将(スポ4=山梨・富士河口湖)
7分01秒55【1着 決勝進出】
【舵手なしペア】
S:南菜月(文2=新潟南)
B:尾嶋歩美(スポ1=埼玉・南稜)
7分53秒62 【1着 決勝進出】
【敗者復活戦】
▽男子部
【エイト】
C:佐藤修平(文4=秋田)
S:中川大誠(スポ1=東京・小松川)
7:内田達大主将(スポ4=山梨・吉田)
6:石田良知副将(スポ4=滋賀・彦根東)
5:坂本英晧(スポ2=静岡・浜松北)
4:鈴木大雅(スポ3=埼玉・県浦和)
3:伊藤大生(スポ3=埼玉・南稜)
2:東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)
B:飯尾健太郎(教3=愛媛・今治西)
6分15秒51【4着 敗退】
【舵手なしクォドルプル】
S:尾崎光(スポ3=愛媛・今治西)
3:菅原諒馬(商2=東京・早大学院)
2:鈴木利駆(スポ1=静岡・浜松西)
B:伊藤光(文構3=東京・神代)
6分40秒13 【2着 敗退】
【ダブルスカル】
S:富田剣志(スポ4=愛媛・今治西)
B:川田翔悟(基理2=東京・早大学院)
7分27秒95 【3着 敗退】
【舵手なしペア】
S:井踏直隆(文構3=東京・早大学院)
B:土屋夏彦(スポ2=山梨・吉田)
7分37秒19 【4着 敗退】
▽女子部
【ダブルスカル】
S:安井咲智(スポ1=東京・小松川)
B:藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)
7分39秒60 【1着 準決勝進出】
コメント
【男子エイト】
7:内田達大主将(スポ4=山梨・吉田)
――今大会を振り返っていかがでしょうか
実力を出し切れない部分があって・・・クルーのメンバーにも感謝していますし、監督・コーチ陣にも指導してくださったという感謝の思いでいっぱいな反面、クルーを導けなかったということに関しては大きく悔いが残るなと思います。
――クルーを大きく変更して臨んだ大会となりました
練習の感じではインカレの時よりはかなりタイムもいいクルーだったのかなと思います。ただ、結果を残せなかったことはすごく残念ではあります。
――インカレ以降に、一からクルーをつくり直すことになったと思います
ゼロからのスタートだったので、とにかく基礎基本の徹底。指導されていることの徹底をするというところを強く意識して臨みました。
――クルーの完成度、練習の出来はいかがでしたか
練習の出来は通して良かったのではないかなと思います。
――インカレ以降下級生が増えたクルーになりました
みんな気のいい子たちなので、特に意識して接するということはなかったですね。向こうからついてきてくれるので、(自分が)引っ張っていくという関係ではいようと意識していました。
――きょうがラストレースとなりましたが、率直なお気持ちはいかがですか
やっぱり負けると悔いが残るなというのが正直なところです。周りにはものすごく感謝しているし、ただただ自分のふがいなさが際立ったかなと思います。
――引退というかたちになります
後輩たちに何か残してあげたかったけど残せなかったというのが、ちょっと悔いが残るところですね。
――主将としての一年間はいかがでしたか
大変なこともあったけど、主将だったから強くなれた部分もあったかなと思います。あまり良い主将ではなかったかなとは思いますね(苦笑)。
――具体的に強くなれたという部分は
メンタルの面でも強くなったのかな、と思います。
――大学漕艇部での四年間はどんな時間でしたか
ワセダで良かったな、と思える時間でしたね。
――競技は継続されますか
そうですね、僕はこれからも(社会人チームで)続けていく予定です。
――後輩に伝えること、望むことはありますか
ワセダを強くしてほしいなということですね。「残したい」というよりかは「託したい」というかたちなのが申し訳ないですけど。どんなかたちでも頑張ってほしいとは思っていますね。
2:東駿佑副将(政経4=東京・早大学院)
――今大会を振り返っていかがですか
悔しい、の一言に尽きるかなという感じでしたね。
――悔しいラストレースとなりました
すごく言葉にするのは難しいんですけど、インカレから全日本で(男子エイトの)クルーが変わって、確実にやるべきことをやって準備段階でもかなりいいものが出ていました。ただ、レースになって、予選、敗者復活と自分たちの実力を出し切れなかったことは否めないですね。それも実力だし、そこはすごくもったいなかったと僕自身も思っています。それと、個人の実力不足もあって、それが悔しい。終わってしまったものはしょうがないんですけど、実力不足も感じましたね、(同種目の)トップクルーに対して。
――クルーの強みはどこでしたか
9人のまとまりというか、ここぞと決めたところをしっかりやるということはかなりの長所かなと思っています。練習段階でもクルーミーティングもやるべきことをしっかり決めて、みんな愚直にやってきたと思います。今大会も2レース通してやるべきことはやってきたのかなと思います。
――クルーが大きく変わりました。東選手ご自身の役割の変化などはありましたか
役割の変化というとそこまでないですけど、下級生がやっぱり増えたので、次に向けて、そいつらが主力のメンバーになってくると思うので、いい経験をしてほしいなと。 あとはクルーメイクの仕方とかも、いいところがあれば盗んでほしいなと思っていました。自分も下級生に対して教えられることは教えてきましたし、基本的にやることは変わっていないんですが、後輩に対して次に残せるものがあればと思って、インカレ後から今までやってきました。
――副将としての一年間はいかがでしたか
チームをつくっていくというか、組織をまとめることってすごく難しいなという印象です。高校(早大学院高)の時も副将をやっていたんですけどその時とは全然違って、より学生自主というか、人も多いし、女の子もいるし、4学年あるし、すごくまとめるのは難しかったなと思います。個人的に向き合ってきた人もいますし、組織のことを考える期間も長くなったし。ただ、それが全てうまくいったかというと、それは分からないし、もしかしたら自己満足なのかもしれません。とにかく組織をまとめるのは難しいなと思いながら一年間副将として過ごしてきました。
――支える、後押しするということを期待された副将だったとお聞きしました。そういったことについては一年間いかがでしたか
自分ももちろん副将としてチームを引っ張ってきたし、うっちー(内田主将)を支えることもしてきたつもりです。ただ、うっちーを支え切れたかというと、なんとも言えないというか・・・「やり切れました!」と自信を持って言えるわけではないです、難しい。ただ、色んな人たちの悩みなどを聞いてきたし、メンタルケアとかそういう面はやってきたかなと。そこについてやってきたという自負はあります。
――下級生と向き合う機会も多かっと思いますが、どんなことを伝えてきましたか
結果を出すにはすごく時間がかかるし、結果が出るかも分からないけど、一日一日、諦めることなく努力し続けることで、それが目標に近づくということですかね、難しいな。結果が出ないと悩んでいても、とにかく前に進むというニュアンスのことは言い続けてきたかなと。特に悩んでいる人たちにはずっと言い続けてきました。自分もそういう思いをしてきたからこそ、そういう人たちの気持ちも分かるし、だからそれをずっと伝えてきたのかなとは思っています。
――漕艇部での四年間はいかがでしたか
長かったかな・・・。「長いようで短い」というのもあるのかもしれないけど、個人的には長くて。特に最初の三年間は結果が出ない時の方が多くて、やっと3年ごろからインカレで決勝に残って2位になれたりして、上級生になればなるほど結果が残っていった印象ではあります。4年生になって早慶戦(早慶レガッタ)で勝てたことは、本当に本当に大きくて、一つの目標としていたことを達成できて、それは本当に誇りに思っています。ただ、やっぱり日本一になれなかったことはすごく悔しくて。対校エイトに乗ることはできたけど、ただ乗るだけで終わってしまったという感じは否めないです。日本一を取れなかったということに関しては、これから一生悔しい思いをし続けながら過ごしていくのかなと思いますね。ただ、(「ああしておけば良かった」という)後悔はしていないです。やり切ったと思っています。
――今後は競技を継続されないそうですが、次の世界でどんなことを生かしていきたいですか
7年間ボートをやってきて、どこの組織にいても努力し続けることは大事かなと。ただ努力をすれば結果が出るというわけではないので、どんな苦労があっても困難があっても立ち向かい続けることがこれから先大事になってくると思います。それと個人的には、悔しさがあればあるほど(次に向けて)それに立ち向かってきた気持ちでいるので、今ある悔しさも社会人での活躍に向けて乗り越えていくつもりであっていければいいなと思います
――来年の主将・副将の皆さんに望むことを教えてください
まずは自分たちに自信を持って引っ張っていってほしいかなということですね。それと、今あるかたちはいろいろだと思いますけど、しっかり自分たちの代の色を出していってほしいと思います。絶対に、いけるので。お前たちには、とても期待してるので、みんなを引っ張って行って欲しいと思います!
C:佐藤修平(文4=秋田)
――きょうのレースを振り返っていかがでしたか
しっかりやろうと思っていたことはやれたのかなと思います。そこは良かったかなとは思います。差をつけられてしまって悔しいんですけど…まだまだ自分の中でまとまりきらない部分があるので、そこはまた後輩たちに託して、残り2日間応援したいと思います。
――全日本大学選手権からエイトのメンバーを刷新されたと思いますが、雰囲気はいかがでしたか
1、2年生の後輩たちも乗ってかなり新しい風が吹いたと言いますか、新鮮な感じがして、今シーズン通して一番いい雰囲気でやれたかなと思います。
――4年生から見てクルーの下級生はいかがですか
積極的に盛り上げようとしてくれて、かなり下級生がキーマンとなるようなクルーだったので、重要な役割だったと思います。
――キーマンというのは特に誰がとかはありますか
自分と(シートが)向かい合っているストロークの中川(大誠、スポ1=東京・小松川)は、一番前で漕ぐ人が一番大事と言いますか、そういう大役を任されているので、しっかりやってくれたと思います。
――ラストレースとなりましたがこの4年間はどんな4年間でしたか
あっという間なんですけど、まだちょっと実感がわいてないので何とも言えないですね。
――同期の方々に関しては
まだまだあした、あさってレースのある同期がいるので、そこは声を枯らして応援したいと思います。
――今後競技を続ける予定はありますか
ないですね。もうこれで終わりです。
――最後に後輩たちに向けてメッセージをお願いします
まず一つは勝たなきゃ意味がないと言いますか、意味がないわけではないんですが、勝つこと、結果を出すことが第一だと思うのでそこを追い求めてほしいですね。あとはしっかり四年間やり切ってほしいなと思います。そこは大事かなと。全日本に関しては先ほども言ったようにまだまだ頑張る同期がいますし、後輩たちも頑張るので、最後まで責任を取って応援したいと思います。サポートしたいですね。
【男子ダブルスカル】
S:富田剣志(スポ4=愛媛・今治西)
――きょうで引退となりましたが、今の率直なお気持ちはいかがですか
終わったー!っていう感じではないですね。
――今大会のレースを振り返っていかがですか
予選も、敗者復活戦もなんですけど、優勝候補のような速いところと当たって、一本一本レースを大事に、自分たちの今までやってきたことをやろうと決めていました。予選ではちょっと予定よりうまくいかなかったのですが、敗者復活戦では100パーセントとはいかないですが、出せるところまでは出せたかなと思います。
――やり切った気持ちの方が強いですか
そうですね。そんな感じですね。
――川田翔悟(基理2=東京・早大学院)選手と組まれていましたが、練習期間でどのようなことを伝えていきましたか
全体的な感じなのですが、基本を大切にと。基本ができていれば応用もできるので。組んだ時からレースのことだけを考えてやるのではなくて、このレースを越えてまたその先に彼がつながるようにというのを思っていました。
――レースを終えてから川田翔選手にどのようなことを話されましたか
彼は2週間後に新人戦(全日本新人選手権)があるので、それに向けてどういう気持ちで臨んでいったほうがいいとか、どういうところを気を付けたほうがいいというのを少し話しました。
――今後競技は続けられますか
もう引退します。漕ぎはしないです。
――早大での四年間を振りかえってどんな四年間でしたか
ここで語れるものなんですかね、分からないですけど(笑)。まず、監督(内田大介監督、昭53教卒=長野・岡谷南)に出会えたことに感謝しています。監督と出会えたことでボートの考え方であったり、この部活の組織的な運営だったりというのを学ぶことができて。監督も自分たちと同じときに変わってきたので、どういうふうにチームをつくっていくということも監督からしっかり学ぶことができました。先輩、同期、後輩に関しては、大学だと自分たちの代以外では上3代下3代合計で7代見ることになるのですが、それぞれの代でそれぞれ特色があり、やはりその特色を生かす、また変えていくべきところは変えていく、(変えるのであれば)どういうふうに変えていくかというのも学びました。
――後輩と組まれたり、練習されたりということもあったと思いますが、どういったことを学んでほしい、感じてほしいと思っていましたか
ボートは一個一個積み重ねの競技なので、レベルが10段階あったらレースに出るには10まで持っていかないといけないのですが、練習の段階でちょっと時間がないからとか、面倒くさいからと飛ばして、1、3、5、8、10と行くのではなくて、しっかり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と積み上げてやっていってほしいなと思います。そうすることによって、良い時と悪い時とあって今回悪い時が出てしまったということがあるかもしれないですけど、しっかり1から10までを確実につみあげていくことによって、浮き沈みがなくなってきます。常にいい状態、例えば日大とか常に決勝に上がれる実力があると思うんですけど、それを目指して徹底的にやっていってほしいなと思います。
――「積み重ねが大事」というのは四年間でご自身が感じられてきたことなのでしょうか
そうですね。去年クロアチアに遠征に行って、そこで漕ぎのスタイルや考え方が監督の方針として一新したのですが、やはり変えていくときも「こういうふうに変えていくんだよ」という方針を示されたのに「こっちのほうが早いから」「最終的にはこうなるんだから、こう漕げばいいだろう」と飛ばしてはいけないと。監督も、クロアチアに行った時のコーチも基本ができてないと応用はできないと言っていて。しっかり挑戦して、できなかったらもう一回ドリルなどそういう原点に戻ってから、また次に行くんだよと。そういうのは大事なんだと思います。
――今後競技からは離れるとのことですが、ここでの経験をどういったことに生かしていきたいですか
自分は、競技はする方ではないと思うのですが、教える方になる予定なので、この部活の運営の仕方や、またそれぞれ個性がある学生がいて、それぞれに応じた教え方があると思うので、それをまたここで学んだものを教えていけたらと思っています。
【女子エイト】
5:木野田沙帆子女子主将(スポ4=青森)
※女子舵手なしクォドルプルとダブルエントリー
――予選を1位で勝ち上がりましたが、きょうのレースを振り返っていかがですか
全体的に練習で出せていたものよりも良いものが出せたタイミングがあったので、そのタイミングを決勝でも続けていけたら良いかなと思います。
――練習よりも良いものができた理由はありますか
たぶんそれぞれの意識が決勝に向かってちょうどよく合ったと言いますか、練習の時はそれぞれ意識はできていたのですが、まだ統一されていなくて。きょうのレースでそれがたまたま合ったという感じがしました。
――決勝では、別組で1位通過した立命館大がライバルになると思われますが、意識はされますか
さっきも全員でミーティングをしていたのですが、やはり4秒も速いということなので、その4秒の差というのをいかに埋めていくかというのをこれから明日の練習で詰めていければいいかなと考えています。
――女子部は舵手なしクォドルプルと女子エイトの2種目優勝を目標として掲げられていると思いますが、今現実味はどれほど帯びてきていると感じていますか
予選をやるまでは私たちも不安なところがあって。「本当に勝てるかな」というところもあったのですが、いざ予選を終えてクォド(舵手なしクォドルプル)は厳しい当たりの中でも予選を勝ち抜くことができましたし、エイトについても課題は残ったのですが、一応予選を1位で通過することができたので、現実味は大分帯びてきているんじゃないかなと、私の実感としてはあります。
――ご自身はダブルエントリーですが、ここまでの練習期間で調整が難しいこともありましたか
なかなか両方のクルーで練習時間を確保できないというのと、私たち自身も普通の選手よりも多くモーションを取って練習をしているので、この予選に向けてなかなか疲労をどう抜いていくかというのが苦労したところではありました。
――今では何とかやっていると
漕いでみてやっと調整できていたなという実感が沸いてきました。
――女子部から出場したクルーは全て準決勝か決勝に進みましたが、女子部全体の雰囲気はいかがですか
予選の段階から、シングルスカルの松井(友理乃、スポ1=愛媛・今治西)であったり、ダブルスカルは(予選で)負けてしまったのですが全体の2番タイムであったり、だいぶいいスタートを切ってくれて、今回は1年生の盛り上がりがすごくあったので、クォドもエイトもペアも今日の結果につなげることができたのかなと感じています。
――明後日の決勝が1日に2レースと大変な面もあるかと思われますが、ご自身としても大学ラストレースになります。意気込みをお願いします
私自身もそうなのですが、部の目標として掲げている以上、私たちがするべきことはクォドとエイトの優勝です。それらの優勝もそうなのですが、やはりそれ以外のクルーについても、全てのクルーに優勝が見えている段階にあると思うので、女子部一丸となって目標以上のものを達成できればいいかなと思っています。頑張ってきます。
――全日本大学選手権(インカレ)の雪辱を果たすためにも
そうですね。インカレやはり悔しい思いをしたのはみんな一緒だと思うので、そのインカレの悔しさをいかにここに持ってくるのかというのが自分たちの課題でもあったので、雪辱を果たすためにも全員で頑張っていきたいと思います。
【女子ダブルスカル】
B:藤田彩也香(スポ1=東京・小松川)
――本日のレースを振り返っていかがでしょうか
きょうは敗者復活戦ということもあってきのう(勝った相手と)と同じ艇とのレースということもあって少し気持ち的に余裕がありました。ただきのう負けた日体大のことを意識したレースをするように心掛けました。
――きのうのレースはいかがでしたか
きのうは日体大に負けてしまったのですが、500(メートル時点)までは結構並んでいて、そのラインを越えたあたりから完全に見失ってしまって。相手を見ながら漕ぐことができなくて、追い付くような漕ぎができなかったです。なのできょうは日体大を意識しながら漕ごうと思っていました。そういう意味で昨日は次につながるレースができたのかなと思います。
――その日体大を意識したレースをした結果、本日のレースはきのうと比べ良くなりましたか
そうですね、きのうと比べて500から1000メートルと1000から1500メートルという苦しいところでのタイム落ちが少なかったので良かったです。ただ、最初のスタートから500メートルと500メートルから1000メートルでタイム落ちがあったのが反省点です。
――お二人としては、反省はあるもののきのう、きょうといいレースができているとの感触ですか
はい、いいレース展開ができていると思います。
――どういった点がその理由だと思いますか
エントリーの時にはオールがしっかり入っているというトップコンタクトを意識して練習してきて、無駄なく長いレンジで漕ぐことを意識してきたことが、少しは出せているのかなと思います。
――この二人でのダブルスカルはいつから練習されているのですか
インカレの後です。
――高校も同じということで、一緒に漕いできた歴は長いのではないでしょうか
高校1年生の時から、ダブルじゃないんですけどクォド(クォドルプル)とかで一緒にやってきて、もう4年になります。
――日常生活でも仲は良いですか
そうですね。クルーとしてもコミュニケーション取りやすいです。きょうもレースの後は反省点話し合って、明日以降に生かしていこうって話しました。
――このクルーの強みはどういった部分だと思いますか
スタートの爆発力は持ってると思うのでそれをしっかりレースで出して、その後のコンスタントの伸びっていうのは練習でテーマにして強化してきているので、それをレースで出せたらいいなと思います。
――きょうのレースを受けて、準決勝以降はどのように戦っていきたいですか
あしたはきのう負けた日体大とまた当たるので、修正すべきことを修正して日体大を追い詰めていきたいと思います。
――やはり日体大を強く意識しているのですね
はい、『打倒日体』を目標にしています。練習の時からすごく意識してきたので倒したいですね。倒します。
――では『打倒日体』のカギになるのはどういう点だと思いますか
スタートでどうにかして先頭に立って、その後はどれだけ自分たちが長い漕ぎでいいリズムで漕げるか、そうやって練習でやってきたことを出せれば倒せない相手ではないと思うので
。
――最後に、簡単に意気込みをお願いします
『打倒日体』ということでずっと練習してきたので、しっかり決勝に向けて明日のレースも修正することは修正して暴れて、日体を倒します!
【女子ダブルスカル】
S:南菜月(教2=新潟南)
――きょうのレースプランを教えてください
とりあえず前半で先頭を取るということで、最初の1000メートル積極的なレースで後半はいかにそれで耐えられるかというプランでした。
――実際のレースではいかがでしたか
ほぼレースプラン通りという感じですね。
――バウの尾嶋歩美選手(スポ1=埼玉・南陵)との相性はいかがですか
結構感覚がよくて、合わせるのが上手いので、日々を成長を感じています。
――どのくらい練習されましたか
インカレ(全日本大学選手権)が終わった後なので、1カ月半くらいですかね。
――クルーの強みというのはどこにあるとお考えですか
ユニホーミティーと後半の持久力だと思います。
――あさっての決勝までに修正したい点やさらに伸ばしていきたい点などはありますか
前半飛ばしすぎてしまったので、もう少し落ち着いていければもっと後半伸びてくると思いますし、自分たちの強みである持久力も生きてくると思うので、しっかり出していきたいと思います。
――最後に改めて意気込みをお願いします
1カ月半という短い期間だったんですけど、しっかり表彰台や優勝が見えてきていると思うので、そこはしっかり勝ちきりたいと思います。