【連載】インカレ直前特集『One for Oar』 最終回 4×+S:木野田沙帆子女子主将 × 4×+B:木下美奈女子副将

漕艇

 『総合優勝』を目標に掲げて全日本大学選手権(インカレ)に挑む女子部。その女子部を率いるのは木野田沙帆子女子主将(スポ4=青森)と木下美奈女子副将(スポ4=山梨・富士河口湖)だ。早慶レガッタでは慶大にリードを許すという不安な面も見られたが、『女王ワセダ』の名に懸けてインカレの舞台では再び圧倒的な強さを見せつけてみせる。4年連続出場となる二人の目に、最後のインカレはどのように映っているのだろうか。

※この取材は7月29日に行われたものです。

ユニホーミティーが課題

――最近の調子はいかがでしょうか

木野田 クルーを組んで合わせの練習に入ってから期間もそんなに経っていない中ではあるのですが、目標に向かって全員が一つになっている感覚はあると思います。

木下美 まだ(クルーを)組んで間もないのですが低レートでは比較的安定してきました。これからインカレに向けてレートを上げていく段階かなと思うので、合宿で高いレートに順応できたらいいかなと思っています。

――残りのシーズンも少なくなってきましたがこれまでを振り返っていかがでしょうか

木野田 今まで同じ種目で勝ちも負けも経験してきた中で今回違う種目でチャレンジということになり、自分の中で新たな気持ちで臨めるといいますかフレッシュな感覚ではあると思います。

木下美 長いようで振り返ると早かったなという感じがあり、ここまで本当にいろんな大会に出場していろんな経験をしてきたかなと思っています。あと、4年生になって立場が変わったということもあってより一層引っ張っていかなきゃなという気持ちは持っています。

――まず早慶レガッタについて伺いたいと思います。ことしは大差で勝つというかたちではありませんでしたが、この結果をどのように受け止められていますか

木野田 結果は結果であって、積み重ねの問題ではあるのですが良い意味で刺激にはなったかなと思っています。自分たちの中でおごりがあったのは確かですし、そこから結果につなげられなかったのも自分たちの実力ではあるのでまたエイトに乗るのは全日本選手権(全日本)になってしまうのですが、そこに向けてまたチームとして気持ちを切り替えられた良いポイントではあったのかなとポジティブに捉えていこうと思います。

――チームとして気持ちを切り替えられたということですが、早慶レガッタ後に何かされたことはありますか

木野田 レガッタ後といいますか、まだ全日本に向けてクルーを組んでいない段階ではあるのですが、やはり自分の中では個々の力はあっても合わせるという技術において欠落している部分があると思うので、全日本に向けて合わせることにフォーカスを置くことで違ったエイトをお見せできるのかなと思います。

――続いて全日本軽量級選手権(軽量級)の話に移ります。軽量級では木下選手が出場されましたが、そのときに得られたものは大きかったのではないでしょうか

木下美 後輩の南(菜月、教2=新潟南)とダブルスカルで出場させていただいたのですが、私自身もダブルの経験があまりなかったということがありましてその経験を積めたのがすごく大きかったかなと思います。また木野田も言っていたのですが、早慶戦が終わってから上手く切り替えて次の目標に行くという意味では軽量級のタイミング的にもその気持ちをぶつけていけるタイミングだったかなと思っていたのでその時にダブルスカルの経験を積めたというのと、夏に向けて実際にレースをしてみてまだまだ足りないなという部分も感じられたので、並んだ時にそこで負けずに折れずに行くという、インカレでもすっと出られるような簡単なレースではないと思うのでインカレにつなげられるようなすごく良い経験ができたかなと思っています。

――それは軽量級のコメントでおっしゃっていた「後半でスプリントをかける」という課題でしょうか

木下美 そうですね。私たちは結構スプリントタイプが得意ではなく、むしろ中盤のコンスタントを得意とはしていました。そのため前半で出られすぎてしまうと苦しい展開に持って行ってしまって後半もスパートでまだまだ課題が残る状態だったのでそこを今後磨いていきたいと思います。

――それ以外で何か課題は見つかりましたか。またターニングポイントとなった点などはありましたか

木下美 ポイントといいますか早慶戦で合わせるのが課題になっていたのですが、私たちが下級生の時に比べて上級生と下級生が混ざって乗る機会が多く、ユニホーミティーを合わせていく機会がことしは多かったのかなと思います。そのためこれを機にこの夏で更にユニホーミティーを高めていけたらいいかなと思います。

木野田 木下も言っていたようにトレーニングクルーで1年生と乗る機会が多かったというのは自分も感じていて、私が1年生のときは一緒に乗らなかった先輩もいたのですが今1年生が8人と多い中でも大体の1年生と乗っています。実力のある1年生がたくさんいる中でその1年生を上手くワセダの女子として一つの中に入れる段階ではあるのかなと思います。そしてまとまった段階でターニングポイントが来るのかなと。それが合宿かインカレなのかは分からないですが(笑)。

――1年生の実力があるということですが、チーム内のメンバー争いは厳しかったですか

木野田 選考をしている中でやはり上位に上がってくる1年生もいますし、選考が終わった後に伸びてくる1年生もいます。入部してからの数カ月が伸びしろのある期間だと私は思っていて、その中で成長の著しい選手がいるのでまだはっきりこの人が速いとは言えないのですが、良い意味で人数が多いことによってお互いの刺激にはなっているのかなと思います。

――それは上級生も下級生も関係なくということでしょうか

木下美 やはり1年生が8人入ってきた中で速い選手もいて、勢いで押し上げられるものもあるので上級生はかなり刺激を受けているのかなと思います。頑張らなければいけないと思いますし、そういった意味では上級生も見せなければいけないのですが下級生がそういうふうに来てくれると上手くボトムアップといいますか全体のレベルが上がるかなと感じています。

――お二人から見て、特に成長した選手はいらっしゃいますか

木野田 特にという感覚はないのですが、それぞれの選手がそれぞれのポイントで成長しているかなという思いがあって、八人八様の成長の仕方があるかなと私は感じています。

「フォトジェニックを狙いに行くのがことしの4年女子のテーマ」(木野田)

女子部を頼もしく引っ張る主将・木野田

――夏休みにプライベートでしようと思っていることはありますか

木下美 先ほど女子部屋に4年生で集まっていたんですけど『君の名は。』を全員で観たいなと考えています。DVDが出たので合宿期間中に大きいテレビがあったらそこで全員で鑑賞したいなと話していました。

木野田 ボート・食べる・寝る、のサイクルの中に『君の名は。』が入ってきたら楽しいかなって(笑)。

木下美 あとは女子で去年もプールに行ったんですけどことしはナイトプールにチャレンジしたいなってことでいろいろ調べています。

木野田 フォトジェニックを狙いに行くのがことしの4年女子のテーマなので(笑)。

木下美 何かとフォトジェニックって言うよね(笑)。

――『君の名は。』を見たいと提案するのは誰か率先する方がいらっしゃるのでしょうか。それとも全員で考えるのでしょうか

木下美 沙帆子(木野田)は見てないんですけど、他は全員見ていて、「もう一度見たい!見たほうがいいよ!」という感じで。

木野田 で、みんな見せてほしいっていう(笑)。

木下美 「私も見たい!」みたいな感じで、じゃあ見ようってなっていますね。

――木野田選手は『君の名は。』をご覧にならなかったのですね

木野田 あまのじゃくのようなところがあるので、流行っていると言われると別にいいかなってなっちゃうんですよね。

木下美 でも『君の名は。』は見よう(笑)。

――以前、女子部会を開いたとおっしゃっていましたが、最近もそのようなイベントはありましたか

木野田 実はきのうやったんですよ。テストが忙しい期間なのでテストがちょうどない4年生で入間のコストコに行きまして、そこで大量に購入しました。やっぱりコストコって物が大きいので女子部会とか人数が集まる時だからこそ発揮できる量かなと思いましてみんなで行って買い物してきました。

木下美 大量にケーキなどを購入してちょうど艇庫の食堂でやって、みんなで丸くなって下級生と上級生と席をバラバラにしたので全員とまではいかなくても(コミュニケーションが取れた)。参加できなかった人もいるので次は全日本までにもう一度開催できたらいいなと考えています。

――今回は手料理ではなかったのですね

木下美 そうですね。コストコパーティです(笑)。

木野田 これもフォトジェニックを狙いにいきました(笑)。

木下美 でもみんなあんまり写真を撮らなかったね。

木野田 全然フォトジェニック感なかったんですよ。食べることに一生懸命で。

木下美 体育会系あるあるです(笑)。

――女子部会の中で面白いエピソードはありましたか

木下美 そこで何かが起きたというよりおのおの持っているエピソードを話していました。きのうですと後輩が電車に走っていって陸上走りをしたために上半身だけドアに挟まれた、とかそういう面白いエピソードで笑った感じですね。

――最近日常生活で気を遣っていることはありますか

木下美 部活においてもそうなのですが、自分から人に話しかけに行くようにはしています。1年生も多く、一緒に艇に乗らない人も出てくるとプライベートで話をしていかないとそのまま引退してしまうので、部でまとまるという意味では話していかないといけないですし、来年から社会人としてコミュニケーションとかはうまくとるようには心がけています。

木野田 私もコミュニケーションですかね。クルーがこれから決まってきてしまうとどうしてもクルーの方に集中してしまいがちなところがあります。クルーだけでなく、これから私たちが速くなるには後輩にも速くなってもらわないとワセダの女子全体として早くなっていかないかなと私は思っているので、インカレで乗らないメンバーなど他のメンバーにもできる限り自分の中で気を配って声をかけるようにはしています。

――4年生の中で毎年はやるものがあると伺ったのですが、ことしは何が来そうでしょうか

木下美 歌には飛びつきやすいんですよ。リズムゲームとかが大好きです。

木野田 誰かが歌いだすとみんながノってくるというのが私たちの特徴です。

木下美 お笑い芸人のブルゾンちえみとかも全力でやりますし、ことしは何だろうな。

木野田 ちょっと古いかもしれないんですけど、4年生の中で千鳥の「クセが強い」というのはやたらいろんな話をする中で出てきますね。

木下美 そうなんですよ。誰かが言うとすぐに「クセが強い」ってノッてくるんですよ(笑)。

木野田 そういう幼稚なはやりしかないんですよ。

木下美 NHKの『ビジュチューン!』が2年生のときにはやったんですけど、それをたまに女子部屋で誰かが歌い始めてみんなが歌うっていう。練習中は一緒にいるんですけど女子は一人暮らしで男子よりは一緒にいる時間が少ないため、毎年合宿になるとほとんど2週間くらい一緒にいるのではやりのものができるんです。

木野田 ことしも本栖湖ではやりのものができるのかなと。『君の名は』を見るとしたらそこから何かできるのかな、と。

木下美 「瀧くん…!」とか「三葉!」とか多分呼び合っているだろうと思います(笑)。

「やるべきことはやってきている」(木下美)

長らく舵手なしクォドルプルに乗って活躍してきた木下美

――インカレでは9連覇がかかっていると思いますが意識されることはありますか

木野田 早慶戦の時にもお話ししたかもしれないのですが私はあまり連覇を意識していないです。たまたま過去の先輩が8回連続で勝っただけであって、メンバーも入れ替わっている中でたまたま自分たちが9連覇目になったってだけだと思うので、自分たちが持てるパフォーマンスを発揮して結果的に9連覇できたらいいかなという感覚で私はいます。

木下美 普段の練習からやるべきことはやってきているので、あとはレースで出し切るだけかなと思っています。やってきたことを出したらおのずと結果がついてくると思っているのでその先に9連覇があるのかなと思います。

――主将・副将という立場になってインカレへの思いは変わりましたか

木下美 今までももちろん勝ちたいという気持ちがずっとありましたし、それで毎年優勝、全種目優勝、総合優勝というのを狙ってやってきました。ですがやはりラストシーズンで、去年は全日本選手権(全日本)で優勝できなかったということもあるのでインカレだけでなくて全日本も優勝して有終の美を飾りたいと思います。

木野田 私は今まで第一に自分のクルーの優勝があって、その後に他のクルーも頑張って優勝してほしいという感覚だったのですが主将になってからかは分からないんですけど自分の中の感覚として自分のクルーも勝ってほしいし、同じくらい他のクルーも勝って欲しいなというふうに思うようになってきたかなと自分では感じています。

――今回のインカレではお二人が一緒のクルーですが、メンバーはどのように決まったのでしょうか

木下美 基本的に監督の指示でクルー編成をするのですが、目標がことし女子が総合優勝とペア・クォドルプル・ダブルスカルで優勝、シングルスカルで表彰台と書いてあるのでそれに見合うようにクルー編成をしています。

――木野田選手は3年連続ダブルスカルからのクォドルプルとなりましたが、それについてはいかがでしょうか

木野田 自分の今の基礎を作っているのが1年生の時のダブルスカルだと思っていて、そこで積み上げてきたことを私は3年間かけて表現することができたかなと自分の中では思っていたので今回また新たな種目でチャレンジできることは喜びでもありますし、チャレンジでもあるかなと感じています。

――4年連続のストロークとなりますが、やはり同じポジションでも種目が違うと意識する点も違ってくるものなのでしょうか

木野田 確かに乗る人によって合わせるポイントも違ってきますし、人数が違ってくるとずれるポイントも多くなってきますし艇の動き自体も変わってくるので、そこをいかに感じ取って自分が後ろにフィードバックしてそれを4人で表現するというのは艇が違えばというより人が違えばおのずと違ってくるかなと思います。

――木下選手は去年と同種目ということですが生かそうと思っていることはありますか

木下美 スカル、クォド(クォドルプル)、クォド、クォドとやってきたのですがどのクルーになっても勝ちたいという思いは変わらないです。去年は3年生で上の先輩もいて頼る部分もあり、今も頼れる同期と楽しい後輩はいるのですが、4年生になってこのクルーを引っ張っていかなければいけないと思っていますし、クルーメークの点で上手くまとめていきたいという思いがあります。

――去年の先輩の影響はやはり大きかったですか

木下美 そうですね。亀本さん(咲季子、平29スポ卒=埼玉・浦和一女)も紫生乃さん(佐藤紫生乃、平29スポ卒=宮城・塩釜)も経験が多く、また周りに気を配っていたのでそういう姿を見て自分も良い部分を吸収して後輩たちに与えられたらいいかなと思っています。

――クルーではどのような役割を果たしていきたいと思っていらっしゃいますか

木野田 クルーの中というよりは私は全体の中での意識が常にあって、クルーは4人それぞれに役割がある中で私は一番前に乗っているので私がリズムを乱さないことそれくらいにしか集中していないですね。あとは4年生も乗っていますし、自分がどうこうするというよりは全員で何とかしていきたいなという思いがあります。どちらかというと全体でみんなが目標に向かってどうアプローチしていくのかというのを私なりに助けるところがあったら助けていきたいかなと周りを見るようにしています。

木下美 私は今は木野田の後ろの3番に乗っているのですがボートの面で言うと、後ろにリズムを伝えるところではしっかり合わせるというところと後ろに1年生の三浦(彩朱佳、文1=青森)が乗っているのでつないでいくというところ、あと5人でまとまるときに良い時ばかりではないと思うのでそういう伸びない時にこそ上手くまとまれるように声かけとかは意識しています。

――クルーの他のメンバーに期待することはありますか

木野田 4年生に対する信頼は私の中で築いてきたものが大きいので木下に対しても石上(璃奈、スポ4=長野・下諏訪向陽)に対しても安心感があって、何を期待すると言うよりかは彼女たちなら何でもしてくれるという表現は間違っているかもしれないのですが全て任せている感覚があります。一緒に乗る1年生に対しては期待するというよりは私が期待できるように育てるのが私の役割かなと思っています。やはりまだ入って数カ月しか経っていない中で分からないこともたくさんあると思うので、分からないことを彼女なりに表現してそれを私とか他の4年生が良い方向に持って行くことによって彼女の持ち味が表現されてそれが期待になってくるのかなと思います。

木下美 私はクルーを組んで同じメンバーになった以上は信頼関係がすごく大事だと思っています。やはりレース中にコックスの澤田夏実(スポ3=東京・小松川)がコールをかけたらそこに反応して全員でまとまることが大事だと思っているのでそういう意味では今でも信頼関係はあるのですが、乗っていくにつれて練習もきついですし楽しいことばかりではないのでそういうのを共にしてこれから合宿を経て成長していけば絆も深まっていくと思うので、そういう意味ではいざという時のスパートとかに期待したいなと思います。

木野田 澤田が3年生なのですが誰よりも冷静でいるというか、その点において4年生を動きやすくしてくれているのかなと思います。そのため自分たちも好きなように漕げている感じはあります。

木下美 後輩が頼もしいですね。

――主将・副将として全体を見た時に思う点はありますか

木野田 まだメンバーも確定していない中で私が言えることはそんなにないのかもしれないのですが、選ばれる人間は選ばれるだけの力があると私は思っているので、その選ばれた人間の実力が発揮できるようにサポートするだけかなと思います。

木下美 ほとんど同じですね。今は仮クルーの段階ですので入れ替わりの可能性もあるんですけど先ほど木野田も言ったようにこれからメンバーが決まってきて、もちろんメンバーの人数に限りがあるので出られない人が出てくるとは思うのですが、そこでも折れずにインカレに出る選手は目標に向かって責任を果たしていくべきだと思いますし、出られない選手も全日本に向けてやっていくだけかなと思います。

――クルーの印象はいかがでしょうか

木野田 今は1年生で身長の高い選手が乗っているのですが、1人身長の高い選手がいることによってクルー全体としてストローク一本の長さが出されているかなと思います。あと4年生が安定してパワーを出せるのでその点においては長く強くという部分で完璧ではないですが良い方向に向かいつつあるのかなと思います。

木下美 このクルーになってからまだ1週間も経っていないのですが乗り心地としては良いスタートが切れたかなと思います。まだまだ課題があるので合宿を経て細かいところを合わせていければいいかなと思います。

――合宿で後半のスパート以外に直していきたい点はありますか

木下美 細かい点になってしまうのですが漕ぎとしてはまだおのおのの漕ぎをしてしまっているところがあるので際の部分とか細かいところを全員でユニホーミティーを高めていくところが大事かなと思います。

木野田 漕ぎというより思いを一つにすることが大事かなと思っているのでそのために女子部会とかも積極的に開こうと思っています。ですがやはり乗るメンバーと乗らないメンバーで気持ちの方向性にズレが出てくると良くないのでできる限りマネージャー・コックス・漕手と全てのポジションにおいて全員が一つの目標に向かって取り組める環境づくりをこれから徹底していきたいと思います。

――今の女子部の雰囲気はいかがでしょうか

木下美 元気(笑)。

木野田 女子部屋がにぎやかになったかなと思います。女子の人数が増えたというのもあると思いますが。

木下美 常に女子部屋はにぎやかですし、比較的私の目から見た感じだと上級生が積極的に後輩に話しかけているところを見ると「4年生になったんだな」とか3年生も後輩に凄く気を配っているところを見ると雰囲気としても縦のつながりもできているなと感じています。

――インカレに向けての雰囲気はいかがでしょか

木野田 乗り始めで、これから歩んでいく中だと思っているのでそのスタートがきのうの女子部会であればいいなと思っています。やはりまだクルーが決まっていない段階でそれぞれ思いが違っている部分があるのかなと考えています。女子としての雰囲気はにぎやかで悪くないとは思うのですがそれが勝ちにつながる雰囲気かといったらまた別になると思うので、その勝ちにつながる雰囲気を女子部会からスタートとしてあと30日ちょっとしかありませんが作り上げていきたいと思います。

木下美 同じようなことになってしまうのですが、木野田も言ったようにきのうの女子部会がスタートになってほしいと思っていますし、そういうところからコミュニケーションを取る機会も考えて作っていきたいと思っています。今後まだまだ思いを一つにしていけると思っているのでインカレまでには照準を合わせて気持ちの面でも全員で一体になれればいいなと思います。

――他校で意識する相手はいますか

木野田 毎回表彰台に乗ってくる明大であったり、今すごく強い選手が集まっている中大であったり、法大もそうですね。

木下美 私たちは8連覇していますけど勝って当たり前とは思っていなくて、初心のチャレンジャーの気持ちも持っています。相手がどこだろうとチャレンジャーの気持ちで勝つという目標を果たすために全員で取り組んでいるので、どこも今学内レガッタや対抗戦などのいろんな大会を見ていても良い雰囲気で来ていてあなどれないのでそういった意味で私たちも挑戦していきたいと思います。

――4年連続出場で最後のインカレとなりますが特別な思いはありますか

木野田 欲張りなんですけど最後は自分も勝ちたいですし、目標も達成したいなという思いが以前に比べて増した感じはあるかなと思います。勝って終わりたいです。

木下美 私も同じなのですが、以前全体ミーティングの際に男子主将の内田(達大主将、スポ4=山梨・吉田)が「この代を最強にしたい」と言っていたんです。私もそれに同感ですしここにいる4年生も全員思っていますし、後輩たちにも良いものを残せると思うのでそういった意味でもインカレでまず総合優勝、男子も優勝してという思いは強くあります。

――王者としてのワセダを率いるにあたって残りの期間どのように過ごしていきたいでしょうか

木下美 私たちは自分たちを王者と思っていないですね。

木野田 王者を作ったのは過去の先輩であって自分たちが作ったものではないので、自分たちなりに勝つためにできることっていうのは4年生も役割が違いますし、3年生も役割は違ってくると思います。その中で私ができるのは周りを見て自分の中で目標に向かって全員を動かしていくことかなと思っています。

木下美 王者…でもやはりそういうふうに8連覇しているってことは周りからもそういう風に見られているというところでは今後のリクルートにも関わってくると思いますし、それがワセ女の強みでもあると思うのでやはり見せなければならないところはあると思うのでそういった意味ではプライドといいますか高く持っていきたいなと思います。

――インカレでの目標を教えてください

木野田 総合優勝が第一にあって、その中で総合優勝するためには女子クォドとペアとダブルの3種目は絶対優勝してほしくて、もちろんシングルにも優勝してほしいのですが目標として総合優勝を掲げる中で最低でもシングルには表彰台に乗ってほしいかなと思います。

――インカレへの意気込みをお願いします

木下美 何度も重ねてになるのですが最後のインカレでもありますし、私たちにとっては最後ですが下級生にとっては初めての人もいるのでそういった意味ではインカレに集中して、まずはその目標を達成するために合宿など積み上げて信頼関係を始めとしたやるべきことは積み重ねて最後やり切りたいと思います。

木野田 意気込みは何ですかと聞かれたら「勝ちます。見ていてください。」としかないですが、ただ勝つために今できることを全力でやっていくしかないかなと思います。いつも取材に来てくださる早スポのみなさんが良い記事が書けるように私たちも頑張っていきたいと思います。絶対勝ちます。

――ありがとうございました!

(取材・編集 茂呂紗英香)

はやりの『withB』のポーズをしてくださいました!

◆木野田沙帆子(きのた・さほこ)(※写真右)

1995(平7)年4月4日生まれ。青森高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは舵手付きクォドルプルのストローク。自身を『あまのじゃく』という木野田選手。『君の名は。』を見た後はどのような感想を述べるのでしょうか。「早スポが良い記事を書けるように」と気を配ってくださった姿が印象的でした。その言葉通りになることを期待し、早スポも全力で取材させていただきます!

◆木下美奈(きのした・みな)(※写真左)

1995(平7)年11月2日生まれ。山梨・富士河口湖高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは舵手付きクォドルプルの3番。『君の名は。』の良さを木野田選手に伝えようとするあまり、『君の名は。』を見た記者に向かって「良かったですよね?」とまっすぐな目で同意を求める姿からは映画に対する熱い気持ちが伺えました。その目線の先に映るのは勝利のみ。最後の舞台で存分に力を発揮してくださるでしょう!