3艇が敗者復活戦を勝ち上がり、準決勝へ

漕艇

 第38回全日本軽量級選手権2日目は敗者復活戦が行われた。早大からは10クルーが出場。男子舵手なしペア早大Bと男子シングルスカルの内田達大(スポ3=山梨・吉田)、女子ダブルスカル早大Aが勝ち上がり、準決勝進出を決める。残りのクルーは惜しくも敗退となり、今大会のレースを終えることとなった。

 最初に登場したのは男子舵手なしペア。早大Bはスタートから首位に出ると、勢いを落とすことなく優位にレースを展開していく。最後までリードを奪われることなく漕ぎ進め、準決勝への切符をつかみ取った。早大Aは序盤から遅れを取るも、中盤から徐々に艇を伸ばす。しかしトップには及ばず、敗退となってしまった。女子シングルスカルの北村綾香(スポ2=滋賀・膳所)と男子シングルスカル早大Cの井踏直隆(文構2=東京・早大学院)は前半で生まれた差を縮めることができないままレースを終え、大会2日目で姿を消す。そして、続いて出場した内田は圧倒的な強さを見せた。スタートから一気に飛び出すと、終始盤石なレース運びを披露。そのまま他艇を寄せ付けない大きな漕ぎで後続を大きく引き離し、準決勝へと駒を進めた。

他艇を寄せ付けないレースを展開した内田

 次に登場したのは2艇共に敗者復活戦に回った女子ダブルスカル。1、2年生のフレッシュな顔ぶれで挑んだ早大Bはスタートで出したスピードを維持できず、前半で先頭集団から離されてしまう。その差を最後まで詰め切ることができず敗退となった。一方、予選の悪天候により思うような漕ぎを披露できずにいた早大Aは第3クオーター時点で富山国際大と一橋大との3艇がほぼ横並びの状態に。それでも、「焦りもなく二人で落ち着いて漕ぐことができた」(田口えり花、商3=埼玉・浦和一女)と振り返るよう、強く丁寧な漕ぎで後続から逃げ切りトップフィニッシュ。激しいつば競り合いを制し、あすへとつなげた。続いて1年生同士で組まれた男子ダブルスカルは前半から他艇に先行を許すレース展開となる。中盤は順位を1つ上げ、スパート勝負を仕掛けるもトップには及ばなかった。男子舵手なしフォアは好スタートを切り優位にレースを進めるかと思われたが、徐々にペースを上げた一橋大に交わされてしまう。勢いづいた相手を最後まで捉えることができず、2着でのゴール。惜しくも敗退となり、選手たちは悔しさをあらわにした。早大勢最後の出番は男子エイト。前半から攻めていくレースプランであったが、他艇に後れを取ってしまう。予選で見つかった課題を生かし、焦らず立て直しを図ったものの序盤で生まれた差を縮めることはできず5着。悔しさを残したまま、今大会に幕を閉じた。

接戦を制した女子ダブルスカル

 強豪の社会人チームも多く参加する今大会。それだけに厳しいレースが予想されたが、全員が最後まで粘り強い漕ぎで勝利への執念を見せた。あす最終日は4クルーが出漕する。全員が納得のいく漕ぎを披露できれば、表彰台も見えてくるだろう。今こそ早大が底力を発揮するときだ。

(記事 黒田菜々子、写真 寒竹咲月)

★女子シングルスカルから2名が決勝進出を決める(小艇タイムトライアル)

圧倒的な強さを見せた米川

 第38回全日本軽量級選手権と並行して、小艇タイムトライアルが同時開催された。早大からは男女合わせて8クルーが出場。男子シングルスカルでは、木金孝仁副将(社4=東京・早実)、石田良知(スポ3=滋賀・彦根東)が好漕を見せるも、それぞれ4位、2位で敗退となる。その中で一際戸田を沸かせたのは、続いて行われた女子シングルスカルでタイムトライアル1A組に出場した米川志保(スポ2=愛知・旭丘)だった。序盤から磐石の漕ぎを見せると、ペースを一切落とさず圧巻の漕ぎを披露。社会人を含めた強豪がひしめく中で、学生1位、また全体でも2位の好タイムを収め、タイムトライアル2への進出を決めた。最後に登場したのは、男子舵手なしペア。序盤こそ大きくリードを許すものの、1750メートル地点からはピンクの牙城・日大を相手に、激しい猛追を見せる。その姿を捉えるかと思われたが、一歩及ばず。約2秒のタイム差をつけられ、2位でレースを終えた。あすは米川とタイム順により木下美奈(スポ3=山梨・富士河口湖)が決勝に挑む。

(記事 寒竹咲月、写真 黒田菜々子)

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結果

▽男子部(敗者復活戦)

【シングルスカル】

早大A 内田達大(スポ3=山梨・吉田)

7分52秒92 【1着 準決勝進出】



早大C 井踏直隆(文構2=東京・早大学院)

7分52秒58 【3着 敗退】


【舵手なしペア】

早大B

S:有田雄太郎(法3=東京・早大学院)

B:金子怜生(社2=東京・早大学院)

7分15秒07 【1着 準決勝進出】



早大A

S:得居亮太(法3=東京・早大学院)

B:菅原拓磨(国教4=東京・早大学院)

7分15秒41 【2着 敗退】


【ダブルスカル】

S:川田諒(社1=愛媛・松山東)

B:藤井拓弥(社1=山梨・吉田)

7分12秒44 【2着 敗退】


【舵手なしフォア】

S:石橋広陸(スポ3=愛知・豊田北)

3:東駿佑(政経3=東京・早大学院)

2:富田剣志(スポ3=愛媛・今治西)

B:石阪友貴(政経4=東京・早実)

6分49秒98 【2着 敗退】


【エイト】

C:佐藤修平(文3=秋田)

S:尾崎光(スポ2=愛媛・今治西)

7:川田悠太郎(国教4=東京・早大学院)

6:有田光佑(創理4=東京・早大学院)

5:寺田圭希(人4=滋賀・膳所)

4:杉田陸弥(人4=栃木)

3:山口幹太(法2=青森)

2:正木丈治(商2=米国・ウッドブリッジ高)

B:伊藤光(文構2=東京・神代)

6分44秒94 【5着 敗退】


▽女子部(敗者復活戦)

【シングルスカル】

北村綾香(スポ2=滋賀・膳所)

8分35秒72 【3着 敗退】


【ダブルスカル】

早大A

S:佐藤紫生乃(スポ4=宮城・塩釜)

B:田口えり花(商3=埼玉・浦和一女)

7分55秒98 【1着 準決勝進出】



早大B

S:工藤かれん(スポ2=愛媛・松山東)

B:南菜月(教1=新潟南)

8分10秒69 【3着 敗退】


小艇タイムトライアル

【男子シングルスカル】

早大A 石田良知(スポ3=滋賀・彦根東) 7分58秒34【組2位】

早大B 木金孝仁(社4=東京・早実) 8分01秒80【組4位】


【男子舵手なしペア】

S:鈴木大雅(スポ2=埼玉・浦和)

B:是澤祐輔(スポ4=愛媛・宇和島東)

7分01秒48【組2位】


【女子シングルスカル】

早大A 米川志保(スポ2=愛知・旭川)     8分24秒18【組1位】

早大B 木野田沙帆子(スポ3=青森)      8分46秒13【組4位】

早大C 土井鈴奈(教4=埼玉・浦和一女)    8分49秒63【組2位】

早大D 木下美奈 (スポ3=山梨・富士河口湖) 8分26秒81【組2位】

早大E 波多野響子 (教4=福岡・東筑)    9分02秒70【組3位】


コメント

田口えり花(商3=埼玉・浦和一女)

――きょうのレースを振り返って

きのうは、少し天候やコンディションが悪いところがあり思わぬアクシデントなども多くて、二人の良いところが出せませんでした。なので、きょうが予選という気持ちでしっかり二人の良いところを出し切っていこうという話をしてやってきました。

――お二人の強みは

クルーを組んだ当初から相性が良く、二人で長く強く漕ぐことができるというところです。

――どのようなレースプランで臨まれましたか

スタートで飛び出て、周りのクルーを見ながらレースをするというシンプルなレースプランで臨みました。

――ラスト、競るかたちとなりましたがなにか意識されたことは

距離としては近くにいるなという感じはあり、もう少し離したいという歯がゆい気持ちはあったのですが、焦りという焦りもなく二人で落ち着いて漕ぐことができたなという感じはしました。

――試合内容としてはどのような評価をされますか

まだまだ本調子を出せていないので、あしたはファイナルの押し切りから伸びる漕ぎをしていきたいなと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

紫生乃さん(佐藤女子主将、スポ4=宮城・塩釜)の最後の軽量級大会なので、最高の漕ぎをして二人で笑って終わりたいなと思います。

S:尾崎光(スポ2=愛媛・今治西)

――予選を振り返っていかがでしょうか

クルーとしてそこまで周りに比べて強いわけではなかったので最初から攻めていこうという感じでいました。基本を徹底していこうという感じだったのですが、悪くはないのですけど周りに比べて遅れを取ってしまって、焦ってそのまま立て直すことができずに今までやってきたことができなくて負けてしまったという印象が強かったです。

――きょうのレースプランは

きのうと同じようなことはしたくなかったので、最初に意地を見せて攻めていこうということだったのですが、同様に出られなくて。でもきのうよりも余裕があって、その後に立て直して追いかけることができたのですが、続かないというのが今回のクルーの課題でした。

――今大会を振り返っていかがでしょうか

周りとの力の差を痛感させられた二日間だったなと思います。結局何もできずに終わってしまったなという感じです。もっと何かアクションを起こして何かをできる大会にしようということだったのですが、周りに圧倒されてしまってやり切れない大会だったかなという印象です。

――お花見レガッタからエイト種目に乗っていて、得られたものはありますか

ずっと8人乗りの大きい艇に乗らせてもらってそこでしか得られない経験というのは技術的な面もそうですし、クルーの雰囲気だと思うのですが、そういうところでは得られる部分は多かったかなと思います。お花見(レガッタ)から中日本(レガッタ)は7番ポジションで前に先輩がいて付いていくという感じだったのですが、今回は自分がストロークになったということで結構プレッシャーとか責任も大きくて自分が何かをしなきゃいけないと思っていました。何ができたかは分からないのですが、それも良い経験だったなと思います。

――今後どのようなシーズンにしていきたいですか

きょねんも結果を残せず終わってしまったのでことしはチームの一員として様々な大会を通して結果を追求していきたいなと思います。自分がまず力をつけることが大事だと思うので、そういうところからしっかりして無駄にならない1年に、またらいねんにつながるような1年にしていきたいなと思います。