【連載】第84回早慶レガッタ事後特集 第4回 竹内友哉

漕艇

 ポジションをストロークから2番へと変え、昨年に引き続き対校クルーの座を獲得した竹内友哉(スポ3=愛媛・今治西)。漕ぎのリズムをつくり出すポジションから、クルーを見渡せる位置へと移動したその目には何が映っていたのか。試合を振り返っていただきながら、今後についてのお話を伺った。

※この取材は5月3日に行われたものです。

積み重ねた練習

悔しさ残る早慶レガッタを終えた竹内

――レースに関する率直な感想をお願いします

 レースに勝ったのに、結果失格というのがすごく悔しくて。悔しい思いでいっぱいです。ただ、ルールはルールなので、結果は結果として受けとめています。

――レース前のお気持ちは

 きょねんはその時は分からず、あとから考えたらやはり不安があったかなと思ったのですが、それと比べてことしはそんな不安もなくて。早慶戦を迎えるまでの練習の期間もその当日もすごく楽しくて。わくわくしながら漕げたなという印象があります。

――当日隅田川で漕いでいかがでしたか

 結果は置いておいて、いままでのレースにないくらいすごく僕は楽しかったです。

――前日はどうでしたか

 はっきりとは覚えていないのですが、そんなに緊張せずにしっかりと準備だけして、普段と変わらない感じだった気がします。

――当日までの練習の経過は

 最初は結構組み始めた時からずっとうまくいかない時期が続いていて、「これ大丈夫かな。」って思っていたのですが、段々良くなってきて。「これ俺らいけるんじゃないか。」っていう。みんなそんな感じだったと思います。

――練習場所と頻度は

 はっきりとは覚えていないのですが、隅田川では3回くらい。ここに(戸田ボートコース)にモーターを持ち込んだりすると他校に迷惑がかかってしまうので、波がある荒川で毎週末練習しました。

――当日のコンディションは

 当日は練習でも出ないくらい完璧なパフォーマンスだったのではと思います。

――隅田川自体のコンディションは

 例年になくフラットだなと。すごく漕ぎやすくて、最初のスタートの新大橋から両国橋までは荒れていたのですが、その後はそんなにはたくこともなくすいすい漕げたので。そんなに荒れていなかったのではと思います。

仲間たちの姿

――昨年はストロークでしたが、ことしは2番を務めていらっしゃいました。ポジションについての思いは

 2番でみんなが前にいるので、みんなのことを見ながら、声も出しながらいけたので。ストロークだと引っ張っていかなきゃいけないなという感じがあるのですが、2番なのでそんなに気持ち的にも焦ることなく、しっかりついていけばいいんだなという気持ちでいけました。

――皆さんのレース中の様子は

 みんなコックスのコールに反応できて、すごく元気があったという記憶があります。

――レース中に声を掛けたりした内容は

 コックスの声に返事を返すのと、あと「いけるよ、勝てるよ」というみんなにポジティブな声出しをしていたような気がします。

――ことし初めて隅田川で漕ぐ部員さんもいらっしゃったと思うのですが、そうしたクルーをどんな思いで見ていましたか

 きょねん自分自身初めて隅田川で漕いで、すごく緊張して何も覚えていないような状態だったので、二の舞にはならないでほしいなというのもありますし、自分が(そのように)ならせてしまっては駄目だなというのも思ったのですが、そんなこともなくて。監督が、「荒れた隅田でも、フラットな戸田ボートコースでもやることは一緒。同じ漕ぎをして、基本がしっかりしていれば隅田で荒れたところでも漕げる」という考え方で。みんなそれをやってきたので、隅田でも堂々としていけたのではと思います。

成長を糧に

目標に向かって突き進む

――レースを通して見えてきた課題は

 僕はちょっと漕ぎが短いので、もう少し長いレンジで漕げたらいいかなと思っています。

――いまは何をモチベーションにして練習していますか

 いまはまず、軽量級(全日本軽量級選手権)に向け(舵手なし)フォアを組んでいるのですが、そのフォアを速くさせるっていうことですかね。軽量級でまずメダルを取ろうというのを目標にしているので、メダルを取るために頑張ろうというのがあります。それと同時に、長田さんにやはり優勝カップを、というのはみんな思っていると思うので、みんな早慶戦で一回落ち込むのではなく、前進し続けていると思いますので、また夏に向けて頑張りたいと思います。

――一今後の目標と意気込みを最後にお願いします

 今後の目標は、一つはエイトでインカレ(全日本大学選手権)優勝ですかね。きょねんは日大とかいて不安はあったのですが、ことしは早慶戦も良いスピードが出て、「俺らいけるんじゃないか」と思えてきたので、まずインカレで優勝したいです。あとは、ことしU-23代表になれなかったのですが、僕はもう一年チャンスがあるので。ジャパンとして世界と戦いたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 伊能由佳、写真 井上陽介)

◆竹内友哉(たけうち・ともや)

1994(平6)年7月20日生まれのA型。172センチ、72キロ。スポーツ科学部3年。愛媛・今治西高出身。2014年度成績:第83回早慶レガッタ対校エイト2位、第36回全日本軽量級選手権M4-5位、第41回全日本大学選手権M8+3位、第92回全日本選手権M8+7位、第55回全日本新人選手権M8+3位