【連載】早慶レガッタ直前特集『逆襲』 第2回 S:角南友基×5:武田直己

漕艇

 昨年戸田で惨敗した第二エイトは借りを隅田川で返すべく、ことしは王座奪還を狙う。最上級生から選出されたのは、豊富な経験と圧倒的実力を持ち合わせ、中核的存在としてチームを担う角南友基(スポ4=岡山・関西)。そして早慶レガッタ初出場となり、持ち前の根性と強力なパワーでチームを盛り上げる武田直己(基理4=東京・青山学院)だ。いよいよラストイヤーを迎えるお二人に、早慶レガッタに向けての意気込みなど多岐にわたってお話を伺った。

※この取材は3月8日に行われたものです。

「お互いに良い意味でばか」

第二エイトのメンバーをけん引していく角南

――早慶レガッタまであと残り1カ月ですがチームの調子はいかがですか

武田 組んだ当初よりもスピードが全体として上がっていて、ポテンシャルが全体のパフォーマンスに反映されてきつつあるかなと感じます。

角南 まあ、いいんじゃないですかね(笑)。年がみんな若いので言い合えるというか、遠慮せずにのびのびとやっているなという感じはしますね。

――全体として部の雰囲気はいかがでしょうか

武田 みんな監督のおっしゃるモットーに従って、一つの目標に向かって全員でしっかりまとまっていけているかなと思います。

角南 みんな一人一人勝ちたいという意識はあるので、良い方向に向かっていると思います。

――第二エイトの練習中の雰囲気はいかがですか

武田 下級生が盛り上げてくれて、僕たち3年はしっかりパフォーマンスを出してそれに応えるという相応関係が成り立っていますね。練習も質の高いものになっているのではないかなと思います。

角南 対校(エイト)と川で並ぶと、負けることの方が多いのですが、勝つこともあるのでそこが自信につながっていると思います。このクルーのモットーが自信で、一人一人しっかり自信を持ってできているのでいいと思います。

――下級生の多いクルーですがまとめていく上で苦労する点はありますか

武田 下級生が頑張ってくれるので、自分はそれよりも常に頑張り続けてお手本を見せないといけないというところは大変ですね。常に気が抜けないです。

角南 僕はもともとばかなので、まとめるというよりは技術を教える立場にいて、陸ではほぼ個々に任せています。一人一人の意識を高めていけるようにやっています。気付いていないだけかもしれないですけど、まとめる上で大変だと思うことはないですね。

――オフシーズンは具体的にどのような練習をされていましたか

武田 全体としてはとにかく長い距離を漕いで体力を高めるのと、あとは筋力トレーニングをして体をつくっていました。

角南 とにかく長距離を漕いでケガをしないようにやっていました。

――具体的にはどんな目標を持ちながら練習していましたか

武田 少しでも自分のパフォーマンスを高めるように、調子が悪くても常に追い込んでさらに上を目指していました。とにかくがむしゃらにやっていましたね。

角南 以前は体重が重かったのですが、夏から8キロ痩せました。やっぱり自分の体重を自分で管理できないと重りみたいになってしまうので、徐々に落としながらやりましたね。体重が落ちていくことでパワーが落ちてしまったのですが、いまはスクワットとかエルゴとか、フィジカルの面では前よりも倍ぐらい上がるようになってきました。

――体重を落とすにあたって食事制限はされていたのですか

角南 僕は落とそうと思えば一週間で10キロくらい落とせるのですが、落とすだけでは意味がないので、長期的スパンを目標に夏の全日本(選手権)が終わってから一週間少しずつ落としていくっていう感じでした。なので、あまりご飯の制限はしていませんでしたね。ただ選考前に肺炎になってしまって、それで一気に82キロから69キロまで落ちてしまって選考も本調子でできなかったのですが、いまはがんがんキレキレでできています(笑)。

――チーム内でのご自身の役割は何だとお考えですか

武田 自分は競技力に関してはそこまで高いとは思っていないので、練習では気合で全体を盛り上げて、自分が頑張ることでみんなを追随させて士気をあげていく、その中で自分も少しずつ強くなっていくという感じです。

角南 僕は底上げかな。他人を伸ばす力もあるし、部の中で一番教えるのも自信があるので。自分だけでなく下級生も伸ばしていくことが自分の役割だと思っています。エルゴなどの機械でのタイムが対校と20秒近く違うのですが、それでも水上では勝ったりもしています。

――下級生を伸ばすことが得意という自信はどこから湧いてくるのでしょうか

角南 教えた後にビデオを見ても変わっていたり、エルゴのタイムも「角南さんのおかげで伸びた」と言ってくれることが多いので、そこが自分の役割における自信につながってきているかなという感じです。

――武田さんは下級生を指導するのは得意な方なのですか

武田 得意じゃないです(笑)。

角南 こいつは結構自分でやるタイプなのであんまり他人を教えるタイプではないです。 

――お互いの印象はいかがですか

武田 これは悪いことも言っていいですか(笑)。

角南 お前俺の悪いところ言ったら後で何を言うか分かってるよな(笑)?

武田 分かったよ(笑)。角南は練習ではめちゃくちゃ厳しいけど、すごく優しい面もありますね。

角南 それだけ?

武田 練習でも他人の立場になって親身に考えてくれます。「むちゃするなよ」など、厳しい言葉の中にも他人を考えていていいと思います。

角南 それだけ?もうちょっと言えよ(笑)。私生活の中でもリスペクトするところが何個かあるだろ?

武田 あと練習に対しての意識がとても高いですね。練習後もしっかりご飯を積極的に食べて体力を付けるだとか、消灯時間前に角南は必ず寝ているところなどですね。

角南 お前どうして俺のそんなところまで知ってるんだよ(笑)。

武田 疲れているときは寝るのが早いんですよ。10半消灯なんですけど、早くて9時には寝ますね。

――武田さんも寝るのは早い方なのですか

角南 お前ゲームばっかしてるもんな(笑)。

武田 してないよ(笑)。消灯まで勉強しています。 

角南 じゃあ次は俺が武田の印象を言います。最初1年生の時に武田が部に入ってきた時はとんでもないやつが来たなと思いました。会話をしても全然つながらないんですよ。でも俺と結構タイプが似ているというか、お互いばかです。お互い鈍感なので、何事もポジティブに考えてネガティブにはならないです。そういうところが良い意味でばかですね。あとはガンシューティングという鉄砲のゲームが武田は好きです。この前オフの日にゲームセンターに一緒に行った時には、こいつのおかげで普通なら1000円くらいかかるのに200円くらいでゴールできました。とにかく武田はゲーマーです。ボートに関して言えば、こいつは入ってきた当初は60キロで、ここ最近はパワーアップして80キロにまでいったんですけど、やっぱり体重って体型にもよりますけど、増やしやすい人と増えにくい人がいて。こいつはもともと(陸上の)長距離をやっていたので増えにくい体質だと思ったのですが、食べることはトレーニングだと言われて、誰よりもご飯を食べて体を大きくしてくれたおかげで、ボートに乗っているときには強いバックアップをしてくれるので僕は信頼しています。

――角南さんの言葉を受けて武田さんいかがですか

武田 めちゃくちゃうれしいですね(笑)。

――お二人は部の中でも特に仲が良いのですか

角南 やっぱり僕と武田に限らず、3年生全体のインパクトが強いというか個性が高いので、誰と仲が良いというよりはお互いみんなと話し合えて、本当の良い意味での仲間という感じがあります。ね、武ちゃん。

「全員に注目してもらいたい」

初の早慶レガッタ出場の思いを語る武田

――第二エイトの中で注目の選手はいらっしゃいますか

角南 やっぱり、誰に注目というよりは全員に注目してもらいたいですね。おのおの持っているものは違うので。この前クルーでミーティングした時も、自信を一人一人みんなの前で言ったのですが、みんなプライドがあるのだなと思って。誰かが突発的にうまいので注目してもらいたいのではなくて、僕自身はワセダのクルーとして、第二エイトと対校で分かれているというよりは一つのクルーとして、チームとして見てもらいたいですね。

――武田さんは角南さんの考えを受けていかがでしょうか

武田 対校、第二エイトに差がなくお互いに高め合っていって、お互いに尊重し合って良いところを吸収し合っていると僕も思っています。 

角南 第二エイト、対校というくくりを僕らはしていなくて、一つのチーム、クルーとして頑張っているという感じです。第二エイトという名前が付いた時点で、一般的には二軍という感じだと思いますが、僕はもうとにかく一つのクルーとして考えています。対校に練習で勝っても従来だったら二軍なのに一軍に勝ったという喜びが生まれると思いますが、やっぱり一クルーとして見たときに、冷静に勝っても悪いところは見えるのでそういう感じで練習しています。

――第二エイトに選ばれた時のお気持ちはいかがでしたか

武田 僕は1年の時には実力がなくて第二エイトにも選ばれなくて、2年の時にはケガで結果としては選ばれなかったので一度も早慶レガッタに出場していませんでした。3年では絶対に出てやるという意志があって、対校も視野に入れて練習を頑張っていたのですが、結果的に第二エイトに選ばれて頑張って良かったなという達成感を感じました。対校も第二エイトも同じではないか、第二エイトで勝てばいいじゃないかと思いました。

角南 選ばれた時は悔しいという気持ちもあったのですがそれは本当に一瞬で、ただ悔しいとずっと思ってもきりがないので、そこはもう僕たちの鈍感さで悔しさをチャンスに変えようと思って。自分のクルーも持てるし、ここで角南友基というものを公の場で見せることができるので、頑張ってやるぞという気持ちになりました。僕はスポーツ推薦でここ(ワセダ)に来て、本来ならば対校に乗って引っ張らなければならない立場にあるのですが、スポーツ推薦でもやっぱり勝負の世界は厳しくて結果は結果で対校に乗れない。でも僕はもうチャンスだと思って楽しみにしていて、自分のクルーが持てる分、絶対何が何でもこのクルーを勝たしてやるという気持ちです。最初の方は、「このクルーはケイオーにぼろ負けするのではないか」と言われていて、エルゴタイムでもかなり差があったりするのですが、それをどうやって勝てるクルーにしようかとずっと選ばれた当初は考えていました。

――第二エイトとして、練習のときにはどこに重点を置いて練習をしていますか

武田 監督に、第二エイトは対校に比べてまとまって力を伝えるという面では上だと練習中に言われました。エルゴの数値が低くても一体感で全体が協調して力を均等に出せるので、船の低速への還元率が結果的に高く、結果的にパフォーマンスも高くなるという長所を持っています。角南を中心に技術を共有してそこをお互いで共有して突き詰めていって、テクニカルな部分で高いパフォーマンスを実現していくという感じです。

角南 一番何を狙っているかというとやっぱりスピードですね。スピードを出すために手段はどうするのか、とにかくスピードを出せるか、コンパクトに漕げるかっていうのを目標にやっています。

――現時点で挙げられる第二エイトの課題はありますか

角南 武ちゃんもそうなのですが、ケガがちょっと多いかなという感じがします。やっぱりケガをしたら良いことはなくて、もったいないなと思います。予防をしていてもなるときはなるのですが、みんなが復帰して全員で目標に向かって練習することがいまの課題かなと思います。いまは第二エイトが全員そろってなくてリザーブの選手の方が乗ってくださって練習している状況なので、それを早く打破できればなと思います。

――角南選手はストロークというポジションにおいて意識していることはありますか

角南 一番前なので、みんな自分のブレードを見てもらうのでブレ―ドの動きとか、ゆっくり漕ぐときもしっかり丁寧な漕ぎを常に通すようにやっています。

――昨年も出場されていた角南さんは昨年のレガッタを振り返ってみていかがでしょうか

角南 たぶんこのクルーで早慶レガッタに勝ったことがあるのは僕しかいないです。僕は2年前の第二エイトのストロークとして漕いでいて、最初はケイオーに3艇身くらい出られていたのですが、桜橋で並んでゴール(勝利)したという危ないレースをしました。負けた時って自分の中ではがむしゃらにやって負けたという感じしかないのですが、勝った時って頭が結構冷静で、明確にどこでどういう感じだったかというのをすごく覚えています。なので、きょねんというよりは2年前に勝った時の方が印象が強いですね。ことしは一緒のポジションでストロークなので、漕ぐサイドは違いますけど、自分の中でイメージしながら漕いでいます。同じポジションなのでイメージしやすいですね。

――昨年の敗戦についてはどう受け止めていますか

角南 正直どうして負けたのか分からなくて、自分は110パーセントの力を出し切ったので、悔しいという気持ちしかなくて、冷静に振り返れなかったというのはありますね。

――お二人にとって、隅田川とはどのような場所ですか 

武田 隅田川にボートを浮かべてレースをするというのが斬新だなと思います。戸田は静水でコンディションが良いのですが、隅田川は荒波の中で水を被りながらレースをするのでがむしゃらで格好良いなという熱いものを感じました。

角南 やっぱ隅田の方が過去の先輩が漕いでいたのだなという伝統が感じられて、戸田でずっと練習をしていても戸田で練習するのと隅田で練習するのは自分の中では違っていて、波が高かったり静水だったり、小さい波がいっぱいあったりだとか予期せぬことが起こるのが隅田川。いまはマイナスな条件をどれだけプラスに変えられるかというのをイメージしてやっています。 

――お二人にとって、早慶レガッタは数ある大会の中でもどのような位置付けにありますか

武田 インカレ(全日本大学選手権)などは全国から大学が集まって競う順位制の大会ですが、早慶レガッタはワセダとケイオーだけで、2位であれば負けで勝つと優勝なので、そこの認識が違いますね。オフシーズン、他の大学は大量の練習を冬場に積み重ねている中で、自分たちは早慶戦に焦点を当てながら練習をしているほど重要な大会で、中にはインカレよりも重要な大会だと思っている人もいます。一大イベントという認識です。

角南 僕はどの大会よりも大事かなって思っています。

「何が何でもこのクルーを勝たせてやる」

終始テンポ良く会話する二人

――早慶レガッタ勝利のため、いまのチームに必要なことは何だとお考えですか

角南 内田さん(大介監督、昭54教卒=長野・岡谷南)の指示通りにやれば勝てると思うし、一人一人の意識も高いのであとはもうケガや事故、病気だけをなくせばいいかなと。足りない部分もあるのですが、すぐ直せると思うので。

武田 角南の言う通りケガを治して、レースでパフォーマンスを出す。あとはお互い高め合っていく雰囲気をいかにつくれるかというところですね。毎年、対校よりも第二エイトのがむしゃらにやるというイメージが強いのでそこでしっかり盛り上がってスキルを高められたらなと思います。

――ことしのケイオーのクルーについて印象や思うことはありますか

角南 特にありません(笑)。全然意識していないですね。僕は結構目から情報を入れないようにしていて、川にいても見ないようにしています。変に自信が付いたり、逆に不安になるのが嫌なので。本番一発勝負です。いま練習で対校という素晴らしい相手がいるので、そこで比べさせもらって勝負できるという環境があると思っています。 

――いまは早慶レガッタに向けて追い込みの時期だと思いますが、オフがある日はどのように過ごされていますか

武田 朝10時まで寝るとか。あとはゲームをやったりですね。

角南 廃人だな、お前(笑)。

武田 せっかくのオフのときは高校の友達を呼び出して外に出掛けたりとかしています。

角南 僕はお酒が好きだから夜はお酒を飲みに行ったりしています。

――部員さん同士で遊びに行ったりすることはありますか

角南 僕はないですね。とりあえず食べて、飲んで、寝たりしてリフレッシュしています。あとは海でサーフィンをしたり、スポーツが好きなのでテニスをしたり、サッカーをしたりいろんな場所へ行っています。

――いろんなことをされているのですね

角南 何でもしています(笑)。

――武田さんはゲーム以外の趣味は他にありますか

武田 最近キーボードにはまっていて。いろんな音色を出せるのが楽しいです。鍵盤の位置を覚えて弾けるようになったらいいなって思っています。

角南 え、何?キーボードで音楽するの?

武田 そうそう。だってエレキ(ギター)の音も出せるし。

角南 キーボードって楽器のキーボードか。パソコンのキーボードかと思った。とんでもないやつだなって思ったわ(笑)。

――同期の中で一番仲の良い選手はいらっしゃいますか

武田 藤井(英貴、スポ4=東京・本郷)と同じ未経験で入ったのですが、あいつは1年の時から何でもがむしゃらに取り組んでいて、お互いに良い刺激を受けていますね。一緒に焼肉などご飯を食べにも行っています。

角南 お前はキーボードが友達って言っておけよ(笑)。俺は誰というわけでもなくみんなと仲が良いし、仲が悪いわけでもないですね。

――昨シーズンを振り返ってみて、自分に点数をつけるとしたらいかがですか

武田 85点くらいですね。結構頑張ったという実感があって、それに追随して成績も伸びたかな。インカレもベスト16まで残って、その中で頑張れたという感覚はあるのですが、ローイングのパフォーマンスをあげる上でもっとやれたのではないかなと夏が終わって思いました。ただ、技術やフィジカルをもっと徹底してやっていこうかなというところがマイナスでした。

角南 僕は51点ですね。あんまり試合で勝てなかったというのがあって、勝てたら良い点数にしようと思っていたのですが。全日本は優勝するつもりだったのですが、予選で落ちてしまって5位だったので全部は良い試合ができませんでした。ただ、きょねん田崎さん(佑磨、平27スポ卒)と(舵手)付きペアに乗らせていただいて教え方など学んだことが多くて、そういう面で成長できたかなと思います。あとはイチローが好きなので51点にしました(笑)。

――昨シーズンから自分が成長したと思う点はありますか

角南 武田はコミュニケーション力が上がったよね。 

武田 確かに上がりました。理系ということもあって勉強ばかりしていたのであまり人と話す機会がなかったのですが、自分の話が誰かと共有できないとお互い楽しくないし、話すことが大事だと思えたのはこの部に入って多くなったおかげです。このままではいけないと思って、初めは話している時は言葉を途切れさせないところから意識しました。この部に入っての大きな成長の一つですね。

角南 僕は髪の毛が伸びました(笑)。

――ご自身の強みは何だとお考えですか

武田 良い意味でばかっていうのはやっぱり強みかなと思います。

――そこがお互いの共通点だと先ほど角南さんもおっしゃっていましたが

角南 ばかレベルは武田の方が高いですけどね(笑)。

武田 はいはい(笑)。ポジティブになるとそれなりに頑張れるところと、あとは根性ですね。つらいところで止めようという判断になるのではなく、もっと頑張れる根性が強みです。

角南 要するにドMっていうことですね。僕は武田の言う根性みたいな感じではなくて、試合中どんな状況でも諦めないというか、勝てると思い込んで体が勝手に動いてくれます。

――新体制となってから、チームに変化はありますか

武田 4年生がいなくなって自由が増えた分、個々に責任が増えたという感じがありますね。

角南 上級生が変わって、きょねんの先輩とことしの僕らの同期はタイプが違ったので最初はどうなるかなと思ったのですが、長田(敦主将、スポ4=石川・小松明峰)中心にみんなまとめてくれているので、チームとしては徐々に良い方向にいっていて、部としての僕の役割も見えてきたかなと思います。

――最高学年になるということで心境に変化はありますか

武田 上級生ということで生活面でのミスができなくなったので、そういう部分は意識するようになりました。

角南 やっぱりワセダの一部員として勝ちたいのではなくて、どの試合でも勝たなければいけないという使命感というか、プレッシャーを感じるようにはなりましたね。

――ラストイヤーはどのような年にしたいですか

武田 早慶レガッタはもちろん、インカレに向けても、全ての大会を全力でやっていきたいです。

角南 最後にまた取材されたときには100点だったと言えるようにしたいです。何事にも全力で取り組むことが一番大事だと思うし、そう取り組んだ結果、優勝できればなと思います。

――最後に早慶レガッタに向けて意気込みをお願いします

武田 練習は真面目に楽しんで、早慶レガッタではケイオーに勝って万歳がしたいです。

角南 後輩には初めての人もいて不安だとは思うけど、自信を持って頑張れればなと思います。とにかく負けたくないです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新庄佳恵、写真 土屋佳織)

◆角南友基(すなみ・ゆうき)(※写真右)

身長176センチ、体重74キロ。岡山・関西高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは第二エイトのストローク。対談中は武田さんへのツッコミが鋭く、終始笑顔の絶えない対談となりました。どこまでも自信と情熱が溢れていて、頼もしいリーダー的存在である角南選手。早慶レガッタでもその頼もしさを武器に第二エイトクルーをけん引してくれることでしょう!

◆武田直己(たけだ・なおき)(※写真左)

身長177センチ、体重78キロ。東京・青山学院高出身。基幹理工学部4年。ポジションは第二エイトの5番。赤羽にある『ラーメン二郎』に通い詰めているという武田選手のまたの名は、『ジロリアン』だそうです。そんな武田選手ですが初出場となる早慶レガッタに向けての気合は十分。隅田川でも持ち前のパワーを遺憾なく発揮してくれることに期待です!