男女両エースクルー、決勝進出ならず

漕艇

 「自分たちのやってきたことが全然出せなかった」(中村拓、法3=東京・早大学院)。大会3日目は対校艇である男子エイトと女子舵手付きクォドルプルが共に力を発揮できず、決勝への切符を逃すまさかの展開に。それでも女子部の舵手なしペア、ダブルスカル、エイトの3艇が決勝進出を果たし、日本一の称号を目指すこととなった。「何を伝えて何を残せるのか」(辛島瑞加女子主将、スポ4=東京・富士見)。4年生は泣いても笑ってもあすで引退。ワセダのDNAを後輩たちへ継ぐために、最終日は全艇悔いのないレースを展開してほしい。

(記事 細矢大帆)

★悔しさを胸にあすのレースへ(男子部)

 男子部の先陣を切ったのは、きょねん同種目で全日本大学選手権(インカレ)優勝を果たした田﨑佑磨(スポ4=茨城・潮来)を擁する舵手付きペア。5位に終わった今季のインカレの雪辱を果たすべく、敗者復活戦に臨んだ。好調なすべり出しで一時はトップに躍り出るも、中盤以降、コンスタントの伸びに定評がある立大に追い詰められる。ラストクオーターで接戦を繰り広げ、健闘するも力及ばず2位でのフィニッシュ。惜しくも決勝進出はならなかった。しかし「自分たちがやってきた中で最もいいレースができた」と語る角南友基(スポ3=岡山・関西)。あすは気持ちを新たに3人での最後のレースとなる順位決定戦に臨む。続く舵手なしフォア、舵手付きフォアも善戦むなしく準決勝敗退。涙をのむ結果となった。

力を出し切れなかった男子エイト

 最後に登場したのは、きのうの敗者復活戦で激戦を制した男子の花形種目であるエイト。インカレ優勝の日大、予選でワセダに3秒の差をつけ準決勝へ進んだ明治安田生命と同組という、厳しい対戦カードとなった。序盤に他艇に大きく遅れを取ると、「全体的に焦りと空回りがあった」(中村)と振り返るように、悪い流れを断ち切ることができないまま結果は4位に。終始、ワセダの強みが発揮できず、後味の悪いレースとなった。だが、勝負はきょうで終わりではない。「お世話になった先輩方を笑って送り出せるようにあしたは死ぬ気で頑張ります」(石橋広陸、スポ1=愛知・豊田北)。一漕ぎ一漕ぎに思いを乗せ運命のラストレースへ――。有終の美に期待したい。

(記事 三佐川唯、写真 加藤千暁)

★インカレ女王、まさかの結果に(女子部)

 女子部からは5クルーが出艇し、熱き戦いを繰り広げた。先陣を切ったのは予選から盤石な漕ぎをみせる舵手なしペア。レースプラン通りスタートから頭一つ飛び出すと、理想的なレース展開を披露。そのまま他艇を寄せ付けず1位でゴールし、見事決勝への切符をつかんだ。続くダブルスカルもスタートから中盤にかけて他クルーを突き放すと、そのまま一度も先頭を譲ることなくフィニッシュ。「一番輝いているメダルを取りにいきます」(木野田沙帆子、スポ1=青森)と目指すは優勝のみ。敗者復活戦に挑んだエイトは序盤からペースをつかみ、優勢かと思われたが徐々に立大に猛追を仕掛けられる。ラストクオーターまでもつれ合う展開となったが、底力を見せたワセダ。接戦を制し、あすの決勝へ臨む。

 一方、波乱の展開となったのは決勝進出が確実視されていた舵手付きクォドルプル。スタート直後に誰もが予想だにしないアクシデントが起こる。まさかの腹切りでロスタイムが生まれ、1位の明治安田生命に大きく引き離されてしまう。しかしインカレ女王は諦めない。立て直しに成功し、最後まで明大と2位争いに持ち込んだ。接戦を繰り広げたものの「うまくはまらなかった」(谷川早紀、スポ4=愛媛・今治西)と焦りが取れず結果は3位に。見据えていた『優勝』への道は閉ざされてしまった。

まさかの結末にぼうぜんとする女子舵手付きクォドルプル

 シングルスカルに出場した木下美奈(スポ1=山梨・富士河口湖)はスタートから他艇に遅れを取ってしまう。しかし終盤に追い上げ2位争いを演じるも惜しくも敗退。ルーキー木下にとって全日本のレベルの高さを痛感する大会となった。

 何が起こるか分からない。そんな明暗の分かれる結果となったきょうのレース。しかしあすは泣いても笑ってもラストレースだ。「望月(みづほ、スポ4=埼玉・大宮)さんが一番になって輝けるように頑張りたい」(木野田)とそれぞれの思いを胸に日本最高峰の舞台へ。今季の集大成を笑顔で締めくくってほしい。

(記事 黒田菜々子、写真 加藤千暁)

結果

▽男子部

【舵手付きペア】(敗者復活戦)

C:藤川和暉(法2=東京・早稲田)S:田﨑佑磨(スポ4=茨城・潮来)B:角南友基(スポ3=岡山・関西)7分57秒89【2位、順位決定戦へ】

【舵手なしフォア】(以下準決勝)

S:木金孝仁(社2=東京・早実)3:小林大河(国教4=東京・早実)2:藤井英貴(スポ2=東京・本郷)B:和田優希(教3=滋賀・膳所)6分46秒84【3位、順位決定戦へ】

【舵手付きフォア】

C:佐藤修平(文1=秋田)S:寺田圭希(人2=滋賀・膳所)3:小坂紀夫(商4=東京・本郷)2:武田直己(基理3=東京・青山学院)B:石阪友貴(政経2=東京・早実)7分25秒83【4位、敗退】

【エイト】

C:中村拓(法3=東京・早大学院)S:長田敦(スポ3=石川・小松明峰)7:青松載剛(スポ4=京都・東舞鶴)6:石田良知(スポ1=滋賀・彦根東)5:是澤祐輔(スポ2=愛媛・宇和島東)4:竹内友哉(スポ2=愛媛・今治西)3:正垣克敏(スポ4=熊本学園大付)2:内田達大(スポ1=山梨・吉田)B:石橋広陸(スポ1=愛知・豊田北)6分15秒67【4位、順位決定戦へ】

▽女子部

【舵手なしペア】(敗者復活戦)

S:土井鈴奈(教2=埼玉・浦和一女)B:辛島瑞加(スポ4=東京・富士見)8分10秒89【1位、決勝進出】

【エイト】(敗者復活戦)

C:亀本咲季子(人2=埼玉・浦和一女)S:坂内千紘(商4=東京・日比谷)7:辛島瑞加(スポ4=東京・富士見)6:田口えり花(商1=埼玉・浦和一女)5:波多野響子(教2=福岡・東筑)4:土井鈴奈(教2=埼玉・浦和一女)3:石上璃奈(スポ1=長野・下諏訪向陽)2:木下美奈(スポ1=山梨・富士河口湖)B:三上千沙(スポ1=青森)7分13秒12【1位、決勝進出】

【シングルスカル】(以下準決勝)

木下美奈(スポ1=山梨・富士河口湖)8分30秒20【4位、敗退】

【ダブルスカル】

S:木野田沙帆子(スポ1=青森)、B:望月みづほ(スポ4=埼玉・大宮)7分41秒09【1位、決勝進出】

【舵手付きクォドルプル】

C:奥山瑞恵(教4=東京・富士見)S:榊原春奈(スポ3=愛知・旭ヶ丘)3:土屋愛(スポ3=新潟・阿賀黎明)2:谷川早紀(スポ4=愛媛・今治西)B:佐藤紫生乃(スポ2=宮城・塩釜)7分26秒43【3位、順位決定戦へ】


コメント

C:中村拓(法3=東京・早大学院)

――きょうのレースを振り返って

予選と敗者復活戦の反省を生かして序盤からアグレッシブにいきました。自分たちの良いイメージを淡々と出していくという気持ちでやったのですが、全体的に空回りしてしまいスタートから離されてしまいました。そこからはさらに空回りしてしまい、艇を運ぶということができませんでした。

――全日本選手権(全日本)のレースの中では一番悪い内容となってしまったのでしょうか

そうですね。予選よりも良い位置に付けて、勝負どころでまとまってというイメージはみんなでしっかりできていました。しかしスタートスパートに入ってから、伸ばしたいところで伸びず、そのままの感じでコンスタントに入ってしまいました。コンスタントに入ってからすぐにコールを入れたのですが勢いは上がらず、艇のスピードもとても悪かったです。全体的に焦りと空回りがあったと思います。

――決勝進出を懸けて日大を意識しましたか

あまり日大を意識するような話は全体ではなかったです。とにかく決勝に上がりたい一心で、自分たちのパフォーマンスを出せれば決勝にいけると思っていました。練習では良い感じだったので、それを発揮することに集中していたのですが。

――逆風のコンディションは影響しましたか

正直、逆風は得意ではないので影響はあったと思います。しかしそれ以上に自分たちの漕ぎが出せなかったのが大きいです。自分たちがやってきたことが全然出せなかったのが悔しいです。

――疲労が影響した可能性はありますか

インカレ(全日本大学選手権)でも同様に4本のレースをやったので、疲れというのはあったかもしれませんが、それ以上に気持ちの面で焦りがあったと思います。アップでもふわふわした感じがあったので、自分でも落ち着かせるように工夫していました。

――焦りや空回りの原因は何だと考えられますか

スピードに乗って行けずに、少しオーバーペースのまま行ってしまい、自分たちのやりたいことができませんでした。スタートで離れてしまい、その時点で焦りはあったと思います。

――春の早慶レガッタでも序盤で相手に離されてしまい、焦って本来の漕ぎができず最後まで追い付くことができないレースがありました

今後どういう戦い方をしていくかはクルーによっても違うので何とも言えませんが、確かに相手に出られてしまったときの戦い方は考えないといけないかもしれません。ただし今回に関しては、普段通りのスタートができたらそこまで離されないというイメージができていたので、自分たちで崩したという認識が強いです。

――最後のスパートはコックスとしてはいかがでしたか

決して良いものではありませんでした。もっとスパートができていたこともありました。どうしても中盤レートを早くして焦ってしまっていました。1本で艇を進めるというのができていませんでした。難しい状況でラストスパートをかけなくてはならず、その前の段階にも問題がありました。それで劇的に変えるというのは難しかったです。

――あすはこのクルーでの最後のレースです。あすまでに修正したいことは何ですか

まずは敗戦を払拭(ふっしょく)してしっかり切り替えて、あしたは1位を狙いにいきます。もう一度少ない残り時間でもいままでやってきたことを思い出して、自分たちの良いところをイメージしたいです。それはしっかり遠くで水をキャッチし、良いリズムで伸ばすことです。この全日本ではレースごとに悪いところを探していってしまっているので、もう一度良いイメージを思い出して基本に忠実にしたいです。良いリズムで一本の伸びを出していきたいです。

B:角南友基(スポ3=岡山・関西)

——きょうのレースを振り返って

自分たちがいままでやってきたレースの中で最もいいレースができたのかなと思います。

——きのうからの反省点は

インカレの反省で第2クオーターから落ちていくということがあったのですが、きのうは第2(クオーター)を耐えてその後出られた感じがありました。しっかりきょうは第3クオーターからまとまっていこうというのがあって、そこはできたと思います。

——第1クオーター終了時点では立大にリードしていましたが

スタートは自信があるのですが、インカレの時はスタートで出た後落ちていくということがあったので、その後もリラックスして漕ぐことをイメージしてはいました。

——中盤に順位を落としてしまった要因は

1500メートルくらいまでは立大が視界にもいる感じで、自分たちが落ちたわけではなく立大の方が1枚上手だったかなと。自分たちも上げたのですが追い付くことはできませんでした。

——立大への印象は

インカレの時の記録とかを見てもかなり離されていたのですが、きょうは何とか3秒差に抑えることができました。

——終わった直後は悔しがる素振りもありましたが

終わってすぐはやっぱり悔しくていろいろと込み上げてくるものもありました。でもいまは1回冷静になってあしたに切り替えていくしかないと考えています。

——昨年好成績を同種目で残していることへのプレッシャーは

逆にあまり感じないですね。気にしなかったのですが、やはり比べることとかはありました。他大も付きペアの強化をしてきているので、思うようにはいかなかったですね。

——レース前、田﨑佑磨選手(スポ4=茨城・潮来)や藤川和暉選手(法2=東京・早稲田)と話したりしたことはありましたか

まずはリラックスしていこうと。きのうの良かったところをしっかり出して、それにプラスアルファで取り組んでいこうということを話しました。

——あすはインカレと同じ順位決定戦となります

きょうのレースは負けてしまいましたが、自分たちの自信につながる部分も多かったです。きょう負けて落ち込むのではなく、1回1回のレースでしっかり切り替えて勝ちにいきたいと思います。

——あす田﨑選手にとっては最終レースとなります。意気込みを

しっかり田﨑さんを信じてついていきたいです。変に考えて力むのはなしにして、しっかり自分たちのいいところを出して最後しっかり戦ってきたいと思います。

B:石橋広陸(スポ1=愛知・豊田北)

——準決勝では4位となりました。いまのお気持ちは

きょうは1番を獲って決勝にいくことがクルーの目標だったので、いけなかったことがすごく悔しいですし、インカレから僕は青松(載剛、スポ4=京都・東舞鶴)主将と正垣(克敏、スポ4=熊本学園大付)さんを絶対決勝に導いてあげたいというか、青松さんと正垣さんと一緒に決勝にいきたかったのですごく悔しいというか残念です。ちょっと、自分の力不足が悔しいなというのが率直な思いです。

——本日のレースプランは

前半に出て、そこから粘って最後に第4クオーターでスパートをかけて1位を獲るというプランだったんですけど、日大と東レ滋賀が僕たちよりも上で最初に頭を取られてしまったんですけど、その中でも前半少しでも上げようとして、その結果前半で出し切ってしまった感じがあります。そこから3位のトヨタ紡織にじわじわ離されたという苦しいレース展開になってしまいました。

——持ち味のコンスタントの伸びが出せなかったのは序盤に要因があるということですか

そうですね、前半に焦っていった分、後半に足に乳酸がたまって苦しかったのと、きょうは少し逆風だったので少しずつリズムが崩れていって自分たちの持ち味である、最後まで一本一本強くっていうのが皆でまとまってできなくてコンスタントに伸ばせなかったというのがあると思います。

——クルーの調子は

練習の時はすごく調子が良くて、きょうはいけると思っていたんですけど、レースではあまり思うようにいかなかったので、ただクルーは切り替えてあすの順位決定戦で1位を獲ることだけを考えています。

——インカレでは日大とは1艇身差でしたが、今回は大きく離されてしまいました

あまり日大は意識していなくて、とにかく1位を獲ることだけを考えていました。1番を獲れなかった時点で自分たちの力が発揮できていなかったと思いますし、結果を聞くと、インカレよりも差が広がってしまったというのがきょうの全日本でインカレのときよりも出し切れていなかったということだと思うので、インカレの決勝ですごく良かったパフォーマンスをもう一度あした出していきたいです。

——あすのレースで引退する先輩もいらっしゃいますが何か先輩に向けての言葉はありますか

感謝だけですね。1年生で僕は技術的にも体力的にも先輩たちに劣っていて、その中でも先輩たちは僕のことを信じてくれて、いろいろサポートをしてくれたので、その先輩たちには本当に感謝しかないです。先輩方を笑って送り出せるようにあしたは死ぬ気で頑張ります。

3:小坂紀夫(商4=東京・本郷)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

インカレとほとんど同じ組み合わせで、インカレのときは前半出し切りであとは粘ろうという作戦でしたが、今回は抑えてコンスタントに出すことを心掛けました。ただ、本番でレートを落とし過ぎてしまいました。

――準決勝ということでしたが、目標タイムであったり、レースプランは設定していましたか

タイムで目標は決めていませんでしたが、並べたクルーには絶対勝つという気持ちを持っていました。決勝にいきたかったですがかないませんでした。レースプランとしては第1、2クオーターは並んでいて、第3クオーターで少し差を付けられても1艇身以内にして第4クオーターで詰めようと考えていました。

――実際出場してみての改善点であったりは見つかりましたか

リラックスするべきだったなというのは思っていて、その上で今回のタイムは全日本選手権通して一番悪かったので、そこは問題でした。あとは、純粋に逆風のときのパワーの必要性というのは感じて、ウエイトトレーニングはあまりしない方針でしたが個人的にはもうちょっとはしてもいいかなと思います。

――ここまでのクルーでの取り組みを振り返っていかがですか

付きフォアはコックスが乗っている2番目に早い艇なので、どこの大学もファーストかセカンドクルーが乗ってきます。その相手と自分たちが戦うために、インカレで2000メートルをあまり漕いでなかったことで、体力がもたなかったため、練習で何度も2000メートルをやりました。それで、準決勝まではいけましたが最後までいけなかったのは悔しいです。

――これが現役最後の試合となりましたが現役時代を振り返っていかがですか

小3の頃からバスケットボールを始めて、そこから自分のスポーツが始まったのですが、早慶戦できょねんセカンドで勝つまで勝ったことがありませんでした。なので、早慶戦は自分の中で心に残っています。自分が漕艇部に入って思ったのは球技は負けたら次の試合がありませんが、ボートは順位決定戦や、敗者復活戦があります。そこに最後まで慣れることができませんでした。

――最後に後輩への思いを聞かせてください

3年生は学年が上がると世界が変わるので、あいさつだったりも自分からしないといけませんし、注意されることもありません。自分に厳しくすることが大切かなと思います。2年生はいまを楽しむことが一番かなと思います。1年生は先輩のために勝つとかいうことは考えなくていいと思います。自分のために頑張ってほしいと思います。

B:和田優希(教3=滋賀・膳所)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

前半良かったんですけど、後半はリズムが少し重かったかなと。それが一番大きいですね。

――きのうクルーの皆さんとどんな話し合いをされましたか

前半からばんばんいこうと。勢い良く攻めて、楽しくやりましょうっていうだけです。最終日はもう決まってたんで、もう気負わずやることやって、まとまってやっていきましょうと。そういう話だけして、レースのイメージをしました。前半から頭出て、(周りを)見ながらスパートをかけて、粘って逃げ切って、またラストスパートかけてっていう展開ができれば理想でした。きのうのレースではそれができたんで、同じ展開を今度は日大相手にやれればなという話をしてて、きょうはその通りにはいかなかったかなと。

――第2クオーターのタイム落ちが見られましたが

いや、第2クオーターは落ちたというよりかは、出だしが速いっていう感じで。他と比べたら落ちてるんですけど、スタートに自信があって、そこからスタートとスパートでどれだけ出て、日大を見ながら2位で上がれれば良かったんですけど。日大も初日でそういうレースを仕掛けていたので、そこで一気にいかれずにというふうに見てたんですけど、500メートルくらいで早めに日大がミドルスパートをかけたので、ちょっと出られて、プランができなくなったというのがありました。

――予選と敗者復活戦ではあまり日大とのタイム差はありませんでしたが、きょうは約6秒差つけられてしまい、その要因は

日大というと技術的にもかなり上です。うちのクルーは良く言えばフレッシュというか、(高校まで)未経験のメンバーも多い中でやってるのに対して、日大は高校の時から常にトップで活躍してた選手ばかり入って漕いでるので。例えばレースで逆風が吹いた時、重さに負けて(漕ぎの長さが)短かった動きが今回うちにはあったんですけど、そういうところで日大は、長く押し切れて次の一本を軽いリズムをキープできたりとか。漕ぎに安定感がありますね。あとは例えば、きょう競ってたところでうまく全員でまとまれたというところは多分向こうの方が上手だったので、やはりレースの慣れとかいままでの経験で、うちのクルーよりも日大の方が上だったっていうのがあります。直接対決で一回学習して日大がプランを変えたか何かで、きのうは直接対決はしてないんですけど、きょうはどんどんいかれたかなと。

――きょうの結果とタイムについてどう思われますか

ちょっと逆風が吹いてたっていうのもありますね。あと出る前に言ってたクルーを信じていくってところで、きょうはちょっと信じきれなかったというところがあって。日大が遠かったので、スパートをかけて果たしてそれが効いたのかとかそういうメンタル的な面で信じきることができなかったというのが反省であるので、そうなるとスパートの入れ方とかもばらけてくると思います。そういうところからまとまらないと逆風とはいえタイムは縮められないなと思います。

――バウとして後ろからクルーを見ていかがでしたか

最後はやっぱりアップアップしている感じでした。例えば、上体はうまくリラックスして、しっかりレッグドライブで加速的に押していくというところで、最後は焦りとかで力んで崩しちゃったりとかしてました。全員でリラックスして、長く押して加速させてっていう感じじゃなくて、一人一人がばらついてうまく船が動いてないんじゃないかなっていう感じで苦しそうでした。

――そのような時に声掛けはさせましたか

一応やることはやるって事で、リラックスするということと多少の風とか波があるので、押し切りをしっかりファイナルまで加速させるというコールは掛けて、普段やってないことはあまりやってはいけないので、いままでやってきたことだけを後ろから言うようにしてました。

――あすのレースまでに修正することや課題はありますか

結構大舞台がかかってたので、そこでみんな結構燃えてっていうのがきょうありました。あした本当に順位をどこにつけるかというレースなので。どこにつけても決勝にいきたかった自分たちにとって、順位決定戦の順位はあまり意味がないと。その中でできるだけ上にいきたいというだけなので、適度に燃えて臨めるのかなって思います。僕はいままでやってきたことを確認するだけかなと思います。特にきのうのイメージなんかは良かったので、そのイメージをあしたも持って挑むだけで良いのかなと。大きくは変えたりせずに、それだけをもう一回イメージし直して、リラックスしてあした臨めれば良いパフォーマンスができると思います。

――あすに向けて意気込みをお願いします

決勝のクルーよりも良いタイムを出して、自分たちの方が本当は順位が上だったと言えるように頑張ります!

B:辛島瑞加女子主将(スポ4=東京・富士見)

――ペアのレースを振り返って

エイトも後ろに控えていてタイム的にも結構余裕があったので、前半の1000メートルまでは漕いでその後はレートを落として艇速を変えないという感じで余裕を持って漕ごうということを話していました。

――スタートから抜け出しましたがレースプラン通りでしたか

決勝では前半で頭を取らないと辛いので、1000メートルまでは決勝を想像したプランでやりました。それ以降は大きく長く漕ごうということだけでした。

――決勝で当たる他艇の印象は

名古屋大も立命大もインカレの時より安定感は出てきているなという印象です。女子ペアは結構後半になるとガクッと下がってしまうところが多いのですが、その2つはずっとイーブンに漕ぎ続けられますしスタートもバッと出ることができるので穴がないなと思います。

――エイトはいかがでしたか

きょうはとにかく一艇上がりだったので、どんな漕ぎであれ1位で上がることができたので一安心しました。

――レース前に話し合われたことはありますか

レースプランは立てたのですが実際に出てみたら逆風だったので、押し切るところは合わせようということを言っていました。スイープの初心者もいたので難しく考えず、その一点に絞ってやりました。

――きのう「一本の質」が課題だとおっしゃっていましたがその点に関しては

きのうは第2、第3クオーターでヒートアップしてそのままいってしまったのですが、きょうは第2、第3でレートを落とすけれど一本一本正確に漕いでいくことができたので、課題をつぶして一日一日のレースで成長しているなと感じます。

――体力面はいかがでしょうか

ダブルエントリーは覚悟していたのでいい疲れだなという感じです(笑)。

――課題は見つかりましたか

体力があるのは分かっているので、あとはどうなるかということを怖がらずにスタートから出ることがペアでもエイトでも必要だなと思います。

――女子クォドが負けてしまったことについて女子部としてどう考えていますか

女子部としては対校艇でもあったので残念だなというのはありますが、あしたも試合があって、最後まで何かやっていこうということはみんな全員統一して思っていることなので、そこを最後までやってほしいと思います。4年生も乗っていますが4年生は後輩に何を伝えて何を残せるのかというのを最後まで考え続けてほしいです。私は2種目に出るので、勢いがワセダに、女子部に残せるように頑張っていきたいと思います。

――あすの決勝に向けて意気込みをお願いします

ダブルエントリーで両方どうなるか初日は分からなかったのですが、ここの決勝の舞台まで来たらあとはやるだけなので思い切って、楽しんで頂点を取りにいきたいと思います。

2:谷川早紀(スポ4=愛媛・今治西)

――きょうのレースを振り返って

アクシデントがあったのですが、ずっと抜いて抜き返されてっていう繰り返しで勝負しきれなかったです。あと、まだクルーキャップとしてそこまでまだ後輩を引っ張れなかったということを反省しています。

――アクシデントとは

腹切りがあって。スタートして何メートルかは覚えてないのですが、まだ500メートルきていないところで1回やっちゃって船が止まっちゃったのですがそれまでは明生(明治安田生命)に食らいついてて、明大には結構差があったのですけど。それがあってから抜かれて、まだ見える範囲だったのですが…という感じです。

――レース前にクルー同士で話し合われたことはありますか

普通にやれば、決勝には絶対いけるから、でも周りは結構強いからしっかりちゃんと取りにいこうって話しました。

――ラストまで明大と競っていましたが動揺などありましたか

やっぱり腹切ってから立て直しはできたのですがうまくはまっていなかったのかなって。焦って漕ぎながらっていう部分があったのかなって思います。それで最後のスパートを入れたときにまだやっぱり競っていて、焦りが取れずにいったのかなって。うまくまとまりきれなかったのかなっていう印象があります。

――インカレ後のシートチェンジの影響はありましたか

コンスタントには強く漕げるっていうのがインカレの時にあったのですが、スタートだったりラストスパートだったりの爆発的な、単発的なスピードが足りなかったのでそこを変えようとシートチェンジしました。そうすると爆発的なスピードが出るようになったし、コンスタントもそのまま持続はできるようになったかなって思います。

――あすに向けて修正したい点はありますか

特に修正したいところはないです。あしたは本当に自分たちの、このクルーで乗るのは最後だと思うので自分たちがいままでやってきた漕ぎを出して、観客にも魅せて、楽しく漕ごうというつもりでいます。

――あしたは学生最後のレースだとおもいます。意気込みをお願いします。

とりあえず、楽しんで漕ぎます!

S:木野田沙帆子(スポ1=青森)

——きょうのレースを振り返ってみていかがですか

最初インカレでは第1クオーターで自分の定速を伸ばしていなかったので第1クオーター目が課題だったんですけど、きょうはクルーの方に対して第1クオーターの時点である程度相手の艇を離していたのでそこはインカレからの成果がでていたのではないかと思います。

——きょうも他艇と圧倒的な差をつけてのゴールでした。きょうはどのようなレースプランで臨みましたか

序盤で出て、そこからコンスタントで落とさないような漕ぎを目指していたんですけど、スパートは余力を残していたもののそれでも少し落ちが出てきてしまいました。きょうはどうしてもコンディションが不自然な波で、一本が出し切れてなかったという点があるので、あすはそのようなところを改善していきたいなと思いました。

——インカレ時と比べて成長したところはありますか

インカレのときはただ力で回していた感じがあったんですけど、今回の予選の時はしっかり一本で伸ばしていて出力が出ていると感じました。スタートを出してコンスタントで落とさないというところがインカレよりできていると思います。

——4年生であるペアの望月さんにとっては今回が最後の大会となります。やはりあすの決勝の目標は優勝ですか

はい、優勝ですね。望月さんはいままで(全日本選手権で)決勝にいったことがなくて、決勝に出てみたいと大会前のミーティングでおっしゃっていたので決勝に出られたことはすごいうれしいんですけど、ここまできたからには望月さんが1番になって輝けるように頑張っていきたいです。

——あすのレースはどのようなところがカギとなってくると思いますか

社会人は特にそうなのですがどの艇もスタートは早いので、中盤になったときにいかに落ちないで伸ばしていくかが課題ですね。後半に伸ばしていくのが持ち味なのですが、中盤をどうしても落としてしまうのでそこを落とさないようにしたいです。

——インカレ時で富山国際大に敗れてしまいましたが、あす当たるにあたってやはり意識はしているのでしょうか

意識してますね。いまの準決勝のタイムは富山国際大に数秒差で負けています。やはりインカレ後はあっちのほうも伸びてるし、こっちのほうも伸びているので相手にどれだけ近づけているのかが楽しみですね。

——最後にあすの決勝に向けての意気込みをお願いします

大学に入ってインカレを経験し、悔しい思いもたくさんしてきました。全日本までの2週間、全日本にむけてどうしたら強くなるのかを望月さんと二人でずっと話し合ってきたのですが、やっぱりつらい練習メニューもある中相方の4年生の先輩が支えになっていままで頑張ってこられたので、先輩のためにも1番輝いているメダルを獲りにいきたいと思います。