慶大を下し男子は3位入賞を果たす

日本拳法

 東日本大学選手権が開催された。男子は初戦で日大を圧倒するも、準決勝で中大に完敗を喫する。迎えた3位決定戦の相手は慶大。宿敵を5勝2敗で退け、3位入賞を果たす。西村世潤主将(文構4=大阪・桃山学院)は敢闘賞を受賞した。型の部では田中芳和(教1=山梨学院)が出場し、火流の型を披露。一方、女子は棄権となった。

型の部で出場した田中

 男子は1大学7人の団体戦となる今大会。初戦は日大との対戦となった。次鋒・金田空大副将(教3=大阪・明星)がわずか14秒で決着を付けるなど、終始危なげない戦いを見せる。7ー0で完勝を収め、準決勝に駒を進めた。準決勝は全国大学選抜選手権で敗れた中大との一戦。リベンジを期す対戦となったが、先鋒・駒形佳大(文4=埼玉・浦和)が開始5秒で一本を取られ中大のペースに。さらに投げ技から体勢を崩され、面突きを許してしまう。次鋒・能藤雅智(文3=東京・朋優学院)は積極的な攻めを見せるも、カウンターで面突きを立て続けに決められ敗戦。参鋒・押村星舟(政経4=東京・芝)も体格で上回る相手の投げ技に対応できず3連敗を喫した。0ー3と後がなくなった早大は中堅・西村が登場する。相手を抱え込む形で接近戦に持ち込むと、膝蹴りを胴に決めて一本を先取。幸先の良いスタートを切った西村だったが、その後は試合を決め切ることができない。すると残りおよそ30秒のところでカウンターから胴突きで一本を献上する。勝利が必要な西村はその後果敢に攻めを展開するも、そのまま引き分けた。参将・橋口翔平(人3=鹿児島中央)は抑え込みで一本を奪われるも、直後に胴蹴りを決めて1ー1に。その後は拮抗(きっこう)した展開となるが、胴蹴りで一本を取られ敗戦。副将・金田も一本は取るものの、勝利をつかむことはできない。大将・河口陽(教4=新潟第一)は残り1秒の場面で面突きを許し、6敗1分けで3位決定戦に臨むこととなった。

攻撃を仕掛ける河口

突きを狙う押村

一本を奪う能藤

 3位決定戦の相手は慶大。先鋒・松崎滉生(法3=東京・早大学院)は開始16秒で胴突きから一本を奪う。さらに相手の足を取るとすかさず胴蹴りを決めた。次鋒・河口も相手の攻めに冷静に対処しながら鋭い突きを繰り出し快勝。先鋒、次鋒の2人が早大に勢いをもたらす。参鋒・松木義一(文3=東京・西)は敗戦を喫するも、駒形が慶大に流れを渡さない。投げの打ち合いで勝って馬乗りの形になると、そのまま押さえ込んで一本。しかし、その後は押さえ込みから一本を返される。それでも駒形は見事な投げを決めると、そのまま胴突きで勝利を収めた。参将・橋口は攻撃で常に先手を取り、相手に反撃の隙を与えない。鋭い面突きを連続で決め、この時点で早大の勝利が確定した。副将・能藤は敗れたものの、大将・西村は膠着(こうちゃく)した試合展開の中で面突きから一本を奪う。その後は後がない相手の攻撃を冷静にいなして試合終了。5勝2敗で早慶戦に勝利した。

相手の隙をうかがう駒形

相手を抱え込む西村

攻撃の機会をうかがう橋口

表彰を受ける選手たち

 慶大を破り3位入賞を果たした早大。準決勝で再び中大に敗れたものの、善戦する試合展開も多く、春からの強化が印象的であった。しかし、全日本学生拳法選手権で勝ち上がるためには、中大は乗り越えなければならない壁であることも確かだ。集大成の大会まで残り2カ月を切った。大阪の地で躍動する早大の姿に期待したい。

(記事 矢彦沢壮真 写真 小川ゆりえ、帖佐梨帆)

結果

▽男子団体戦

2回戦

対日本大学 7勝

〇先鋒 河口陽

〇次鋒 金田空大副将

〇参鋒 松木義一

〇中堅 橋口翔平

〇参将 能藤雅智

〇副将 押村星舟

〇大将 西村世潤主将

 

準決勝

対中央大学 6敗1分

●先鋒 駒形佳大

●次鋒 能藤雅智

●参将 押村星舟

△中堅 西村世潤主将

●参将 橋口翔平

●副将 金田空大

●大将 河口陽

 

3位決定戦

対慶応大学 5勝2敗

〇先鋒 松崎滉生

〇次鋒 河口陽

●参将 松木義一

〇中堅 駒形佳大

〇参将 橋口翔平

●副将 能藤雅智

〇大将 西村世潤主将

コメント

西村世潤主将(文構4=大阪・桃山学院))

―― 東日本大学選手権を3位で終えました。3位という結果をどのように振り返りますか

 春のリーグ戦(東日本大学リーグ戦)、 夏の選抜(全国大学選抜選手権)と続いて、この大会も打倒中央を掲げていたんですけども、結局それを果たすことができなくて。特に自分は中堅で3対0で回ってきて、ここを取り切ったら逆転の目処が立つっていう場面で相手に引き分けてしまい、巻き返す勢いを持ってくることができませんでした。それは主将として、チームのメンバーとして反省すべき点だなと考えています。

―― 3試合で見えたチームの良かった部分と課題を教えてください

 良かった部分は1回戦であったり、格下の相手に時間を使わずすぐ倒せたっていうことが結構でかいのかなと思っています。いわゆる実力差は相手によってはつけてきていると思いました。 悪かった点に関してチーム全体に共通して言えることは、時間の使い方がまだ甘いなと明治対中央の試合(決勝戦)を見て感じます。負けてしまう時に時間もなく負けてしまうっていう場面が多かったので、そういうタイムマネジメントっていうのを意識して、最後の府立(全日本学生拳法選手権)までにやっていく必要があるのかなと感じました。

―― 3位決定戦は早慶戦となりました。試合前にどんなことをチームとしてお話しされましたか

 1回戦のように瞬殺しにいく必要はないと言うようにはしていました。拮抗(きっこう)していると言ったら(きっこう)している相手なので、全力を尽くすっていう意味で、早めに仕留めにいかないでいいよっていうのは伝えましたね。

―― 個人としては2勝1分けという結果でした。個人として試合を振り返っていかがですか

 自分が勝った慶応戦と日大戦に関しては特に言うことがないんですけども、やっぱり一番大事な試合であった中央戦です。正直勝たないと駄目な相手、勝たないと駄目な場面で引き分けてしまったっていうところに対して、すごく申し訳なさを感じていますね。

―― 11月には全日本学生拳法選手権が控えています。これからの試合に向けて意気込みをお願いします

 僕たち4年生がチームで過ごせるっていうのがもう1カ月ちょっとになっています。戦力として全力で尽くすっていうのももちろんですし、チームを盛り上げて、メンバーが楽しく1カ月半過ごせるようにしたいなと思います。引退する時には悔いのないやり切った状態で引退したいなと思っています。

橋口翔平(人3=鹿児島・鹿児島中央)

――3位に入りました。率直な感想を教えてください

毎回3位なので、それを打ち破ろうというのが今回の目標でした。ですが、また中央に大敗してしまったので、うれしいというより悔しいという気持ちの方が強いです。

――チームとして今大会を振り返ってみて、いかかですか

夏休みから夏合宿で基礎練習を固めてきました。いろいろ応用して今回の大会だったので、そういった意味では今回の試合はみんなの練習の成果を出せた大会だったのではないかと思います。

――個人としては2勝1敗でした。ご自身の試合を振り返っていかがでしたか

負けた相手はすごく格上だったのですが、一本取っていけると思いました。そこで勝ちきれず練習不足だなと思ったので、これからもっと練習を積んでいこうと思っています。

――個人として、チームとして、今後への意気込みをお願いします

府立(全日本学生拳法選手大会)ではベスト4が目標になっているので、その目標を達成できるような練習をこれからしていきたいと思います。