新戦力と共に準優勝をつかみとる

日本拳法

 10月3日に日本拳法第32回東日本大学選手権大会が日本大学文理学部百周年記念館で行われた。 防具の部団体戦が午後に行われ、勝利を目指して選手たちは健闘した。

 防具の部団体戦では、一試合に5名が出場し、3勝もしくは相手より多く勝利すれば次の試合に出場することができる。 先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順に試合が進み、どちらかのチームの勝利が確定しても大将戦まで行われる。

 早稲田の初戦の相手は慶応義塾大学。 早くも日本拳法での早慶戦が実現し、お互いにとって負けられない試合になった。 先鋒戦に出場したのは矢原寛人(人3=熊本・宇土)。 序盤から果敢に攻め込み、相手を場外へと追い込む展開が続いた。 相手を追い込んだところで、胴を突き一本を獲得した。 中盤には相手も積極的に攻撃するようになり、一本を取られる。 もみ合いになる場面もあり、互角の戦いとなった。 タイムアップとなり、引き分けに終わった。 次鋒戦では来代進(国教4=千葉・渋谷教育幕張)が出場。 開始10秒も経たないうちに、胴突き蹴りで一本を獲得した。 その後も蹴りを繰り返し、相手を追い詰めていく。 最後は相手を抑えて、面膝で一本。 4年生としての意地を見せた。 中堅戦では太田翔一朗(先理4=愛知・海陽中教高)が出場した。 序盤はにらみ合い、お互いに攻撃を繰り返した。 その中で太田は大きく動き回り、相手の隙を見逃さず、面突きを繰り出し、一本を獲得した。 また、二本目も同様の面突きで獲得し、勝利した。 勝てば準決勝進出が決まる副将戦には駒形佳大(文2=埼玉・浦和)が挑んだ。 序盤から攻めていたが、カウンターで一本を取られてしまう。 その後は足のリーチを生かして、蹴りを織り交ぜた攻撃を繰り返したが、相手の胴突きにより二本目を奪われ、副将戦は慶応が勝利した。 大将戦には杉井政樹(スポ3=関大高)が出場。 序盤では硬直状態が続き、相手の攻撃で腰を痛め一時中断するシーンもあった。 しかし、大将として落ち着いた動きを見せ、相手の胴に右手で突き、一本を取った。 後がなくなった相手は果敢に攻め込み、一時は追い込まれたものの、杉井は右手を相手の面に打ち込み一本を獲得し、チームの勝利に貢献した。 3勝1分け1敗で早稲田が勝利し、準決勝進出が決まった。

 準決勝では立正大学を下してきた立教大学と対戦した。 勝てば決勝進出の大一番のため、何としてでも早稲田は勝ちを手にしたい。 駒形が先鋒として出場。 開始直後にお互いに速攻を仕掛けるが、相手の胴突きの方が少し早く、一本を取られる展開に。 しかし、駒形は諦めることなく攻撃を続け、華麗な回し蹴りで一本を取り返す。 最後は、もみ合いになった際に、相手を倒して、抑え込み面突きで二本目を獲得。 見事逆転勝利で先鋒戦を制した。 試合開始直後に胴突きで一本を取った次鋒の杉井。 その後も突きで面や胴を狙い、相手の隙をうかがった。 杉井の攻勢は弱まることなく、相手を攻め立てた。 相手の気が緩んだのを見逃さず、気迫のこもった面突きでストレート勝ちを飾った。 中堅として押村星舟(政経2=東京・芝)が出場。 最初から積極的に攻撃し、一本への意欲を見せた。 胴突きで一本を獲得したものの、相手もひるむことなく防御と攻撃を繰り返した。 残り9秒で面突き一本を取られ、引き分けになりそうになるものの、すぐに立て直し残り2秒で胴突きで一本をもぎ取る。 3連勝により、早稲田の決勝進出が決定した。 副将戦には西村世潤(文構2=大阪・明星)が出場。 胴突きをする中で相手に抱え込まれる場面があったものの、相手への警告を誘い一本を獲得。 その後は追い込まれる展開が続いたものの、相手の隙を見てカウンターで面突き一発。 二本目を獲得し、勝利した。 大将戦には1回戦で次鋒として出場した来代が出場。 面への突きを繰り返し、相手をけん制していたが、場外ギリギリに追いやられ、相手の面突きにより、一本を奪われる。 その後も挑み続けていたが、蹴りを入れた際に足をつかまれ、抑え面突きで二本目を取られてしまう。 大将戦の軍配は立教に上がった。 4勝1敗で試合は早稲田の勝利、決勝戦進出が決まった。

 決勝戦の相手は明治大学。 無類の強さで他を圧倒し、勝ち上がってきた。 早稲田はチャレンジャーとして、明治大学に戦いを挑んだ。 先鋒戦では矢原が出場。 開始直後に相手の面突きで一本を取られる。 その後も攻め込む隙を与えられず、最後は相手の胴突きで二本目を取られ先鋒戦は無念の敗退。 次鋒の押村は相手の胴突きで一本を取られたのちに、相手に倒され抑え面突きで二本目。 先鋒戦と引き続き明治の強さを見せつけられた。 中堅として登場した河口は面突きで二本取られた。 3連敗を喫したため、明治大学の優勝が確定した。 副将には太田が出場。 最初は硬直状態が続き、相手は蹴りや突きを多用し、攻撃の糸口を見つけようとしていた。 胴突きで一本を取られたのち、相手の勢いに押されながらも、太田は攻撃を繰り返した。 しかし、隙を疲れて、面突きで二本目を奪われた。 大将戦には杉井が出場。 序盤より相手に追い込まれる展開が続き、胴突きで一本目を取られる。 最後は抑え込み面膝蹴りにより、二本目を取られた。

最終的には5-0と明治の圧勝となり、明治との差を見せつけられた。 主将の太田は全日本学生拳法選手権大会に向けて、残り1ヵ月半でトップに上り詰められるように練習やチーム作りに取り組みたいと意気込んだ。

(記事 湯口賢人)

結果

▽防具の部 男子団体戦

 

1回戦

△矢原寛人

〇来代進

〇太田翔一朗

●駒形佳大

〇杉井政樹

 

準決勝

対立教大学

〇駒形佳大

〇杉井政樹

〇押村星舟

〇西村世潤

●来代進

 

決勝戦

対明治大学

●矢原寛人

●押村星舟

●河口陽

●太田翔一朗

●杉井政樹

 

コメント

押村星舟(政経2=芝)

――今日、デビューできて喜びがあるのではないでしょうか

そうですね。

――これから大会に出場する機会が多くなりますが、そこに対する意気込みをお願いします

今日初めて出場して、こんな感じなのかというのが分かりました。良くも悪くも、楽しさや悔しさも初めて知ることができたので、楽しみな気持ちが大きいですね。

――今日の大会でどのような目標を掲げていましたか

直前までメンバーがわからなかったんですよ。ですが、決勝戦までは自分が試合に出たら勝とうと思っていました。決勝戦では相手から一本取ることを意識していました。

――その中で団体戦準優勝という結果をどのように受け止めていますか

うれしい気持ちが大きいです。決勝では5対0で負けてしまったので悔しい気持ちもあります。

――今大会で感じた課題はありますか

一人ひとりが相手から一本を取る基本の練習をたくさんして、精度を高めないと絶対勝てないなと思いました。

――次回以降の大会での目標を教えてください

試合でも硬くならずに、今日で自分の悪い点がいくつか見えました。そこをどう補い、弱点を無くす練習をして、試合に臨みたいと思います。

太田翔一朗(先理4=愛知・海陽中教高)

――決勝の明治大学戦をどのように振り返りますか

チームとして力の差をまざまざと見せつけられて、圧倒されました。これから残り一ヵ月半、明治との差を埋めるために頑張っていきたいです。

――今大会ではチームとしてどのような目標を掲げていましたか

当初は中央大学が出てくる予定で、チームとしては中央大学に勝つという目標でした。しかし、中央大学が棄権をしたので、目標を切り替えて、明治から一本ずつ取るという目標を立てました。

――太田さん個人としてどのような目標を掲げていましたか

僕は出た試合は全て勝ち、明治にも一本以上取りたいと思っていました。

――準優勝という結果をどのように受け止めますか

府立(全日本学生拳法選手権)までの通過点なので、特に達成感とかはありません。とりあえず決勝までたどり着くことができたので、チームとして勝ち上がれた部分は評価するべきところじゃないかなと思っています。

――今大会で見つけた課題を教えてください

まだ、ビデオを見ていないので、これから見て課題を洗い出し、練習に落とし込んでいきたいです。強いて言うなら、前に行く姿勢がチーム全体にもっとあった方が良いのではないのかなと思います。

――今日の大会で主将としてどのような役割を担えましたか

今大会で初めて試合に出る人や2年生とか低学年の子が出ていたので、なるべくそういう子たちの緊張を解けるように立ち振る舞えればいいなと思っていました。他にもマネジャーやトレーナーなど、初めての試合を経験する子がいたので、その子たちがうまく仕事ができるようにフォローしようとしました。

――デビュー戦を終えた後輩に一言お願いします

負けた選手がいたとしたら、考えすぎることなく、勝った選手にはポジティブに受け取って次に進んでほしいなと思っています。

――府立に向けてどのようにチーム作りを行っていきますか

あと一ヵ月半という中で、この大会で一番強い明治とやることができたので、トップまでの差やトップに上り詰めるためにはどのような課題があるかがたくさん出てきそうな感じがします。そこで課題を埋められるような練習や練習後の過ごし方を考えていけたらいいなと思います。

――次の大会である全日本学生個人選手権での目標を教えてください

個人としては2勝以上したいと思っています。