新戦力の躍動。未来の日本拳法部への期待が高まる

日本拳法

 東京武道館にて1,2年生の3段未満の選手のみが出場資格を持つ大会、新人戦が開催された。早大から出場したのは2年生2人と、1年生3人。全員大学から日本拳法を始めた選手だ。さらに1年生は2人が初の団体戦となる、期待の新人たちの戦いぶりに注目が集まる試合となった。

相手を押さえ込む矢原

 今大会は制限時間が2分の二本先取である。早大は2回戦からのスタートで、日大との対戦となった。先鋒で出場したのは矢原寛人(人1=熊本・宇土)。前回の東日本大学選手権では出場こそしたものの不戦勝となったため、実質初の試合となった。格上の相手に対し開始すぐに相手を押さえ込み、そのまま面を突いて一本を取った。その後も何度か相手を押さえ込むことには成功したものの、相手の抵抗が激しく一本にはたどり着かない。試合開始から一分、矢原が相手を押さえ込んでいたが、相手が矢原を勢いよくひっくり返し逆に押さえ込まれる形となってしまう。そのまま胴を突かれ一本。そのままお互い一本を譲らぬまま二分が過ぎ、引き分けとなった。次鋒は勝田旭(法1=東京・早実)が選ばれた。しかし体格の大きい相手に苦戦する。開始15秒で押さえ込まれてしまい一本、さらにその約10秒後にも面突きを食らい一本を献上してしまう。「相手との体格差に押されてしまった」と語った通り押され気味の展開となってしまった。続く中堅には福留尚典(人2=静岡・浜松南)。前回大会の時には新人戦に向けて上級生としての意気込みを語っていた福留だったが、試合が始まると格下相手に攻撃が決まらないまま時間だけが過ぎてゆく。試合が動いたのは残り20秒の時、不意に相手の突きが面に入ってしまう。これが決め手となり苦杯を喫することになった。

 未だ1勝もしておらず後がない早大。副将で出場したのはもう1人の上級生、太田翔一朗(先理2=愛知・海陽中等教育学校)。試合開始から攻めの姿勢で挑み、残り1分18秒の時に胴突きをお見舞し一本を奪取、さらに残り20秒ほどのところで押さえ込み胴を突いて一本。チーム最上級性としての意地を見せ1勝をあげた。大将として出場したのは髙橋真央(人1=東京・工学院大付)。チーム内では唯一まだ無級である選手だったがそんなことは思わせない戦いぶりで、開始10秒で相手の胴を蹴りこみ一本を獲得した。しかし1級と格上である相手にやはり苦戦を強いられる。相手の勢いに押され場外に出てしまいこれが反則として注意されると、その後相手の面突きを食らってしまい1対1となる。髙橋も攻撃の手は緩めず進んで相手に挑んでいたが、胴を狙った蹴りが防具着装外の股間部にあたってしまい、これが再び反則に当たってしまう。これによって相手に一本が入ったことになり試合が終了。2回戦で敗退という悔しい結果となった。

太田は今大会で唯一勝利を挙げた

 早大はおととしの新人戦では優勝していたということもあり、結果だけ見れば決して満足できるものではないのは確かだ。しかし相手に果敢に挑んでいった下級生たちの姿には、上級生たちも成長を感じ取ることができたであろう。そして何より新人たち自身も、今後への課題などを得ることのできたいい機会となったはずだ。未来の早大日本拳法部に寄与するであろう拳士たちの活躍には今後も目が離せない。

(記事、写真 鈴木隆太郎)

※掲載が遅れてしまい大変申し訳ございません。

※日本拳法では防具着装以外の部分への故意の加撃や、場外である方円線の外に出ることなどは反則に当たる。反則一回につき注意を一回受け、注意が二回で警告となる。警告となると一点減点となる。

結果

▽男子団体戦

2回戦 対日大 1勝3敗1分

先鋒 △矢原寛人(人1=熊本・宇土)

次鋒 ●勝田旭(法1=東京・早実)

中堅 ●福留尚典(人2=静岡・浜松南)

副将 〇太田翔一朗(先理2=愛知・海陽中等教育学校)

大将 ●髙橋真央(人1=東京・工学院大付)

コメント

勝田旭(法1=東京・早実)

――初の公式戦となりましたがいかがでしたでしょうか。

緊張しました。本当にそれだけですね。

――0対2という結果となりましたがそれについてはいかがでしょうか

自分は身長が低くて大体の相手は大きいことはわかってましたが、今回は相手との対格差に押されてしまったので、対策してきたことが活かせず残念でした。

――1、2年生だけのチームでしたが雰囲気はいかがでしたか

2人の先輩とも話しやすくて、雰囲気としてはとても良いチームでした。

――今大会で得られた収穫や見つけた課題などはありますか

自分より大きい相手とどう戦うかというのは今後ずっと付きまとう問題だと感じます。今日はいい突きも入っていたと思うのでそれ中心に練習していきたいです。

――今後に向けて一言お願いします

一年生という立場に甘えず先輩方についていけるように頑張ります。

髙橋真央(人1=東京・工学院大付)

――初の公式戦となりましたがいかがでしたでしょうか

怖かったです。何をやっていたかあまり記憶にないです(笑)。

――今回は1対2で負けてしまいましたが、その結果についてどうお考えでしょうか

残念でした。ですが課題は見つかったのでこれからまた頑張っていこうと思います。

――その課題というのは

蹴りに頼らずに、基本的な技を使えるようにしたいと思います。逆に今回は蹴りしかできなかったので。

――大将戦を任されましたが、それに対してのプレッシャーなどは感じましたか

いえ、全然感じなかったです。仲間というかチームを信頼していたので大丈夫だろうと。

――今後に向けて一言お願いします。

これからも頑張って、次勝とうと思います。

矢原寛人(人1=熊本・宇土)

――初の公式戦となりましたがいかがだったでしょうか

初めての試合で緊張して硬くなりました。

――1対1の引き分けという結果はどのようにお考えでしょうか

まだ取れるところがあったと思うので、次の試合ではもっと一本を取れるように頑張りたいです。

――押さえ込みをする場面が多くみられました

相手が組んできたのでそのまま切り返した感じで、特に狙っていたわけではないですね。

――今後に向けて一言お願いします

立ちの技でも勝負できるように頑張っていきたいです。